今朝、ラズリが急に作りたいと言って、手伝わされて出来たクッキー、
まあ、前回は全部炭にしてしまったけど、今回のクッキーはまあまあの出来だと思う。
そんなクッキーをコランに渡してみたらと勧められて、部屋の前まで来たのはいいけど、入る決心がなかなかつかない…
ラズリはラズリでどこかにクッキーを配りに行ってるし…
よく考えたら「ラズリがクッキーを作ったんだけど、食べてみて」って言えばいいだけだし、
例え美味しくなくても恥をかくのは作ったラズリだし、恥ずかしがる必要なんてないはずなのに…
でも、なぜかドキドキするというか、息がしにくいというか、そんな感覚に襲われて、戸を叩けない…
そう諦めかけたその時…
「あれ? ラピス、こんな所で何やってるの?」
「…!!??」
戸が開いてコランが出てきた。
「コ、コランこそどうしたの?」
「どうしたのって…ここボクの部屋の前だよ?」
そうだよね、ぼくはなんでそんな当たり前の事を聞いたんだろう…
「何か用があって来たんじゃないの?」
「そ、そうだった、ラズリがクッキーを作ったの、よかったら食べてみて」
「へぇ、ラズリが作ったんだ…って、ラピスどこ行くの?」
ぼくはコランにクッキーを渡すと同時に逃げるようにその場から離れた。
だから、コランが食べてくれていたかとか喜んでくれたかとかは分からなかった。
ただ、コランが後ろの方で何か言っているようだったけどよく聞こえなかった。
あとがき
ラピスの片想いの話のつもりです。
コランサイファさん(秋野 綾さん)お借りしました。
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