「この子は私の妹のヤシュムちゃんよ、仲良くしてあげてね♪」
「…よろしく…」
ラリマーが突然隊商宿に見知らぬ女性を連れてきて妹と紹介されて
ラピスとラズリは呆然としていた…
「お母さんって妹がいたんだ」
「妹って…えっと、ヤシュムさんは…」
「私の事は…叔母さんって…呼んで…」
「はーい、わたしはラズリだよ、よろしくね、ヤシュムおばさん」
「ぼくはラピスです、あの…ほんとにおばさんと呼んでもいいんですか?」
「うん…二人は…私の…甥と姪…だから…二人にとって…私は叔母さん…なの。
 それから…敬語も…いらない…」
ヤシュムはそういっての頬ラピスとラズリを撫でた。
「あの…何を…」
「うふふ…姉様に似て…きれいな肌…」
ラピスとラズリは寒気を感じてヤシュムから距離を取った…
「あら二人ともどうしたの?」
「えっと…よく分からないけど寒気が…」
「ヤシュムおばさんの笑い方が少し怖かったの」
「私…怖い…?」
「そんな事無いわよ、この子たちはヤシュムちゃんの事をあまり知らないだけよ、
 これから、少しずつでも一緒に過ごしていけばきっとヤシュムちゃんの良さを分かってくれるわ」
「…これから?」
「そう、これからヤシュムちゃんはこの隊商に入って一緒に旅をするんだから」
「…そうなの?」
「そんな事勝手に決めちゃだめだよ」
「えー、ヤシュムおばさんも来てくれたら楽しくなりそうだよ」も
「そう言う事じゃなくて…」
ヤシュムは言い合いをしている甥と姪を無視してラリマーに問いかけた。
「…私…ついて行って…いいの?」
「ええ、勿論よ、でもそれには守ってもらいたい『約束』があるの」
「やくそく…ってなにをすれば…いいの?」
「簡単なことよ、まず『他人を呪ったり傷つけたりしたらだめ』、
 それと『この隊商で友達をたくさん作る』の二つだけよ」
「…ともだち…って…どうやって…つくるの?」
「簡単よ、ただ仲良くなれればそれでいいんだから」
「難しそう…」
「もしも、約束を守れなかったら、私ヤシュムちゃんの事嫌いになっちゃうかも…」
「嫌い…になる…?」
ヤシュムはその言葉を聞いた途端、突然震えだしてラリマーに抱きついた。
「嫌…嫌いに…ならないで…言う事…聞くから…約束…守るから…お願い…」
「分かってくれればいいの、じゃあ早速マリーヘちゃんの所に行きましょう」
「うん…」
ラリマーはヤシュムを連れて去っていった…
それを見ていたラピスはまた厄介事が増えないか心配して頭を抱えていた…




あとがき
遅くなりましたが書けました。
ちょっと?変わった叔母さんですがよろしくお願いします。


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