イノシシ(イノブタ)対策・あれこれ
温州みかんの美味しさを知っているのは、人間だけではありません。
当園では、昨年イノシシの被害に泣きました。人間の腰から下ぐらいの高さのみかんが、軒並み被害を受けたのです。当園の特徴として、木にならした状態のままで完熟するのを待っているのですが、採り入れ間近になった木から木へと次々に被害が広がっていったのです。被害金額にして、約50万円程度に膨れ上がりました。
何もしてなかったのか? と思われるでしょうが、一応対策はとっていたのです。
写真1−爆音器
上の写真1はLPガスを使った爆音器です。初めはこの器械で効果も上がっていたのですが、敵もさるもの(サルではなくてイノシシでした)、定期的にドカーン、ドカーンと音がするだけでは、慣れてしまうのでしょう。しばらくすると、うり坊(イノシシの子ども)まで走り回った跡が残っています。本当に、なめられっぱなしです。
同じ段々畑の中でも、「この木のみかんは美味しい。」という木があるのですが、そんな木は特別被害が大きいのです。暗闇のなかでどうやって見分けるのか感心するばかりです。イノシシは犬程度の嗅覚をもっているらしいので、木になったみかんから完熟を知らせる香り(フェロモンのようなもの)が出ているのかもしれませんね。
この反省を踏まえて、今年はいろいろなイノシシ対策を行っています。
@ 爆音器作戦
今年も懲りずに、仕掛けています。「ドカーン」というあの音は、とにかく迫力があります。
〈上記写真1参照〉
A カンテラ作戦
聞いたところによると、人工的な光が「ピカッ」「ピカッ」と定期的に光るのは、爆音器と同じように時間がたてば慣れてくるそうです。むしろ、カンテラのようなゆらゆら揺れる光の方が恐ろしいのではないかというのです。
早速、インターネットで「灯油ランプ」の通信販売を調べ、2個注文して取り寄せました(1個2,000円)。仕様書には、燃焼時間が14時間と書いてあります。実際には、燃料タンク八分目ほどの灯油で夕方から翌朝7時〜8時までは燃えているので機能的には十分です。また、燃焼したときに出る「スス」
のために、しょっちゅうホヤを磨かないといけないか なと心配していたのですが、ほとんどホヤも汚れないので安心しています。
一晩中、このあかりがともっています。
B ラジオ作戦
爆音器の定期的な「ドカーン」「ドカーン」でだめなら、人間の話し声や歌声なら恐ろしいだろうということで、ラジオ作戦を考えました。これなら、深夜放送にチャンネルを合わせておけば、一晩中人の声が聞こえてくるので、その辺に人がいるんだと勘違いして近づけないだろうと考えたのです。
下の写真は、光センサーを組み込んだ特別注文のラジオです。松山市の会社(仙波ファミリー)にお願いして製作していただきました。音を大きく鳴らすために、マンガン単1電池4本でひとまわり大きなスピーカーになっています(1個3,5 00円)。
光センサーのCDSを使っているので、SWのON・OFFのために、わざわざ山に行く必要もなくなりました。
(実際には、カンテラの様子や被害状況を確かめるために、朝と晩に山に出かけていますが・・・・・。)
このラジオを6個購入して、畑の広さや位置・イノシシの通り道などを考慮しながら配置しています。念のために、1つは大分放送、1つはNHK放送・・・というようにチャンネルもそれぞれに設定して、まるで大勢の人間がみかん園で話していたり歌を歌っているかのようにしています。
急な雨や降霜も考えて実際にはビニールで包んでいます
C 罠作戦
三瓶町内の山々に、下のようなイノシシを捕獲する罠(わな)を配置しています。1つの山で、すでに5〜6匹捕まえたという情報もあるくらいなので、かなりの数のイノシシが、暴れ回っているようです。
もし、この檻で捕獲できたら、外から竹槍でつついて、「助けてくれ〜」とか「痛いよう〜」とかいうイノシシ語を録音して、夜な夜なテープかCDで放送してやれば、付近には近づけないだろうと考えています。しかし、聞くところによるとイノシシはあまり悲鳴をあげないとのこと。この作戦は無理なようですね。動物愛護家の方、ご安心下さい。
さて、イノシシと人間の知恵比べです。