第2回 丸亀マラソン大会

〜 寒風引き裂くF川の力走 〜


(今回は久しぶりにF川選手も出るよー。良い子のお友達は最後まで読んでねー)

全国400万人の四電ペンギンズ・サポーターの皆様、お久しぶりです。
去る
1998年1月25日(日)恒例の第2回丸亀ハーフマラソン大会が大阪国際女子マラソンの向こうを張って開催されました。(たった2回目で何が恒例や?)
前々回の塩江マラソンの時は、走り終えたその足で新潟まで出張に行き、前回の小豆島タートルマラソンの時は、同じく走り終えたその足で京都まで出張に行ったのだけど、今回は前日まで伊方に出張に行ってました。マラソン大会の前後には出張が多いなあ。

この丸亀ハーフマラソン大会は、一昨年までは香川ロードレース大会という地味なレースの中の20kmコースだったのが、昨年、丸亀城築城400周年を記念してハーフマラソン大会に格上げされたのでした。距離はたかだか1kmちょっと長くなっただけなのに集客力は段違いで、それまでは数十人しか出てなかったのに、今年は千人近い人が参加してました。

コースは四国随一と言われる新しい香川県営競技場
の隣の古い市営ボロ競技場からスタートして、丸亀城の周りを走ったりしながら市内を駆けめぐる、なかなか楽しいコースです。
(幹事長)「しかし、せっかくやのに、なんで新しい競技場からスタートさせてくれんのや。
     わしらを信用してないな。野グソなんかせえへんのに」
(F川)「僕なんか、ロペスや中田が立ったフィールドに自分も立てるのかとワクワクしてたんっすよ」

      (注:新しい競技場では昨年Jリーグの試合がありました)

後で聞くと、丸亀市が主催の大会なので、県営じゃなくて市営の競技場を使ったということでした。しょーもない縄張り争いをすなっ!

コースは坂が無い代わりに、制限時間が2時間と、僕らのレベルではプレッシャーのかかる大会です。途中で遅い人は回収されてしまいます(わしらは廃品か)。だから、今年はもう出ないつもりだったのに、F川選手が
「けけっ?幹事長、出ないんですかあ?弱虫やなあ」なんてバカにするもんだから、締め切りを過ぎてから強引に事務局へねじ込んで、無理矢理参加したのでした。F川選手はあの山岳マラソン塩江大会で好タイムを出して以来、天狗さんになっているのでした。いまいましい奴め。

去年は、私らから見ると雲の上の神様であるプロ集団「四国電力陸上競技部」から招待選手が何人か出てたけど、今年は彼らの代わりに私ら四電ペンギンズが招待されました。と言うのはウソだけど、今年はF川選手の他にも光高選手、竹葉選手、増田選手、それに鈴木先生などがエントリーしてました。しかし大酒飲みの竹葉選手は、膝の調子が悪いと言って、せっかくエントリーしてたのに休場してしまいました。本当は酒の飲み過ぎだと思うんだけどな。

前日はものすごい寒さで、出張先の伊方地方は雪が降り、香川県地方も肌を切り裂くような寒風が吹き荒れ体がコチンコチンに凍りつき(ちと大袈裟)、もうサボっちゃおうかなあって思ってたけど、当日は少しマシになり、風も少なくなり、なんとか走ろうかと言う勇気が湧いてきました。それにしても、マラソン大会の時はいつもとっても良い天気。

(F川)「幹事長、目標タイムはなんぼですか?」
(幹事長)「わしは去年、ゴールを勘違いして制限時間を10秒遅れてしもたから、
     今年はなんとしても制限時間以内に帰ってこよっと」
(古K)「制限時間を超えたらどうなるんですか?」
(幹事長)「ま、回収やな」
(F川)「げげっ、それ、きついやないですかあ」
(幹事長)「せやから、止めとけ言うのにお前が出るからわしも出たんやがな。
     ま、わしは去年出とるからコースも熟知しとるし、問題無いけど、初めてやと、きついやろなあ」
(古K)「ひぇ〜、プレッシャーやなあ」
知らない者を脅かすのはとても楽しい。
(幹事長)「せやけど、お前、塩江のタイムはなんぼやったっけ?」
(F川)「えと、2時間2分くらいでした」
(幹事長)「ほやったら坂の無いこのコースなら1時間40分は軽いで」
(古K)「えっ、そうですか?やった!これで一躍四電ペンギンズのエースランナーですね!」

ほんまに立ち直りの早い奴め。

いよいよ、スタート。先日の雨のためか、トラックがぬかるんで泥の海と化している。これやからボロ競技場は嫌やと言うに。主催者側はしつこく「トラックの中を走ってください」って叫んでいるけど、足が泥まみれになるし、滑って危ないので、みんな横の芝生の上を走るため、狭くてろくに走れない状態。これを見た古川選手は「おっ、ラッキー」とばかり、誰も居ないトラックをばしゃばしゃと一人走り抜けていったのでした。ええ根性してますなあ。

僕は昨年、前半にオーバーペースになって後半バテバテになったので、今年は無理をせず、最初は余裕をもって走る。それでも最初の5km地点でのタイムを見ると、まあまあのペース。なかなか出だし快調。

今年は去年からコースが変更となり、コースを間違う選手が続出する。あまりの不手際に混乱となり、事務局に怒鳴り込んでるおっさんもいました。こななレースで、そないにムキにならんでもええのにね。まあ、間違ったのは先頭集団の人ばかりで、後からぞろぞろ着いていく僕らに関係は無いけど。

相変わらずゆっくり目のペースで淡々と走っていると、まだ大して走らないうちに光高選手の後ろ姿が見える。あれえ?塩江では10分以上の差をつけられたのに、なんでこななとこでモタモタしとるんや。さては分厚いトレパンが暑すぎて足が動かんのかいな。せやから短パンにせえと言うたのに。
(幹事長)「おう!」
(光高)「おっ?おう」

と暖かい言葉を掛け合って励まし合い、冷たく抜いていくのでした。

優勝候補のドーレ選手をかわして余裕の表情でゴールする筆者

沿道ではどこも近所の人たちがいっぱい出て声援を送ってくれ、とっても励みになります。子供達に手を振ると、一斉に歓声が沸き起こるし。でも、たまに「お前、遅いぞー」とか叫ぶおっさんがいて、ランナーが一斉にずっこけるのでした。ゴール間近でペースが落ちかけたところでは、おばちゃんに「兄ちゃん、がんばらんかな!」なんて叱られてしまったけど、これはすごく励みになり、一気に元気が回復しました。

途中、交通整理をしてる係りの人で変なおっさんがいて、最後の人が通過してから走り始め、どんどん抜いて行くんだけど、抜いていきながら「はいっ、あんた後ろから何番!」って声を掛けていく。思わず力が抜けてしまう。あのおっさんは一体なんじゃ?あんなん野放しにすなっ!

なんとかゴールすると、既にゴールしていたF川選手が例によって近づいてくる。
(F川)「幹事長、相変わらず遅いなあ。僕なんか待ちくたびれて、汗流しにサウナに行って、
     風呂上がりのビール飲んで、カラオケ行って、悪魔の花園で一発かましてきたところですよ」
(幹事長)「お前、正月ボケが抜けとらんぞ」


しかし、F川選手は、なーんと1時間46分の驚異の記録を打ち立ててしまった。これはすごい!本当にペンギンズのエースランナーになってしまった(それがどうした)。走る度にタイムが20分づつ早くなっていく。いくら本当は人間と違うとは言え、この男の底力って、ほんとに信じられない。

(幹事長)「しかし、お前も途中苦しそうやったけど、後半にまた盛り返したなあ」
(F川)「いやあ、丸亀城から遠く離れたあたりが一番苦しかったけど、
     お城が近づいてくると、また元気が出てきましたよ」
(幹事長)「丸亀城を焦点とする楕円軌道上を走るお前が一定時間に切り取る楕円面積は常に一定なんじゃ」
(古K)「・・・、何ですか、それ?」
(幹事長)「かの有名なケプラーの面積速度一定の法則じゃ」
(F川)「ケプラーゆうたらあれですか、名前書いて貼るテープ・・・」
(幹事長)「そらテプラーやがな」


そうこうしてると、鈴木先生がうどんを2杯も抱えて小走りに。2杯も一気食いとは食い意地の・・・。いやいや、もう1杯はたぶん奥さんの分でしょう。
(幹事長)「鈴木せんせ〜い、どうでしたあ?」
(鈴木)「いかん、いかんわあ。塩江なんかと違うて坂が無いからもっと早いと思とったのに、
     えらい遅かったわあ」

なんて言ってるけど、僕らよりはすごく早い。お人柄ですねえ。でも、僕らは塩江山岳マラソンと比べて20分は早いのに、鈴木先生はほとんど変わらない。坂があっても無くても安定した、無重力走行の不思議なお方です。

さて、いよいよメインイベントのうどん。
(幹事長)「さあ、うどんくおで、うどん!」
(古K)「私らうどん食べる元気なんて無いですわ。幹事長、いつもよう食べれますねえ。
     うどん食べるために体力温存しとんのとちゃいますか?もっと真剣に力を出し切って下さいよ」
(幹事長)「こらこらF川よ、お前は一体なんのために走っとんのや。
     走り終わってうどんを食べんやなんて本末転倒やないか」
(F川)「ゲロゲロ。私のうどん券あげますわ」
(幹事長)「おっ、そうかあ。ラッキーっ」
冷静に吟味すると、本店の地下食に匹敵する味のうどんなんだけど、体も冷えてきて、暖かいうどんがとても美味しく感じられる。2杯連続で食べたあと、まだ物足りず、現金(100円)出して3杯目も食べました。

と言うことで、うどんも美味しくいただいたし、軽く走った割には、まあまあ満足いくタイムだったし、「これなら来年も出よっと」と思いました。めでたしめでたし。

(一部、演出効果のため、虚偽会話および偽造写真が出てきたことをお断りします)


〜おしまい〜




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