ある日ラピスはラズリと共に厨房の手伝いに来ていた。
「こんにちはー、暇だから手伝いに来てあげたよー」
「あら、ラピス君とラズリちゃん来てくれたの。…そうねぇ…それじゃ野菜の皮むきをしてもらえないかしら?」
出迎えてくれたアミナはそう言ってニンジンがたくさん入った大きなかごを持ってきた。
「まかせて…こんなに!?」
「そうなの、たくさんあって困ってたの私もするから、手伝ってもらえないかしら?」
「分かったよ、わたしにドーンってまかせておいてよ!」
とラズリが見栄を張ってから十数分後…
たくさんの野菜の皮をむくラピスとアミナがいた…
張り切っていたラズリは、皮をむき始めてすぐに指を少し切ってしまって医者天幕に行ってしまっていた…
「あの…妹がやくに立たなくてごめんなさい…」
「気にしなくていいわよ、もともと私一人でするつもりだったんだから…」
「でも…」
「ねえ、それよりもラピス君に聞きたい事があるんだけどいい?」
「? なんですか?」
「コランちゃんと仲良くなれたかしら?」
「!! ななな何を言ってるんですか!?」
アミナの突然の質問にラピスは顔を真っ赤にしている…
「だって、少し前に天幕で教えてくれたじゃない、その後どうなったのかなって…」
「何も無いですよ!」
ラピスはそう言いながらも動揺しているのか皮をむき終わっているニンジンを更にむいていた…
その時後ろから誰かが話しかけて来た
「楽しそうなお話をしてるわね」
「あら、ソアラさん」
話しかけて来たのはソアラだった…
「たた楽しそうなお話って何の事ですか!」
「身長で追い抜きたいって言ってた子の事でしょう? そういえばあれから少しは追いつけたのかしら?」
ソアラのその一言でラピスは持っていたむき過ぎて細くなったニンジンを落とした。
「………引き離されました」
「…大丈夫よ、きっとまだ追いつけるわ」
「…それに恋に身長なんて関係ないわよ」
「そうでしょうか…」
「そうよ、大切なのは身長なんかじゃないわよ!」
いつの間にかアミナは熱心に語り始めていた…
「大切なのは相手をどれだけ想っているかどうかよ、それを伝える事が一番大事な事よ」
「でも…どうやって伝えれば…面と向かって伝えるなんてぼくには…」
「そうね…それなら贈り物をあげるとかどうかしら?」
「いいじゃない、喜んでもらえれば仲良くなれるかもしれないし」
「でも何をあげれば…?」
「それは自分で考えなきゃだめよ、でも心がこもっていればそれで良いと思うわ」
「はぁ…」
もうラピスはアミナの勢いに押されてうなずく事しかできなかった…

数日後

ラピスはコランサイファの所に来ていた。
「やほーラピス、ボクに何か用?」
「あああのね、コランに渡したい物があるの」
ラピスは緊張しているのか声が震えているが、コランサイファはあまり気にしていない。
「渡したい物?」
「ここれなんだけどね」
ラピスが出したのは小さな白い花の腕輪だった…
「これをボクにくれるの? なんで?」
「なんでって…その…コランに似合いそうだと思ったから…」
「そうじゃなくて、なんでラピスがわざわざボクに腕輪をくれるのかなって」
「えええええっと…それはその…」
ラピスの顔がさらに赤くなった…
「どうしたの? 何か言えない事でもあるの?」
「つまり…その…コランが好きだから!! ……じゃなくて、えっと…その…」
「そんなの知ってるよ」
「知ってるって…え?」
「うん、だって嫌いな人と友達になる訳ないじゃん。じゃあ、この腕輪貰うね。ラピス、ありがとう」
そういってコランサイファは走っていった。
後に残されたラピスは勢いで「好き」と言ってしまった事にたいする後悔で落ちこんでいた…




あとがき
ラピスが好きとか言ってますが、二人の仲は変わりません、進展する予定もありません。
アミナさん(Nasatoさん)、ソアラさん(papさん)、コランサイファさん(秋野 綾さん)お借りしました。


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