第23回 小豆島オリーブマラソン大会

〜 F川の復活 〜


(幹事長)「長らくご無沙汰でした。お久しぶりです」
(F川)「ほんまに久しぶりですね。1月の満濃公園駅伝以来じゃないですか?」
(幹事長)「それはお前やがな。わしはちゃんと冷たい雨の丸亀マラソンなんかにも出たんぞ。
     ほんまこいつはサボりやがって」
(F川)「何言よんですかあ。僕は親戚に不幸があったから、やむを得ず欠場したのに」
(笹谷)「僕も左足の肉離れが治らなくて、やむを得ず欠場したんすよ」
(竹葉)「私は前日に酒を飲み過ぎて、4年連続の欠場となりまして・・・」
(増田)「僕は、雨が降っていたので風邪をひくと思って・・・」
(光高)「私も朝、目覚めると雨が降っていたので・・・」
(宮岡)「僕も雨が降っていたので・・・」
(幹事長)「お前ら、ええ加減にせんかあ〜っ!
     四電ペンギンズで12人もエントリーしていたのに、6人も欠場してからに」

しかし、冷たい雨の中、隅田師匠を始めとして、参加者の大半が討ち死にしたことを考えると、欠場が正解でしたね。
(F川)「どっちにしても、丸亀マラソン以降はサボりですよね」
(幹事長)「ウィンタートレーニングと言うてくれ」
(F川)「またスキーですか」
(幹事長)「今年はスノーボードを始めたぞ。
     それにミニスキーも買って、徳島の腕山スキー場で一日にリフトを75回乗るという
     金字塔の新記録を達成したんぞ」
(F川)「ようやりますなあ」


さて、いよいよ本題ですが、さる
2000年5月28日(日)第23回小豆島オリーブマラソン全国大会がエーゲ海のミコノス島で開催されました。前日の雨があがることを祈っていたけど、雨どころか雲も無くなり、炎天下のレースとなりました。

高松港からの臨時船は早朝6時20分に出航するので、早起きしてバイクを飛ばして港へ行くと、同じくバイクで来た笹谷選手に会う。彼は昨年末に本業の剣道で痛めた肉離れのため、今回は10kmコースに出場する。普通なら10kmコースに出場する選手は徹底的にバカにされるのだが、今回、彼はなんと久しぶりの新人女子を連行してきたので、大いに許す。津田選手です。彼女も10kmに出ます。そう言えば、昨年のこの大会には、やはり紅一点でフラメンコ明子が出場しましたが、あれ以来、私たちを避けるようになっています。戻ってきてよう、明子ちゃあ〜ん!
さらに若手男子の行本選手も初参加で10kmコースに出ます。この二人は自転車で港まで来ました。
(津田)「私、自転車でここまで来て、泳いで小豆島に渡り、それからマラソン大会に参加するという、
     一人トライアスロンをやるんですぅ〜」
(幹事長)「ほんまやのーっ!できるもんなら、やってみんかいっ!」


宮武選手にも会い、一緒に船に乗り込むと、既にF川選手が乗船していた。
(幹事長)「良かったあ。お前がおると、それだけで話題ができる。
     そう言えば、去年はお前、死んどったなあ」
(F川)「前日にソフトボール大会に出た後、深夜まで飲み会でしたからねえ」
(幹事長)「宮武選手もひどかったよなあ」
(宮武)「血圧が異常に低下して病院通いしていたのに、前日にゴルフに行きましたからねえ」

この二人は、揃って前代未聞のタイムで、特にF川は2時間47分27秒という、フルマラソン並みのタイムだった。
(F川)「今年はもう失うものが無いから強いですよ」
(宮武)「私も今回はやりますよ。丸亀では目の前を走っていた幹事長が歩き出したので、
     勝てる、と思ったのに、私も走れなくなって、結局、そのまま後をついて歩いてしまいましたからねえ」

ふうむ。今年はこの二人がライバルになるか。
さらに竹葉選手と増田選手も揃う。
(F川)「隅田大先生と福家さんも見かけましたよ」
このお二人はペンギンズと距離を置いているようにも見えますが、所属団体はちゃんと「四電ペンギンズ」で申し込んでいます。さらに、船の床に座り込んでダベっていると、とつぜん藤塚さんに声をかけられる。きっちりとシートに座っているところを見ると、かなり早く乗船したのでしょうか。

(F川)「ところで1月の満濃公園駅伝以来、動物の格好して走れという
     プレッシャーが強くて困ってるんですよ」
(幹事長)「あれは楽しかったけど、あれで21kmは走れんよなあ」
(F川)「でも杉原さんは真剣に“今回は何もかぶらないの?”って残念そうでしたよ」

そう言えばタイガー杉原の姿が見えない。あんなに熱心な男だから欠場するはずはないのになあ。
それでも、ペンギンズ主要メンバーが久々に揃ったレースとなりました。いや、待て。中山選手(元ダイエー)がいない。
(幹事長)「中山はどしたんや?」
(F川)「それがねえ、最近は血色も良く、脂肪も付きすぎだと思うんですが、
     僕がマラソンの誘いに行くと、急に顔を曇らせて、忙しい忙しい、なんて言うんですよ」
(幹事長)「会社の仕事を全部一人で抱え込んでいるような顔をしてか?」

ま、確かに、かつてはみんな日常的に走ることが目的で、その成果を見るためにレースに出ていたのに、最近はレースがあるから仕方なく、その直前だけ練習するという本末転倒ぶりだもんなあ。

それにしても、今年の臨時船は狭い。去年までは4階建ての客船でフロアも広く、椅子に座れなくても、寝転がるスペースは十分にあった。それが今年はフェリーになり、客室にはしゃがみ込むスペースも無く、仕方なく車両甲板に転がる。車を載せていないため、だだっ広い車両甲板は冷たく固い。早起きの疲れで寝転がるけど、やはり眠れずに体が痛くなっただけ。

長く辛い船旅を終えて港に着くと、小学生の鼓笛隊に迎えられ、受付を済ませ、テント村の空きスペースに陣取る。去年と同様、いきなり缶ビールが配られる。
(竹葉)「いくら私でも、走る前からは飲めませんねえ」
開会式が始まると、今年もオリーブの女王さまが登場。去年に比べると、かなりレベルが高い。
(幹事長)「中山がおったら、絶対に一緒に写真を撮るやろなあ」
準備運動のエアロビクスも軽くこなしてブラブラすると、どこからかいい臭いが。
(津田)「きゃああっ!ドーナツ売ってるう〜っ」
(笹谷)「これこれ、走る前から食べたらいかんよ」


そうこうしていると、ようやくタイガー杉原が登場する。しかも奥さん連れで。
(幹事長)「どこにおったん?」
(杉原)「朝寝坊して臨時船に乗り遅れたんですよ。
     それで高速船に乗ってやっと着きました」

そう言えば中山選手(元ダイエー)も何年か前、同じく朝寝坊して、急げばギリギリで間に合うタイミングだったけど、あっさりサボったことがあったなあ。タイガーとは取り組む姿勢が違うなあ。

(幹事長)「奥さんは応援ですか?」
( 奥 )「いや、私も走るんです」

なんとかーっ!タイガー杉原は夫婦で走るのか。
その横を、福家さんが、ペンギンズの名誉顧問で77歳になられるお父上と一緒にウォーミングアップしながら走っていく。すごいお父上ですなあ。

みんなTシャツを脱いでゼッケンを付け始めると肉体が露出する。
(笹谷)「F川くん、えらい太ったなあ」
(F川)「ぎくっ!」
(幹事長)「増田くんも結婚してえらく太ったけど、最近はF川の方がすごいなあ。
     ところで今年の目標タイムはなんぼや?去年は2時間40分を越えたけど」
(F川)「今年は余裕ですね。ま、復活した僕を見てください」
(竹葉)「私は今年も1時間30分が目標ですね」

などと言いながら、竹葉選手は相変わらずドーピングに忙しい。怪しげな錠剤を10種類ほど飲んでいる。
(竹葉)「軽い薬がだんだん効かなくなってきて、だんだん強い薬になってるんですよ」
(幹事長)「調子はどうなん?」
(竹葉)「今日に備えて昨晩は珍しく酒を控えたら、なかなか寝付けずに、かえって不調ですねえ」
(F川)「竹葉さんが酒を控えたっていうのは、控えめに飲んだってことでしょ?」
(笹谷)「控えめに酒1升で止めといたってことですか?」


さて、いよいよスタート。去年のレースはNHKが衛星放送で全国中継してくれたので、テレビに映ることを目的に、前の方からスタートしたけど、今年はテレビカメラも少ないので、前の方からスタートする意味もない。竹葉選手だけは、スタート時の混雑によるタイムロスを減らす為に前へ前へ行くが、他のメンバーは、前の方からスタートして大勢に抜かれるより、後ろの方からスタートして抜いていく方が気持ちがいい。
いざ走り出すと、増田選手が快調なペースで飛び出す。やはり復活したか。その後をF川選手がピッタリ着いていく。これは、単なる強がりか。さらにその後を私がピッタリ着いていく。かなり早いペースにとまどいながらも、取りあえず行けるところまで着いていこうと思った矢先に、第一給水所で、増田選手はそのまま走り続けるのに、F川が早くも水を取りに行く。どっちに着いていこうか迷ったけど、F川に着いていっても虚しいので、増田選手に着いていく。ところが、これがかなり早いペース。このまま行くと後半に討ち死にしそうなので、早々に諦めて脱落する。そしたらF川が涼しい顔をして抜いていく。ううむ。こいつには負けたくないけど、炎天下で暑くて早くもバテ気味。給水所が多いのだけが救いのレース。

平坦な前半が終わって、坂道が多い後半に突入し、増田選手の姿も遙か遠くに見えなくなって目標を失いかけたとき、なんといきなり林の中からF川選手が飛び出してくる。
(幹事長)「うわ、びっくりした。お前、何しよん?」
(F川)「なんか、お腹の具合が悪くなって、オシッコしてたんです」

お腹の具合が悪くてオシッコ?本当はウンコしてたんとちゃうか?しかし、再びF川はペースを上げて消え去ってしまう。やはり今年のF川は違うのかなあ、と思ってしばらく走っていると、再び前方にF川の姿を発見する。えらくペースが遅い。おまけにキョロキョロしている。
(幹事長)「お前、何しよんや?」
(F川)「いやあ、どうもオシッコが・・・」

そう言いながら、再びその辺りの林の中に消えていくF川。あれは絶対にウンコに違いない。お腹をこわしたな。これは時間がかかりそう。よし、今年も私の勝利じゃ。そう確信して余裕を持って走り、折り返し点で後ろを確認すると、なんとF川がすぐ後ろを着いてくる。おかしい。ほんとにウンコじゃなくてオシッコだったのか。変なやつ。

(圧倒的なパワー爆発でレースを引っ張った筆者)

それにしても暑い。そのため故障者も続出しました。
(笹谷)「僕は救急車を4回も見ましたよ」
(増田)「私の目の前の人が道ばたに倒れ込んで吐いてましたよ」
(幹事長)「僕も意識朦朧となってフラフラと蛇行していた人を見たなあ」

それなのに、満濃公園駅伝のペンギンズのように、トラやヒョウがいるではないの。めちゃんこ暑いはず。ようやるなあ。


暑さには参ったけど、体力的にはなんだか余裕があり、最後の坂も歩きたいとも思わず、気持ちよい走りができた。走り終わっても、まだまだ余裕がある。僕より少し遅れてゴールしたF川も、
(F川)「僕も余裕がありますよう。まだまだ走れますね」
ソーメンを何杯か食べた後、普段なら喉を通らない弁当もぱくぱく食べる。
(F川)「やっぱり下手な目標を立てずに気楽に走った方がええですね」
(幹事長)「そうかなあ。わしはやっぱり、もっと頑張れたのかなあ、って後悔するなあ」

どっちにしても、二人とも練習不足の割には楽な走りで、タイムも復調傾向にある。増田選手も、結婚して以来、増加の一途をたどる体重にもかかわらず、タイムは一時の不調から脱して復調の兆しが伺える。一方、竹葉選手は、やはり酒が足りなかったためか、ちょっとタイムを落としたみたい。
隅田師匠も
(師匠)「あかん。暑すぎる。この暑さではタイムも落ちるわ」
なんて言っている。そう言えば丸亀マラソンの時は、
(師匠)「あかん。寒すぎる。冷たい雨のせいでタイムが悪かった」
なんて言ってました。もしかして、天候のせいじゃなくて、単に老化の兆しでしょうか?

一方、10kmコースに出た3選手は、笹谷選手はまずまずの走りだったけど、行本選手は津田嬢に負けてしまう。
(行本)「ゴール直前で抜かれて、僅か1秒差で負けてしまいました。くやしーっ!」
しかし本当は、津田選手はかなり手抜きして走ったらしい。来年はハーフの部に参加させねばならないけど、強敵になりそう。

ところで宮武選手が見あたらない。折り返しの時に一生懸命さがしたけど、見あたらなかった。誰も彼を見ていない。
(F川)「もしかして救急車に収容されとんかなあ」
などと心配していたら、ようやく姿を見せる。なんと、去年をさらに上回るタイムでの生還だった。その割には、えらく余裕が伺える。
(宮武)「歩きまくりましたからね。余裕の固まりですよ」
(幹事長)「もっと真面目に走らんかいっ!
     いつもしつこく指導してるけど、歩いたら完走とは言わんのぞ!」
(F川)「今年は僕ら歩きませんでしたからねっ!」
(宮武)「だってトラやヒョウにも抜かれたんですよ。
     動物に抜かれるとがっくりきて、ほんまにやる気が無くなりますねえ」


宮武選手を除いて、久しぶりにみんな満足感を胸に帰りの船に乗り込むが、車両甲板は焼けてフライパンのよう。日陰は既に満員で、空いているスペースは炎天下。ただでさえレースで日焼けしているのに、さらにみんな真っ赤に焼けてしまいました。アチチ。

さてさて、任意参加の屋島一周マラソンなどもありますが、次のペンギンズ公式レースは秋の塩江マラソンです。
(幹事長)「さ、これで秋の塩江マラソンまで夏休みか」
(F川)「年中、休んでまあすなあ。ほんなんでえんかいの」


〜おしまい〜




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