第5回 塩江温泉アドベンチャーマラソン大会

〜 しおのえ秘湯物語 〜


全国30人の四電ペンギンズ・ファンクラブの皆様、お待たせしました。
去る
1999年10月31日(日)第5回塩江温泉アドベンチャーマラソン全国大会が開催されました。
(F川)「今回は掲載が早いですね」
(幹事長)「実は11日から長期出張で、帰ってくるのは月末なんよ」
(F川)「やれば出来るじゃないですか」
(幹事長)
でも、ぶっつけだから、今回はあんまり面白いネタが無いんよ
(F川)「字がこんまいですよ」


今回の出場選手ですが、四電ペンギンズは抜群の団結力とチームワークが持ち味で、レース当日にならないと、他に誰が出場しているかすら知らない軍団である。
(F川)「そんなんやから会社から部費がもらえんのですよ」
受付を済ませて、誰かおらんかなあと探していると、まず宮武選手が見つかる。春のオリーブマラソン以来のレースである。
(宮武)「いかんのですわ。昨日、ゴルフやったんですわあ」
(幹事長)「オリーブマラソンの時も前日がゴルフやったなあ」
(宮武)「足がつりそうですわ」

ふむふむ。今回も宮武選手には勝ったぞ。
パンフレットを探すと、四電ペンギンズからは、かなりの選手が出ている。最近はF川選手が取りまとめて受付をしてくれているので、ゼッケン番号が並んでいる。ハーフマラソンでは私と宮武選手のほか、F川選手、光高選手、宮岡選手、増田選手、竹葉選手が並んでいる。さらに少し離れて藤塚さんも。もちろん、ペンギンズ部長である隅田隊長もいらっしゃいますが、お歳の関係で別のページに。
それから、遠いところへ行ってしまった鈴木先生が久しぶりに復活です。
(幹事長)「お元気ですか!」
(鈴木)「いやあ、最近、練習量が減って、調子もいまいちなんや」
(幹事長)「レースには出てるんですか?」
(鈴木)「ま、ぼちぼちやな。来週も地元であるけど。
     実は先週もあったんやけど、申し込みしたまま、忘れとった」

鈴木さん。それって、出過ぎとちゃいますか。

そのほか10kmの部では福家さんや、屋島一周マラソンで10数年ぶりの復活を飾ったS国総研の佐伯さんと、さらには杉原・・・、ん、誰や、これ?
(幹事長)「杉原って誰やろう?」
(宮武)「誰か、勝手に四電ペンギンズの名前をかたってるんじゃないですか?」
(幹事長)「飲み屋で人の名刺でツケにするような奴やな!」
(F川)「そんな人おるわけないでしょ。私が誘ったんですがな」

ということで、F川選手の同僚の杉原選手が初登場です。

と、ここで、いきなり四国電力のタートル男、亀山選手が登場。
(幹事長)「あれ?出とったんかいな。名前が見当たらんかったけど」
(亀山)「わしは四電ペンギンズとちゃうきんね」

亀ちゃんは今だにチーム名を嫌がり、無所属で出ていました。許せん。
しかし、合計14人も出場というのは、300年の歴史を誇る四電ペンギンズ史上、最多ではないかしら。
(幹事長)「こんなに大勢出ているんやから、アステルののぼりでも付けて走ったら、
     すごい宣伝になるぞ」
(宮武)「みんなで通話しながら走ったら効果抜群ですよ」
(F川)「こなな山の中では電波が入りませんよ」
(幹事長)「そんなん、見てる人には分からへんって」

アステルさん。広告宣伝費くらい出ませんか?


ところで、ここで福家さんより鋭い指摘。
(福家)「四電ペンギンズが四国ペンギンズになっとるがな」
なんとなーっ!? 気づかなかった。自分で手続きした福家さんと鈴木先生はちゃんと「四電」になっているのに、F川が手続きした他のメンバーは全員「四国」になっている。
(幹事長)「おい、これは、どういうことや?えっ?」
(F川)「い、いや、私は何も、あの、その・・・」
(亀山)「せやから僕はその名前は嫌いやっちゅうに」

ま、ほとんどの人にはどうでもええ事ですけどね。

この記念すべき大会に唯一出ていなかったレギュラーメンバーは中山選手(元ダイエー)です。春のオリーブマラソンで地獄を見た中山選手(元ダイエー)は、きつい塩江マラソンはパスしたのでした。去年はビリから5番目の悲惨な戦いだったもんな。でも、先月の屋島一周マラソンで快調な走りを見せて復活していたのに、惜しいことです。

さてさて、今年は
松野明美がゲスト。開会式が始まっても知らん顔をしていたランナー達だが、松野明美が壇上に上がると、急にぞろぞろ集まってくる。背はこんまいけど、華やかな雰囲気。すっかりタレントですね。3年前に来たヨレヨレの宇佐美選手とは大違いです。「このレースは坂の多い大変なコースですが、これを完走すれば大きな自信になりますねっ!」なんて言っている。
(F川)「松野明美もハーフは走りますよね」
(幹事長)「あいつは、今さら自信を付ける必要もないから、
     10kmでお茶を濁すんと違うか?」
(増田)「10時半スタートなのに、12時にはトークショーとサイン会ですからね」

ふうむ。1時間半しかない。私らには厳しい時間設定。

この塩江マラソンは、四国のアンデスと呼ばれる塩江の山岳地帯を一気に駆け登り駆け下りるという、むちゃくちゃなマラソンです。第1回、2回のコースは一昨年の台風で崩壊し、第3回、4回は別のコースを走りましたが、今年は当初のコースがやっと復旧しました。第2回は、私は余りの急なコースに怖じ気づき、坂の少ない10kmコースに出ました。その後、F川選手から、10kmコースに出たことをバカにされたのでハーフマラソンに変えましたが、このコースは初めてなのでした。
(F川)「今年のコースはきついですよう」
(幹事長)「お前、おどかしとんのか?」
(F川)「前半12kmはひたすら登りで、後半9kmは一気に下りですからね」


開会式が終わり、バスに乗って、スタート地点である四国ハニーっていう名前の怪しい工場に移動する。F川選手は相変わらず「ど根性ガエル」のTシャツを着ている。
(幹事長)「お前ほんまにそれしか持ってないなあ」
(F川)「これは大切なトレードマークですがな。
     幹事長こそ、相変わらずパジャマみたいな格好ですね」
(幹事長)「後ろから見ても、すぐ僕やと分かるやろ」
(増田)「宮岡さんの帽子、いつもと色が違うような・・・」
(宮岡)「同じ模様だけど、色違いを揃えてますからね」

みんな、自己主張が強いのでありました。
(藤塚)「それより、早くユニホーム作ろうよ」

竹葉選手が、またまた妙なものを腕に付けている。
(竹葉)「これ心拍数計測器付き腕時計ですよ。走りながら心拍数が分かるんですよ」
それが一体どうした。
宮岡選手はひたすら怪しい薬を足に塗りたくっている。
(宮岡)「これを塗っておくと、筋肉が疲労した時に熱くなるんですよ」
分かったけど、それが一体どうした?

(F川)「僕、新しい発見をしましたよ。最近、幹事長の記事に、
     僕は最初しか登場しないんですよ。途中からいなくなってしまう」
(幹事長)「ふむ。それは何故だろう?ワトソン君」
(F川)「幹事長は、自分が抜いた選手は、後のフォローが無いんですよ」

そうか。最近、調子を崩しているF川選手は、レース序盤で無理して早々に落ちこぼれていくから、途中から登場しなくなっているのか。
(F川)「今日は最後まで勝負に絡みますからね」
そこまでして、こななアホな記事に出たいのか、F川!

最近、抜きつ抜かれつの好ライバルとなっている中山選手(元ダイエー)がいないと目標が設定しにくく、今日は完走以外に何の目標も無い。そのため、非常に気楽なスタート前の心境。とは言え、やはりペンギンズの中でビリは嫌なので、F川には勝ちたいな、と思う。最近のF川はほんとに遅いからな。
(F川)「かつては走るたびに20分くらい短縮していたのになあ」
(幹事長)「最近は走るたびに20分くらいづつ遅くなってるもんなあ」
(増田)「むちゃくちゃな変動ですね」

増田選手は山岳コースでも平坦コースでもタイムが変わらない無重力走法のランナーなので、今回は強敵である。

いよいよスタート前になり、隅田隊長や鈴木先生や竹葉選手ら皇帝ペンギン族は前の方へ移動するが、我々奴隷ペンギン族は後ろの方でダラダラ固まる。スタートしても、いきなり上り坂が続くので、誰もペースを上げようとはしない。かなり遅いペースではあるけど、我慢我慢。ふと横を見ると宮武選手が快調に飛ばしている。
そのまましばらく行くと、宮岡選手の良く目立つ黄色の帽子が前から近づいてくる。このままだと抜いてしまう。調子が良かった前回の屋島一周マラソンの時でも勝てなかった宮岡選手を抜くなんて、明らかにオーバーペースのはず。しかし、どう考えても遅い。もしかしたら、何か企んでいるのかもしれない。すると、なんと大胆にも、デビュー1年目の宮武選手が何も考えず宮岡選手を抜き去ってしまう。いくらなんでも宮武選手に遅れを取っては明るい未来はないので、仕方なく一緒に宮岡選手を抜いてしまう。
しばらく行くと、今度は増田選手が見えてくる。増田選手は前回、勝った実績があるから、今日もあわよくば勝ちたい。ちょうどそこに第一給水所が現れるが、飲み物の準備が不手際で、選手がいっぱいたまっている。その混乱をついて素早く増田選手を抜き去る。かなり順位を上げて喜んだけど、すぐにあっさり増田選手に抜き返される。悔しいが、我慢我慢。
すると今度は、遂にF川選手の後ろ姿が見えてくる。もう足がもつれてヨレヨレ。レース前に強気な事を言っていた割には、結局、今日も、僅か3kmで出演打ち切りやな。
(幹事長)「こら。ど根性ガエル。根性を出さんかあ!」
(F川)「・・・へぇ・・・」

ほとんど死にかけたカエルである。哀れである。

相変わらず急な登りが続くが、余りに急峻な登りが多いものだから、たまに平坦な道になると、まるで下り坂のような錯覚になってしまう。
(増田)「幹事長、ここは本当に下ってますよ」
なんや、そうか。それなら、と思って増田選手を抜き返す。
(幹事長)「下りになってもペースが同じやね」
(増田)「まだまだ先は長いですから、セーブしとかないとね」

少しでもリードを付けたい僕は構わずにピッチを上げて増田選手を引き離す。
と、後ろからすごい足音で爆走してくる奴がいる。なんとF川選手が生き返っている。
(F川)「幹事長ーっ。抜きますよう」
などと言いながらとんでもないスピードで走り去っていく。どこにあんなパワーが残っていたんだ。しかし下り坂はそんなに続かない。すぐにまた上り坂になって苦しむはず。と思ったけど、上り坂になってもF川は落ちてこない。逆にペースダウンした僕を横目に、再び増田選手が抜き返していく。やな奴。

この付近からものすごい上り坂となる。
こんな所で無理しても何のためにもならないので、迷わず歩き始める。
(中山)「幹事長は完走が目標でしたよね」
(幹事長)「出てない奴に言われとうない。
     私はそういう細かい事にはこだわらんことにしたのじゃ」

スタートから数キロしかたってない地点で歩き始めるなんて、他のレースでは考えられないけど、周囲の人もほとんどが歩いている。
そうこうしていると、ようやくF川選手の姿が見えてきたので、無理して一気に抜いてしまう。これで精神的にガックリきたはず。と思ったけど、今回は奴もしぶとく、しばらくして再び下り坂になったところで抜き返される。おまけにすぐ後ろに宮岡選手も近づいてくる。まずい、と思って、僕も必死で下り坂を転がり落ちる。
前半はこんな事を繰り返しながら、増田選手は4回抜いて4回抜き返され、結局、負け。F川選手は5回抜いて4回しか抜き返されなかったから、勝ち。
(幹事長)「F川も今日は中盤までなんとか食い下がったなあ」
(F川)「いっぱい書いて下さいね」

余裕の表情で圧勝した筆者
(杉原選手撮影)

後半に入ると、ペースも落ち着き、順位も確定してしまった。去年よりも厳しいコースだったけど、なぜか去年ほどしんどくは無かった。タイムも良くなったし順位も改善されたし。春の宿毛マラソンのように最後の最後で急坂があるとプッツンしてしまうけど、後半は下り坂ばかりだしね。
ただ、後半は急な下り坂が続くため、平坦な場所では逆に上っているような錯覚にとらわれる。
(増田)「あそこは本当に上ってましたよ」

ゴールすると、まずは仲間の安否よりも、うどんが大事。ここのうどんは地元のおばちゃんの手作りの、具だくさんの味噌仕込みうどんです。しかし、列の後ろについて並んでいると、なんだか様子がおかしい。前の方でもめている。なんとうどんが無くなってしまったとのこと。ビリに近かったためポカリスエットすら無くなっていた去年でさえ、うどんだけはあったのにぃ。でも、おばちゃん達がうどんの代わりに、急ごしらえで団子を作ってくれ、その団子汁が美味しかった。うどんより美味しかったかもしれん。
団子汁で身体を暖めながら仲間の元へ。既にF川もゴールしている。
(F川)「幹事長。早くもうどん食べよんですか」
(幹事長)「もう、うどん無いぞ。うどんが欲しかったら、もっと早くゴールせんとな」

宮岡選手もゴールしていた。
(幹事長)「ほんまに体調悪かったんやな」
(宮岡)「昨日は風邪で寝込んどったと言うたでしょう」
(幹事長)「フェイントかと思った。宮武はまだか?」
(F川)「姿が見えないんですよう」

だいぶ経ってから、ようやく宮武選手がゴール。制限時間をオーバーしている。451人中、445位でした。
(宮武)「まだ後ろに6人もおるぞ!」
(幹事長)「ふむ。去年の中山はビリから5番目やったから、ちょっとはマシか」
(宮武)「でも団子汁はもちろん、アクエリアスさえ残ってなかったですよ」
(幹事長)「そう言えば去年は僕ももらい損ねたなあ」
(増田)「早い奴が何本も飲みますからね」

そら、お前やがな。

しかしまだ藤塚さんの姿が見えない。もうレースも終わったかと思った頃にやっと現れる。
(幹事長)「大丈夫ですか?どこに居たんですか?」
(藤塚)「いかん。救護車に収容されてしもた」

本店に来て練習不足の藤塚さんはヨレヨレでした。そういえば、去年は中山選手(元ダイエー)が危ういところで回収されかかったなあ。

トークショーやサイン会をやっていたはずの松野明美だが、僕らがゴールした頃には姿がどこにもない。
(竹葉)「僕が帰ってきた時は、まだサイン会をやってましたよ」
やはり、竹葉選手くらいのスピードが無いと駄目か。

隅田隊長が嬉しそうにキーホルダーを振り回している。
(幹事長)「それ、どしたんですか?」
(隅田)「5回連続出場記念や」

わー、えーなー。と思ったのは間違いで、全員参加できる抽選の残念賞でした。こういうものに限って運の悪い僕なのに、なんと今日は2等が当たってしまいました。
(幹事長)「やったーっ!2等や!賞品はなあに?」
2等は、めんつゆとビールでした。
(増田)「それって、キーホルダーの方がマシとちがいますか?」
(係員)「良かったらキーホルダーと交換しますよ」

価値の無い2等である。F川選手は3等が当たり、ネクタイピンを貰って大喜び。

ふと横を見ると、相変わらず酒飲みのT葉選手がビールを飲んでいる。
(幹事長)「それも景品?」
(T葉)「向こうの売店で買ってきましたよ」

ほんまにアルコールには目が無い男。




さてレース後は、例年のように、どこでも入れる温泉タダ券をもらい、最後の楽しみへ。
F川選手らは早々に引き上げたので、今年は増田選手と二人で、去年に引き続き
新塩江温泉ホテルへ。「新」とは言え、それは相対的なものであり、ま、新石器時代の「新」と同じようなもので、既にとっても古く、かつては豪華だったジャングル風呂も今では朽ち果てている。
ジャングルの中でわき目もふらず頭を洗っていると、増田選手がそうっと近づいてくる。
(増田)「露天風呂で信じられない光景が!」
そうです。ここの露天風呂は男女混浴なのです。しかし、こんな古びた温泉の露天風呂なんて、どうせ、ばあちゃんしか居ないと思って完全に無視していたのですが、増田選手は好奇心も旺盛に、そこを攻めたのでした。
(幹事長)「どうせメス猿くらいが入っとんのやろ?」
(増田)「いや、それが、どうも女性らしいんですよ」
(幹事長)「ほんまか〜?うそやろ?そもそも、女性らしい、というのはどういう意味や?」
(増田)「常識では、こなな温泉の混浴露天風呂に女性が入るとは思えないんですが、
     どう見ても胸があるし、女性としか思えないんですよう」

怪しい。徹底的に怪しい。半信半疑どころが、無信全疑である。
(幹事長)「にわかに信じがたいが、どうしても確認して欲しいというのなら、やぶさかではない」
(増田)「もうドアに手がかかってますよ」
戸を開けて露天風呂に出ていくと、なんだか異様な空気が漂っている。お風呂には数人の男が入っているのだが、みんな凍り付いたように固まっている。その中で一人だけ自然に振る舞っている人がいる。なんと、増田選手の言う通り、どう見ても明らかに女性である。歳は30前後くらいか。なかなかきれいな人で、スタイルも良く、考えられない光景。周りで凍り付いている男どもなんて眼中に無いような無邪気で自由なふるまい。タオルも持ってないし、どこも隠そうともしない。
これはいったい、どういうことなんだ。周りの男どもも同様に、一体どういうことなのか状況が理解できず、見たいのだけど露骨に見るわけにもいかず、どうしていいか分からないまま、取りあえず動くに動けず、凍り付いてるのでありました。僕もそのまま凍り付いて、もう後は我慢比べって感じ。無言のまま、誰も出ていこうとはしない。そのうち、やっと女性が出ていく。ちょっと残念っていう空気とともに、なんだか安心したような雰囲気が漂う。ところが、すぐに再び彼女がやってくる。一体、彼女は何なんだ。
いつまでも湯に浸かってのぼせていると、増田選手が再びやってくる。
(増田)「ねっ?やっぱり女性でしょ?」
(幹事長)「誰がどう見ても、うら若き女性です」
さらにしばらく湯に浸かっていましたが、ついにのぼせてしまって出てしまいました。
それにしても信じられない。塩江マラソン始まって以来の快挙です。これを見ずして帰ったF川どもの愚かさは、末永く語り継がれることでしょう。


〜おしまい〜




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