山日記112番(06.01.08二軒茶屋―箸蔵寺―箸蔵駅 8時間15分)
2006年1月8日(日)二軒茶屋―箸蔵寺―箸蔵駅 気温3度 晴れのち曇り

家(6:30)→善通寺IC(7:03)39.7km→家(18:51)59.4km

コースタイム
財田駅(8:41) →展望所(10:00) →真ん中(10:05)→68丁(10:40) →石仏(10:50)→(11:22)二軒茶屋(11:40)→小屋(12:10)→讃州煙草問屋(12:50) →(13:30)寺(14:20) →下のロープウエイ駅(14:50) 箸蔵駅発(16:40) →財田駅(16:55)
同行者:一人

1. 出発
 昨夜雪で遠くには行けそうにないので箸蔵街道へ行くことに決定。50LのOSPREYにスノーシューを入れ、湯500ml、ポカリ1000ml、カップラーメン、パン二個、干しぶどう、羊羹、チョコ、オーバージャケットを入れた。高速で善通寺ICまで行きそこから国道11号に出て大野原に着いた。象頭山は白く雪を被っていた。Hさん宅で松山のOさんから預かっていたチョコレートと写真を貰い、紅茶を飲ませてくれてから出発。宝田の里でトイレ休憩し、財田駅に着いた。スズキのエスクードの三ナンバーが止まっていたが、どうも向こうで写真を撮っている人のらしい。重いのでポカリは500mlに減らした。

2. 二軒茶屋へ
 次の列車は9時32分でかなり間があるので出発することにした。西へ向かう近道を歩いて線路の下を過ぎ四国の道と合流した。。
 
雪が積んだ道を上がっていくと建設が中止されたか一時休止されているかの林道と交差した。さらに上がると讃岐富士が左に見え出した。約1時間でベンチのあるところに着いたのでリュックを下ろして、ポカリを飲み干しぶどうを食べた。また歩き出し間もなく展望所に着いた。東屋があり周辺にベンチもあるので、そこにリュックを置いて七宝山方面の撮影。眺めは良い。
 財田から3km、二軒茶屋へ3kmの道標を過ぎ、木で土止めをした階段道や、北風がもろに当たる細い尾根道を通り石仏に着いた。ここから東山峠へ8km、二軒茶屋へ1.65 kmの道標がある。今までは登り道だったがこれからは緩い下りになった。
 
二軒茶屋の手前で、チリンチリンというかすかな音がしたような気がしたので、振り返ると男性が相当な速さで追っかけてきた。この人は同行者がかつて会ったことがあり、車で送ってあげたこともあるそうだ。ハイキングシューズとジーパンで歩いているが、相当に速い。しばらく一緒に歩いたが、先にどうぞと譲ってあげた。すぐに見えなくなった。二軒茶屋に近づくにつれ竹が多くなりついに到着。

3.二軒茶屋
 気温は3度。西側の小屋には縁側があり積もった雪を除けてリュックを下ろした。軽四があり、意外にも道の東側の小屋の扉が開いて男性が出入りしていて、我らを招きいれてくれた。目が慣れてくるに従い、新聞や斧、スコップ、鋸などの道具、火鉢、薪、ヤカンなどが見え出した。
 
この小屋の主で、向こうの小屋はある町が作ったものだそうだ。この辺は私有地が入り組み、この男性も時々枝打にくるそうだが、台風がくると何のための仕事か分からなくなってしまうと言っていた。今日は特に仕事はなさそうだが雪があって仁尾町から来るのに2時間もかかったそうだ。熱い茶を入れてくれた。本田さんが何かお菓子を持っていってからここを去った。

4.箸蔵寺へ
 少し行くと四国の道は右へ分かれて猪鼻峠へ向かっているが、これは3年前の冬に向こうから来たあの道だ。檜の枝打や間伐はされ、樹齢50年くらいの檜林だ。林業は3代に渡る産業。
 県境の看板はないがもう徳島県に入っているらしく、積雪30cmで香川より相当深い。スノーシューは持ってきたがリュックに入れたままだ。枝道が何本かあり、二軒茶屋への低い、雪が深いと埋もれてしまいそうな指導標がそのたびに立っているが、彼が枝道の行き先まで知っているのにはびっくりする。猪鼻峠、箸蔵寺分岐にくると展望が開けた。猪鼻への林道は広くて立派。
 「はしくら」の「く」がなぜか鏡像になっている。箸蔵寺側から見ると右向きに小さい雪に半分隠れた二軒茶屋への指導標がある。R32が谷を越える橋が右手に見える。振り返ると若狭峰のアンテナ塔と白くなった雲辺寺山付近が見える。
 馬除(うまよけ)の集落には3−4軒あり、その内一軒にはごみは捨てずに持って帰ってくださいとの関口の署名付きの看板が掛かっている。休憩する人が、住民がいないのを良いことにそのまま放置していくのだろうか。
 道の右端に「箸蔵寺江」の石の立派な道標があり、寄贈者は「讃州煙草問屋阿」まで読めたが、かつての金毘羅宮奥の院への信仰の道は阿波から讃岐への煙草の葉の産業の道でもあった。
 雪には動物の足跡がたくさん付いている。大きい猪の跡があるというと、それはウサギの跡だとの訂正、ウサギは足を揃えて走るのだと。肉球のある沈んでいない跡はテンのもの、これと同じのを丸笹山でも見た。大きめの鳥で尻尾を引きずっていないのはヤマドリの雌、雉は高所にはいないだろうと。猪の跡もあった。
 
向こうから来る二人連れが今日会った2組目で、長靴と木の杖を持ち、年寄りの人はかなりの凸レンズをかけていた。一升水から右へ曲がり徳島側へ下りる周遊コースを歩いている。一升水がどこにあるか全く分からなかったが、彼らが言うには少し入り込んでいるので分からないだろうとのこと。夏にはカエルの卵ばかりでとても飲めたものではなかったらしい。さっき会った単独男性のことを良く知っており、1週間に一度はここをあるいているとのこと。馬除から尾根を何個か越えると向こうに吉野川の平野が見え出し、間もなく箸蔵寺の広い境内に出た。

5.箸蔵寺
 境内に入り100m歩いて御影堂、そこを左折し100m行くと本堂、少し手前に柱と基礎部分だけ新品柱に交換した休憩小屋。この付近には箸蔵街道の案内は一切なく、逆に言うと本堂に正対して左に行き御影堂で右折し境内を出ると箸蔵街道に出る。徳島側から来るより讃岐側から行ったほうが道は分かりやすい。
 
 参拝者もまばらで雪景色、ラーメンの昼食とクリームパンを食べ一応本堂にお参りした。なかでは小さい子供もいる一家が家内安全の祈祷をうけていた。初めからロープウエイに乗る気はなく急な石階段を下りロープウエイの鉄脚のふもとから土の参道を下りていった。ひなびた柿の実が一杯ついている。

6.下山
 今日何人かが歩いており、途中アスファルト道を串刺しにして下の駅に着いた。14時3分の列車はもう済んでいるのでので、何回か前を通っているがいつも気にしていない、反対側のウドン店であまり欲しくないがいなり寿司の軽食。Hさんが食べ食べと言うので少しだけ釜揚げウドンをおすそ分けしてもらったら腹がパンパンになった。帰って計ると56.4kgもあった。
 
ここから箸蔵駅まで10分くらい、16時40分の列車まで約2時間、その内周遊中に上で会い、再度会うとは思わなかった二人連れが線路に沿って東からやってきた。線路をはさんで向こうとこちらのプラットホームでしばらく話し、去っていった。あの男性は前は心臓の病気だったんだそうだ。
登りの特急四万十と下りの南風が疾走していったが、いづれも写真家が待ち伏せして撮っていた。吉野川の南の山々は雪だろう、ガスがかかったように見える。
 列車に乗り15分後に讃岐財田駅着。しばらくして西から追っかけてきた雪が降りだした。大野原経由で帰宅した。