第28回 小豆島オリーブマラソン大会
2005年5月22日(日)に第28回小豆島オリーブマラソン全国大会が開催されました。
(中山)「今回は女子部員は何人出るんですか?」
(幹事長)「それが、女子部員が全滅なんや。現役選手3人ともフラれてしもた。
で、新人も勧誘したんやけど、準備不足との事で出てくれんかった」
(中山)「じゃ、僕も」
(幹事長)「これこれ」
去年は新人女子部員がデビューしたので、華やかだったんだけどなあ。
(幹事長)「今振り返ってみれば、あの頃がペンギンズの絶頂期だったのかもしれんのう」
(中山)「想い出はええですから、幹事長のコンディションは?」
(幹事長)「それがなあ・・・」
最近、わたくしは、極めて体調が悪い。と言うか、体にガタがきている。
(中山)「はっきり言って歳でしょう」
(幹事長)「はい」
先日、会社の定期健康診断があった。僕は生まれつき血圧が低いため、朝起きるのはしんどいけど、高血圧を心配する必要は全く無かった。で、油断していた。
ところーが!いつの間にか血圧が着実に上昇を続けていて、なんと、健康体のギリギリの線を越えそうにまでなっていた。愕然!
(幹事長)「こ、これは、一体どうしたことでしょう?」
(保健婦)「歳ですね。歳とると血管が硬くなって血が流れにくくなるので、心臓が頑張って血圧を高めるんですよ」
(幹事長)「なあーんだ、心臓くんが頑張っているのか・・・、って、安心できませんがなっ!
どないすれば、ええんですか?塩分控えめとか?」
(保健婦)「歳ですから、どうしようもないですね。まだ危険値じゃないから特に気を付ける事もないですよ」
(幹事長)「そうっすかあ・・・。それから、急に老眼気味になって、というか、完璧に強度の老眼になりまして。
こら、どうしようもないですか?」
(保健婦)「ふふふ。どうしようもないですね」
(幹事長)「それから、耳も悪くなったような気がします。時々、会話が聞き取りにくくなったんですが」
(保健婦)「歳とれば、そういう事もありますね」
(幹事長)「それから、走ったりすると腰がだるくなったりするんですよ」
(保健婦)「背筋なんかが衰えてますね。毎日、筋トレやってください」
(幹事長)「ま、毎日ですか・・・」
かなり気分が落ち込む健康診断であった。
(中山)「で、筋トレやっとんですか?」
(幹事長)「トレーニングとか練習という言葉は私の辞書には無いっ!」
(中山)「もう体ボロボロですね」
(幹事長)「体力、精力、知力とも全滅やな」
(中山)「せ、せ、せ、精力もですかあっ!?」
精力にだけ過剰に反応する中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)であった。
健康診断だけでなく、走る方も、最近、ちょっと弱い。去年は年末のフルマラソンに向けて比較的、充実したトレーニングを積んでいたのだけど、今年に入って調子はいまいちで、特に1ヶ月ほど前から膝が痛み出した。10km程度走ると痛くなるのだ。一度、無理して、痛みをこらえて走り続けていたら、その後、しばらく、歩くのも苦痛になったので、それ以来、トレーニングも控えめにしている。なので、今回のオリーブマラソンのハーフ21kmを完走できるかどうか、かなり不安なのだ。
さて今回は、女子メンバーは全滅だったが、東京支部長のピッグ増田選手が高松に戻ってきた。ばんざーい。それから東京副支部長の笹谷選手も高松に戻ってきた。これまた、ばんざーい!新居浜支部長や阿南支部長も続々と駆けつけ、頭数だけは去年並みの大人数となった。
と思ったら、
(笹谷)「えーと、申し込みはしてたんですけど、その後、子供の学校の運動会がかぶってしまいまして、
残念ながら欠場とさせて頂きます」
(幹事長)「あれ?どっかで聞いた話やなあ。なあ石材店?」
(石材店)「はいっ!その通りでございますっ!わたくしの子供も運動会ですが、わたくしはマラソンを優先させますっ!」
家庭を顧みずマラソンを優先させる将来の幹事長候補石材店であった。
結局、参加者は、久しぶりの登場のピッグ増田選手、新鋭のペンギン中村選手、オリーブマラソンだけは欠かさない中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)、家庭を顧みない石材店&幹事長、お父上の同伴者の福家先生、遠路はるばる駆けつけてくれる新居浜支部長と阿南支部長の8人となる。
(ピッグ)「僕が東京に行ってる間に女子部員が激増したと聞いて、久しぶりの参加を楽しみにしてたのに、
女子が出ないんじゃあつまんないなあ」
(笹谷)「いやあ、ほんまですよ。ガッカリやなあ」
(幹事長)「あっ、まさか、お前、それが理由でサボるんじゃあ?」
(阿南支部長)「今年も幹事長は車を出してくれるんですか?」
(幹事長)「僕が車を出すのは、女子部員がいる時に限る!」
既に空中分解し始めたペンギンズであった。
このレースの最大の欠点は、朝、かなり早起きしないと臨時船に乗れない事だ。出航時刻が早いうえに、船着き場がものすごく不便な場所だ。過去、船に乗り遅れて参加できなかったメンバー多数。しかし、今年は大幅に改善され、船着き場がJRや琴電の駅の近くに変わり、とても便利になった。
(石材店)「でも、せっかく駅に近くなったのに出航時刻が早いままだから、結局、丸亀からJRで来たのでは間に合わないんですよ」
(中山)「むしろ、駐車場が無くなって車で行きにくくなったから、かえって困りますよ」
結局、みんな、例年通りかなり早起きしなくてはならなかった。
船に乗り込むと、さっそく中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)とペンギン中村君と石材店に会う。3人はペンギン君の車で乗り合わせてきたのだ。臨時船にはフェリーが使われているのだが、人が座れる数少ない座席は早々に埋まってしまい、たいていは車を載せる甲板に寝っ転がらされる。しかし、中山選手やペンギン君が早々に来て客席の通路にビニールシートを敷いて場所取りしてくれているので、固くて冷たい甲板に寝ないですむ。
(幹事長)「できれば、もっともっと早く来て座席を確保してくれていれば言うことないのだが」
(中山)「よっぽど幹事長の家の方が近いんだから、自分が早く来てくださいよ!」
通行人の邪魔になっているのを気付かないフリをして通路の真ん中でくつろいでいると、新居浜支部長もやってくる。絶不調の今年は、勝てる可能性が少しでもあるのは支部長だけである。軽く様子を窺ってみる。
(幹事長)「お元気っ?」
(支部長)「ボチボチでんな」
ううむ。なんとなく自信があるような。
阿南支部長もやってきたが、我が物顔で通路を占領している我々に眉をひそめて甲板に降りていった。
(幹事長)「彼の、あの遠慮がちな性格がレース展開にも悪影響を及ぼしてないか?」
福家先生も顔を見せる。例年通り、82歳の父上と一緒に参加している。父上は、高齢者の参加者ということでプログラムにも紹介されている。
(石材店)「自分は82歳になっても走れるとは思えませんねえ」
(幹事長)「せめて70歳までは生きたいなあ」
(中山)「精力が無くならないようにするには、どうしたらいいんだろう・・・」
最後まで増田選手だけが見あたらなかったけど、小豆島に着いたら見つかった。
(幹事長)「どこにおったん?」
(増田)「新居浜支部長に拉致されて甲板に寝転がってました」
今年は朝から小雨模様で、ちょっとスッキリしない。この時期、晴天になると暑くなるので、それよりはマシだけど、あんまり降ると鬱陶しい。出迎えの小学生の鼓笛隊も、なんとなく湿っぽい演奏。
(増田)「て言うか、毎年、数が減ってませんか?」
(幹事長)「少子高齢化で子供が激減してるんだろうなあ」
小学校1年生の時、小豆島に住んでいた僕としては、寂しい限り。
今年は、福家先生が父上と一緒に5kmに出るほかは、僕とピッグ増田と中山選手と石材店とペンギン君と新居浜支部長と阿南支部長の7人がハーフマラソンに出る。かなりマジなガチンコ勝負である。
(幹事長)「なーんて言っても、F川もいないし、このメンバーで僕のライバルと言えば、新居浜支部長だけやな」
(石材店)「知らない人が聞いたら、トップ争いかと思いますよ」
丸亀マラソンでは一昨年、新居浜支部長に負けてしまったが、このオリーブマラソンでは新居浜支部長に負けた事は無い。いくら今年は絶不調とはいえ、新居浜支部長にだけは負けたくない。後ろからシューズを踏んづけても負けたくない。
(支部長)「変な事せんとってくださいよ」
でも、本当のところ、今年は新居浜支部長に負けても仕方ない。それより完走できるかどうか不安だ。
ところで、プログラムを見て唖然。
(幹事長)「なんじゃ、こりゃーっ!クラブ名が書いてないぞ!」
例年、というか、どんなレースでも、プログラムの参加者名簿には名前とクラブ名と県名くらいは書いてある。年齢を書いている事も多い。それなのに、今年はなんと、名前と県名しか書いてない。
(幹事長)「クラブ名が書いてなければ意味無いじゃないかーっ!」
県名なんて不要だ。クラブ名が大切なのだ。四電ペンギンズとデカデカと書いてくれてないと、存在意義がないじゃないかっ!
(石材店)「個人情報保護法のせいですね」
(幹事長)「くだらん。全く、くだらん。個人情報保護法はマラソン大会の参加者名簿へのクラブ名記載を禁止しているのかっ!」
考えられない対応だ。クラブ名が出ると、何かマズい事があるのか?年齢が出ると何かマズイことがあるのか?所詮、県名しか出てないのだから、クラブ名は年齢くらい出しても問題ないだろう?
今年、施行になった個人情報保護法は、みんなが過剰反応して何かと不便が多くなったが、本当にバカバカしいことだ。世の中からあらゆる名簿が消えていく。みんな、そこまで自分の存在を隠したいのかっ!?
(石材店)「分かりましたから、書くんなら、幹事長の独り言コーナーに書いてくださいな」
雨は小雨とはいえ、止む気配はない。なんとなく鬱陶しい感じ。レース前のストレッチ体操も、今年はインストラクターが兄ちゃんなんで、いっこうに盛り上がらない。インストラクターがおねいちゃんなら真っ先に飛び出してくる中山選手も出てこない。おまけにオリーブの女王も、今年はイマイチ。少子高齢化で若い子が激減している島なので、選考委員会も究極の選択をしているのだろうけど、これじゃあ記念写真を申し込みに行く気力も萎えちゃうなあ。去年は、全身真っ黒のストレッチマンや、ゲストの増田明美さんや、きれいなオリーブの女王がいたので、結構、盛り上がった開会式だったけど、今年は盛り上がる間もなく、あっという間に終わってしまった。
暇つぶしにオシッコなんかしてる間に、いよいよスタートだ。去年は、「前の方からスタートして少しでもタイムを縮めましょう!」っていう中山選手の甘い誘惑に負けて前方からスタートし、次から次へと抜かれるばっかりで、大変気分を害したので、今年は後ろの方からスタートする。完走だけが目標なので、当たり前だけど。新居浜支部長やピッグ増田も同じ場所からスタートするんだけど、あれ?石材店までが同じ所にいる。
(幹事長)「どしたん?お前みたいに速い奴は前の方からスタートせんと損やぞ」
(石材店)「今日、ほんとに体調が悪いんですよ」
なんと石材店は、数日前から風邪気味で、出走することすら悩んだくらいの体調らしい。
(幹事長)「そこまで体調が悪いのに、おまけに子供の運動会をけって参加するなんて、本当に見事な心構えっ!」
(笹谷)「素晴らしい!」
(F川)「素晴らしすぎます!」
(幹事長)「あんたら言葉が軽いっ!」
そのうち、ドサクサに紛れて、いきなりスタートのピストルが鳴る。いくら体調不良とはいえ、ベースのスピードが僕らとは全然違う石材店なので、いざスタートすれば、あっという間に遠ざかっていくだろうと思っていたら、今年はいつまでたっても僕らと一緒にちんたら走っている。本当に体調が悪いようだ。
僕は、と言えば、予想通り体が重く、いつもなら感じるスタート直後の高揚感が無い。やはり無理できる状態ではないような感じ。最後まで完走できるように、できるだけペースを抑えながら走る。一応、新居浜支部長にだけは引き離されないくらいのペースで走る。しかし、後ろから窺うと、新居浜支部長も決してラクラク走っているようでもない。そこで、ちょっと牽制する意味でスピードを上げてみる。着いて来れなかったら、ここで一気に引き離し、戦意を喪失させる作戦だ。しかし、ふと気が付くと、すぐに僕に追いついてくる。ふむ。まだまだやる気のようだ。今度は給水所で新居浜支部長が水を取りに行ったスキに一気に引き離す。この作戦は成功したようで、しばらくは追いついて来れなかった。しかし、それも時間の問題で、やがて何事もなかったかのように追いついてきて話しかけてきたりする。逆に、水を補給しなかった僕の方がダメージが大きい。胃の痛くなるような神経戦を展開している間に、気が付くとピッグ増田選手と石材店は、遙か彼方に見えなくなっていた。
やがて最初の折り返し点にくる。ペンギン君が異常に速い。さらに中山選手も異様に速い。ピッグ増田や石材店には、そこまで離されてないけど、追いつくのは不可能のポジションだ。はやり敵は新居浜支部長のみだ。
折り返し点ですれ違いながら見ていると、今年は結構、面白いランナーが多い。動物さんチームもいれば、ハードロック野郎チームもいる。そう言えば、スタート前には、たぶん5kmコースだと思うけど、ゴレンジャー風の5人組もいた。今年は小雨で随分マシとはいえ、この季節、あなな格好じゃあ暑くてたまらんと思うけど。僕らも早く実力を付けて、満濃リレーマラソン以外でも動物チームで出たいなあ。
かなりスローなペースを維持していたので、心配していた膝の痛みは出ないんだけど、なんとなく怖いのでスピードアップできない。そうこうしていると、8km付近で、ずるずると新居浜支部長に離されていく。かなりペースを抑えて走ってきたので、まだバテているはずはない。て事は、新居浜支部長がスピードアップしたのか?ちょっと焦るが、膝の痛みと終盤の失速が怖くて、新居浜支部長に着いていくのは諦める。後は自分との闘いだけだ。
第二の折り返し点で確認すると、石材店が大幅に順位アップしている。前半とはえらい違いのハイスピードで爆走している。体調は良くなったようだ。中山選手もまだまだ早い。おまけに新居浜支部長にも随分引き離されている。どんなに頑張っても、追いつける距離ではない。あるとすれば、新居浜支部長が終盤バテて自滅するのを待つのみだ。
その後も抑え気味に走っていたら、15km付近になっても全然バテない。小雨で暑くないせいなのか。膝の痛みも全然出そうにないし。ペースを抑えて走るのが、なんとなくバカらしくなり、一気にスピードアップした。それでも全然平気。例年なら、終盤は必ず歩く上り坂でも全然苦にならず、快調に走っていける。どんどん走っていくと、ようやく遠くに、新居浜支部長らしき後ろ姿が見えてくる。だいぶバテているようだ。これなら一気に追いつける。ガンガン走っていくと、しかし、遠目では新居浜支部長に見えた人影だが、なんとなく違うような気もしてくる。なんとか追いついたけど、やっぱり別人だった。あれま、ガッカリ。
って思っていると、さらに遅いペースで完全にバテている新居浜支部長が突然、目の前に現れる。足を引きずっている。やはり新居浜支部長は例年通り、終盤で自滅したようだ。
(幹事長)「こらこら、頑張らんかいな」
(支部長)「げげっ」
彼は、まさか抜かれるとは思ってなかったようだ。ちょっと油断しすぎだ。突然抜かれた事による心理的ダメージが大きくて、彼はその後、立ち直るきっかけが無かったようだ。
その後も全然バテず、て言うか、むしろ体力有り余り状態で、最後は猛然とスパートした結果、なんと大会自己ベスト記録が出てしまった。
(中山)「このタイムで自己ベストだなんて、よっぽど過去はひどかったんですねえ」
(幹事長)「かつて塩江マラソンでビリから5番目だった君に言われたくはない」
確かに、このレースを得意中の得意にしている中山選手に比べて、僕はこのオリーブマラソンが苦手中の苦手だった。もっと坂の多い小豆島タートルマラソンの方がはるかにタイムが良い。オリーブマラソンには魔物がいるのだ。しかし、それは自分の思いこみだったのかもしれない。今回も、もうちょっと早めにペースを上げていれば、もっとマシな記録になったような気がする。
(支部長)「いやいや、そんな事はありませんぜ。ペースを上げるのがちょっと早かったばっかりに、今年も終盤バテましたよ」
相変わらず終盤の失速グセが直らない新居浜支部長だった。
今回、チームでトップはペンギン君だった。はっきり言って、かなり早い。
(幹事長)「石材店、阿南支部長と並んで皇帝ペンギン三羽ガラスの栄誉を授けよう」
(ペンギン)「なんでペンギンなのに、カラスなんですか」
(幹事長)「これで君も、ようやく正社員だね」
(ペンギン)「税金の関係で年収は103万円以内に抑えたいんですけど」
石材店も、後半の異様なハイペースで、そこそこのタイムを出した。
(幹事長)「前半、あれだけ遅かったのに、ようそこまで頑張れるなあ」
(石材店)「後半は何百人もごぼう抜きしましたよ。チョー気持ちいいっ!」
中山選手も、結構、早かった。それに引き替え、阿南支部長は惨敗だった。
(支部長)「中山選手に負けるだなんて、もう、トホホ」
ピッグ増田選手も、決して悪くないタイムだった。
(ピッグ)「幹事長に比べれば悪くないけど、ぜんぜん良くないですよ」
(幹事長)「ふっ。僕は新居浜支部長に勝ったから、何言われても平気ですよーだ」
(支部長)「あー、今回も幹事長に負けてしもうた。あー、悲しい現実」
レースの翌日、今年も反省会があった。
(中山)「反省会には女子部員は来るんですか?」
(幹事長)「レース同様、現役女子部員は全滅なんや。強力に勧誘した新人さんは、最初はOKだったけど、直前にドタキャンや」
(中山)「じゃ、僕も」
(幹事長)「これこれ」
結局、反省会も男だけになったしもた。
で、例年、オリーブマラソンが終われば、暑い夏をやり過ごし、9月か10月のレースまで冬眠するペンギンズだけど、今年は違うぞ。なんと今年は7月の四国カルスト高原マラソン大会に出るのだっ!みなさん期待してねっ!
〜おしまい〜
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