「ラズリさーン!」
歩いていたラズリが独特な呼びかけに気付いて振り返るとほぼ同時に誰かに抱きつかれた…
「…サウサン! いきなり何するの!?」
「ラズリさん、聞いてくダさい! 面白い事ガあったのでマリーヘさんに話ソうとしたのに忙しいって言っテ聞いてくれナかったんです!
ラズリさんハ聞いてクれますよね?」
ラズリに抱きついてきたのはサウサンだった…
「…ごめん、この後リーンと約束があるから聞いてあげられないの…ごめんね」
「ソんな…ラズリさんまで…」
「他に話相手いないの?」
「いまセん…」
サウサンはそう言って落ちこんでしまった…
「…わかった、あんたと同じ見習いの知り合いがいるからその子の所行ってみたら?」
「ありがトうございます!」
「痛いからしがみ付かないで…」
そしてサウサンはラズリの紹介でシャイールの所に来ていたが…
「…それでデすね、その時ピンクの髪ノ女の人が転んダんですよ。ところでシャイールさんは何でボクの髪の毛ヲ編んでいるんですか?」
「…」
「なんなんだこの状況は…」
何故かサウサンは一人で勝手に喋りまくり、シャイールは黙々とサウサンの髪を編んでいた。
そして部屋の入り口では状況が把握できずにいるトゥライハの姿が…
「…あ、トゥライハ」
トゥライハに気付いたシャイールは手を振って彼女の名を呼んで手を振った。
「ああ…所でシャイール、その者は何者だ?」
「ボクですカ? ボクはサウサンといイます」
「サウサン?」
「はい、シャイールさんと同じ見習いヲしてます、それからボクは植物から生まれタんですよ、
噂で聞いタんですがシャイールさんも植物かラ生まれたそうだから、お揃イですね、それから…」
サウサンは何故か関係ない事までペラペラと喋り続けた…
「お前が何者か分かったから、少し黙ってくれ…」
「分かりマした、じゃああなたの話を聞かせテください」
「何故?」
「…だめですカ?」
サウサンは首をかしげてトゥライハをじっと見ていた…
「いや、駄目という訳ではないが…私はトゥライハといって、シャイールの姉で…」
「あーーー!! シャイールさん何やってるんですかーーー!!?」
「水を飲んでる…」
トゥライハが自分の事を話そうとすると、突然サウサンが叫んだ。
トゥライハが何事かと思ってシャイールをみると、シャイールはサウサンが持っていた水筒の水を飲んでいた…
サウサンは急いでシャイールから水筒を取り返して中身を確認した。
「な、中身がナい…」
「シャイールが勝手な事をして、すまない…」
「ミ、水…」
サウサンは水筒を握りしめて震えていた…
「ど、どうした?」
「み、水ガ無いと干からビて死ンじゃいます! ボクまだ死にタくないデす!」
サウサンはこの世の終わりの如く取り乱した様子でトゥライハにすがりついている…
「死なないから落ち着け、水なら分けてやるから…」
「あ、ありガとうございます! あなたは命ノ恩人です!」
今度は嬉しそうな様子で思いっきり抱きついた。
「離れてくれ…ってシャイールまで何をしている!?」
何故かシャイールまで抱きついて、トゥライハは動けなくなってしまった…
あとがき
サウサンが人に迷惑をかける話でした。
サウサンが思ったよりも鬱陶しいキャラになってしまったような気がします…
シャイールさん、トゥライハさん(千景さん)お借りしました。
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