今日ではみかん栽培の方法や農具も、昔と比べて随分と変わってきています。
このページでは、最近使われなくなってきた農具類に視点をあててみました。
昔の農具 最近の農具
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運搬方法@ 急峻な傾斜地で「物を運ぶ」方法としてこんな索道設備が利用されていました。私たちはこれを「猿モッコ」と呼んでいました。ワイヤーからぶら下がった荷台の様子が、ちょうどサルのぶら下がりに似ているところから名前が付いたのでしょうか。三崎町では、今も現役で動いています。(H15.7撮影) |
今では農道も整備されていますので、運搬のほとんどを車で行っています。当園では普通トラックと軽四トラックの2台を動かしています。 下の写真は、キャリーと呼ばれる運搬器具です。1度にコンテナ6個を運べるし、そのまま6段の高さで倉庫に収めることができます。 |
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運搬方法A 昔はこんな一輪車を使っていました。車体の下部にエンジンが付いています。荷物を積んで坂道を上がり下がりするには、とても重宝されていました。しかし、、所詮は一輪車です。バランスをとるために腕や腰がかなり疲れました。 |
最近では、このような「クローラー」といわれている機械を使っています。キャタピラ駆動なので、少々の坂でも力強く登ってくれます。急峻な段々畑を登って、トラックの待つ農道までみかんを運んでくれます。 | |
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運搬方法B 「おいこ」と言われる荷物を背負う道具です。特に写真のような下部がL字型になって自立し、荷造りしやすいものを「かっぽ・おいこ」と呼んでいました。運搬方法と言えば、永らく、この「おいこ」が中心でした。芋やみかんで一杯になったこの箱を大人の男性で平均3箱、女性で2箱、子どもの手伝いで1箱を背負って、山道を上がり下がりしたものです。本当に辛い農作業でした。 |
以前には「らく(楽)、ラク(楽)、ラック・・・」というコマーシャルもありましたが、このような索道(モノレール)で運び出すようになって、本当に農作業が楽になりました。コンテナを1度に10箱運搬できます。随分楽になったし、作業能率も良くなりました。 |
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収穫・収納 いわゆる「みかん箱」です。各農家が家々で組み立てたのもですが、当園でもこんなみかん箱を、優に200個は所有していました。大きさは、30cm×60cm×40cm程度です。りんご箱とは、大きさが若干ちがったようです。昔の漫画では、これが勉強机になっていましたね。当園でも使い道が無いので、消却処分を待つのみです。 |
最近では、このようなコンテナを使用しています。このコンテナの大きさは36cm×50cm×30cm程度で、1箱にみかんが約20kg入ります。上の写真にあるように、積み重ねることができるようになっています。 |
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除草方法 以前は写真右のようなカマが主な農具でした。ひざを曲げ、腰を曲げて草を刈るわけですが、除草時期と言えばたいてい暑い時期なので、体力的にかなり厳しい農作業になっていました。それが、写真左の草刈り機が登場して、随分と楽になったものです。この他に他園では、除草剤を使用するところもあるようですが、当園では環境のことも考えて使用しておりません。 |
畑を覆い尽くすように草が枯れているのが分かりますか?これは除草剤をまいたのではありません。「ナギナタガヤ」と言われる茅を植えているのです。夏季になるとこうして自然に枯れて地面を覆うので、水分の蒸発を防いだり、雑草が生えにくくなるのです。こうした、自然の植物を巧く利用する研究も、今は進んでいます。 |
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消毒・潅水用タンク 以前は自分の山に、写真のようなタンクを設置して消毒と潅水用の水を貯蓄していたものです。雨水を貯めるだけでは間に合わないので、谷筋の水源から1km以上もエスロンパイプで水を引いてきていました。 |
潅水方法 地面に対して垂直に立っているのが、スプリンクラー設備です。自宅近くの井戸から送水できるように配管網を充実させています。詳しくは、「みかんの1年」の8月あたりをご覧下さい。 |