第2回 国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会

〜 ますます充実の動物チーム 〜


愛読者のみなさま、今世紀もよろしくお願いいたします。

21世紀の開幕を飾るにふさわしいレース第2回国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会が、日本中のマラソンファンの注目の中、
2001年1月21日(日)に開催された。
昨年から始まったばかりの新しいレースだが、早くも圧倒的な人気レースとなり、同日開催の全国都道府県対抗男子駅伝大会を見るも無惨なまでに蹴散らしてしまった。

ペンギンズは、この晴れ舞台に、昨年よりさらに充実した
動物チームで参加した。
なんと言っても今年のペンギンズの目玉は
ウシ二世「津田」選手だっ!
ウシと言えば、思い起こせば3年前、明石海峡大橋開通記念駅伝大会で千香ちゃんが疾走して以来の復活だ。千香ちゃんと津田は何の因果か、同期入社である。
(幹事長)「そうか、千香ちゃんと津田は同期か」
(津田)「なんで千香ちゃんは「ちゃん」づけなのに、あたしは呼び捨てなんですかっ?」
(幹事長)「千香ちゃんはペンギンズのマスコットだったが、
     お前にはペンギンズをしょって立つ大黒柱的選手になって欲しいのじゃ」
(津田)「ええっ?そうだったんですかっ?嬉しいですっ!あたし頑張りますっ!」
と力強い宣言をした津田は、予想を超える大活躍で、信じられないタイムを叩き出したのだった。

今年は7人全員が動物で揃えたペンギンズ

前日は一日中雨模様だったけど、当日は朝から晴天で、おまけに最近にしては気温も暖かく、風も無いので、とっても気持ちの良い日和となり、カッパはルンルン気分で家を出た。タイガー杉原の指示で9時半に公園の入り口に集合する。動物の格好をしているから見つけやすい。はずだ。しかし、ん?どこにも動物がおらんぞ!?
(増田)「えっ?幹事長、その格好で家から来たんですか?」
(カッパ)「なんやーっ!お前ら、普通の格好しとるやんかっ!」
(杉原)「ちょっとそれは恥ずかしいですよ。後で着替えますよ」
(増田)「幹事長くらいですよ。カッパの格好で新幹線に乗ったり神戸の街をぶらついたりするんは」

今年のメンバーは増田選手、タイガー杉原、福家先生、笹谷選手、津田、わたくし、そして久々の登場
アメリカ帰りのF川だあ〜っ!
(カッパ)「久しぶりやなあ〜!元気やったか?」
(F川)「もうバリバリですよっ!」
(カッパ)「て言うか、全然変わってないなあ。時間の空白をを感じさせん。
     と言うか、ほんまにアメリカ行ってたんか?」
(増田)「まさか、今日もど根性ガエルのTシャツ着てるとか?」
(F川)「もちろん着てますよ。これしか無いですからね」
(増田)「アメリカでも走ってたんですか?」
(F川)「そりゃもう、毎日が遅刻との闘いで」
(カッパ)「今日は期待できそうにないなあ」
F川は去年と同じくゾウさんになり、頭から鼻を付きだしている。タイガー杉原は名前を意識してか、トラの格好に。
(杉原)「去年、トラの格好したから、僕の名前をタイガー杉原にしたんやないですか」
津田選手は栄光のウシ復活だ。笹谷選手は、あまりの巨体のために二度と走れなくなった「このブー」選手から引き継いだクマさんの格好です。増田選手は去年はゴジラだったけど、今年はなんとブタさんだ。
(カッパ)「それ、結構、強烈やなあ」
(増田)「どれにしようか迷ったんですけど、一番目立っていたし」
確かに、ピンクだからすごく目立つ。おまけに背中にはハムを背負っている。
(福家)「僕は普通の格好して走るから」
(カッパ)「甘いっ!甘いですぜ、だんな。福家さんには栄光のおサル3号になって頂きます」
福家さんが着ることになったおサルは、なんと初代サル美佳ちゃんと、おサル2号フラメンコ明子が着たまま、一度も洗濯をしていないという、これはもうブルセラ・マニア垂涎のプレミアものである。
(福家)「こ、これは、かなり恥ずかしいな・・・」
(カッパ)「このチームにいて、一人だけ普通の格好だと、かえって恥ずかしいですよ」
(福家)「そう言えば、去年、ただ一人、普通の格好して走った竹葉君は、浮いてしまって恥ずかしそうだったね」
(カッパ)「それで、今回はふてくされて出ないんですよ」
去年は雨模様だったし、とても寒かったので、テントの中のストーブにかじりついていたけど、今年は良い陽気だったので、芝生の上にシートを広げてピクニック気分。
(カッパ)「お前ら、早く着替えんかいっ!」
(津田)「ええっ?もう着替えるんですか?」
(カッパ)「当たり前や!いつまで恥ずかしがっとんや!」
ようやくみんな動物さんに生まれ変わりました。ウシもなかなか色っぽく仕上がったぞ。
去年は動物チームで特別賞のベストドレッサー賞を獲得したため、今年はライバルチーム続出。と予想していたのだけど、見回しても普通の格好のチームばっかり。それどころか、相変わらずメチャメチャ早そうなチームが多く、その辺りを集団で走りながらウォーミングアップに余念がない。
(カッパ)「他に動物チームはいないんかなあ」
(ブタ)「みなさん、大会の趣旨をはき違えてますねえ」

去年はタスキの代わりに「電気温水器のぼり」を使おうとしたけど認可されなかった。今年もくじけずに、タイガーが背負っている風呂敷包みを使おうとしたら、今年は認可された。

このレースは申告した目標タイムに近ければマイペース賞が貰える。
(カッパ)「今年の目標タイムは?」
(トラ)「去年と同じく4時間で申告してますけど」
(カッパ)「でも去年は3時間半くらいで終わったぞ」
(ゾウ)「去年は竹葉さんが半分くらい走りましたからね」
(カッパ)「あっ、そうか。わしらだけやったら4時間くらいか」
ピクニック気分でダラダラしていると、突然、因縁をつけにくるチームがいる。誰かと思ったら原子力部の芝さん率いる原子力チームのみなさんでした。
(カッパ)「おやま。結構メンバーがいますねえ」
(芝)「取引先からも強引に引き込んだからね」
おおっ、そう言えば、長らくブラジルに行ってたM菱商事の津島さんもいるじゃないの。
(津島)「スペインですよ」
それに、なんと、生まれてこのかた走ることとは縁の無い人生を歩んできたに違いないであろう、原子力設備課の山本さんまでいる!
(カッパ)「どしたんですか?大丈夫ですか?」
(山本)「大丈夫なわけないやろがっ。嫌やっちゅうのに無理矢理出さされたんや」
(カッパ)「でも、その体で走れるんですか?」
(山本)「走れるはずないやろがっ!歩くんじゃ。わしは歩くぞっ!」
そして、あれ?ペンギンズのはずの藤塚さんも。
(藤塚)「いやあ、すまんなあ。原子力チームのメンバーが足りないってことで、こっちに参加したんや」
(カッパ)「で、チーム名はなんですか?」
(芝)「ちょっとひねってアトミックパワーズや」
(カッパ)「そのまんまやないですかっ!」

それから、なんと
元四国電力陸上競技部コーチ新城薫選手まで来ている。
(クマ)「どどど、どしたんですかっ?」
(新城)「いやあ、香川RCのチームで出てるんですよ」
ちょ、ちょっと待ってくださいよう、新城さん。福岡国際マラソンに出るような人が走るレースじゃないってば。

(サル)「全部で何チームくらい出てるんかなあ」
(カッパ)「そうですねえ。去年は最初だったので112チームでしたけど、
     今年は500チームくらい出てるんじゃないですか」
(ブタ)「今年は108チームですよ」
(カッパ)「減ってどないすんじゃあーっ!」
やっぱり同日開催の都道府県対抗駅伝に流れたチームが多かったようだ。
さて、いよいよスタートが近づいてくる。このレースは、なだらかな公園の丘陵地の1周2kmのコースを全部で21周してフルマラソンの42.195kmを走るという変わったレースで、各チームとも4人以上10人以内で何人走ってもよく、走る順序や各人の走る距離も好き勝手で構わない。
(カッパ)「今年こそは誰が走るかジャンケンで決めよう!」
という提案が通り、最初は全員が1周づつ走るものの、その後は、その都度ジャンケンで次に誰が走るか決めるという、サバイバルゲームとなった。ヘタすると、何周も走るはめになる。のんびりしたムードが一変して緊張感が漂う。
(ウシ)「いやあん。あたし、そんなに走れませんよう」
(カッパ)「何を言うか。オリーブマラソンで行本を蹴散らしたお前の言葉とは思えんぞ!」
(ウシ)「はいっ。分かりました、船長!」
(F川)「確かに、そうでもせんと、緊張感が無さ過ぎますわなあ」
(カッパ)「わしは密かに、高橋尚子と走る丸亀マラソンの前哨戦と位置づけておるがのう」
(宮武)「噂によると、丸亀マラソンでは四国電力陸上競技部のメンバーが
     高橋尚子のボディーガード役として伴走するらしいですぜ」
(カッパ)「お前いきなり登場するなよ。しかし、やつらに高橋尚子に伴走する力があるのか?」
(宮武)「高橋尚子も5kgくらい太ってますから、かなりペースは遅いですよ」
(カッパ)「そうか。じゃあ我々にも高橋尚子を打ち破る可能性は、ある、と」
(宮武)「ひゃくぱーせんと無いですね」
いよいよスタート。まずトップは、いきなりジャンケンに負けたタイガーが走る。スタート地点にはテレビカメラも。
(カッパ)「よしっ。絶対にテレビには映るぞ」
(ブタ)「ありゃりゃ、でもトラさん、真剣ランナー達に押し出されて、後ろの方へ下がりましたよ」
トラさんの次は僕なので、準備運動がてら、横になる。
(ゾウ)「いきなり寝て、どないすんですかっ!」
そう言うゾウは、なんといきなりうどんを食べている。
(ブタ)「食べて走るとお腹が痛くなりませんか?」
(ゾウ)「僕、ジャンケンに勝ったから走る順番が後ろの方なんよ」
(カッパ)「僕は1周走ってきてから食べよ」

他のチームを見ていると、動物チームはいないものの、看護婦さんチームがいる。白いタイツからすね毛が透けて見えて、かなり気持ち悪い。でも、ものすごく早い。それからお遍路さんチームもいる。どうやら編み笠をタスキ代わりにしているらしい。これも、結構、早い。
(ブタ)「今年はかなり強敵がいますねえ」

ゆっくり休む間もなくトラが帰ってきた。
タスキ代わりの風呂敷包みを受け取った私は、一気に爆走する。たちまちみんなの人気者となり、沿道から盛んな声援がとぶ。
(沿道1)「カッパちゃーん、頑張ってぇ!」
(カッパ)「はあ〜い」
(沿道2)「カッパーっ、頑張れよう!」
(カッパ)「ほお〜い」
(沿道3)「カッパ、カッパ」
(カッパ)「どないせえっちゅんじゃい!」
2周連続で走っているランナーは、さすがにペースが落ちてきているので、元気満々でゴボウ抜きにする。とっても気持ち良い。しかもカッパに抜かれたランナーは、その時点で気が抜けて力つきてしまい、再び追い抜かれることはない。快調に飛ばしまくる。たった2kmなんで、ほとんど短距離走のようなもの。と思ったけど、それはさすがに甘かった。1km走ったところで呼吸が苦しくなる。普通なら、マラソン大会で足が痛くなって走れなくなることはあっても、呼吸が苦しくなることはない。ものすごくオーバーペースだ。しかし、みんなの期待を裏切ってはいけない。なんとか頑張っていると、目の前に看護婦チームが見えてきた。第一走者はかなり早い男性だったが、第二走者は女性で、かなり遅い。ここで一気に抜きさる。そのまま息も絶え絶えになりながら、最後の力を振り絞って必死でゴールまで駆け込んで、次のウシさんにリレーする。
(トラ)「カッパさん、ものすごく早いですよ」
(ブタ)「どしたんですか?」
(カッパ)「いやあ、ついついムキなって全力疾走してしもた」
そのまま倒れ込み、しばらく起きあがることができなかった。
(カッパ)「準備運動無しで、いきなり走るときついなあ。うどん食べる元気が無くなった」
(ゾウ)「ふだんのレースなら、最初の1〜2kmはウォーミングアップ代わりにゆっくり走りますからねえ」

水分が無くなって干からびるカッパ

1周走っただけなのにすごく疲れてしまい、ウシは大丈夫かなあ、と少し心配になる。初めてのウシ姿は走りにくそうで、出だしのペースがいまいちだったのだ。確かに、ウシは去年のオリーブマラソンの10kmのコースで、圧倒的な早さを見せて行本選手を蹴散らした実力を持つ。しかし、所詮は、相手が行本である。
(行本)「僕も秋の塩江マラソンでは好記録をマークしたんだから、
     いつまでも暗い過去の話題を出さないでくださいよう」
しかし、心配する必要など無かった。ウシは驚異的な早さで帰ってきたのだ。出だしのペースはいまいちかと思われたが、全然ペースが落ちていない。
(ブタ)「これ、すごいですよ。カッパさんよりも早いタイムですよ」
(カッパ)「しえーっ!」
(クマ)「おう、ようやったなあ、ウシよ」
(ウシ)「もう駄目ですぅ。もう走れませんっ」
と言いつつ、口を反芻させながら軽やかに草原を駆けめぐるウシだった。

次はゾウだ。アメリカ帰りの成果を見せてくれるはず。と思ったが、遅い。なかなか帰ってこない。遅いゾウ。
(カッパ)「お前、ちょっと、マジで遅かったぞ」
(ブタ)「今のところ1周10分を超えたのはゾウさんだけですね」
(ゾウ)「そやかて、この耳が風を受けて空気抵抗が強くて・・・」
(カッパ)「ええい!百獣の王が言い訳とは見苦しいぞ!」
しかし、ゾウの遅れを挽回したのがクマだった。圧倒的に早い。さすがは剣道部。
(カッパ)「メチャメチャ早いぞ」
(ブタ)「8分台ですよっ」
(カッパ)「クマさん、やるなあ」
(クマ)「いやあ、これくらい、かるいでクマ」

次はブタだ。ブタはハムを背負っているため、タスキ代わりの風呂敷包みをつけると、かなり走りにくそう。それでも実力者のブタは、クマに次ぐ好タイムで帰ってきた。
(ブタ)「子供達から声援が多かったですねえ」
(カッパ)「そら、目立つもんなあ」
最後はおサルさん。さすがのおサルさんも、みんなのペースにつられて、かなりのハイペースで帰ってきた。
(サル)「いかん。もうしんどいわ。後はみんなに任せた」
(カッパ)「へっへっへ。そうはいきませんぜ、だんな」
っちゅう訳で、いよいよジャンケンバトルが始まる。7人もいると、なかなか勝負がつかない。しかし、遂にパーとグーでパーの勝ちに。
(カッパ)「やったーっ!パーで勝ちやっ!」
(ゾウ)「えっ?僕チョキ出してますよ」
(カッパ)「な、なんやと?お前、今パー出しとったやんかあ」
(ゾウ)「最初からチョキですよう」
なんと、ゾウがチョキを出していると言い張るもんだから、再度ジャンケンをし、そして、遂に、なんと、私が走ることになった。
(カッパ)「ひえ〜。まだ元気回復してないぞう」
これはゾウの陰謀に違いない。しかし責任感の強い私は、諦めて走り始める。今度は最初のように弾丸スタートする力はない。しかし、沿道から声援が飛ぶので、なかなか手抜きができない。なんとかペースダウンしないように頑張って走り、最後はムキになって子供を抜いた。
(ブタ)「カッパさん、早いですよ」
(ゾウ)「ほんとほんと、全然落ちてないですよ」
なんと。1周目に比べると、かなり遅かったと思ったけど、ほとんど変わらない。
(カッパ)「1周目はウォーミングアップ無しで走ったけど、2回目は体もほぐれていたから良かったのかな」
(ゾウ)「やっぱ、ウォーミングアップって必要なんですね」
ううむ。やはりペンギンズは基本がなってないなあ。
次はトラさんが走ったが、これもなかなか良いタイム。
(カッパ)「今年も結構いいタイムで終わるかも」
しかし、次のジャンケンでは、おサルさんが負けてしまう。
(サル)「ひえ〜」
これは厳しい。おサルさんは、まだほとんど休めていないのだ。
(カッパ)「無理せずにマイペースで走ってくださいね」
(サル)「言われんでも、そうするわ」
と言いつつも、おサルさんも、1周目とさほど変わらないペースで帰ってきた。
(サル)「やっぱり周りにつられて無理して走ってしまうなあ、ゼイゼイ」
ジャンケンバトルも緊張感はピークに達し、もう二度と走りたくないわたしは、真剣そのもの。そして、次は?
(ウシ)「きゃあーーーっ!」
なんと、一発で決まってしまった。みんなパーなのに、ウシさんだけがグーだった。ウシは爪が2本しかないので、パーが出せないのだ。
(カッパ)「しんどかったら、無理せんと4本足で走ってもええから」
(クマ)「それ、むちゃむちゃしんどいですよ」
しかし、ウシはやってくれました。泣きながらも、なかなかの好タイムだった。
(カッパ)「やるなあ。ウシは本当にすごい。春のオリーブマラソンはハーフマラソンに出てもらうぞ」
(ウシ)「はいっ!分かりましたっ!絶対にハーフマラソンでデビューします!」
(カッパ)「絶対やぞ。今の言葉に偽りはないな?」
(ウシ)「絶対に出ます。ウシは嘘はつきません!」
みなさんも、証人になってくださいね。
ジャンケンバトルで盛り上がっていると、原子力チームの芝さんが近づいてきた。
(芝)「何やっとんの?」
(カッパ)「次に誰が走るか決めよんですよ」
(芝)「ようやるわ。まあええけど、うちのチームが勝っとるで」
ええっ!?なんと、あの山本さんを擁するアトミックパワーズに負けているだって!?一瞬耳を疑った私。ジャンケンバトルなんかしている間に、信じられない事態が進行していたのだ。
ま、しかし、どうでもええか。
そしていよいよ次のジャンケンバトルに。そして、遂に犠牲者出た。タイガーがまた負けてしまったのだ。
(トラ)「ゾウさんなんか、まだ1周しか走ってないのに、僕もう3周目ですよう」
と泣きながら走るタイガー。偉いぞタイガー。頑張れタイガー。君のそのひたむきな姿は、我々に感動を与えてくれたぞ。
(ゾウ)「ほな、ジャンケンはそろそろ終わりにして、後は適当に決めましょか」
(カッパ)「そやな。それが平和でええかな」
(ブタ)「そうっすね。適当に割り振りましょう」
(クマ)「そうしよ、そうしよ」
(トラ)「こらーっ!そんなんズルいやんかあ!」
タイガーは怒り狂い吠えまくったが、多勢に無勢。強引にジャンケンバトルは終了となり、後は適当に順番が割り振られた。結局、一人だけ4走ることになったのはタイガーだけ。一方、一人だけ2周しか走らなかったのは、ゾウであった。
(トラ)「そんなん、ひどいやんかあ。最初の話と違うやんかあ。シクシクシク・・・」

いつまでもいぢけるタイガーを後にして、走りたくてウズウズしていたクマは、さっそうと駆け出す。相変わらずすごい早さで帰ってきた。ところが、次のランナーがいない。
(クマ)「あれま。どないしましょう?」
(カッパ)「あれ?次は誰やったっけ?」
なんと、次は一人だけたった2周しか走らないゾウやないか。ゾウはどこかと見渡せば、呑気に歩いている。
(カッパ)「おいこら!早うせんか!」
(ゾウ)「えっ?クマさん、もう帰ってきたの?」
なんとせっかくクマが圧倒的なスピードでアトミックパワーズを抜き去って帰ってきたのに、ゾウを待っているうちに再び抜かれてしまった。
(カッパ)「こらあ、この遅れを取り戻せよっ!」
しかし、予想通りゾウは散々なタイムで帰ってきた。3周目に入っても、みんなタイムは落ちず、快調にリレーしていく中で、ただ一人2周しか走っていないのに、ゾウのタイムは相変わらず悪い。
(ブタ)「アメリカでは高地トレーニングはしなかったんですか?」
(ゾウ)「はっきり言って、アメリカよりも満濃の方が高度は高いな」
(カッパ)「お前、タイガーにかみ殺されるぞ」
(ゾウ)「おかしいなあ。シューズはアメリカで買ってきたおニューなんですけどねえ」

最後のアンカーは、今日の掘り出し物であるウシさんに決定。
(ウシ)「いやあん。わたしなんかがアンカーでいいんですかあ?」
(カッパ)「ペンギンズの将来はお前にかかっているんだ。名誉を汚さないよう頑張ってくれ!」
(ウシ)「まあ、嬉しいですわっ!頑張ります、船長!」
ウシが最後の1周を全力を振り絞って走り終えたところで全員が加わり、最後の直線はみんな揃ってウィニングランで決める。
(ゾウ)「ウィニングランと言っても、結構、順位は遅いですよ」
ま、順位は大したことはないが、動物さんチームでこれだけ健闘すれば、大満足。
(サル)「これ、病みつきになるなあ。ぜひ毎年出よう」

みんな揃ってウィニングラン
(もちろん一番はしゃいでいるのはウシ二世だあ!)

終盤までペンギンズと競い合っていた原子力チームだが、彼らは突然、作戦をマイペース賞狙いに絞り、一気に露骨なタイム調整に出た。まずは1周しか走らないと宣言していた山本さんを無理矢理再び走らせる。これは、はっきり言って無謀な企てだ。それは彼らも分かっていて、緊急事態に備えて、なんと伴走者を2人もつけていた。そこまでするか?
山本さんが普通の人の倍くらいのタイムで帰ってきたあとも、藤塚選手と津島選手が見事なまでのタイム調整レースを展開し、最後のウィニングランも、どう見ても歩いているとしか思えない遅さでゴールした。
(藤塚)「よし!これでマイペース賞はいただいたね」
(芝)「あれっ?でもゴールしたタイムと、申告タイムが違っているぞ」
(津島)「ええっ?なんと。間違えた!」

ちゅうことで、せっかくみんなのヒンシュクを買いながら露骨なタイム調整をしたアトミックパワーズですが、調整するべきタイムを勘違いしていたため、見事マイペース賞は貰えませんでした。

最後のチームがゴールして、閉会式が始まる。入賞には縁の無い動物チームだけど、閉会式の最後に抽選会がある。米やビールが当たるらしい。だんだん夕方になって寒くなってきたが、どん欲になった動物たちは、辛抱強く待つ。

(カッパ)「あれ?またうどん食べよんの?」
(ゾウ)「今度は豚汁です。うまいっすよ」
(カッパ)「なるほど。これはうまい」
(クマ)「おっ、ええもん食べよりますね」
(ブタ)「美味しそうですねえ」
(カッパ)「これこれ、ブタがブタ食べたらいかんがな」
と言うことで、みんなで豚汁をすすりながらひたすら待つ。しかし、なかなか表彰式は終わらず、豚汁も食べ尽くしてしまい、あとはテントに逃げ込んで、ひたすらストーブにしがみついて待つ。そして、いよいよ抽選会に。ステージ前まで行って、わくわくしながら待つ。次々と当選者が読み上げられていく。こなな時間まで寒い中を待っているグループは少なく、名前を読み上げられても名乗りでない人が多い。当然、その場合は無効になる。て言うことは、ここまで待ったグループの当選確率はかなり高い。と思う。それなのに、ああ、それなのに、なかなかペンギンズは当たらない。そのうち、なんと
(司会者)「次はアトミックパワーズの芝さあんっ!」
って、なんとなんと原子力の芝さんが当選してしまった。ところが、原子力チームはとっくの昔に引き上げてしまっている。
(ブタ)「僕らが芝さんのフリをして出ていっても分かりませんよね」
(カッパ)「いや、そら、分かる。うちのチームだけは目立っとるから誤魔化しがきかんぞ」
そのままひたすら待ったけど、結局、何も当たらなかった。
(カッパ)「さびし。来年はすぐ帰ろうね」
(ブタ)「帰った時に限って当たりますからねえ。芝さんみたいに」
ほんま。芝さん、もったいない事したなあ。賞品は、えーと、確か、世界一周旅行券じゃなかったかなあ。たしか。



                            

[後記]

レースの後、しばらくして主催者側から結果報告紙が送られてきたました。それを見ると、なんと我が四電ペンギンズの写真が載っているではないの。そのキャプションでは「第1回大会に引き続き、全員動物姿で大人気だった四電ペンギンズ」と紹介されております。去年と違って、今年はレース当日には紹介して貰えなかったけど、やはりインパクトはあったようです。
ちなみに、主催者側のホームページにも真っ先に写真が掲載されています。画像の質が悪くて分かりにくいですが、写っているのはゾウじゃなくてクマさんの方だと思います。

第2回国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会ホームページ


〜おしまい〜




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