ある日、ラピスとラズリはラリマーに呼び出され、彼女のもとに来ていた…
「おかあさん、私たちに大事な話って何?」
「…どうせいつもみたいにどうでもいい話なんでしょ?」
「実はね、最近食欲がわかなかったり、吐き気が酷かったりしたからお医者さんに診てもらうことにしたの…そうしたら…『おめでとうございます』って言われたの」
「「…なんで?」」
「…え?」
ラリマーは何を聞かれているか分からないのかポカンとしている…
「なんで、お医者さんにお母さんはおめでとうって言われたの?」
「本当に分からないの? ラピスちゃんも?」
ラピスは無言で頷いた…
「それじゃはっきり言うわね、実はあなたたちに弟か妹ができたの」
「…え、弟か妹って…え?」
「やったーーー!!」
ラリマーの突然の告白にラピスは戸惑い、ラズリは大喜びした。
「それでね、産まれてくるのは七カ月後くらい…ってあら?」
ラズリはラリマーの話を最後まで聞かずに部屋を飛び出して行ってしまった…
「…行っちゃったよ」
「あらあら…仕方ないわね。まあ、そういうことだから楽しみにしててね」
「うん…母さんもお腹に赤ちゃんがいるんだからお酒は控えてね。いつもみたいに父さんと酒盛りしちゃだめだよ」
「はい…でもラピスちゃん最近私の事『母さん』って呼んでくれるようになったわね」
「え…そんなことどうでもいいでしょ!」
「ラピスちゃん照れちゃってかわいい〜」
ラリマーは焦っているラピスを無理矢理抱きしめた。
その頃ラズリはというと…
「あ、サウサン!」
「ラズリさん、どうしたンですか?」
「ねえ、聞いてよ、もうすぐわたしに弟か妹ができるんだって! わたしお姉ちゃんになるの!」
「それは、よかったデすね」
「じゃあ、わたしはこの事を他の皆にも教えてくるから」
「そレでは、ボクも皆さんに教えてマわります」
そして、ラズリとサウサンによってラリマーが妊娠したという話は瞬く間に隊商全体に広まっていったらしい…
あとがき
ラリマーの妊娠が発覚する話です。これから温かく見守ってあげてください。
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