第4回 丸亀マラソン大会

〜 涙の雨に打たれて 〜


僅か2週間前の国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会に続き、第4回丸亀マラソン大会2000年2月6日(日)開催されました。まんのう公園リレーマラソン大会は動物さんチームで走った駅伝大会だったので、まともなレースとしては丸亀マラソンが今年最初のレースです。

毎年のようにコースが意味不明なまでに微妙に変わる丸亀マラソンですが、今年は日本陸連公認のマラソンコースが採用されました。日本陸連の公認コースだなんて、なんだか嬉しいな。まかり間違っても、塩江マラソンのコースは公認されるはずないし。今後はこのレースで固定化されことを期待します。毎年コロコロ変わると、作戦が立てにくくて。(どんな作戦や?)

コースは毎年変わってはいるものの、所詮は山が無い丸亀平野を走る丸亀マラソンなので、全般的にコースが平坦で好タイムが期待されます。しかし招待選手を始め、参加選手のレベルが高く、制限タイムも厳しく、ペースが非常に速いため、なかなか厳しいレースになりがちです。しかも1月か2月の寒い時期なので、天気が良くても北風がまともに吹き付けて寒さが身にこたえるのに、おまけに今年は雨が降る。そういや、去年も雨が降ったなあ。3年前の第1回大会だけは晴天だったけど、今年も雨だし、去年も雨だったし、一昨年はレース中は降らなかったけど前日の雨でぬかるんでグチョグチョだった。そうでなくても雨が極端に少ない香川県地方で、しかも特に雨の降らない冬場なのに、どうしてこれほど雨にたたられるんだろう。晴天なら晴天で寒風が吹きすさんで寒いけど、雨は辛いなあ。

(F川)「そう言えば幹事長。去年は雨でサボりましたね」
(幹事長)「違うぞ、お前。わしは直前に大流行の風邪を引いてしまい、
     4日間39度の熱を出して体の力が入らない状態になってしまい、泣く泣く欠場したんぞ」
(F川)「でも当日、来てたやないですか」
(幹事長)「あれは参加賞を貰いに行っとったんやがな」
(F川)「高熱を出してですか?」

ところが、今年はF川がレース直前になって欠場に。
(幹事長)「なんや、お前。きついレースやから直前になって敵前逃亡か?」
(F川)「何言よんですかあ。親戚に不幸があったから、やむを得ずの欠場ですよ」

まあ、それなら仕方ない。しかし、それにしても四電ペンギンズで12人もエントリーしていたのに、あんまりメンバーの顔を見かけない。おかしいなあ。まさか集団脱走?
師匠の隅田大先生は予定通り来てますが、悪天候に不安そう。宮武選手も久しぶりのレースですが、悪天候に表情も曇りがち。そんな中、この悪天候にもめげず燃えているのが、2週間前の動物駅伝でも力の入ったトラぶりを発揮してくれたタイガー杉原選手。すごいなあ。それから、新人の佐竹選手が出場です。新人とは言え、すごく早そう。

それにしても真冬の雨の中、長距離を走るのは辛い。せめて雨よけが欲しいなあ、と思っていると、なんとビニールのゴミ袋をかぶっている人がいる。頭と手の部分に穴を開けると、ちょうどいい感じ。こら、グッドです。迷わず真似しました。
それでも寒さというか冷たさに気が滅入り、スタート直前になっても気が晴れない。しかし、ここまで来たらしょうがない。諦めてスタートする。制限時間の厳しいレースだし、楽しくも気持ちよくも無いコンディションなので、今日は勝負に出て、最初からかなり飛ばしていく。途中のタイムは、ふむ、なかなかよろしい。最初の5kmはなかなか快調。この悪天候なのに。次の5kmでも全然ペースダウンしない。さらに次の5kmでもなんとかペースを維持している。こら、めちゃんこ調子が良い。

今年も実は、当社からは、全国的に圧倒的な知名度は誇るものの、オリンピックに出るには実力があと一歩という四電ペンギンズのほかに、実力だけは圧倒的な四国電力公式陸上競技部から招待選手ほか一線級が多数参加してました。公式陸上部とペンギンズが直接対決するのは、数多いレースの中でも、この丸亀マラソンだけです。(えっ?陸上部の連中は僕らの事なんて無視してるって?)
陸上部が出ているおかげで、当社の社員もたくさん応援に動員されていて、あちこちで会社の旗を振って応援してくれている。中には労務部長さんまでいらっしゃいました。お願いですから、私らにも、ほんの少しでいいので、部費を恵んでくれませんかあ〜?

快調にペースを維持して、もしかして、このまま行くと、自己ベストタイムが出るかも、なーんて甘い考えを抱き始めたとたん、自分でも驚くくらいペースダウン。足が急に動かなくなる。周りの人にもいっせいに抜かれ始める。前半のハイペースの反動が出てしまったか。いくら頑張っても足が前に出ない。みるみるうちにタイムは悪くなっていく。最後の2〜3kmは、歩くのとあんまり変わらないスピード。ばからしくなって、最後は少し歩きました。

僕が泣きながら競技場に戻ってきた頃には、走っている選手もほとんどいなくなってしまった。誰も走っていない競技場を、一人孤独に走るはめになり、3万人の観客の注視を一斉に浴びてしまった。て言うのはもちろんウソで、だあれも見ていないよね。
ところが、そういう状況なのに、スタンドから声援が飛ぶ。なんと先にゴールしたタイガー杉原だった。彼は他のメンバーをずっと探しててくれて、発見するたびに大声を出して励まし、ついでに写真も撮ってくれたのでした。自分も辛いレースを終えたのに、なんと立派な心がけ。四電ペンギンズの良心であるな。
(幹事長)「タイガーはほんとに偉いなあ」
(杉原)「でも、幹事長が最後かと思って応援するのを止めてしまってたら、
     実は後から宮武さんがゴールしてたみたいなんです」
ふうむ。タイガーにまで見捨てられるとは、宮武も危機的状況やな。

(誰も居なくなった競技場をゴミ袋をかぶって孤独に走る筆者)

走り終わると、あまりの寒さに体のふるえが止まらない。この寒さを止めるのは暖かいうどんしかない。うどんはどこじゃ、と探すけど、なかなか見つからない。どうやらスタンドの上の方で支給しているらしい。もう階段上る元気もないのにい〜。
仕方なく時間をかけてよじ登っていくと、うどんにみんな群がっている。冷え切った体に、暖かいうどんがとっても美味しい。あっという間にすすり込んでしまった。でも、塩江の煮込みうどんや小豆島のそうめんと違って、ここ大都会丸亀はせこくて、ランナーに支給されるのは1杯だけ。まだ体は冷え切っていると言うのに。でも、お金を出せば追加できる。しかも1杯たったの100円。迷わずもう1杯食べる。お腹はふくれてきたけど、それでもまだ体は寒い。それで、ついでにもう1杯食べる。ふう。体もだいぶ温まったし、お腹もダボダボ。
辛いだけで、何の収穫も無かったレースだけど、最後のうどんだけは美味しかったな。

しかし、いくらなんでも、あまりにも悪い成績に憮然としていると、隅田大先生が登場。
(幹事長)「師匠はどうでした?」
(隅田)「あかんわ。雨で体が冷えて、筋肉が動かんようになるんや。
     こななコンディションで走ったら体に悪いわ」
ふうむ。そうか。大先生でもそうなのか。じゃ、僕なんかがタイムが悪くても当たり前か。よかったよかった。まずは一安心。
そうこうしていると、宮武選手を発見。
(幹事長)「どうやった?」
(宮武)「ずうっと幹事長の後をついて行ったんですよ。幹事長と同じように前半は快調に飛ばして、
     もしかしたら好記録が出るかと思ってたんですよ」
(幹事長)「そうそう。前半はタイム良かったもんなあ」
(宮武)「幹事長が終盤でガクッとペースダウンしたんで、ここぞとばかりに一気に
     抜き去ろうと思ったんですけど、僕も同じようにペースが落ちまして」
(幹事長)「わしを抜こうなどと、百年早いな」
(宮武)「最後に幹事長が歩き出した時は、僕も足が動かなくなって、
     幹事長の背中を見ながら同じように歩いてたんですよう。もう、悔しくて悔しくて・・・」

そうか。あと一歩のとこで、宮武選手に負けるところだったか。

それにしても四電ペンギンズで12人もエントリーしていたのに、半分の6人が欠場だなんて、信じられない惨状。これは放ってはおけない。練習をサボりまくるのは勝手だが、公式レースをサボるようでは、最悪の場合、除名処分も考えねばならない。
(笹谷)「いや、僕は去年の年末に痛めた左足の肉離れが治らなくて、やむを得ず欠場したんすよ」
(幹事長)「ふむ。それは仕方ないかなあ」
(竹葉)「私は前日に酒を飲み過ぎて、4年連続の欠場となりまして・・・」
(幹事長)「それは仕方なくないぞ」
(増田)「僕は、雨が降っていたので風邪をひくと思って・・・」
(幹事長)「お前なあ・・・」
(光高)「私も朝、目覚めると雨が降っていたので・・・」
(宮岡)「僕も雨が降っていたので・・・」
(幹事長)「お前ら、ええ加減にせんかあ〜っ!」
しかし、冷たい雨の中、隅田師匠を始めとして、参加者の大半が討ち死にしたことを考えると、欠場が正解だったかなあ。


〜おしまい〜




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