第3回 塩江温泉アドベンチャーマラソン大会

〜 四電ペンギンズ デビュー 〜


全国400万人の四電ペンギンズ・サポーターの皆様、ほんとーに大変お待たせしました。5月の涙の「小豆島オリーブマラソン」以来、実に5ヶ月振りのマラソン奮戦記です。しかも四電ペンギンズとしてのデビュー戦です。
数々の戦歴に輝く四国電力の誇り
四電陸上部本店マイナーリーグ2部特別選抜チームは、夏の間の長い眠りから覚め、ここに四電ペンギンズという立派な名前のもと、塩江温泉アドベンチャーマラソンに華々しくデビューしたのです。
とは言っても、約2名による民主的な人気投票によるチーム名最終選考会が参加申し込み期限前日までもつれこんだため、「四電ペンギンズ」の名前で申し込めたのは、本店1階7階混合編成特殊上陸部隊のわずか3名でありました。このため、ご首領さまである隅田大先生を始め、愛媛方面から異動してこられた不気味な存在鈴木先生や、昨年の塩江マラソンで驚異のデビューを飾ったうえに、今年のオリーブマラソンでは全世界へ新聞デビューまでしてしまったF川選手「第20回小豆島オリーブマラソン大会報告」参照など、多数の方々がこの栄誉あるチーム名で出場することができませんでした。

さてさて、前置きはそのくらいにして、恒例の(と言っても、まだ第3回目の由緒正しくない大会だけど)
塩江温泉アドベンチャーマラソン全国大会が去る1997年10月19日(日)、絶好のマラソン日和のなか開催されました。(しつこいですが、この“全国大会”って名前やめてくれんかなあ。塩江マラソンに地方予選も全国大会もないでしょうがに)
この塩江温泉アドベンチャーマラソンのハーフマラソンは、“アドベンチャー”の名が示す通り、
香川のチベットと呼ばれる塩江(ちなみに西讃地方では香川のチベットと言えば財田町を指す)の山岳地帯に設けられた標高差8000mはあろうかという急斜面のコースを一気に駆け登り駆け下りるという、むちゃくちゃなマラソンです。(今年、高松へ転勤してきた鈴木先生は四国の山々で開かれる各地の山岳マラソン大会を総なめにしてるため、「こんなん坂とも言えんわいっ!」ってな感じでしたが・・・。みなさん、山菜取りなんかで山に入った時、いきなり木の陰から白装束のおっさんが飛び出してきて、そのまま走り去っていったら、それが鈴木先生です)

あまりにコースが急なため、私は去年は比較的坂の少ない10kmコースに参加したんですが、今年は参加申し込みをしようと言うときにF川選手から
(F川)「けけっ?まつおかさぁん、10kmなんかに出るんですかあっ?うききっ!」
なんてバカにされてしまい、
「むむっ、いくらなんでも、こやつにバカにされては、今後の主導権争いで優位に立てない」とムキになってハーフマラソンに申し込んでしまったのです。
四電ペンギンズ・サポーターの良い子の皆さんはもうご存知だと思いますが、このF川選手と言えば、あの5月の小豆島オリーブマラソンになんとわずか5kmコースという子供だましのような種目に出場したくせに、でかでかと世界に新聞デビューしてしまったそうめん男なのです。しかし彼は、実は去年の塩江マラソンの山岳ハーフマラソンでマラソンデビューしたという胸囲の太い・・・、もとい、驚異の男でもあるのです。彼がオリーブマラソンで5kmそうめん男に成り下がったのは、単に、去年の塩江マラソンで制限時間2時間30分のところを2時間35分かかって、タダのうどんを食べ損なったからであり、決して彼の底力をあなどってはいけないのです。(こーゆーレースに出たことのない人は「“うどん”やら“そうめん”やら情けない事を言うとるのお」とお思いでしょうが、走った後のうどんやそうめんの味は格別で、ビールを飲むためにゴルフをするのと同じで、走る目的の半分は“うどん”です。特にタダの場合は)

いずれにしても、去年は10kmに出場したがために肩身の狭かった私は、意地になってハーフマラソンに出場する羽目となったのでした。しかし、最後に天は我に味方した(ほんとは天はみんなに味方してるんだけど)。今年の大会は、なんと9月の台風の災害で例年のコースが潰れてしまったため(一体どななコースや。設定に無理があるぞ)、急遽コースが変更となり、少しだけましなコースとなったのです(ましなコースが取れるんやったら最初からそうせんかいっ!)。ましなと言っても、まだ標高差は5000mはあるアルプス級だが、しかし「これでなんとか、途中で歩かないでもゴールできそう」と楽観して臨んだ私。目標は完走あるのみ。

さて、今回の塩江マラソンでは、チーム名を決めるのが申込期限前日というタイミングだったため、晴れて誇り高き四電ペンギンズの名前で出場する栄誉にあずかれたのは私と竹葉選手、増田選手の3人だけでした。
(F川)「けけっ!そなな名前、遅そうやから、僕やったら“四電ダチョウクラブ”の方がええですな」
(幹事長)「ちょっとセンスが無さすぎるぞ、お前。わび、さびのココロが大事なんぞ」

しかし、数少ない四電ペンギンズである竹葉選手の姿が見あたらない。
(F川)「また酒でも飲み過ぎて、朝、起きられんかったんとちゃうか」
(増田)「でも、このレースに備えて、最近は酒を控えてたと言うことですよ」

ちなみに竹葉選手の言う“酒を控える”と言うのは、毎日ビール2本までに控える”という意味です。

このほか、当社からは上記の鈴木先生や隅田大先生、光高選手、宮岡選手、新居浜から芝原さん、金谷さん、それからはるばる愛媛県の伊方発電所からは松本選手が参加しました。
(幹事長)「松本さん、なんでこなな所まで来たん?」
(松本)「いやあ、毎週、転戦しとんですわ。今治のシティマラソン、八幡浜の出石寺マラソン(これも山登りコース)、
     塩江マラソン、久万高原マラソン(これも山岳コース)と4週間シリーズなんですわ」

げげっ、すごい。あわてて急遽四電ペンギンズ伊方代理店長に指名させて頂きました。しかし、それにしても、なぜそこまでする、松本選手!
それから総合研修所の福家さんはお父上と共に参加です。お父上は75歳でビシバシ走りまくる香川タートル協会の会員様です。さっそく、四電ペンギンズ社外取締役相談役名誉顧問に就任して頂きました。合掌。

スタートが近づいてくると軽く準備運動が始まる。エアロビのおねいちゃんが3人ステージに上がり、ビシビシ踊り始める。最初はみんな一緒にやってたけど、僕らはすぐに脱落する。
(幹事長)「これ、めちゃめちゃ激しすぎるで」
(F川)「なんやマラソンと関係ない筋肉の運動ばっかりやってますよ」
(増田)「あいつら勘違いしとるんとちゃいますか」
(幹事長)「しかし、これでみんなが疲れ果てたら、わしらに有利やな。ふっふっふ」

その後、激しいエアロビは30分以上も続き、最後まで参加した鈴木先生は息も絶えだえ。(ただし、結果は、休んでた私らよりも鈴木先生の方が圧倒的に早かったけどね)

(F川)「ところで、僕、胸がでかいから、Tシャツで乳首が擦れて痛くなるんですけど、
     どうにかなりませんかねえ」
(光高)「変態か、お前。恥ずかしいけん、大きい声でそなな事言うな」
(幹事長)「いやいや、マラソン雑誌に似たような悩み相談が載ってたぞ。
     それは
乳ずれと言うんじゃ。
     たしかバンドエイドを貼ると良いと書いてあったぞ。
     バンドエイドが無い場合は草の切れ端を唾で付けてもかまんそうじゃ」
     (「月刊ランナーズ」1997年2月号参照)
(F川)「あっ、そでしょ。やっぱ、居るんすよ。同じ悩みの人がいっぱい」
(光高)「それ、お前が投書したんと違うか」


たいてい、マラソン大会の参加賞にはTシャツやタオルをくれるんやけど、今年の塩江はひと味違う。なんとホタルちゃんのぬいぐるみが付いたリュックでした。すごーく可愛い。しかし、全般に評価は低い。
(増田)「私ら独身の寮生にどないせっちゅんですか」
(幹事長)「可愛いやんか、これ背負て走ったら絶対人気者になれるぞ」
(F川)「幹事長こそ、これ背負て走ったら僕みたいに新聞デビューできますよ」
(幹事長)「せやけど、写真は後ろから撮られてしまい、顔が出んなあ。・・・やめとこ」

そんな私らをおちょくるようなおっさんが横に。背中に「小豆島」ののぼりを付け、頭に「ちびまる子ちゃん」の帽子をかぶり、腰にウォークマンと大きなスピーカーを固定し、おちゃらけソングをガンガンかけながら走るのです。このおっさん、めっちゃめちゃ早かった。10kmコースで10番くらいに入ったんとちゃうか。こういうのを見ると、一生懸命走ってる自分が惨めになる。

ペンギンズ一同の勇姿(左端がF川、右端が筆者)

スタートラインに集合すると、F川選手は若干緊張気味。
(F川)「2〜3分前になると、なんかこう、緊張しますねっ」
(幹事長)「この緊張感がえんや。充実するやろ。生きとる証じゃ」
(F川)「こんな緊張感、会社では絶対に味わえませんよねっ!」

F川選手の上司の皆様、彼にもっと厳しい仕事を与えて下さい。

(F川)「幹事長の目標タイムは?」
(幹事長)「わしは今年は完走してうどんを食うことだけが目標じゃ。
     お前は絶対2時間30分を切れよ」
(F川)「げげっ、すごいプレッシャー。これで2時間30分切らんかったら
     ホームページに何書かれるか分かりませんね」

(結局、好タイムでゴールしたF川選手だけど、だからと言って有ること無いこと書かれない訳でもない。掟は厳しい)


さて、いよいよスタートです(ここまでが長い!)。今年はコース変更のため、ハーフマラソンも途中まで10kmと同じコースを走る。「ふむふむ、これなら軽い軽い」と安心して飛ばしたのがまずかった。10kmの選手が折返し点で引き返していった後、いきなり急な坂が始まり、それが延々と続く。最後の方は、歩いても登れんような急さ。どう考えてもわざと意地悪く設定してるとしか思えないコース取り。「やっぱり来年は出場せんとこ」と強く決意する。(去年も思ったんだけど)
鈴木先生はレース前に
(鈴木)「どんなに遅くなっても、歩くよりは走った方が絶対に早いきん」
とおっしゃっておりましたので、それを最後まで実行したんだけど、ものすごい坂では、いくら懸命に走っても、歩いてる人を抜くことが出来なかった。あれって、鈴木先生のような早い人の話でした。僕なんか、歩けば良かった。むなしい体力の消耗。
そして当たり前やけど、折返し点の後は崖のような下り坂(ちょっと大袈裟)。楽といえば楽やけど、あんなに急だと足を痛めてしまいそうで怖い。延々と惰性のように下り続け、内場ダムの湖畔にたどり着いた頃には足がガクガクのボロボロ。前にも後ろにも人はほとんど居ない。

ところで、今回のレースでは、山道に入ってしまうと車も走れんような道なので、最終ランナーの後ろには回収車の代わりに巡礼の“おじゅっさん”の格好した人が走ってきました。あれ、絶対にメチャメチャしんどいで。それにしても不気味な“おじゅっさん”でした。あんなんが後ろからついてきたら、歩くに歩けんようになる。それが狙いか。

さてさて結果ですが、あのF川選手は、なーんと昨年のタイムを30分以上縮める2時間2分の胸囲の、もとい驚異の記録を打ち立ててしまった。これはすごい!この男の底力って、ほんとに信じられない。実は人間と違うんとちゃうか。
(F川)「いやあ、去年は膝を痛めてしまったけど、普段ならこの程度っすね!
     この調子なら来年は1時間30分くらいっすねっ!」

F川よ。調子に乗ると悪いことが起きるぞ。夜歩くときは後ろに気ぃつけや。
それから、鈴木先生は、なんと目標通りの1時間45分。私ら、坂の無いコースでも無理なタイム。どっか途中でズルしたんとちゃうか(ウソウソ)。
結局、四電ペンギンズの最終ランナーの栄誉を頂いたのは私でした。
(幹事長)「まあ、今日のところは、これくらいで勘弁しといたるわ」

ゴールすると、タダでくれるアクエリアスをガンガン飲みながらうどんコーナーに並ぶ。うどんが無くなってないか、というのだけが唯一の気がかりだっただけに、まだいっぱいあって嬉しい。一気にお腹へ流し込んだ後、参加賞で当たったビールをぐいぐい飲みながら集合場所へ向かう。
(F川)「幹事長、いくらなんでも遅すぎますよぉ。いまゴールしたんですか?」
(幹事長)「うん、ちょっとうどん食べてビール飲みよったけど・・・」
(F川)「げげっ、私らアクエリアスだけで待っとったんですよ!
     でも、私らうどん食べる元気無いですわ。幹事長、よう食べれますねえ」
(幹事長)「こらこらF川よ、この1年間鍛錬を重ねてきたんは、
     今年こそは早くゴールしてうどんを食べるためやったんではないか。
     それを、せっかく早くゴールしたのにうどんを食べんやなんて本末転倒やないか」
(F川)「そうですかぁ。じゃあ食べましょか」
(幹事長)「ほな、わしも2杯目食べよ」
(F川)「ズルズル。しかし、このうどん、あんまり美味しいないですねえ。
     小豆島のそうめんの方が良かったですわ」

こらこらF川よ、21km走った後のうどんより、5kmしか走らんと食べたそうめんの方が美味しいと言うのか。お前、物の価値というものは、それまでの過程が大事なんぞ。妙に冷静に判断してはいかん。心で味わうんや、心で。

そうこうしてると、ビールの代わりに醤油が当たってしまった酒飲みの竹葉選手がやってきて、僕らのビールを羨ましそうに見る。すかさず人間のできた鈴木先生がめぐんでくれる。
(竹葉)「ええっ、良いんですかあ」(と言いつつ、もう開けている)
(鈴木)「僕、車の運転するから飲まんとくわ」(一同、どきっ!)
(増田)「あ、そ、その、僕たち温泉に入ってから帰りますから・・・」


という事で、温泉のタダ券をもらい、どこへ行こうか悩む。塩江は高松の奥座敷と呼ばれる温泉地帯で、温泉がいくつもある。もらったタダ券はどの温泉でも使える共通券。
(増田)「ちょっと先にカブトムシ温泉ってあるでしょ。あれ気になるんですけど」
(幹事長)「確かに。他の温泉やったら大抵見当が付くけど、あれは一体何やろ」
(増田)「カブトムシが浮いとんとちゃいますか」

そら、気持ち悪いだけやがな。
結局、珍しいもの見たさにカブトムシ温泉を攻めたんだけど、なんの事はない、ただの小さいラドン温泉でした。
(幹事長)「あー、体中いっぱい放射線浴びると気持ちええのお」
微量の放射線を浴びると健康になる事を
放射線ホルミシス効果と言います。
良い子のみなさんは覚えておいて下さいね。




[お願い]

さてさて、最近の四電ペンギンズの目覚ましい活躍ぶりに、社内でも「ペンギンズはがんばっちょるかあ?」なんて暖かい声をかけてくれる人が増えてきましたが、その割には「わしも入れてくれんか」とか「私をマスコットガールにしてえっ」とかいう反応があんまり無くて、ちょっと寂しい。
しかし、先日、文化振興財団の常務理事さまがお仲間を引き連れて、明石海峡大橋開通記念マラソン(1998年3月22日の産経新聞の大会)に四電ペンギンズの一員としてデビューしてあげるというありがたいお言葉を頂き、心強く思っております。
ほかにも、このような偉い方々の加入を強力に推進し、同好会として会社の認知を得て、いくばくかの補助金を頂いてユニフォームのTシャツでも揃えたいなあと思っていますので、Tシャツの欲しい方は是非ご参加を。

そのほか、運転手とマネージャーと応援団も募集しています。
 ・運転手:大会の際には、ぜひ自分の車で私らを運んであげるという、信じられないボランティア精神をお持ちの方を募集中。
 ・マネージャー:何をするのか分からんけど、おった方がかっこええやん。
 ・応援団(グルーピー):女性に限る。年齢制限など一切無し。
 ・監督,コーチ:みんなおサボりさんなので要りません。


〜おしまい〜




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