第2回 高松ファミリー&クォーターマラソン in 庵治

〜 ペンギン妻の快走 〜



10月28日(日)庵治町において高松ファミリー&クォーターマラソン in 庵治が開催された。今年で第2回の由緒の無いレースだ。ただし、このレースは、一昨年まで20回も開催されていた庵治マラソンと、同じく10回開催されていた屋島一周クォーターマラソンが、市町村合併によりレースも合併したものだから、実はそこそこの由緒はある。

ファミリー&クォーターマラソンという名前が示すとおり、このレースの売り物は、
小学生と親が一組で一緒に3kmを走るファミリーマラソンと、12kmのクォーターマラソンだ。なんで12kmがクォーターマラソンかというと、屋島一周クォーターマラソンの名残だ。屋島一周は12kmなんだけど、ま、そこはおおらかにクォーターマラソンと称していた。それはそれでよし。ところが、コースが庵治になった今となっては、庵治半島を一周する訳でもなく、単に坂の途中で折り返す中途半端なコースなんだから、クォーターマラソンの名の通り10kmとか10.5kmにしてもよかったと思うんだけど、12kmのままだ。名前もクォーターマラソンのままだから、意味不明のレースとなってしまった。いかにもお役所仕事っぽくて好き。そのほか普通の5kmレースというのもある。

昨年の第1回大会は、ピッグ増田、石材店、支部長、笹谷選手、福家先生といった主力メンバーが参加したが、今年はピッグ増田は北国へ転勤になってしまったので出られない。
しかーしっ、なんと
今年は女子部員が2名も参加するっ!1月の満濃動物リレーでデビューしたライオンさんとブタ2号が、春のオリーブマラソンに続き、今回も果敢にも参加するのだ。

(石材店)「彼女たち、すごいですねえ」
(幹事長)「全く練習もせずに、いきなりレースに出る度胸は、確かにすごいわなあ」


ま、しかし、オリーブマラソンで軽く10kmを完走した彼女たちだから、今回の12kmも問題ないだろう。

なーんて期待してたんだけど、レースの前々日の夕方、仕事も終わり、石材店と当日の集合の打ち合わせをしていたそのとき、突然、ライオンさんから連絡が入る。

(ライオン)「実は最近、体調不良で、回復するかなと期待して待ってたんですが、
       週末も病院に行く事になって、レースに出られないんです」
(幹事長)「ななな、なーんとっ!」


しかも、追い打ちを掛けるように、ブタ2号からも連絡が入る。

(ブタ2号)「私も体調不良で、不参加にしますぅ」
(幹事長)「なななななーんとっっっっっ!」


あまりの突然の不幸の手紙に、石材店と2人、石のように固まってしまった。しかも、呆然とする我々に追い打ちを掛けるようなブタ2号の言葉。

(ブタ2号)「今から急いで家に参加証を取りに帰ってきますから、参加賞はもらっといて下さいねっ、うふっ、ブヒッ」


我々のショックを全く気にしない彼女たちの行動に、ますます打ちのめされていく金曜日の夜であった。

新人女子部員2名の突然のキャンセルで、全くやる気を失ってしまった私だが、ピッグ増田なきあと、幹事長兼運転手を一手に引き受けている関係から、やめるわけにはいかない。ブツブツ文句言いながら、朝早く起きて、まずは支部長を迎えに行き、その後、JR高松駅で石材店と笹谷選手を拾い、レース会場の旧庵治町役場へ向かう。スタートは11時過ぎなんだけど、遅く行くと駐車場が無くなっちゃうので、2時間半くらい前に着いてしまった。

新人女子部員2名の突然のキャンセルにより、今年の参加者は、結局、去年とほぼ同じで、石材店、支部長、笹谷選手、福家先生と言った顔ぶれ。それから、これまでも時々アドバイスをもらっていたつっちー君も参加している。彼も相当な高速ランナーだけど、なぜか最近はあまり長い距離は走らず、専ら、せいぜい10kmくらいのレースに出ている。

今年の参加も主力メンバーに厳選
(左から つっちー君、支部長、幹事長、笹谷選手、石材店)

(石材店)「ところで期待の新人の○の選手も出るはずだったけど?」
(幹事長)「なんか仕事が忙しくて、来られるかどうか分かんないって。
       取りあえず、来られなかった時のために、参加賞だけは貰っといてって、朝早く、うちに参加証を持ってきたよ」


新人女子部員2名といい、○の選手といい、
なぜこんなに参加賞にこだわるかと言えば、去年の参加賞は何だったか忘れてしまったけど、このレースの前身である屋島一周クォーターマラソンの参加賞が異常に良かったというイメージがあるからだ。参加費がたった1000円だったのに、素晴らしく立派なバッグをくれたりしていた。たぶん何かの余り物だろうけど、お得感があった。
ところがところが、今年の参加賞はショボかった。小さなペットボトルケースだった。

(支部長)「参加費が2000円にアップになった割には、参加賞が貧弱になりましたねえ」

参加賞だけじゃなく、去年は福士加代子がゲストに来ていたけど、
今年はゲストも無し。なんだか、第2回目にして、早くも先細りのレースだ。

参加賞も貰って着替えて準備万端になったけど、スタートまで2時間もある。
新人女子部員2名が突然キャンセルしちゃったもんだから、時間を持てあましてヒマヒマ状態。

(石材店)「えらく女子部員のキャンセルにこだわりますねえ」
(幹事長)「だってだって、彼女たちが来ないとつまんないよ〜。えーんえーん」
(石材店)「あんまりしつこく責めると嫌われますよ」
(幹事長)「だってだって、彼女たちがいないとやる気が出ないよう〜、やだようやだよう、えーんえーん」


ま、泣いていても仕方ないので、気持ちを入れ替え、今年は自分と戦うタイムアタックに切り替える。まずは軽くウォーミングアップだ。

(幹事長)「って言っても、なんじゃこの暑さは」
(支部長)「日なたにおったら体力消耗しますよ」


慌てて日影に退却する。それにしても
良い天気で、10月末とは思えない高気温。寒いより暑い方が好きな僕だけど、まさかこんなに暑くなるとは思ってなかった。帽子なんか持ってきてないし。

仕方なく、うだうだと支部長と世間話する。支部長は、最近、ミス坂出さんと知り合ってしまったのだが、なんと彼女はオリーブマラソンに出たりしているらしいのだ。

(支部長)「で、今、満濃動物リレーに一緒に出ないか誘ってるんですよ」
(幹事長)「動物の格好をするってのは、当日まで内緒にしといてね」


思い起こせば、女子部員が壊滅状態に陥った昨年、職場でパワハラを駆使して新人女子部員大量入会の荒技で危機を救ってくれたのも支部長だった。このおぢさんの一体どこに、このようなパワーが秘められているのだろう。


(支部長)「ところで今年の目標は?」
(幹事長)「今年は1時間を切りたいなあ」


同じ12kmでも屋島一周クォーターマラソンの頃は1時間は切ってたんだけど、庵治は坂が多くて、なかなか厳しい。

(幹事長)「支部長は?」
(支部長)「私も1時間を目標にしたいですね」


昨年は、支部長は直前にあった小豆島一周100kmウォークなんていうキチガイみたいなイベントに参加した後遺症により、終盤は足を引きずっていた。今年は小豆島一周100kmウォークには出ずに、なんとか体調を維持しているようだ。しかも、支部長は最近、毎日数kmは走っているとのことだ。

(幹事長)「何か目覚めたわけ?」
(支部長)「最近、また単身赴任状態なんで、ヒマなんですよ」


更衣室に籠もっていても気分が晴れず、新人女子部員2名が突然キャンセルしたショックから立ち直れないため、再び外へ出てフラフラしていると
さとやんに会う。さとやんは会社の同期で、最近は遠方に単身赴任しているんだけど、自宅が高松なので参加したらしい。

(幹事長)「レースには結構、出てるん?」
(さとやん)「いやいや、レースなんて数回目や。この大会も初めてやし」


そうか、そうか、まだまだ初心者のアマチュアやな。ま、僕の敵ではないな。

そうこうしていると、仕事で参加が危機的状況だった
○の選手が、なんと仕事を抜け出して駆けつけた。

(幹事長)「おおう、大丈夫かあ?」
(○の)「いやいや全然大丈夫じゃなくて、バレるとまずいんで、参加した事は極秘にしといて下さいね」


という事情のため、今回は伏せ字で「○の選手」という表記になっている。

(笹谷)「ま、見る人が見たら、バレバレですけどね」

それにしても、早朝から仕事して、ギリギリに抜け出してくるなんて、素晴らしい情熱だ。この情熱を、ぜひ、
突然のキャンセルをした新人女子部員2名に見習ってもらいたい。

(石材店)「しつこすぎますよ」
(幹事長)「だってだって彼女たちがいないと寂しいんだもーん、えーんえーん、しくしくしく」


うんざりするくらい待ったけど、ようやくスタート時間が近づいてくる。まずは親子で走るファミリーマラソン3kmの部が先だ。去年に引き続き、
新城プロがお子さんと一緒に参加している。ファミリーマラソンの部がゴールしてから12kmのスタートとなるので、ゴールを見ていたけど、小学生を侮ってはいけない。早い親子は12分くらいで帰ってくる。

(幹事長)「あり得なくない?」
(支部長)「精神衛生上悪いから見なかった事にしましょう」


次はようやく12kmのスタートだと思って待っていると、突然バスが攻め込んでくる。せっかくスタート地点にランナーが集合しているのに、路線バスの容赦ない攻撃によって蹴散らされてしまう。

(幹事長)「このレースは交通規制をしないんか!?」

さて、いよいよ12kmレースのスタートだ。
レースのたびに悩む

  @ とにかく最初から飛ばして前半で貯金を稼ぎ、終盤にバテてもなんとか逃げ切る

  A 最初は力をセーブしておき、後半に余力を一気にはき出して逆転する


二者択一だが、今回は異常に暑いので、後半バテると、それこそ支部長状態に陥るので、おとなしくAを選択することにする。しかも、このコースは、坂が多い。去年は初めてだったので「大した事ないですよ。そんなに大きな坂も無いし」という新城プロの言葉を鵜呑みにしたため大やけどをしたけど、今年は前半は慎重に行こう。

スタート直後は、ついつい周りのランナーに引っ張られてオーバーペースになりがちなので、取りあえず支部長の後を着いていく。ところが、
支部長のペースが異様に速い。そういえば去年も支部長のペースが早く、着いていくのに苦労した。それでも去年は支部長が故障気味だったため、なんとか食らいついていくことができた。しかし今年の支部長は万全の体調だ。無理して着いていったら早々に潰れてしまいそうなので、あっさりと脱落する。
しかし、さすがは支部長。絶対に期待を裏切らない。僅か3kmほど走ったところで、早くも後ろ姿が見えてきた。しかも、みるみるうちに後ろ姿が大きくなる。
異常に遅いペース。早くも失速したか。軽く支部長を逆転してマイペースを続ける。

いくつか坂を越えた後、5km地点辺りから始まる最後の坂が非常に長く厳しい。折り返し点まで1kmくらい上り坂が続くのだ。去年は知らなかったので、いつまでも続く坂に目の前が真っ暗になったけど、今年は心の準備が出来ているため、なんとか乗り切れた。折り返して後続のランナーを確認していると、なんと
支部長が結構、速い。僕とそんなに離れていない。早々にバテていたように見えたんだけど、すぐに回復したようだ。なんとなく不気味。ちょっと焦りながらペースを上げる。

去年は、レース後に余力が残ってしまい、なんとなく不完全燃焼のパッとしない結果だったため、今年は後半に全力を注ぐ作戦だ。なーんて思っていたんだけど、どうあがいても1時間は切れそうになくなってきたため、またまた
目標を失い、ペースが落ちていく。しかしあんまりのんびりしていると支部長に再逆転されるかもしれないので、それだけは絶対に避けようと緊張感は維持しつつ、最後の2kmほどは力を振り絞ってスパートする。結局、相変わらずパッとしないタイムではあったけど、去年よりは少し速かった。支部長も、今年は終盤に失速せず、そんなに悪くないタイムでゴールしてきた。

(幹事長)「珍しく失速せんかったなあ?」
(支部長)「て言うか、抜かれたのに気づかず、てっきり勝ってると思っていたら、
       折り返しで負けているのが分かってガックリですよ」


一方、石材店と笹谷選手も、いつもどおりの好記録だ。

(幹事長)「結局、いつもパッとしないのは僕らだけやねえ」
(支部長)「まだ練習が足りんのかなあ」


それから、なんと早朝から仕事してギリギリで抜け出してきた○の選手が異常に素晴らしいタイムだった。彼は春のオリーブマラソンでも圧倒的なタイムでペンギンズ優勝に貢献したんだけど、出るレース出るレース快記録を残している。

(幹事長)「一体どこに、そんな力が秘められていたんだ?」
(○の)「やっぱり日頃のトレーニングの積み重ねですねえ」


○の選手は、
ゴールするやいなや、勝利の余韻に浸る間もなく、すぐさまネクタイ姿に着替え、仕事場へ帰っていくのであった

(笹谷)「サラリーマンの鏡やねえ」
(幹事長)「ぼ、ぼくだって、新人女子部員さえ来てくれていたら、しくしくしく・・・」


なんとなく不完全燃焼気味に歩いていると、おや、どこかで見たペンギン君

(幹事長)「おやま、誰かと思ったら、今回は不参加のペンギン中村くんじゃあーりまおんせん。一体、どうしたの?」
(ペンギン)「いや、実は、今日は僕は走らないんだけど、家内が走るもので」


ペンギン君の奥さんは僕らとはレベルの違うセミプロ級ランナー
で、今回は奥さんが出場するからペンギン君は子守を仰せつかっているのだ。お子さんはまだ生後4ヵ月。てことは、奥さんは産後まだ4ヵ月。それでもペンギン君より速いため、奥さんの方がレースに出たのだ。

(幹事長)「家庭内では、やっぱり実力のある方が発言力があるってこと?」
(石材店)「なかなか厳しい世界ですねえ」


そして、なんと、ペンギン君の奥さんは出産後の復帰初レースだというのに、
女子5kmの部で4位に入賞してしまった。

(幹事長)「すごいなあ、あり得んですよ」
(ペンギン妻)「幹事長さんは、どうだったんですか?」
(幹事長)「いやいや、相変わらず達成感の無い、平凡な満足感ですねえ。
       それにしても、復帰でいきなりそんな結果を出すと、ますますペンギン君の発言力が小さくなっていくなあ」
(ペンギン)「来年の満濃リレーには出ますからっ!」
(石材店)「ぜひ奥さんも一緒に出てね」


ペンギン君の奥さんの快走にも驚いたけど、さとやんにも驚いた。レース後に見かけたとき、絶対に僕よりは遅いだろうと思って、軽く

(幹事長)「どう?1時間切った?」

なんて冗談で聞いたら、本当にあっさり1時間を軽く切っていた。がーん。

(幹事長)「なんでそんなに速いん?」
(さとやん)「単身赴任で毎日ヒマで走ってるけんね」


そうかあ、結局、単身赴任で毎日走ってる人が結果を残すんかあ。

(支部長)「例外もここにおりますけどね」

週末しか走らない僕としては、ま、これくらいで満足するしかないか。

(石材店)「今回は掲載が遅くて、ヒヤヒヤしましたよ。次のレースである小豆島タートルマラソンまで、あと2日ですよ」
(幹事長)「最近、仕事が忙しくて、出張続きだったからなあ。
       でもなんとか間に合って良かったなあ。次のレースがあると、もう書く気力が失せるもんなあ」


てな訳で、なんと明後日は小豆島タートルマラソンだ。熾烈な戦いが繰り広げられる、と思うよ。


〜おしまい〜




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