合気道新聞 第1号より 1959/04/10

○   発刊のことば

・世の創めより天地は生成発展を重ね、天運循環、照徹弥益々に栄光を放つ昭和三十四年目出度く初春を迎え、げんに国土挙ってことほぎの声一同勇み立つの時とはなりました。この時にあたり宇内創成の精神にのっとり、世の為め国の為めに万有の上を憂いつつ武産合気紙即ち合気道新聞の発刊に至りましたのは宇宙真理完成への誠の現れであります。

・私も世界の一分身、一分業として生成化育の道を愛護するに日夜の精進を続けて居る者であります。身変る聖者の如く、又顕幽神三界を万古より守護なし来れる木花姫の神(観世音)の御神業、和合達成に神習い引添いて世を守るのが真の日本の道であらねばなりません。この日本の道を産み顕すを武産合気と申します。

・さて此の世の生命であり此の経営の根元たる至愛の上に愛を守る愛の働きは、言霊の妙用となりみそぎの道となります。吾人は万有万神の律法を明らかにし、宇宙の真理を把握し、身を以て自己の使命に当り、地上経綸完成の為め、人生の勤めを達成せねばなりません。それには至誠の道を練磨する事であります。至誠は本を忘れず自己を知り、自己完成大生の道であります。世の完成を望む者は自己も又幸福なる完成をせなくては人の真のつとめは望めません。

・茲に合気の道を愛究される誠友は先ず真空の気と空の気を、性(さが)と業とに結び合い、喰い入り乍ら業の上に科学以て錬磨するのが修業の順序であります。私も老いて愈々益々広く天下の士と交り、濁流を清め、幸福の御代を迎え、共によろこびを讃えたいと誓い、一歩、一歩と怠らず修業を致します。

・次回よりは最も合気に必要な言霊を説き其の実行を教え、又人たるの理解を示し武産合気の本文に進講致し此の合気道新聞発刊の挙に懸命の奉仕を致し度と存じます。


道 文(合気道新聞)第4号
凡ての力は、動静、解凝、引緩、分合とより成立つ所の道理を神習ひ日々の稽古に身体に魂こめて画き出し肉体を練磨して始めて武道になる。

道 文(合気道新聞)第6号
斯道に於いて特に注意する事は、心と体及び力が全く統一しなければならぬ。力は体と心の合致でこれらが共に働かねばならぬ。

道 文(合気道新聞)第10号
真の武道は敵を殲滅するだけでなく、其の敵対する処の精神を、敵自ら喜んで無くさしめる様になさねばならぬ。和合の為にするのが真の武道即ち合気道である。

道 文(合気道新聞)第34号
夫れ武道は、百事神と人との合気より、言霊表現の誠を以って基準となし誠の心、すなわち大和魂を更に体に練及し誠魂の練磨統一をはかる。


○言霊
・一霊四魂三元八力の大元霊が一つなる大神の御姿である。大神は一つであり、宇宙に満ちみちて生ける無限大の弥栄の姿である。すなわち天なく地なく宇宙もなく大虚空宇宙である。その大虚空に、ある時ポチ(・)一つ忽然として現わる。このポチこそ宇宙万有の根源なのである。そこで始め湯気、煙、霧よりも微細なる神明の気を放射して円形の圏を描き、ポチを包みて、始めて「ス」の言霊が生まれた。p110
・これが宇宙の最初、霊界の初めであります。そこで宇大は、自然と呼吸を始めた。神典には、数百億万年の昔とあります。そして常在、すみきらいつつ即ち一杯に呼吸しつつ生長してゆく、ゆくにしたがって声がでたのである。言霊が始まったのである。キリストが「太初に言葉ありき」といったその言葉がそれで、その言霊がスであります、これが言霊の始まりである。p111
・このス声は、西洋にはこれに当てる字はなく、日本のみにある声である。
これが生長してス、ス、ス、ス即ち上下左右のス声(+)となり、丸く円形に大きく結ばれていって呼吸をはじめるのである。p111
・ス声が成長して、スーとウ声に変わってウ声が生れる。絶え間ないスの働きによってウの言霊が生じるのである。ウは霊魂のもと物質のもとであります言霊が二つにわかれて働きかける。御霊は両方をそなえている。一つは上に巡ってア声が生まれ、下に大地に降ってオの言霊が生れるのである。上にア下にオ声と対照で気を結び、そこに引力が発生するのである。p111
・高天原というのは、宇宙の姿である。宇大の生きた経綸の姿、神つまります経綸の姿なのである。一家族も一個人もそれぞれ高天原であり、そして呼吸して生々と生きているのである。p111
・高天原とは一口でいえば、全く至大天球成就おわるということになる。
これ造化開闢の極元なり、高天原の意をより理解して、神の分身分業をなしてゆくところに合気道が出来るのである。p112
・宇宙の気、於能碁呂島の気、森羅万象の気、すべての霊素の道をつづめて、そして呼吸を合わせて、その線を法則のようにして、万有の天の使命を果させるのである。そしてその道それぞれについて行うところの大道を合気道という。p112
・合気道とは、いいかえれば、万有万身の条理を明示するところの神示であらねばならないのである。過去ー現在ー未来は宇宙生命の変化の道筋で、すべて自己の体内にある。これらをすみ清めつつ顕幽神三界と和合して守り、行なってゆくものが合気道であります。p112
・宇大の活動の根源として七十五声がある。その一つ一つには三つの規則がある。生産霊(△)足産霊(○)玉留産霊(□)である。p112
・八力がアオウエイの姿であり、国祖国常立命の御心のあらわれである。
豊雲野大神との交流により五つの神の働きが現われるのである。かくて八大引力が対照交流し動くとき軽く澄めるものは天に昇り、濁れるもの汚れるものは下へ地へと降った。天と地が交流する  たびに、物化して下降、交流しては下降し、だんだん大地化して来た。これが玉留産霊の大神の神業である。生産霊、足産霊、玉留産霊の三元がととのうと、宇宙全体の姿が出来上がるのである。p112
・合気とは、言霊の妙用であります。言霊の妙用は一霊四魂三元八力の分霊分身である。p113

top