合気道開祖 植芝盛平翁

  合気の道「武は愛なり」

 永遠に続いてきた人類の歴史は、闘争の歴史でもあった。民族や国は、平和の名のもとにおこなわれた闘争の中に生まれ、滅びた。その闘争は常に武力を生じさせた。
 現代の平和が、その武力保持の威示とわずかな均衡によって保たれつつあるとき、日本に一人の武人が現われ「武は愛なり」を説かれた。これが人類に与えられた「合気の道」である。即ち、あらゆるものの生命の根源である宇宙の意志なる「愛」を、武道的表現により万人に示されたのである。
 この道を求める者は、いまや世界中に水面の「輪」のごとく拡がり、ついには愛による「和」となるとき、永遠に続いた闘争の歴史は終わり、今、新しい人類の歴史の胎動が始まりつつある。

(伝佐柳孝一師範)



  合気道とは

合気道は、日本国内に於いて昔から伝わっている幾多武術の修行に心身を打ち込み、その奥義を極めた植芝盛平開祖(1883〜1969)がさらに精神的な修行にもいよいよ精進いたし求道のあらゆる苦行の結果、そこに時代流派を超えた新鮮な息吹と主張をもって生まれ出たものであります。

合気道は「敵と闘い敵を破る術ではない。世界を和合させ人類を一家たらしめる道である。すなわち、おのれを宇宙の動きと調和させ、おのれを宇宙そのものと一致させることにある。修行者は、このことを日常の鍛錬を通じて悟るべきである。」と植芝開祖は云って居られました。 

合気道は、その動くところ入身と円転の理にしてことごとく自然の理法にかない、しかも気力、気魄が満ち満ちて無理のない動作、従って心身鍛錬に最も理想的なものであります。現在、本部道場をはじめ国内外の各道場では学生、壮年者は言うまでもなく、子供、婦人、老人たちまで広い年令層にわたって愛好者がふえております。

合気道は、試合形式をとらず形の反復稽古を行います。形といっても活きた形であり、即実際に役立つものでなければなりません。一般のスポーツと異なり試合の勝敗という相対的なものを求めるのではなく、絶対的なものを求める姿がその在り方であります。むろん相手を制することを無視することなく、しかも超越的な強さへの求道でなくてはなりません。そのことが<和>の精神に結び付くことにもなるし、したがって稽古し合っている者同志で一つの技をつくり上げ、ともに正しさを求め合い、正しさゆえの強さを修得するように心掛けることが、合気道の稽古における要諦であります。

合気道は、財団法人合気会が普及発展のための推進母体となり、植芝開祖の意を体し正しい道統の上に立った指導法により国内はもとより世界48か国に本部指導派遣員を送るまでになっております。

(伝佐柳孝一師範)