合気神髄合気道開祖・植芝盛平語録(八幡書店) 開祖語録索引(iyonokami選) 

○合気の起源
・この世の初めなき初めにいとも精妙なる大気、大空に満ち満ちたまえり。その御心の真中をさして主の大神とは申し伝え、名づけたてまつる。この一つの大気の御心こそ絶対なる至仁至愛の根本大精神なり。p51
・この絶対なる愛善の御心、一気に運化し、美しき楽しき安き顕世界を建つるの目標に、道も天地剖判も、言霊も日月も万の精神も、万の魄も物も現生す、と申し伝えり。p51
・この至仁至愛の一大気の運化をもって合気の起源となす。ゆえに至仁至愛、
万有愛護の大精神をもって合気と名づくるものなり。また、万有の生命宿命を通じ、おのおの万有の使命を達成せしむべく万有に呼吸を与え、愛護する精神を合気というなり。p51

○合気の使命
・天の浮橋に立たねば武は生まれません。神と万物が愛と熱と光と力によって、同根一体となって業を生むのが武の本義であり、またこれが善の大愛であるところの主の大神の目的であり、御働きであります。大神の御心にかなう御経綸の武を生むのが合気の使命であります。それには美わしくこの浮橋に立たねばなりません。p73

○合気の稽古
合気の稽古はその主となるものは、気形の稽古と鍛錬法である。p161
・天地の呼吸に合し、声と心と拍子が一致して言霊となり、一つの技となって飛び出すことが肝要で、これをさらに肉体とと統一する。声と肉体と心の統一が出来てはじめて技が成り立つのである。霊体の統一ができて偉大な力を、なおさらに練り固め磨きあげていくのが合気の稽古である。p62

○合気の鍛錬
・この道は宇宙の道で、合気の鍛錬は神業の鍛錬である。これを実践して、はじめて、宇宙の力が加わり、宇宙そのものに一致するのである。p42
・ことに斯道を鍛錬するときにおいては、人は生き通しの理を悟らねばならぬ、武道はみな天地の教えを描きだすもの---p173
・合気道は真理の道である。合気道の鍛錬は真理の鍛錬であって、神業を生じるのである。p178

○合気の仕儀
・合気の仕儀は、宇宙の気、淤能碁呂島の気、森羅万象の気を貫いて、息吹して、そしてこの三界を守り、かつは大地の息に己の息を合わし、息において生み出す。言霊の妙用の息を私の行によって悟ってともに。p92

○天の浮橋
・天地の和合を素直に受けたたとえ、これが天の浮橋であります。p69
・天の浮橋は、天の武産の合気の土台の発祥であります。身と心に、喰い入り、喰い込み、喰い止めて、各自自分の体全体が、天の浮橋の実在であらねばなりません。これが天の浮橋に立たすのであります。p73
・すべてのものをやるさいに、天の浮橋に立たされてということになれ、と、こうなる。p118
・天の浮橋ということは「三千世界一度に開く梅の花」ということと一緒、これから真の武道が生まれてくる。
真の武道は世の成り立ちから始まって、未来永遠にいたるところの、すべての気の生み出しの流れのことごとく。p118

○合気道の修業
・わが国には昔の話に三種の神器というものがありました。御剣、御鏡、御玉、これは剣とか鏡そのものをいうのではなく、勇、智、仁という、人として欠くことのできない心の宝を指してかくいうのであります。合気道はこの古の神器の姿を、みな自分の腹中に胎蔵して修行していかねばならぬことを教えます。p31
合気の道を究めるには、まず真空の気と空の気を、性と業とに結び合わせ、喰い入り乍ら技の上に科学を以て錬磨するのが修業の順序であります。p123
・道は霊武と実相武に分けられるけれど、霊武には精神の心と精神の体がつくられ、そして益々内的に修業すれば、澄みきりし八洸の珠を得ることが出来る。霊は光を放つものである。---修業の結果は世と和して、ついには霊武、実相武と合一するときが来るものである。p166

○合気道の極意
・合気道の極意は、己れの邪気をはらい、己れを宇宙の動きと調和させ、己れを宇宙そのものと一致させることにある。合気道の極意を会得した者は、宇宙がその腹中にあり、「我はすなわち宇宙」なのである。

○合気妙用の導き(水火の結び)
・呼吸の凝結が、心身にみなぎると、己れが意識的にせずとも、自然に呼吸が宇宙に同化し、丸く宇宙に拡がっていくのが感じられるその次には一度拡がった呼吸が、再び自己に集まってくるのを感じる。
・このような呼吸ができるようになると、精神の実在が己れの周囲に集結して、列座するように覚える。これすなわち、合気妙応の初歩の導きである。合気を無意識に導き出すには、この妙用が必要である。p87
・こうして合気妙用の導きに達すると、御造化の御徳を得、呼吸が右に螺旋しつつ舞い昇り、左に螺旋して舞い降り、水火の結びを生ずる、摩擦連行作用を生ずる。水火の結びは、宇宙万有一切の様相根元をなすものであって、無量無辺である。
・この摩擦連行作用を生じさすことが、できてこそ、合気の真髄を把握することができるのである。p87

○天の村雲九鬼さむはら竜王
・「天の村雲九鬼さむはら竜王」「天の村雲」とは宇宙、淤能碁呂島、森羅万象の気を貫いて息吹くことを言うのである。「九鬼」とは淤能碁呂島に発生したすべての気である。伊邪那岐、伊邪那美の大神の島生み、神生みの気も、この気である。「さむはら」とは宇宙の気を整えて世の歪みを正すことである。p151

○一元
・世の根元たる一元は精神の本と物体の本の二元を生み出し、複雑微妙なる理をつくり、全宇宙を営み、天地万有に生命と体を与え、万有愛護達成に生成化育の大道を営み、天地万有は一家のごとく一身のごとく、また過去、現在、未来は我らの生命呼吸として、人生の化育を教え、世の進化怠りなきは我らをして、楽天に、統一、また清潔に進展する。p60
・すべての働きは、みな宇宙の一元の経綸活力の働きであるが、天火結水地である。心身もみなそれぞれ一元の働きである。宇宙の現象は、みな宇宙の真理なのである。p114

○一霊四魂三元八力
・一霊四魂三元八力の大元霊が一つなる大神の御姿である。大神は一つであり、宇宙に満ちみちて生ける無限大の弥栄の姿である。p110

  四魂
・天の村雲九鬼さむはら竜王、この御名の中に合気の技ことごとく含まれ、汝は血縁結んでおるぞよ。すなわち私が伊豆能売命になったわけであります。伊豆能売とは径魂たる荒、和、二魂の主宰する神魂を厳の御魂といい、緯魂たる奇、幸二魂の主宰する神魂を瑞の御魂といい、厳瑞合一したる至霊魂を伊豆能売の御魂というのです。p130

  三元
・宇内の活動の根元として七十五声がある。その一つ一つには三つの規則がある。生産霊(△)足産霊(○)玉留産霊(□)である。p112
・生産霊 足産霊 玉留産霊の三元がととのうと、宇宙全体の姿が出来上がるのである。p113

   △○□
・また、△○□の気の熟したるを合気と申し、○は精神の安静と魂を養い、技、また、○によって円熟万技を生むべく、□は体の千変万化を出し、月のごとく、現象界における昼夜のごとく、裏観は一元なれども、表観は千差万別運化を意味す。△は気にして力を生じ、また、体の三角体は破れざる丈夫の姿勢を具備さすべく、この鍛錬により光と熱と力を生ず。これ、みな修練者の引力により来たる。引力は修練者の天地自然の絶対愛の感得、愛善熱の信行により来たるものなるべし。p52
・合気道とは大自然の絶対愛を基として、体を△に象り、○を中心に、気により△□の変化と気結び、生結びを身体に表わし、生み出しつつ気魂力を養成し、皆空の心と体を造り出す精妙なる道である。皆空とは正しき身魂の和合統一のことなり。また、
合気道とは真空と空と人の上に、愛の結びをもって大気の中心の大運化に同化練成するをいう。p53

   △三角(生産霊)
合気道は松、竹、梅の三つの気によって、すべてができています。これは一口にいって生産霊、足産霊、玉留産霊と申し上げます。p21
梅=乾=教え=天の浮橋=三角=△
それで梅は造化の三神を意味しております。三角法ですからこれによって武道の初めの仕組みが分かるのです。それで三角はいったいに、不敗の体勢であります。破れざるところの体勢を整えることにあります。p22

   △ 三角法で進む
すべての円を、キリリと描くのである。円に十を書く、その十の上に自己の左右の足で立つのである。それで全部、三角法で進むのである。p172
・また、地球修理固成は気の仕組みである。息陰陽水火の結びである。そして御名は伊邪那岐、伊邪那美の大神と顕現されて、その実行にうつしたのが合気、どんなことでも出来るようになってくる。
・高御産巣日の神、神産巣日の神、心は丸く体三面に進んでいかなければならない。p89

   ○ 円(足産霊)
竹=気の修練=須佐之男の神さま=力の大王=武道の大王=○p22
・円を描く、円の中心を知る。円の中心こそ---。p100
・円の動きのめぐり合わせが、合気の技であります。技の動きが五体に感応して、おさまるのが円の魂であります。p120
・円を五体の魂におさめると、技を生み出す仕組みの要素を生じます。生むは無限であります。すべてを豊かに満ちたる仕組みになすのが円の現われであります。p120
円は宇宙にある一切の万物生物を、気結び、生産びの形にて、生成化育し、守護の仕組みを生じさせます。世の中の因縁も円い動きのめぐり合わせであります。合気の武も円いのであります。
・自分の中心を知らなければなりません。自分の中心、大虚空の中心、中心は虚空にあるのであり、自分で書いていき、丸を描く。丸はすべてのものを生み出す力をもっています。全部は丸によって生み出てくるのであります。きりりっと回るからできるのです。---何時でも円を描きだし、ものを生みだしていかなければならないのです。p154

   □
四角(玉留産霊)
松=表裏のないところ=勝速日=弥勒の教え=本当の大神さまの「ス」の現われ=四角=□=玉留産霊
・「ス」は元の大根霊で、すなわち大神さまの御心、御姿の現れであります。
・合気道は魂の学びであります。ちょうど丸に十を書いて三角が四つ寄っております。これは魂が剣と槍とになっています。つまり松の教えであり、弥勒の教えであり、裏表のない教えであります。玉留の産霊ということであります。p22
・「生あるものには必ず休みあり」休みの意義は生きる働きの生み所であります。四角の休み所を保つ場所であります。我々の身の内にはどなたにも三種の神器と十種の神宝を与えられております。p71

 八力
八力がアオウエイの姿であり、国祖国之常立神の御心のあらわれである。豊雲野大神との交流により五つの神の働きが現われるのである。p112

一をもって万にあたる道
・修業は、神人合一を目標とするものなり、---修業方法を一言すれば、武は体の変化の極まりなき栄えの道なれば、
一をもって万にあたる道、一より方法を生み開く草薙の剣を練り、その責を完遂、達成せしむることにある。心は常に澄みきりし大空のごとく、大海のごとく、また大山のごとく、また何事も忍ぶべからず。しかるときは最大、最少のことも、すべて生かすべきものなり。p159

○入り身転換の法
・入身転換の法を会得すれば、どんな構えでも破っていけるものであり、しかしながら一刀一殺をすることが真の道ではない。合気は和合の術である。p163p174

○息
・合気はある意味で、剣を使うかわりに自分の息の誠をもって悪魔を払い消すのである。つまり魄の世界を魂の世界にふりかえるのである。p13
・息を吸い込む折には、ただ引くのではなく全部己れの腹中に吸収する。そして一元の神の気を吐くのである。それが社会の上なれば、自己の宇宙に吸収して、社会を神の気で浄めるということになる。p14
・合気は宇宙組織の玉のひびきをいうのであります。すなわち全大宇宙のことで、小さなことをやっているのではないのです。この道は全部、天に学び、地に学び、宇宙の中心に結んで、また、我々は宇宙とともに進んで、その上に
自己の息で全部結ぶことをやり遂げていくのであります。p28
・この肉体は黄金の釜であります。霊魂をつくり直すことができるのです。言葉は魄、言霊はひびきです。満天にひびき渡る天の御柱です。合気道は形のない世界で和合しなければだめです。形を出してからではおそいのです。吐く息の中に自分自身がいるのです。p51
・手刀をもっての術、天地の息と自分とは同じものであるはずであるから、動作も陰陽合致の業で手刀に及ぼすこと。自分の心に相手を包むような雄大な気持ちで対すれば、相手の動作を見抜くことができる。そこで、それに合して右、左に体をかわすこともできる。また、相手を自分の心に抱き込んだら、自分が天地よりうけたところの道に相手を導くことができる。p97
そういうことで私は最初、息の仕組みからやっております。円を描く、円の中心を知る。円の中心こそ---。それを愛の教育に移すのです。p100
・吐く息は、エイーと、円。p141

○息の妙用
・天地万有は呼吸をもっている。精神の糸筋をことごとく受けとめているのである。おのが呼吸の動きは、ことごとく天地万有に連なっている。つまり己れの心のひびきを、五音、五感、五臓、五体の順序に自己の玉の緒の動きを、ことごとく天地に響かせ、つらぬくようにしなければならない。p84
・また、息の動きはすべての万有万神へ、己れの精神から発するところのひびきである。また、魂の糸筋の結びによって、すべてのことが世界に通じるようになる。その根元は明らかである。この明らかなる根元をもって、己れの呼吸や自己の魂の動きによって、この世の邪気をはらわなくてはならない。p84

○ 一方で導いておいて一方で和す
・手、足、腰の心よりの一致は、心身に、最も大切な事である。ことに人を導くにも、また導かれるにも、みな心によってなされるからよくよく考えること。一方で導いておいて一方で和す。これをよく理解するよう努力しなければならない。相手が引こうとしたときには、まず相手をして、引こうとする心を起こさしめて引こうとするように仕向ける。術の稽古ができてくると、相手よりも、先にその不足を満足させるように、こちらから相手の不満の場所を見い出して、術をかける。この不満を見い出すのが合気の道でもある。p98
・真の合気道は、相手を倒すだけでなく、その相対するところの精神を、相手自らなくすようになさなければならないのである。地上に現われたものと、その精神とが一如となって、和合するように日々の稽古をしなければならない。p98

○ 宇宙の心(偉大なる「愛」)
・ではいかにしたら、己れの邪気をはらい、心を清くして、宇宙森羅万象の活動と調和することができるのであろうか。それには、まず宇宙の心を、己れの心とすることだ。宇宙の心とは何か?これは上下四方、古往今来、宇宙のすみずみにまで及ぶ偉大なる「愛」である。p34
・地上のすべてのものは全大宇宙の愛の働きであるから、すべてのものが一体にまつり合せ、神人合一に、神人合わせることが宇宙の心である。p43
・宇宙万生の愛の御働きの根元は魂の現われであり、愛の現われである。
・合気道はすべて生きとし生けるものの愛の働きを示している。p43
・かくして万物の生命、すなわち宇宙の織りなす万生の宿命を、地上に宇宙の愛を現わす方法として合気道と名づけた。p44

○小戸の神業
・一人一人が心の洗濯をし、心の立て直しをする。世界から戦争、喧嘩をなくす。それが小戸の神業である。p20
・合気と申しますと小戸の神業である。こう立ったなれば、空の気と真空の気を通じてくるところの、
宇宙のひびきをことごとく自分の鏡に写しとる。そしてそれを実践する。p119
・小戸の神業とは地球救済の業であり、その神業を勤修することが合気道の主なることとなっております。p126
・立て直しの神技は、まず禊をやる精神の禊である。魂の造り直しである。筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原の小戸の神業である。p151
・禊は、はじめに述べたように立て直しの神技の始めに行ずるのであるが、禊をして精神の立て直しをすることは特に合気道を学んでいる各自にお願いしたい。日々必ず修業してほしいと思う。p152
・橘の小戸の神業、禊の技、これが合気道です。p155

○科学の始まり
・一元の大御心をあらわすには、二元が現われて、はじめてすべてのものが現われる。これがすべての科学の始まりになっている。p59

○気
・つまり古典の古事記の実行が合気である。
四魂の動き、結びて力を生ず。愛を生み、気を生み、精神科学が実在をあらわす。神の言葉、そのものが気である。p19
・合気道は松、竹、梅の三つの気によって、すべてができています。これは一口にいって生産霊、足産霊、玉留産霊と申し上げます。p21
・合気はすべて気によるのであります。p32
・合気にては気を両刃の剣と称し、心ともなす。これは世界の真気を示し、光と熱の合気運化を示す大法術の精神なり。両刃の剣はまた七十五音の言霊の精神の奥の気をいうものなり。気の運化にて万形を生ず。p53
・合気をするとき気育、知育、徳育、常識の涵養、体育を兼ね備えてなければならない。それはどうすればよいかたいうと、すべて気である。合気は充分気を知らねばならない。
武の気はことごとく渦巻きの中に入ったら無限の力が湧いてくる。p88
・愛の心が無かったなら万有愛護の大精神の大業は成り難く、愛のかまえこそ正眼の構えであります。無形の真理。日本の武道は相手をこしらえてはいけません。武の極意は形ではありません。心は自在に生じ、気は一切を支配する本源であります。このことはすべて猿田毘古大神のお導きであります。天の村雲九鬼さむはら竜王、この御名のなかに合気の技が含まれているのです。p154
・形より離れた
自在の気なる魂、魂によって魄を動かす。この学びなれば形を抜きにして精進せよ。すべて形にとらわえては電光石火の動きはつかめないのです。p131
・一切の力は気より、気は空に結んでありのままに見よ。箱の中に入れるな。気はいながらにして淤能碁呂島を一のみに出来る。気の自由を第一に悟れ。気の流れを知りつくせ。p131
・春夏秋冬も心の動き、気は力の本であるから、最初は充分に気を練っていただきたい。日本を創るのは自分自身、魂は自分自身で創るのであります。p132

○気の妙用
・『気の妙用』は、呼吸を微妙に変化さす生親である。これが武(愛)の本源である。p85
・『気の妙用』によって心身を統一し、合気の道を行ずるとき、呼吸の微妙な変化は、これによって得られ、業が自由自在に出る。この呼吸の変化は、宇宙に気結び、生結び、そして緒結びされる。p86
宇宙のひびきと、同一化すること。そして相互交流。この変化が技の本となるのである。すなわち「気の妙用」である。p176
・五体と宇宙のひびきの同化。これにより光と熱と力が生まれ、この現象は微妙な妙用である。技は五体のひびきと宇宙のひびきと気結び、緒結びし、千変万化するのであるけれど、我々は五体のひびきから光と熱と力を生じさせるような稽古をし、宇宙のひびきの中の空に技を生み出していかなくてはいけない。p176



○言霊
・一霊四魂三元八力の大元霊が一つなる大神の御姿である。大神は一つであり、宇宙に満ちみちて生ける無限大の弥栄の姿である。すなわち天なく地なく宇宙もなく大虚空宇宙である。その大虚空に、ある時ポチ(・)一つ忽然として現わる。このポチこそ宇宙万有の根源なのである。そこで始め湯気、煙、霧よりも微細なる神明の気を放射して円形の圏を描き、ポチを包みて、始めて「ス」の言霊が生まれた。p110
・これが宇宙の最初、霊界の初めであります。そこで宇大は、自然と呼吸を始めた。神典には、数百億万年の昔とあります。そして常在、すみきらいつつ即ち一杯に呼吸しつつ生長してゆく、ゆくにしたがって声がでたのである。言霊が始まったのである。キリストが「太初に言葉ありき」といったその言葉がそれで、その言霊がスであります、これが言霊の始まりである。p111
・このス声は、西洋にはこれに当てる字はなく、日本のみにある声である。
これが生長してス、ス、ス、ス即ち上下左右のス声(+)となり、丸く円形に大きく結ばれていって呼吸をはじめるのである。p111
ス声が成長して、スーとウ声に変わってウ声が生れる。絶え間ないスの働きによってウの言霊が生じるのである。ウは霊魂のもと物質のもとであります言霊が二つにわかれて働きかける。御霊は両方をそなえている。一つは上に巡ってア声が生まれ、下に大地に降ってオの言霊が生れるのである。上にア下にオ声と対照で気を結び、そこに引力が発生するのである。p111
・高天原というのは、宇宙の姿である。宇大の生きた経綸の姿、神つまります経綸の姿なのである。一家族も一個人もそれぞれ高天原であり、そして呼吸して生々と生きているのである。p111
・高天原とは一口でいえば、全く至大天球成就おわるということになる。
これ造化開闢の極元なり、高天原の意をより理解して、神の分身分業をなしてゆくところに合気道が出来るのである。p112
・宇宙の気、於能碁呂島の気、森羅万象の気、すべての霊素の道をつづめて、そして呼吸を合わせて、その線を法則のようにして、万有の天の使命を果させるのである。そしてその道それぞれについて行うところの大道を合気道という。p112
・合気道とは、いいかえれば、万有万身の条理を明示するところの神示であらねばならないのである。過去ー現在ー未来は宇宙生命の変化の道筋で、すべて自己の体内にある。これらをすみ清めつつ顕幽神三界と和合して守り、行なってゆくものが合気道であります。p112
宇大の活動の根源として七十五声がある。その一つ一つには三つの規則がある。生産霊(△)足産霊(○)玉留産霊(□)である。p112
・八力がアオウエイの姿であり、国祖国常立命の御心のあらわれである。
豊雲野大神との交流により五つの神の働きが現われるのである。かくて八大引力が対照交流し動くとき軽く澄めるものは天に昇り、濁れるもの汚れるものは下へ地へと降った。天と地が交流するたびに、物化して下降、交流しては下降し、だんだん大地化して来た。これが玉留産霊の大神の神業である。生産霊、足産霊、玉留産霊の三元がととのうと、宇宙全体の姿が出来上がるのである。p112
合気とは、言霊の妙用であります。言霊の妙用は一霊四魂三元八力の分霊分身である。p113

○言霊

・言霊とはひびきですから、宇宙のひびきをことごとく身の内に受け止めるのです。p27

○言霊の妙用
・合気道は天、地、人の理により悟り、宇宙の大道、言霊の大妙用たることを深く知ることが肝要である。また、この道は世界大平和、地上楽土の大道でもある。我々は常に至純、至美、至真、至善の大愛の宇宙の大御心を思って、この道の修業をすることが肝要である。宇宙の経綸は武の大道でもある。p108
・合気とは、言霊の妙用であり、言霊の妙用は一霊四魂三元八力の分霊分身である。p113
・言霊の妙用は一霊四魂三元八力の宇宙の活動---。「ス」の本を真としてともに分身分業。各自にあたえられたる使命に精進すべきであります。p180

○真人
・世界を和と統一で結ぼうとする人を真人というが、合気は、いうなれば真人養成の道であるともいえる。p37

○真空の気
・真空の気は宇宙に充満しています。これは宇宙の万物を生み出す根元であります。空の気は物であります。それがあるから五体は崩れず保っております。p67

○空の気
・空の気は重い力を持っております。また本体は物の気で働きます。身の軽さ、早業は真空の気を持ってせねばなりません。空の気は引力を与える縄であります。自由はこの重い空の気を解脱せねばなりません。これを解脱して真空の気に結べば技が出ます。p67

○「ス」
・「ス」は元の大根霊で、すなわち大神さまの御心、御姿の現われであります。p22
・合気道には形はありません。魂の世界「ス」の一字によって禊に基づいてやるのです。この宇宙は「ス」の凝結です。また一つの霊には必ず神直日の霊が宿っているのです。合気道は精神の律法以外の律法はいりません。合気道は中心を離れては何もないという愛の教えです。直日でないと本当の力は出てきません。水火結んではじめて「もの」が生まれるのです。p50
・みな「ス」の御息に基づいてやるのです。この宇宙は「ス」の凝結であります。p99
・さらに天地人和合の理を悟ることです。宇宙の真理のごとくは技に表わすことが出来ます。世界の根元は三元界大虚空の初めの一点、「ス」の言霊より七十五声を生み、これが宇宙界万有を生みます。「ス」の本真を本源とし、各自の分身分業が与えられております。p181

○生活の道
・物と心は、一切万物が持つものであります。これが生活の道であります。p69

○武産合気
・すなわち合気道は「小戸の神業」をいただくのがもとであります。合気道は宇宙の大虚空の修理固成です。p64
・また合気道は天の浮き橋に立たねばなりません。
正勝、吾勝、勝速日とは武産合気ということでありますが、つまり古事記の宇宙の経綸の御教えに、神習いまして日々、練磨していくことです。乾と巽の息は、「ス」がもで….。天地の修理個成の息により乾、巽の仕組みによりまして、日々その四隅に御徳をいただきまして、すなわち和の魂の練成をするのであります。p65
・俗に巽の仕組みは、桃の実の養成であります。
・松、竹、梅の気がそろい、乾で方を決め、「三千世界、一度に開く梅の花」がすべての始まりで起こりでありますが、合気もここから始まるのです。いいかえれば天の浮き橋ということです。武産合気の守護神「天の村雲九鬼さむはら竜王」で、神界では、速武産の大神で、その御名のなかに、私達が修業する気の動きがあっているのです。p65
・また、霊界をこの魂に写しとって、この営みの気を武産合気として、現わすことが必用であります。古事記の営みの実行で、神習っていかねばなりません。p65
・日本の道を産み現わすことを武産といいます。顕界、幽界、神界の三界を大昔、つまりは万古より守護いたしております
木花之佐久夜毘売の御神業、すなわち和合達成に神習い、世を守るのが日本の道でなければなりません。私は世界の一分身、一分業としてこの日本の道を愛護するために、日夜の精進をつづけております。p121
・また、武産合気は宇宙真理完成の誠の現われであります。---このような世の生命である根元、至仁至愛を守る愛の働きは言霊の妙用となるのであります。これは禊の道となるのであります。p122

・その浮橋にたたなして合気を産み出す。これを武産合気といいます。p129

・五体は宇宙の創造した凝体身魂であるから、宇宙の妙精を吸収し、宇宙と同化しているわけである。武道の奥義は、念を五体から宇宙と気結びし、同化して生死を超越し、宇宙の中心に立つことである。このようにして出た技は、愛の恵みの技となるのである。これは武産合気。p175

○武産合気の本義
・天地の本日までの仕組みにおいて、たくさんの穢れができている。これは当然の成り行きであるが、この穢れを合気道の真髄によって天地の条理を明示して、この世の動きと和合して、この世の穢れを排除していくことが武産合気の本義である。我々は進んで世界の和合を、微力であっても合気道によって尽くそうではないか。p85

○武産の武
・技は、すべて宇宙の法則に合していなければならないが、宇宙の法則に合していない技は、すべて身を滅ぼすのである。このような技は宇宙に結ぶことができない。ゆえに武産の武ではない。宇宙に結ばれる技は、人を横に結ぶ愛の恵みの武ともなる。宇宙と結ばれる武を武産の武というのである。p86

○大和の魂の気の錬成
・桃の実というのは意富加牟豆美神と御名をたまわりたりと書いてある。
それで桃の実は意富加牟豆美神といって、つまり我々は立派な世を組織するために、国をつくるために、大和の魂の気の錬成である。それでちょうど地引きの石---。千引きの石というのは、大和の魂のような、お互いの誠である。皆さんのような日々誠の心をもって日々の稽古をしていくような人々が千引きの石である。p136

○魂
・円は皆空で、皆空の中から生み出すのが心であります。皆空とは自由自在のことであります。皆空に中心が生ずるとき気を生み出します。皆空の中心より無量無限の宇宙に気結び、生結びするのが魂であります。
魂は一切を生み出すものであり、不滅の生み親であります。p120

○魂の技
・我々は正勝、吾勝、勝速日の精神をもって、天の運化を腹中に胎蔵して宇宙と同化、そして宇宙の内外の魂を育成して、かつ五体のひびきをもってすべて清浄に融通無碍の緒結びをして、宇宙世界の一元の本と、人の一元の本を知り、同根の意義を究めて、宇宙の中心と正勝、吾勝、勝速日を誤またず、武産の武の阿吽の呼吸の理念力で魂の技を生み出す道を歩まなくてはならない。p12

○魂の学び
合気道は、魂の学びである。魂魄阿吽の呼吸である。p12

○魂の力
・合気道は無限の力を体得することです。魄の世界は有形であります。ものの霊を魄といいますが、これは気力といいます。合気は魂の力です。これを修業しなければなりません。皆さんおおいに修業して下さるように、お願いいたします。p102

○魂のひびき
・合気は宇宙組織の魂のひびきを神習うての発動である。すべて宇宙の魂のひびきで合気を実践し、無限の力を生み出していかなくてはならない。宇宙組織の魂のひびきは、すべて宇宙に学び、宇宙の中心に帰一し、宇宙と同化していかなくてはならない。そして宇宙とともに進むのである。このようにして自己の体内に宇宙組織を、正しく造りあげていくのである。p37

○魂の気
・合気道は魂の気の洗濯が一番、その次には己れの心の立て直しが肝要である。p18
我々は魂の気の養成と、立て直しをしなければいけません。合気は宇宙組織を我が体内に造りあげていくのです。宇宙組織をことごとく自己の身の内に吸収し、結ぶ。そして世界中の心と結んでいくのであります。仲よく和と統一に結んでいくのであります。すべては結びでやる。p28
・魂の気というのは、宇宙組織の気である。作り主の事である。p146

○魂の円
・また、合気をもって物と心を合わせ、生き栄えていく仕組みをもつのが魂の円であります。宇宙の気はすべて魂の円におさまります。おさまるがゆえに技も無限に包蔵され、生み出すこともできます。これが合気の魂の円であります。
・これは合気の武の根元でありますが、魂の円を体得した極意には、相対の因縁動作を円に抱擁し、掌に握るごとく、すべてを吸収します。
円の極意は皆空の中心をつき、技を生み出すことにあります。p121
・自分の中心を知らなければなりません。自分の中心、大虚空の中心、中心は虚空にあるのであり、自分で書いていき、丸を描く。
丸はすべてのものを生み出す力をもっています。全部は丸によって生み出てくるのであります。きりりっと回るからできるのです。---何時でも円を描きだし、ものを生みだしていかなければならないのです。p154

○魂の比礼振り
・この世を乱すことが一番の罪悪になる。心を磨いて、本当に六根の働きをば融通の変えやすいように、つまりいう魂の道を明らかにしておいたらよい。そうすると六根は光となって、表にあらわれてくる。六根が光を放ってくるというと、やることがみな魂の比礼振りということになってくる。己が物をうみだすようになる。外からのことも、内からのことも相交流していけることになる。外のことは、みな己れのことということが、はっきりわかってくる。p45
・魂の比礼振りは、あらゆる技を生み出す中心である、その比礼振りは融通無碍で固定したものではない。ゆえに合気道の技は固定したものではなく、臨機応変、自由自在の技である。p108

○魄と魂の二つの岩戸開き
・合気はまず十字に結んで天ていから地てい息陰陽水火の結びで、己れの息を合わせて結んで、魄と魂の岩戸開きをしなければならない。魄は物の霊を魄という宇宙組織のタマのひびきが魂である。宇宙を動かす力を持っていなければいけない。天の運化が、すべての組織を浮きあがらせ、魄と魂の二つの岩戸開きをする。これをしなくてはいけない。そうでなかったら本当の人にはなれない。それには心の洗濯が大切である。p88

○中心帰一の精神 (帰一表現の原理)
・宇宙万生の現われの根元は魂の現われであり、愛の現われである。その根元の最も純粋な現われは合気道である。宇宙、全人類を大きく和し、一体となすべき本来の道である。
かくして人間の姿の内に大宇宙を見出し、帰一表現の原理を悟らなけれがならない。帰一表現こそ宇宙が示したまわれた貴い原理である。
・地上のすべてのものは宇宙の愛の働きであるから、すべてのものが一体にまつりあわせ、和合させることが宇宙の心である。この使命は各人が果たすことに努めねばならぬ。
・真に和合する宇宙の心を実現する、この合気道こそ、宇宙を和合する唯一の道でる。p36
・真の武道には相手もない、敵もない。真の武道とは宇宙そのものと一つになることだ、宇宙の中心に帰一することだ。合気道では強くなろう、相手を倒してやろうと練磨するのではなく、世界人類平和のため、少しでもお役に立とうと、自己を宇宙の中心に帰一すること、帰一しようとする心が必要なのである。合気道とは、各人に与えられた天命を完成させてあげる羅針盤であり、和合の道であり、愛の道なのである。p115

○罪
・現世罪は世を乱し、世を乱すは一元の本を忘れるにある。p60
・宇宙の仕組みを守る第一の修業は罪を祓うにある。罪とは人類をはじめ一切の生物類および宇宙の森羅万象の諸法を、至大至祖の一念、および無始無終の原因、結果の生み出しと知らずにいることである。p139
・また身勝手な心、行動は罪をつくる門戸である。至大至祖の体内の玉の緒によって生きていることを忘れてはならない。p139
・実に破壊殺傷は人生の一大罪悪である。p161

○念彼観音力
・自分に愛の心が無かったら万有愛護の大業は成りがたく、愛のかまえこそ正眼の構えであります。無形の真理、日本の武道は相手をこしらえてはいかぬ。無抵抗主義、これこそ霊界の処理法であり、念彼観音力と申します。武の極意は形はない。心自在に生ず。気は一切を支配する源、本であります。p129
・魂が肉体を磨く。気でよける。逃げてはいけない。動きの前に相手の気を押える相手をこしらえては合気になりません。相手の気は相手にまかす。合気は気を練る。念彼観音力に申す愛の構えこそ真の構えである。無抵抗主義には大なる修行がいる。しかし心を結ぶには三月で足ります。p159
・満天に智恵正覚を豊満せしめて、自己の智恵、身体を練磨する。そしてはじめて宇宙根元のいわれを知り、そこにはじめて合気となる。p160
・合気というものは、初め円を描く。円を描くこと、つまり対象力。p119

○万有愛護の大精神
・「武道の根源は神の愛---万有愛護の精神---である」と悟り得て、法悦の涙がとめどなく頬を流れた。p54
・「武道とは、腕力や凶器をふるって相手の人間を倒したり、兵器などで世界を破壊に導くことではない。真の武道とは、宇宙の気をととのえ、世界の平和を守り、森羅万象を正しく生産し、護り育てることである。」と私は悟った。すなわち「武道の鍛錬とは、森羅万象を正しく産み、護り育てる神の愛の力を、我が心身の内で鍛錬することである」と私は悟った。p54
・合気道で宇宙の魂を磨く者は、この源をよく究めて、宇宙の真理にかない、宇宙の御心にかなうように、万有愛護の心をもって、世の中の生きとし、生けるものに喜びを与えるように接しなければならない。このことは、やがて己れに宇宙の喜びの大声に迎えられる日がくることなのである。この喜びは合気道を稽古するものの務めの一つを完遂することになる。合気道は、宇宙の真理に合した道である。もちろん、この道に宇宙に反する心はない。この反する心がないということは、生成化育の大道に必要なる要素である。p114
天地の大愛を心とし、万有愛護を己れの使命となし、その使命をまっとうすることを真武の道と心得て、修業せねばならないのであります。p182

○人
・人というのは、造化器官であることを知り、全大宇宙と己れとは同じということを知らなくてはいけない。この宇宙内の子として、宗教家でいうならば神の御子としての努めを、この世の中に充分つくさなければいけない。それはすべて世の中を乱さんようにするためでもある。それですべての物を守っていかなければいけない。これは必ず行わなくてはいけない。そして万類万象を生かしていかなくてはならない。p46
・神に神習いて、地球修理固成は人が主体となることは前に述べましたが、神の御胸のまにまに神の愛の命を授けられております。この愛の道と反対しないよう、地球を守り、愛の道につくすのが人の道であります。p66
・人は地球修理固成するときに、天の浮き橋に立たされるのでありますが、それがすべての発兆です。p66
・我々は神人和合して、この世の紐帯となって、無限の力と実力を整え、和合の道に進んでいかなくてはならない。人の身の内には天地の真理が宿されている。人というと万古不易の真理が宿らぬ者はなく、それは人の生命に秘められているのである。本性の中に真理が宿っている。p84
・すべての人は至大始祖の胎内の玉の緒によって、息し、生きていることを忘れてはならない。p96
・五体は宇宙の創造した凝体身魂で、宇宙の妙精を吸収し、宇宙と一体となって人生行路を修している。p104
・すなわち人は全大宇宙を受けとめる経綸の主体となっている。p149

○人間の根本義
・たとえば、剣一本動かすにも自己が全部入り、宇宙に同化している。
合気道には剣の妙法剣がある。この剣の道は人間の根本義が完成されてなければ邪険となる。では一体人間の根本義というものは何か。
・それは志操、篤実、品行方正にして、慈善心、至誠心あることを必要とし、真善美を基に、これを保つことである。そして、この発育に精進し、ますます智恵聡明にして鋭敏なるよう、努力しなければならない。すべて至誠であることを要する。
・つまり、愛と愛との相固まった至誠の心になって、和合の道へ進まなければいけない。
至誠心の養成はまず自己に勝つことから精進しなければならない。p110

○武神の示し
・業の発兆を導く血潮が言霊なり。業の発兆をおこすには、言霊の雄叫びが必要なり、浮橋に立って、言霊の雄叫びせよとの武神の示しである。p168

○武の本義
・天の浮橋に立たねば武は生まれません。神と万物が愛と熱と光と力によって、同根一体となって業を生むのが武の本義であり、またこれが善の大愛であるところの主の大神の目的であり、御働きであります。大神の御心にかなう御経綸の武を生むのが合気の使命であります。それには美わしくこの浮橋に立たねばなりません。p73
・武は生きて、赤き血にたぎりによって生きています。緒結びによって、千種を生み出しています。これは、科学した業であります。その大神の使命の受霊をもって、世に立たして使命の上に振い立つ時は、神がその身に仕組みしてゆくのであります。p73

○武の根元
・日本の武の根元は愛であります。世の中はすべて愛によって、形づくられているのであります。文化も科学も、愛の大精神から出ているのであります。天地の間に立って、人はこの愛の紐として世に造化の道にいそしむのであります。p47

○武の掟
・我が国の真の武道は大きく和するの道であり、身心の禊である。天の規則を地上に打ち立て、人が行なってまず自己をこしらえ、万物を守るのが武の掟である。p162

○真の武
・だから武技を争って勝ったり、負けたりするのは真の武ではない。

○武道の奥義
・また、念を五体から宇宙に気結びすれば、五体は宇宙と一体となって、生滅を超越した宇宙の中心に立つことも出来る。これが武道の奥義である。p105

○真の武道
・真の武道には敵はない、真の武道とは愛の働きである。それは、殺し争うことではなく、すべてを生かし育てる、生成化育の働きである。愛とはすべての守り本尊であり、愛なくばすべては成り立たない。合気の道こそ愛の現われのなのである。p35

○「武は神なり」「武は万物の根源なり」
・昔から「武は神なり」という言葉があるが、武は神の道にして真善美なる世界の経綸とともにある。また、宇宙の神定めにより司の神にゆだねたまえる尊い道でもある。すなわち真人を創りあげるための一光である。p56
・世の初め宇宙は水火天地を分けたまい、さらに神は一霊四魂と水火より生み出した元素と力をもって、万有の心と体を造り、これを万有に賦与した。地祇もまた、三元と八力をもって霊と体を造り万有に分かつ。その霊を守るものは体であり、体を守るものは霊である。また霊八体を守るべきであると古語にもある。
・武訓を仰ぎみることを要する。武を練れば誠の武魂が養われ、武魂が入る真善美なる霊と体は理によって造りあげられる。古より道の人々の言に「武は万物の根源なり」と。p56

○正勝、吾勝、勝速日
・そこには速いとか、遅いとかいう、時間の長さが存在しないのである。この時間を超越した速さを、正勝、吾勝、勝速日という。
正勝、吾勝、勝速日とは、宇宙の永遠の生命と同化することである。p34
真の武は、正勝、吾勝、勝速日であるから、いかなる場合にも絶対不敗である。すなわち絶対不敗とは、絶対に何ものとも争わぬことである。勝つとは己れの心の中の「争う心」に打ち勝つことである。己れに与えられた使命を成しとげることである。p35
・ゆえに合気は宇と宙は一家のごとく、人類万有呼吸を合わせて相ともに絶対愛の中心に根本の真の道を忘れず、自己に与えられた天の使命を遂行する。これ、合気にして、日本にては正に勝ち、吾に打ち勝つの意義なり。p52
・合気道はこの万有万神の条理を守り、そしてその万有愛護の精神を練り、正勝、吾勝、勝速日の境地に立ちて、各自の天命を完成さす道である。p106
・そして正勝吾勝勝速日をもって、天の運化を腹中に胎蔵して、宇宙と同一化して宇宙の内外に魂を育成、我々の宇宙の本と人の本の一元を知り、すべての中心を確立しなければいけない。p176

○誠の修業
・合気道は日々新しい天の運化とともに、古き武の衣を脱ぎ、成長達成向上を続け、研修しておる我々は、武の道を通じて天地の真性に学び、天地に同化し御姿、御振りを身魂に現わすべく誠の修行に専念しなければならない。p60
武を修めるものは、この時にあって、万有愛育の万有一元の心を忘れず、愛と愛との抱き合わせる至誠を守るべし。p61

○至誠の道
・このように千古不易の宇宙真理に合して、武を修める者は、いまさら言うまでもなく万有愛育の万有一元の心を忘れず、愛と愛との抱き合わせる至誠の道を守ることが必要である。そして我等は合気道を通し天の運化におくれず、一元の御心と御姿を顕すよう努力しなければならぬ。p114

○道
・道というのは、ちょうど、体内に血が巡っているように、神の大御心と全く一になって離れず、大御心を実際に行じてゆくことをいうのである。神の大御心から少しでも離れたらそれは道にはならない。p17

○三つの鍛錬
・一、己の心を、宇宙万有の活動と調和させる。二、己の肉体そのものを、宇宙万有の活動と調和させる。三、心と肉体を一つにむすぶ気を、宇宙万有の活動と調和させる。この三つを同時にかね行なうことが必用である。
・「気の妙用」によって、個人の心と肉体を調和し、また個人と全宇宙との関係を調和するのである。
・合気道は真理の道である。合気道の鍛錬は真理の鍛錬であって、神業を生じるのである。
・合気道は、三つの鍛錬を実行してこそ、真理の力が心身に加わるのである。p179

○導即剣
・自己の身をそこなわぬようにして相手を制せねばならぬ、すなわち心で導けば肉体を傷つけずして相手を制することができる。導即剣という具合いに、斯道を練りあげねばならぬ。皮を切らして肉を切る法は、名人の法であるが、非常に危険な方法で人のなすべき技法ではない。いつも安全な破れざる位置にあって相手を制す。この覚悟が斯道の稽古に最も必要である。p63

○禊の技
・また、宇宙組織の魂のひびきの修行によって、自ずと自己の心の立て直しが行なわれ、真の自己を造りあげるのである。つまり合気道は禊の技であるということである。禊の技で常に万有愛護の大精神を鍛え、万有万神の条理を守り、自己の使命を完遂することである。p38
・稽古は禊である。天の浮橋---これがある教えに「三千世界一度に開く梅の花」と説かれている。松竹梅という松は丸い。裏表はない。梅は三角である。これは神代の巻きに書いてある。それがことごとく地球上のことであり、宇宙のこと。その三角を四つ寄って宇宙に気結びし、生産びすることである。気結び、生産びし、三角は造化の三神を意味する。科学の始まりで、この世界は科学によって、かくのごとき世界が造られたのである。また造り主に順応して、息の凝結せるものが、すなわちこの宇宙である。すべて濁りが消え、高まっていく。p93
・自己の心は自己の心で祓い、御剣を通して本当に自己の心から立て直す。これが大神に神習う心魂の禊である。世界の大橋となる二度目の岩戸開きである。また神習いては自己の二度目の岩戸開きである。魄の世界を魂の比礼振りに直すことである。ものをことごとく魂を上にして現わすことである。ーーー魂の力をもって自己を整え、神を表に出して神代を整え、祭政一致の本義に則ることである。p149
・合気は禊である。神のする世直しの姿である。魄力が強いということは戦争がなくならないということである。争いより抜け、大神の御心に復帰すべきである。武とはすべての生成化育を守る愛である。p150

○産び
・武産の武の結びの第一歩はひびきである。五体のひびきの槍を阿吽の力によって、宇宙に拡げるのである。五体のひびきの形に表れるのが「結び」である。すべての元素である。元素は武の形を現わし、千変万化の発兆の主でもある。p87

○山彦の道
・さらに天地人和合の理を悟ることです。宇宙の真理のごとくは技に表わすことが出来ます。世界の根元は三元界大虚空の初めの一点、「ス」の言霊より七十五声を生み、これが宇宙界万有を生みます。「ス」の本真を本源とし、各自の分身分業が与えられております。
・この山彦の道がわかれば合気は卒業であります。すべて道はあるところまで先達に導かれますが、それから後は自分で開いてゆくものなのです。キリスト教をはじめ、世界の五大宗教、三大宗教はいずれもみな、この愛を目標にのぼってゆく修業道工夫、方法をいろいろ示したものにほかなりません。p182



・開祖語録の索引を作ってみようと思います。開祖語録は真理を説いています。自分も真理に悟入し、実践したいものと思います。開祖大先生語録は誠に味わい深いものがあります。色々な角度から読み解いていかねばなりません。索引からも研修してみようと思います。 2006/03/17
・佐柳孝一師範は生涯をかけて合気道『一当流』を私達に手渡して下さいました。私はこの合気道『一当流』に益々の磨きをかけて行こうと思います。『一当流』を以って“合気の道”に励みます。 2006/03/17
佐柳孝一師範は、決して多くを語りませんでした。しかし、「開祖大先生語録を研修しなさい」「見えざる世界を明らかにしなさい」と導いて下さいました。2006/04/10
開祖大先生語録を読むと気が晴れやかになります。万有愛護の精神で貫かれている開祖大先生語録には業のヒントと導きが一杯あります。開祖大先生語録を手に求道の心を持ち続けたいものと思います。2006/04/15
根底に中心帰一の精神、万有愛護の精神があるから「活人剣」となる。「合気の道」には愛情、友好、和合、喜び、幸せ、光と熱と力がある。 2006/05/30