ある日の昼下がり、黒蛇の壷の広場で歌声が響いていた…
「「♪〜〜♪〜〜♪〜」」
「今の所は、もっと声を低めにして歌ったらどうだ? もう一回歌ってみ?」
「はい、分かりました」
「えー、またやり直し?」
ここでアハトがラピスとラズリに歌の特訓をさせていた…
「そんなこと、言ってたら、一流になんて…なれないんだぜ?」
「…うん、分かったもう一回歌うね」
「そうそう、その意気だ! それじゃ、もう一回」
「「♪〜〜♪〜〜♪〜」」
「よし、いい感じになったんだぜ。そんな二人に渡したい物があるんだが…受け取ってくれ」
アハトはラピスとラズリに箱を一つずつ渡した。
ラピスとラズリが箱を開けてみると中に入っていたのは青い石の首飾りだった。
「わぁ、綺麗な首飾りだね、ありがとう」
「そうだろ? この石はラピスラズリで、お前さんたちと名前が似ているから、買ってみたんだが…気に入ってくれたかい?」
「うん、すごく気に入ったよ。ありがとう!」
「でも…これ高かったんじゃ…」
「まあ…それなりの値段だったが…可愛い、弟分と妹分の為なら、平気なんだぜ!」
「は、はぁ…」
ラズリは喜んで、ラピスはすこし戸惑いながら首飾りを受け取った。
「それから…この首飾りには、ルフが憑いているそうだ」
「ルフって…噛みついたりしませんよね…?」
「どんなルフなの? 可愛い?」
「それは、実際に見てからのお楽しみなんだぜ? そのルフは、お互いに、連絡が取り合えるように、命令されているそうだ」
「どんな子なんだろ…楽しみだなぁ…」
「連絡が取り合える…、便利ですね」
ラピスとラズリの反応は違うが首飾りを気にいったみたいだった。
「喜んでくれて…俺も、嬉しい! ようし、今日は、気合を入れて、日が暮れるまで特訓だ!」
「「え〜」」
「文句があるなら、スパルタ詩人教育が炸裂するんだぜ?」
「ない! ない! 文句なんかないよ!」
「歌いますから、それだけは勘弁して下さい」
そして、広場には日が暮れるまでずっと歌声が響き続いていた…




あとがき
アハトさんから音楽特訓を受ける話です。
アハトさんから貰った首飾りは全身図に描かれている物の事です。
アハトさん(真白さん)お借りしました。


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