ある日ラズリがラピスとリズクとザビエラを連れて闘技場に遊びに行った帰り道、
「闘技場って楽しかったね、またみんなで行こうよ」
「僕も楽しかったです、また雪合戦しましょう」
「そうじゃな、また雪玉作りをしたいな」
「ザビエラずっと雪玉を作り続けてたよね、一個も投げてないけど」
歩いていると、前からラズリがよく知ってる二人組が歩いてきた。
「あ、アーレフとアスランだー何やってんの?」
「なんだ、誰かと思ったらラズリか、何をしてようとおれの勝手だろ」
「アスランってばまたそんな事言って、ぼくたちは散歩してただけだよ」
アスランはムスッとしていてアーレフはにこにこしていて、二人ともいつも通りだ。
「二人とも相変わらずじゃのう…」
「え? ザビエラもこの二人と知り合いなの?」
「うむ、一緒に迷子になった仲じゃ!」
ザビエラは自信ありげに胸を張ってそう答えた。
「え、そうなんですか?」
「そんな訳ないだろ! 迷子になったのはこいつら二人だけだ!」
「え…あの…ごめんなさい…」
リズクはアスランに怒鳴られてビクッと身を震わせてラズリの後ろに隠れた。
「ちょっとアスラン! リズくんを怖がらせないでよ!」
「な、おれは何もしてないだろ。こいつが勝手に…」
「まあまあ、アスランも落ち着いて…ところでラズリたちはみんな揃ってどこかに行くの?」
「わたしはリズくんとザビエラとお兄ちゃんと闘技場に行った帰りなの」
「へぇー、闘技場かー、どんな所だったの?」
アーレフは闘技場に興味があるらしく目を輝かせている。
「えーとね、雪がいっぱいで雪合戦とかスケートとかで遊べるの」
「楽しそうだね。ぼくも行きたかったな」
「次に行く時はアーレフも来ればいいよ、人数が多いと楽しいし」
「いいね。アスランはどうする?」
「おれは行かない、行くならお前だけで行けばいいだろ」
アスランはそっぽを向いてしまった…
「もー、またそんな事言って…アスランも行こうよー」
「本当は寒いのが苦手だから行きたくないだけでしょ」
「な…そんな訳ないだろ! おれは寒いの位平気だ!」
ラズリの発言でアスランは怒ってしまったみたいだ…
「まあまあ、そんなに怒んないでよ。これあげるから」
ラズリはアスランの口に何かを放り込んだ。
「!! なんだこれ冷たいぞ!!」
「氷の飴だよ、美味しいでしょ?」
「どこがだ!? こんな冷たくて味もない飴が美味しい訳がないだろ!」
「舐めてるうちにはちみつの味がしてくるんだよ?」
「うるせぇ! おまえのせいで余計に寒くなったじゃねえか!」
「やっぱり寒いの苦手なんだ、やーいアスランの寒がりー」
「なんだと!!」
ここからいつもの口げんかが始まった…


「あの…ラズリさんとアスランさんのケンカを止めないでいいんですか?」
ラズリとアスラン以外の四人は二人を置いて隊商宿に向かっていた…
「いいの、あの二人はいつもあんな感じだから…どうせそのうち追いかけてくるよ」
「ほんとほんと、あの二人は顔を合わせる度に喧嘩してるよね」
ラピスとアーレフは慣れているらしくたがいに笑い合っている。
「大変そうじゃのぅ」
「なんなんだろうね…やっぱり相性が悪いのかな…」
「確かにそうかもね」
「なんなら、わしが占ってやろうか?」
「占わなくても仲が悪いのは分かってるから、別にいいよ」
「そんなことより、外は寒いから早く帰ろうよ」
「わしはチャイが飲みたいな」
「いいね、お菓子も用意して皆で飲もうよ、リズクも来るでしょ?」
「えっ? えっと…でもラズリさんと…」
「あの二人はほっといていいから」
リズクはラズリとアスランの様子が気になっていたようだがラピスに手を引かれて行ってしまった…
そして数時間後、ラピスたちがチャイとお菓子を楽しんでいるところに、
ラズリとアスランが凍えながら帰って来た。




あとがき
子供たちでわいわいする話です。
リズクさん(一磋さん)、ザビエラさん(藤乃蓮花さん)
アスランさん、アーレフさん(Nasatoさん)お借りしました。
ラズリがもってた氷の飴は交流所でファリドさん(あさなぎあやさん)が話していた物と同じ物です。


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