山日記064番(04.09.25西穂高岳 )
2004年9月25,26日(土、日) 頂上11度 強風 ガス

家出発(4:08)→山陽道(5:42)153.7km→(6:02)名塩(6:19)186.2km→桂川(6:47)234.9km→(7:04)大津(7:24)251.0km→米原JC(8:09)320.3km→(8:25)養老SA(8:35)344.3km→一宮JC(8:57)366.5km→飛騨清美IC(10:19)485.9km→しらび平(12.04)563.4km
しらび平(13:18)563.4km→新穂高出発(14:00)569.0km→飛騨清美IC(15:37)641.6km→(16:45)関SA(17:02)732.5km→一宮JC(17:20)761.8km→(17:35)養老SA(16:08) →784.0km→吹田JC(19:30)917km→家着21:55)1124.6km

1. 出発、登山口まで
 9月25,26日の土日を利用して、好天を期待してもう一度西穂高岳に行った。前回はガスばかりでなにも見るところがなかった。25日の朝4時過ぎに家を出発。淡路島、山陽、名神、東海北陸道、高山市を経由して12時半に新穂高温泉のロープウエイしらかば平駅に着いた。ロープウエイに7分乗り、登山口着。岐阜県吉城郡上宝村西穂高口。

2.登山口、西穂山荘
 ここは標高2160m、曇り時々晴れ。何人かが登り始めたが、前後の人はみんな今夜は山荘泊とのこと。少し歩くと、木の間を通して、わずかにガスがかかってるが、右端の独標から左端(らしい)の西穂高岳の山並みが白い雲を背景にして見えた。やったという感じ。
 「独標の頂上標識が見える」という声がしたが、僕には見えなかった。ナナカマド、カエデ、ダケカンバ、ブナなど紅葉が始まっているが、台風の影響で葉の縁が茶色で縮れている。
 45分歩いて、14時ちょうどに西穂山荘着。ここは2385m。早く来たので布団を良い場所に確保できた。秋雨前線が停滞しているので好天が明日まで続くはずはないし、まだ時間があるので、今日独標まで行くことにした。

3.独標
 25日14:17山荘出発。今から登る人は数人いたが、みな途中までだった。ガレ場の道は今、修繕整備中で新しい丸太で階段を作っていて、かなり歩きやすい。この付近で1か月前雷鳥を見た。独標から西穂高まで見渡せた。空気は澄んで手にとるように山並みが見える。山荘付近が森林限界で下を見ると紅葉がきれいだ。
 青空と白い雲、前回とは雲泥の差。右前方に前穂高、振り返ると左に上高地、霞沢岳右に笠ヶ岳、今日は乗鞍岳は見えなかった。
 岩のゴツゴツした所がはっきり見え、独標の岩場をよじ登っている人も良く見える。下山中の女性らしい人影がいつまでも岩壁にへばりついていた。自分の上ろうとする相手が見えるので気持ちが良い。
 よじ登って15時5分頂上着、ここは標高2701m、14度。太陽はまだ高く明るく、展望は抜群だ。5人先人がいたが、間もなく下山し、僕だけの世界になった。
 
 西穂から下山してくる人もこの時間帯ではもういないみたいだ。こんな好天にはもう遭遇できないような気がして、できれば西穂まで行きたかったのだが、どんなに急いで往復しても山荘まで3時間はかかるので無理だ。明日の天気に期待して、35分間景色を堪能し、今日はこのまま山荘に帰った。

4.山荘
 夕食は単独者4人で1テーブル。大阪の青年、大阪の高年者、神戸の中年者と僕。夕食、朝食、明日の弁当込みで9600円。大阪の青年は電車で来、神戸の中年は松本に出張できた帰り、大阪の高年は奥穂高に行く予定だそうだ。ご飯とお汁は食べ放題。
 布団8組のところ7人やってきた。下で石油ストーブをたいているので暖かい。夜9時消灯だと思うがそれまでに寝入ってしまった。20度くらい。夜暑くなって目が覚め、ポカリを飲んだ。朝4時に点灯。

5.出発、頂上
 26日6時10分山荘出発。完全にガスの中、がっくりきた。昨日登っておいて良かったと思った。どこに何があるのやら分からない中、足元だけ見て上がった。ガスが吹き付けて岩が濡れている。岩をつかんで手袋も濡れた。
 7時05分独標着。標高2701m、13度。雨がぱらぱら降ってきて、大阪の青年はここで引き返した。独標を向こうに下る壁はこのルートで一番急みたいだ。
 7時34分ピラミッドピーク着。独標から向こうに見える大きい峰のうち手前から二番目のがピラミッドピークだった。今日確認できた。みんなに尋ねたがどうもよく分からなかった。みんながここを熟知しているわけではないのだ。
 この峰を越えてピラミッドに来た。ペンキで頂上岩にピラミッドと書いているが、字は消えかけ。雨は止んだが相変わらずガスの中だ。左からガスが吹き付けるので、メガネの左レンズ、左の眉に水滴がつき始めた。メガネははずした。このほうがよく見える。滑らないようにゆっくり靴を岩におき登った。
 最後の岩盤を登る時にはハアーハアーいってるが、頂上が見えているので一気に行く。

6.頂上
 8時16分西穂高岳頂上着。標高2909m、先人は7−8人、女性もけっこういる。気温は11度で北風が強く、座り込み水分、果物ゼリー、羊羹補給。写真を撮ったり撮られたり。
 しばらくするとガスが切れ始め雲海と遠くのピークが一個見え、さらに青空と入道雲さえ見えた。ワーッという歓声が上がった。頂上での初めての絶景だった。
 だれかが「虹」というので、北を見ると小さい色つきの輪の中に人影みたいなのが見えた。腕を振ると影も同じように動く。あー、これがブロッケン現象なのか。
 
 この絶景もすぐにガスで消えてしまい、また周囲は真っ白。早く出発した大阪の高年者は姿がないので、北穂高めざしていったようだ。どんどん上がってくるので下山することにした。

7.下山
 9時05分頂上発。独標に着いたのが10時ちょうど。皮肉なことにガスが徐々に晴れてきた。日が出て暖かくなり、前穂高岳、ピラミッドピークがきれいに見える。早く帰ってもすることがないのでゆっくり風景を楽しんで、神戸の中年の男性と相前後しておりた。
 11時17分山荘着。弁当を食べ、11時40分山荘発。登山口への途中昨日と同様、独標から西穂高岳までの山並みが日に照らされて浮き出るように見えていた。数時間の違いで絶景を見逃した。最近3か月間は全ての山行で天気に恵まれなかった。
 ロープウエイ西穂高口駅では、食堂、売店、待合室は観光客でごった返していた。この売店では僕はいつも良い客だ。観光客は歩く姿勢が悪い。
 
 下の駅(新穂高駅)の近くに村経営の無料の温泉があり、そこに入ったが、ロッカー代100円、駐車代500円で、安くはなかった。30分未満はただだけど、32分かかっていた。しかし32分で500円は高い。下着、服全部換えて、いままでの臭さから解放され出発準備完了。

8.帰途
 14時00分四国へ向け出発。来た道を逆に走った。国道258号は混んで速く走れない。高山市内で道に迷ったが、時間のロスなく市内を抜けた。来る時も迷い、店員さんに尋ねた。90km/hになると右前輪が振動を始める。2週間前。瓶ヶ森林道で格子のない排水溝でショックを受けてからだ。
 関SAは大きい、プリンを食した。養老SAも巨大で人であふれていた。ここでカツ丼を食べた。三木JCを過ぎて、やっと好きに速く走れるようになった。21時55分帰宅。走行距離1125km。