山日記113番(06.01.15星ヶ城山816.6m 登山口から登山口5時間14分)
2006年1月15日(日)晴れ5度 弱風
コースタイム
家→サンポート(07:50)→(08:30)草壁港(08:40) →標識(9:12)→猪谷(9:36) →石門洞(9:48) →ロープウエイ駅(10:23)
→三笠山(10:42) →(11:23)星ヶ城山東峰(11:52) →紅雲亭(12:55) →県道29号(13:37) →(13:54)草壁港(14:45)
→高松(15:25)
登り2時間43分
下り2時間2分
同行者:なし
1. 出発
晴れだが剣山系愛媛方面は雪が深いだろうとの見込みで、前から行きたかった星ヶ城山へ行った。装備は完全な冬の服、CO-OPの90何円のカップラーメン、干しぶどう、パン、チョコ、羊羹、ポカリ500ml、湯500mlを持った。厚いタイツ、耳当ての付いた帽子、ダウンジャケットを着て自転車者でサンポートまで30分。
客8人の高速艇は町中の車の速さで左では鬼ヶ島と男木島が後ろへ飛んでいき、右ではいやに尖がった五剣山と屋島が変に見える。ズック靴とリュック帽子の男性がいたのでこれは登山だなと思った。右に二十四の瞳の岬を見るとすぐに草壁港に着いた。40分で1000円。普通のフェリーは60分で510円。
2.頂上へ
8時40分出発、県道29号を北に向かって行き、左の道に入ると内海ダムの横を通り紅雲亭に着くと、ものの本には書いているが2年前も今回もその入り口は見ても見えず通り過ぎてしまった。
32分歩くと2年前に見た記憶のある指標が出てきたので、右の山中に入っていった。石門と書いているので、大きくは逸れないだろうというのん気さであった。コンクリート舗装された道でこのしっかりした革製の靴では歩きにくかったが、厚いタイツとダウンのジャケトも大いに歩行障害になり、耳当ての付いた帽子もあつくろしいだけ。ダウンジャケットの前を開き、ズボンのサイドの換気孔を開放にして歩いたが暑かった。先日の高温と雨のためにもう雪は融けてしまっていた。
24分歩いて道路に飛び出すと、猪谷の池と石門洞への標識があり道に間違いはなかった。紅雲亭から下りて来たタクシーが徐行して寄って来たが、この格好を見ると乗る確率はゼロであることはわかるだろう。
石門洞への指標に従い水が流れているコンクリート道を上がった。大亀岩の看板が出てきたので、今居るところが裏八景だとすぐ理解できたが、この名前も少しこじつけ、軽すぎると思った。煙がたなびき、燃やしている女性が目に入ったので石門洞はどう行くんですかと尋ねてしまった。すぐそこですと言うとおり20m左に岸壁の中に寺がありちょっとばつが悪かった。
岩壁をくり貫いた跡に寺が作られている、その石門洞の横にいかにも脆そうな岩盤の門がありそれが石門。松茸岩、鹿岩の看板も出てきたが、それに対する岩もそういえばそう見えるかなの程度。
人の声が聞こえだし、目の前が少し明るくなったと思うといきなり駐車場に出た。ああここに出たのかと分かった。ロープウエイの上の駅に車は3台で人は見えず、「今はもう冬誰もいない・・・」であった。秋には混んで身動きならなかった反対側にある大きい食堂は閉鎖中であった。とり合えずポカリを飲み、羊羹を食べて星ヶ城山へのエネルギーを補給した。
「ロープウエイの出発時間は・・・」のアナウンスを聞きながら三笠山から数人が下りてくる横を通り、星ヶ城山頂1.7kmの道標に従って、緩い登りの本物の土道を歩いて行った。
昨年の台風で倒れたであろう松の木が何本も切断されているのは、ちょっと残念。新鮮な断面とさらに真新しい木屑を見ると昨年暮れの豪雪で倒れたのもあるようだ。直径約50cmの木の年輪が53本あった。外に行くほど年輪の間隔が小さくなっている、何故か、その答えを考えながら歩いた。
完全な静寂で時期はずれの観光地の山は人がいない。西峰の南に突き出た岩場に登ると、内海湾、海の向こうの屋島、五色台、五剣山まで見えた。象頭山がかすかに見えそうだが、阿讃山脈上にのぞいているはずの剣山と次郎笈は雲がなかったとしても、逆行気味の光のために見えなかっただろう。七宝山は全く見えなかった。
その時後ろを、来る時の高速艇の中でみかけた男性が通り過ぎて行った。今日見た唯一の登山者。彼の後について登っていったが、しっかり歩く人だと思った。登山道横に星ヶ城神社や阿豆枳(あずき)神社があり、それは今日初めて確認した。2年前は何となく神社があるなとしか見てなかった。ここから鞍部を越え坂を登ると暗い林の中に明るい空を背景にして石塔が浮かび上がった。
3.頂上
2時間43分かかって到着、気温は5度。816.6mの三角点があり、石柱が大きいので一等かなと思ったら、やはり読みにくいが一等と彫っていた。前回の投稿にはちゃんと一等三角点と記載しているが、もう忘れていた。淡路島は霞んで見えなかった。
今日はその男性に頼んで帽子を被りジャケットの前を合わせ、冬用の厚くて重めのずり落ち気味のズボンを引き上げて、一枚撮ってもらった。後で見ると体が右にやや倒れて、緊張した顔で写っている。先ほどの男性はすぐ引き返してしまい、僕はカップラーメンを作り、ジャムパンも半分食べてから下山した。
4.下山
少し下ると頭大のころころした物が転がっていたので靴で蹴ってみると、落ち葉が剥がれて白い物が出てきた。それは落ち葉の断熱材に包まれた雪の塊であった。今日見た唯一の雪だった。蹴飛ばしたがバチはあたらないだろう。
三笠山、駐車場を過ぎ、来た道を帰るのは芸がないので表12景を下ることにしたが、嫌なのは猿達だ。落ち葉が積んで湿ったコンクリート道は滑りやすかったが、猿は遠くの奇声を二度聞いただけで、よかった。しかし糞が道中に散らばっているのには閉口した。以前もも糞がたくさんあり、猪かな鹿かなと言っていたがそうではないなと思っていた。猿以外に考えられないので、こんなのが上から落ちてきたらと思うと、ぞっとする。
紅雲亭には車が10台、バスが1台、駐車場から落ちそうになっていた秋とは大違いで悠々と横向きに停めていた。
つぎの興味はこの道がどこで県道に出ているかだ。車道を二度串刺しにして、内海ダムを過ぎ人家の間の道を通り川に沿って行くとついに県道に出た。なにの標識もないので初回の人は必ず通りすぎてしまうだろう。ここで縁石に座り込んで靴に付いた泥を、山で拾ってきた小枝できれいに掃除して再出発。少し下に観光バスが三台、白装束の人もたくさんいた。
登る時はここで左へ入れば神懸通になり近道、排ガスも吸わないだろう。地図を見るとこの名は通りの名ではなく、この地区の名前みたいだ。ここから草壁港まで足早に歩いて17分、標高差817m5時間14分の周遊であった。紅葉の頃か雪の積もる頃来るのが良いだろう。ここでポカリを飲み干し、湯も残り少なくなった。熱くて多く飲んだ。醤油味のあんもち。
5.港、船中
二時過ぎに男性が港にやってきた。北へおりてアスファルト道をグルッと回ってきたそうだ。船中でも横に座り、雑談。槍ヶ岳へは8回以上行き、屋久島へも行ったことがあると、津志岳はシャクナゲがきれい、何かの登山会の副会長をしていたが今は止めているとのこと。サンポートでまたどこかで会いましょうと言って分かれた。
これを黄色いテントに投稿しようとして、原稿がほぼ完成したが、テントの掲示板に休刊するとの記事があり残念ながら投稿できず。