インプラントを埋めるためにはどれくらいの骨が必要なのでしょうか。
インプラントとは骨に埋め込んで、歯のかわりとするものです。
したがって、インプラントを支えるために必要な骨の量というものがあります。
よく使われる直径４mm程度、長さ１０mmのインプラントを例にお話します。
インプラントを植える場合に必要な骨の巾はインプラント表面から頬っぺた側に1mm以上、舌の側に1mm以上必要です。
したがって、直径４mmのインプラントを植える場合には骨の巾は６mm以上必要となります。
必要な骨の巾が確保できない場合にインプラントをするには、骨の巾を増やす処置が必要となります。
日本人の場合、欧米人と比べて、骨の巾が狭く、さらに歯周病で歯を失ったような場合では骨の巾が十分でない場合が多いです。
そして、下顎の奥歯の場所に植える場合を考えますと、下歯槽管といって、神経の走行している部位があり、そこからインプラント先端を2mm以上離す必要があります。したがって長さ１０mmのインプラントを植える場合には、骨の高さとしては１２mmの高さが必要ということになります。
それが確保できないときは埋入方向の傾斜角度で調整したりしますが、咬合圧のかかる方向の観点から、変更度合いには限界があり、あまり大幅な変更を行うとやはり長期的な安定性に不安が残ります。それでも骨の高さが不足な場合、より短いインプラントを検討したり、骨の高さを増大する処置を検討したりします。短いインプラントの場合は一本あたりの咬合圧負担力が少ないので、咀嚼筋筋力の強さ対合歯との関係で、インプラント本数を増やす必要がある場合も出てきます。
インプランを検討される方はこのような予備知識をお持ちいただければと思います。
