第5回 国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会

〜 新サル2匹デビュー! 〜


遂に今年もやってきた。2004年1月18日(日)、ペンギンズの年明けを飾る第5回国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会が開催された。
当然、今年も、第1回の時からしつこく続けている
動物チームでの参戦だ。
そして今年は、久しぶりに新メンバーが参加する。
しかも久しぶりの
女子メンバーだっ!
おまけに、なんと2匹同時デビューだっ!!

ということで、朝からアドレナリンを撒き散らしながら待っていたのだが、サル2匹を乗せて迎えに来るはずのゾウの車が来ない。いくらなんでも遅すぎる。道に迷ったか。と思っていると、約束の時間を30分くらい遅れてゾウ車がようやく到着する。
(カッパ)「えらい遅いやんかっ!」
(ゾウ)「だってサルが見あたらなかったんですゾウ」
(カッパ)「あっ、ほんまや。サルになりきってないぞ!」
ゾウはサルの家を詳しく知らないので、
「サルが公道に出て待っている」との約束だったのだ。それなのに、サルが上着を着込んだりしていたため、遠くからではサルと分からず、なかなか見つけられなかったらしいのだ。
(カッパ)「ちゃんとサルらしくせんと、いかんやないか」
(サル1号)「だって恥ずかしいんだも〜ん」
(カッパ)「しかし、ゾウだってコート着てるから、分かりにくいぞ」
(ゾウ)「もろ動物で新幹線に乗れるんはカッパだけですよ

ま、しかし、無事、新メンバーのサル1号&サル2号が揃った。
(カッパ)「ハイ、番号っ!」
(サル1)「ウキッ!」
(サル2)「ウキウキッ!」
(カッパ)「本番直前で怖くなって逃げ出すかと思ったぞ」
(サル1)「ウキィ、ウキウキッ(そんな事しませんて、だんな)」
(サル2)「うき、ウッキィ(わたし本当は恥ずかしいの)」

新メンバーのサル1号(右)とサル2号(左)

現地に着くと、なんと一面の雪。前日は温暖な四国では非常に珍しく雪が降ったが、昼までには全部とけてしまっていたはず。それなのに、ほんの少し小高い満濃公園では、今日も雪が残っているのだ。雪を見たことが無いサル達は、大喜びで雪の中で転げ回る。前日は異常に寒くて雪が降ったし、翌日も氷雨のような悪天候だったのに、この大会当日だけは、ものすごく良い天気で、暖かかった。
(サル1号)「て言うか、暑すぎますよ」
確かに、薄手のサル2号と違い、サル1号は毛皮のような生地のため、今日はメチャメチャ暑いかも。

さて、我々カッパゾウサル1号サル2号以外のメンバーは現地集合だ。広い広場に大勢の人がいるが、我々は動物なので、遠くからでもすぐに見つかる。
まずはメンバーでダントツに速いだ。
(カッパ)「馬くん、今年はシューズを履いてきたやろうねえ?」
(馬)「どきっ。そう言えば、去年はシューズを忘れて、走る順番が後になりましたね」
それから体重が着実な進歩を遂げているタイガーだ。
(カッパ)「タイガー、久しぶりやなあ」
(タイガー)「去年のこの大会以来ですね」
(カッパ)「なんとかーっ!ほんだら、この、たわけた動物リレーしか出てないん?」
そしてクマだ。去年の二代目クマは東京へ行ってしまったため、今年の三代目クマは高知支部長だ。
(カッパ)「クマさんはタイガーほどサボってはないけど、この大会は初めてやったよねえ?」
(クマ)「そうなんですわ。みんなの足引っぱらんようにせんと」
なんて言いながら、クマの目は怪しい野心に燃えていた。
そして、少し遅れて最後の
ブタが来た。元祖ブタも東京へ行ってしまったため、今年の二代目ブタは中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)だ。
(カッパ)「ブタさん来たんか。てっきりサボるかと思ってた」
(ブタ)「そうなんですわ。今日は子供の誕生日なんで」
(カッパ)「まあ、無理せんでもええぞ」
(ブタ)「いやいや、新メンバーのチャーミー・モンキーを一目見たくて」
ふむ。サル効果が現れている。

今年のメンバーは8匹だ

このレースは、なだらかな公園の丘陵地の1周2kmのコースを全部で21周してフルマラソンの42.195kmを走るというレースで、誰が何周走っても構わない。今年は8匹中、4匹が初参加だ。新メンバーのサル2匹だけでなく、クマとブタもこの大会は初めてだ。そのため、サルは言うにおよばず、クマとブタもかなり緊張している。
(ブタ)「こ、こ、こ、ここは、どななコースなんですかっ?」
(クマ)「み、み、み、みんな、どれくらいのタイムで走るんですかっ?」
(サル1号)「ウキキ、ウキッ、ウキッ?(最後まで走れるでしょうか?)」
(サル2号)「ウキキウキキキウキッウキ?(バナナ食べてもええですか?)」
そこで馬がみんなを連れて軽くコースを1周することにする。普段のレースなら、できるだけ体力を温存するために、ウォーミングアップなんて一切しない僕も、今日は一緒に走ることにする。このレースは1回に1周2kmしか走らないため、全力疾走となってしまい、全然アップせずにいきなり走ると死んでしまうからだ。
(カッパ)「ゾウとタイガーはどうする?」
(ゾウ)「ペンギンズともあろう者が、そなな体力の浪費はしませんよ」
(タイガー)「全くの正論だ」

このコースは、3/4くらいまではアスファルトの平坦な道なので走りやすいが、最後の1/4が芝生の急坂となり、走りにくい上に悲しいくらい疲れる。ところが、なんと!
今年はコースが変わっている。最後の芝生の坂が無くなり、最後までアスファルトの平坦な道だ。
(カッパ)「随分、楽になったなあ。これなら、あんまりしんどくないぞ」
(馬)「ほんまですねえ。物足りないくらいですよ」
(サル1号)「うきっ?ウキキッ?(これで楽なんですか?)」
(サル2号)「ウキキキウキキキウキッウキ?(おにぎり食べてもええですか?)」

楽になったコースに喜びながらも緊張感が高まっていると、突然、見知らぬ男性が
「写真を撮らせてください」なんて言ってくる。
(カッパ)「肖像権の問題がありますからマネージャーに話を付けてください」
この男性が、
「みんなの広場」に書き込んでくださった「ひとな」さんの旦那さんだと思われる。「ひとな」さんが旦那さんに「ペンギンズの写真を絶対に撮ってきてよー」と頼んでいたとのことです。
(ブタ)「なんや、よう分からんけど、気持ちええですねえ」
(カッパ)「いつの間に、そんな有名人になったんやろ」
(サル1号)「ウキウキウキキキ!(ウキウキしますね!)」
(カッパ)「紛らわしいっ!」


さて、
走る順番なんだけど、誰が何周走ってもいいので、いっぱい走りたい人が多ければ、すんなり決まるが、あんまり走りたくない人が多ければ、大もめにもめる。
(ゾウ)「僕は今年は1周でええですわ」
(タイガー)「僕も1周で十分ですわ」
(ブタ)「僕も早く帰らないといけないから1周でええですわ」
(サル1号)「私は1周しか走れないかも」
(サル2号)「私は1周も走れないかも」
(カッパ)「でも、こないだ練習したんやろ?」
(サル2号)「今年になってから2kmを2回走ったけど、死にそうでした」
(サル1号)「私なんか、こないだ1km走ったら10分もかかりましたよ」
(カッパ)「歩くのなら分かるが、1kmを10分で走るのは物理的に不可能でないか?」


取りあえず、子供の誕生日の関係で早めに帰宅せねばならないブタくんにトップを走ってもらうことにする。
その後は適当に順番を決め、一応、全員、最低2周は走ることとする。その後、余力を残している者が3周走る、ということに。
スタート地点に並んだブタは緊張で顔がゆがんでいる。マラソン大会には経験豊富なブタくんだが、駅伝は初めてなので、みんなの期待がプレッシャーとなり、押しつぶされそうなのだ。
(カッパ)「誰も期待しとらんから気楽に行けよう。ただし10分越えたらハムにするで」
ハムにされる恐怖と闘いつつ、ブタくんは初めての参加でペースが分からず、放心状態で帰ってきた。
(ブタ)「ブヒブヒブヒッ。みんな飛ばしまくるんやもん、もう、めっちゃめちゃしんどかった」
しかし、第1区間だけは2kmより長く、2.2km程度あるのだが、ちゃんと9分台で帰ってきたので、ブタくんはハムにならずに済んだ。
(カッパ)「第1区間でこのタイムなら、今度走れば9分は切れるよ」
なんておだてて、後からもう1回走らせたんだけど、今度も惜しくも9分は切れなかった。

一方、この大会を熟知しているタイガーは、重くなった体重を持てあまし気味ではあるものの、ちゃんと手を抜くべきところは手を抜きながら、そこそこのペースで帰ってきた。
(カッパ)「体重が着実な進歩を遂げている割には、まあまあのタイムやなあ」
(タイガー)「ふふっ、そうっすか?ま、ゾウとは違いますからね」

そう。その通り。ゾウは圧倒的なバテバテぶりだった。瀕死状態である。
恥ずかしながら10分を大きく上回ってしまった。
(カッパ)「ゾウくんは、いつから走ってないんかなあ」
(ゾウ)「僕自身、覚えてないですわ。去年は走った記憶が無いし」
(タイガー)「僕が唯一出た去年のこの大会もサボったしねえ」

充分、休んだ後、もう1回走ったゾウだが、タイムはますます悪くなり、なんと10分59秒で、あと1秒で11分台という屈辱のタイムだった。僅か2周で足が痙攣を起こし、早々とリタイア宣言をした。
今では、こんな情けないゾウだが、信じられない意外な事実が、ペンギンズ裏特攻隊秘密諜報部員である馬により明らかにされた。
(馬)「ゾウさんて、実は、高校時代は常に全校で一番速かったんですよ」
(カッパ)「しえーっ!ほんまかっ!?ゾウが自分で言うたら信用せんけど、馬の情報は信頼できる!」

実は馬はゾウの高校の後輩である。毎年、校内に張り出されるマラソン大会の順位表で、ゾウは常にダントツの一番だったそうだ。
(カッパ)「今のゾウからは想像できない。片鱗が無い。考えられない!しかし、ゾウの潜在能力は馬以上なのか!?

そしていよいよサル1号の登場だ。このサル1号は、実は、ものすごく元気だ。もう、
めっちゃくちゃ信じられないくらいチョー元気だ
(サル1号)「ひとをアホみたいに言わんといて下さい」
本人がなんと否定しようが、呆れかえるくらい元気らしい。これも確かな情報だ。

そして、さらに、サル2号は実は、なんと、高校時代は陸上部だったのだ!
(ブタ)「ほ、ほんまですかっ!?」
(サル2号)「ふっ。昔の話ですよ」
(クマ)「昔の話でもなんでも、全然レベルが違うんやないですかっ!?」
(サル2号)「いやあ、それほどでも」
(ブタ)「長距離ですか、短距離ですか?」
(クマ)「長距離なら言うことないが、短距離でも素人とは全然違うはず」
(サル2号)「ええっと、走り幅跳びを少々」
(クマ)「・・・」
(カッパ)「走り幅跳びでも、少しは走るぞ」
という訳で、期待通り、サル1号は全然疲れを感じない圧倒的な元気さで、速かった。タイムはゾウより速く、なんと10分1秒だった。
(サル1号)「ウキーーーッ!悔しいっ!あと1秒かあ」
悔しいサル1号は、もう1周走ったが、疲れが出て、少し悪くなってしまった。
(カッパ)「元気の固まりのサル1号も、疲れる事があるんやなあ」
(サル1号)「ウキウキウキッ!10分切りたいっ!もう1回走るっ!」

どうしても10分を切りたいサル1号は、3周目に挑戦した。ああ、しかし、なんと惜しい。またまた10分2秒だった。
(サル1号)「ああ〜ん。なんでーっ!?悔しすぎるーーーっ!」
(カッパ)「悟空よ。マラソンは奥が深いスポーツじゃ。そんなに甘くはないって事じゃ。来年、再び挑戦するがよい」

人の話を聞かずにバナナを食べるサル1号であった。

一方、サル2号は淡々と走っている。
(カッパ)「ううむ。どう見ても全力を出しているようには見えない走りであることよのう」
(サル2号)「そんな事はありませぬ。これがいっぱいいっぱいでございます」
(カッパ)「いいや、そんな事はない。汗ひとつかいておらん。涼しい顔をしておるではないか」
(サル2号)「いえいえ、何をおっしゃいますか、お奉行さま。私は静かに疲れておるのでございまする」
(カッパ)「普通、一生懸命走ったら、しばらく何も喉を通らないと思うが」

サル達は、バナナを食べるのに夢中であった。

ヒマさえあればバナナを食べるサル達

サルがバナナを食べ終わり、今度はおにぎりをパクついていた頃、クマが倒れ込むように帰ってきた。
(クマ)「し、しんどい。もう、ダメや。最初の1kmは4分で走れたのに、後の1kmが異常に遅かった」
ブタ同様、ペース配分が分からず、レース運びに失敗したらしい。
なんとしても9分の壁を切りたいクマは、3回走ったが、3回ともほとんど同じタイムの超安定ペースだった。
(クマ)「あと一歩という所なんだけどなあ」
(カッパ)「その一歩が出るか出ないかがプロとアマの差よ」
(クマ)「それに、せっかくクマで頑張っているのに、子供に「ネズミが走ってる」なんて言われてガックリきましたがな」
(ゾウ)「僕もペンギンって言われた事がありますよ」
(カッパ)「僕もカメって言われた事があるよ」
そして、いよいよカッパである。カッパは、このレースを熟知しているうえ、最近、非常に調子が良く、出る大会、出る大会、自己ベスト更新のラッシュである。まず軽く1回目を走る。あと一歩のところで9分を切れなかったが、それは計算ずくだ。満を持して2回目を走ると、圧倒的な速さで9分を切った。
(クマ)「圧倒的って、あんた、1秒切っただけの8分59秒やないですか」
(カッパ)「ふっ、勝てばいいのよ、勝てば」
しかし、やはり圧倒的に速いのは馬である。いきなり7分台を出しおった。相変わらず一人だけ、レベルの違う走りを見せてくれた。しかも、それだけでは満足できず、サルが走る時は、後ろから叱咤激励しながら伴走したりしている。

最後のアンカーを誰にするかで再びもめる。2周しか走ってないのはブタ、ゾウ、タイガー、サル2号だ。このうちブタくんは既に帰宅してしまっており、ゾウとタイガーは見るからに瀕死状態だ。
(カッパ)「やはりここは、余力を残しまくっているサル2号の出番じゃな」
相変わらず正座しておにぎりを食べているサル2号をアンカーに送り出し、みんなでゴール付近で待機する。そして、帰ってきたサル2号と手をつなぎ、今年もビクトリーランだ。
(サル1号)「あのう。誰にビクトリーしたんですか?」
(カッパ)「敢えて言えば、自分じゃな」
(サル2号)「私の顔だけ写ってません!」

アンカーのサル2号を無視して我先にゴールするメンバー達

(サル1号)「隊長っ!」
(カッパ)「なんだね新人くん」
(サル1号)「わたくしは、ただいまより、うどん屋台に突撃しようと思いますっ!」
ほんまに、よく食べるサルであるが、もう走り終わったので、僕らもみんな、うどんを食べる。具のたくさん入った熱いしっぽくうどんは美味しかった。
うどんをすすっていると、「カッパさあん・・・」なんて声が聞こえたような気がする。何かなあ、と思って見回すと、小さな子供が手を振って帰っていく。
(カッパ)「やっぱり僕が一番人気あるんかなあ」
(ゾウ)「・・・みんな、もう着替えてますから」

なんと、気が付くと、相変わらず動物なのは、着替えを持ってきていない僕だけやないの。

しばらくすると、再び、遠くで「・・・ペンギンズのみなさん・・・」なんて声が聞こえたような気がする。何かなあ、と思って見ると、どうやら表彰式をやっている。しかし、我々のタイムでは、どう考えても表彰されるいわれはない。聞き違えだろうと思って、うどんを食べ続けていると、「ペンギンズの方はいらっしゃいませんか」なんて言っている。どうやら間違いではなさそうだ。すでに大半のメンバーが着替えていたので、慌ててサル1号に上だけ着させて、一緒にステージに走っていく。
思い起こせば第1回大会の時、動物チームと言うことで、ベストドレッサー賞なんていう、その場の思いつきで作った賞をもらった事があるが、それ以来の賞だ。その時もステージの上でインタビューがあったので、インタビューでの受け答えを一生懸命考えながらステージに向かって走る。

3万人を超える大観衆の前で表彰される2匹

ステージに上がると、やはり特別賞をくれるらしい。理由は既に発表されているらしいが、聞き逃したので不明だ。ま、しかし、「アホな格好をしているから」という理由しかあり得ない。
せっかくセリフを考えていたのに、インタビューはして貰えなかったけど、缶チューハイをいっぱいもらえたので良かったです。

(カッパ)「さて、次は2週間後の丸亀マラソンやな。当然、よい子のみんなは出るよな?」
(ブタ)「いやあ、実は、その日、子供のピアノの発表会で」
(カッパ)「何を言うとんじゃ。その日は僕も子供のピアノの発表会やけど、マラソンが終わってダッシュすれば間に合うぞ」
(ブタ)「ひえ〜っ!」
(ゾウ)「ぼ、僕も、もしかしたら出られないかも・・・」
(カッパ)「申し込みはしとんやろ?」
(ゾウ)「は、はい、実は
5kmの部に・・・」
(カッパ)「なんやてーっ!?
5kmやって?中学生とちゃうんやで!」

今年も前途多難なペンギンズでありますが、応援してね。


〜おしまい〜




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