第7回 国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会

〜 選手宣誓っ! 〜


今年も初レースは、やっぱり、これ、2006年1月15日(日)開催の第7回国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会だあっ!

って言いながら、今年は申し込みが異常に遅れてしまった。最近では一年で一番、メンバーの参加が多いレースになったし、3週間後のマジなレース丸亀マラソンの練習にもなるし、なんといっても楽しいので、出場するのは間違いないんだけど、今年はメンバーがなかなか決まらなかった。

その大きな要因の1つが
クマの謀反だ。
(カッパ)「東京勤務から2年ぶりに帰ってきたんだから、今年は復帰だよな?」
(クマ)「そ、それがですねえ、今年は職場のK報部でチームを作って出ることになりまして・・・」
(カッパ)「なんやてっ!お前、裏切る気かっ?」
(クマ)「い、いや、そういうつもりは無かったんですが、職場で話が盛り上がってしまって・・・」

なーんと、せっかく復帰を待っていたのに、
裏切り者のクマは広H部チームを作って参加することになってしまった。
しかも、それだけでは済まない。なんと、過去、ほんの一時期だけK報部に在籍したことがあるという理由で、支部長までクマに誘われて広H部チームから出ることになってしまったのだ。

(カッパ)「おいおい、これは一体どういう事なんだ?」
(支部長)「K報部のメンバーが足りないっていうから今年は助けてあげようと思いましてね」

元祖クマが東京に行っていた2年間は支部長がクマだったので、新旧クマ2匹が脱藩してしまったという訳だ。
(馬)「クマが2匹になるかと思っていたのに、いなくなりましたよ。困りましたねえ」
クマ危うし!


さらにメンバーが決まらない2つ目の要因が
サル2号の脱落だ。
(カッパ)「おいおい2号。何があったんや?」
(サル2号)「えーんえーん、くすんくすん。実はレース当日に高校時代の同窓会がありまして」
(カッパ)「同窓会なんて夜だろ?レースは昼間だ。関係ないぞ」
(サル2号)「でも故郷のサル山は遠いんです。レースが終わってからでは間に合わないんです」
(カッパ)「わしが車で送って行ってやるから心配するな」
(サル2号)「いえいえ、そんなご迷惑をおかけすることはできませぬ。サルは泣く泣くあきらめまするぅ・・・。ウキッ!」
(カッパ)「ぬ?おぬし、もしや、出られない事を喜んでおるなっ!」
(サル2号)「うきっ!なぜ分かったあるかっ?」

恥ずかしい格好で2年連続で参加してくれたサル2号だったが、さすがに3年連続は耐えられなかったか。
(馬)「あんまり無理強いはできないとは言え、クマに続いてサル2号もいなくなりましたかあ。ほんとに困りましたねえ」

さらにさらに、クマ同様、2年の東京勤務から帰ってきた
ブタくんも仕事が忙しくて来れるかどうか分からない。
(馬)「これ、マジにやばいっすよ」
唯一の救いが
福家先生だ。3年ぶりにサル2号に復帰してくれた。
こうやって、なんとかメンバーを揃えて申し込みができたのは、レースの僅か1週間前のことだった。

ギリギリで参加申し込みが終わってほっとしていると、主催者から突然、電話がかかってきた。
(主催者)「開会式で選手宣誓してください」
(馬)「えっ?動物がそんな大役を仰せつかってもええんですかい?」
(主催者)「ただし日本語でやってくださいね」
(馬)「出演料とかあるんですか?」
(主催者)「ガチャッ!」

選手宣誓だなんて、なんと名誉なことだろう
。あの晴れがましい憧れの舞台に一度は立ってみたいとは思っていたが、こんなに早く現実になろうとは夢にも思ってなかった。
(馬)「って、今まで選手宣誓なんてありましたっけ?」
(カッパ)「仮に、あったとしても、わしらは聞いてないわな。開会式の時はいつも遊んでるから」

さっそく適当な文章を書いて、練習することにした。
しかし、短い文なのに、全員が声を揃えて言うのは無理だと分かった。
(カッパ)「みんな声がバラバラや。なんでこんな短い文が覚えられないんや?」
(ブタ)「ブヒッ。動物には難しいでござる」
(カッパ)「仕方ない。メンバーを厳選しよう」
(馬)「ペンギンズだからペンギン君は外せませんよね」
(カッパ)「チャーミーモンキーも外せんだろう」

て事で、ペンギン君とサル1号が選手宣誓することになった。

          宣誓!
          私たち動物一同は、人間チームに負けないように、一丸となって、
          冬の満濃公園を、最後まで楽しく、さわやかに、短い足で走り抜くことを誓います。
          平成18年1月15日
          選手代表 四電ペンギンズ ペンギン! お猿!

5万人の大観衆が見守るなか、高らかに選手宣誓する動物軍団


選手宣誓の栄誉を欲しいままにしていると、鋭い嫉妬深い視線を感じる。そう、K報部チームに寝返った元祖クマ1号とクマ2号だ。なんと広H部チームは8人もメンバーを揃えている。しかもK報部には女性もたくさんいるのに、今回のチームは精鋭の男性陣で固められている。かなり真剣だ。
(元祖クマ1号)「選手宣誓して浮かれてるようだが、私らは動物チームのように遊び半分で来てるんじゃないぞ」
(カッパ)「何を言うか。わしらは遊び全部だぞ」
(元祖クマ2号)「裏切り者の名に恥じぬよう、絶対に勝つからね」
(カッパ)「ふっふっふ。貴様のチームには体重無差別級が約1名おるようだが、大丈夫かの?ふわっはっは!」
そうなのだ。K報部チームの唯一の弱点は体重オーバーだ。


広H部チームとの前哨戦に火花を散らせた後は、準備運動だ。
(カッパ)「ぜいぜいぜい。ちょっとハードすぎやせんか?」
(サル1号)「うきっ?こんなん軽いもんですよっ!」
(サル2号)「ほんとほんとっ。こんなんで息があがるようじゃあ、先が思いやられるよ」
カッパを除いて、妙にみんな元気満々でエアロビに汗を流す。


準備運動が終わると、いよいよスタートだ。誰がトップを走るかは実は重要な問題だ。
(馬)「そら重要でしょう。最初が肝心ですからね」
(カッパ)「いや、そういう意味じゃなくて、最初に走った者は、一番多く走らされる可能性が大きいのじゃぞ」

そうなのだ。このレースは、なだらかな公園の丘陵地の1周2kmのコースを全部で21周してフルマラソンの42.195kmを走るというレースであり、誰が何周走っても構わないのだが、過去の経験から言えば、最初に走った者が一番多く走らされる傾向にあるのだ。
ところが今年は、
ブタくんが自らトップを名乗り出た。彼はなんとか仕事の合間をぬって参加してくれたんだけど、できるだけ早く仕事に復帰しなければならないと言う。
(ブタ)「2周走ったら帰りますっ!」
ブタ君は、とにかく早く帰らねばならんということで、いきなり休み無しで2周走ったら、そのまま走って帰ってしまいました。


ブタがいなくなった後は、まずはを出走させる。
(カッパ)「なんと言っても馬は速いからな」
期待通り馬は、ものすごく速かった。なんと大会自己ベストのタイムだ。自己ベストと言うことは、すなわちチームの新記録である。
(カッパ)「相変わらず速いなあ」
(馬)「冬でも毎朝暗いうちから起きて10kmは走ってますからね」
(カッパ)「僕なんか、今年は寒いから12月は2回しか走らなかったと言うのに」


それに引き替え、かつては俊敏だったタイガーは毎年毎年着実に力が落ちていく。
(タイガー)「それって毎年書いてませんか?」
(カッパ)「だって事実なんだもーん」


こんなチームの危機を救ってくれたのがYOUちゃんだ。YOUちゃんはレース当日まで高知で用事があったんだけど、朝、車を飛ばして高知から帰ってきてくれたのだ。
(カッパ)「うわあ、早いなあ。間に合ってよかったよかった」
(YOU)「四国山地をぶっ飛ばしてきましたよ」
(カッパ)「体力はまだ残ってる?」
(YOU)「大丈夫ですよっ。何周でも走れますよ。で、あたしは何なの?」
(馬)「もっちろん、新クマ3号だあっ!」

こうしてYOUちゃんは讃岐まんのう公園リレーマラソンの動物チームに
クマ3号としてデビューの運びとなったのである。

クマさんは、到着したばかりでウォーミングアップも無しに、いきなり走ってもらったけど、強烈に速かった。いきなりタイガーより速かった。
(タイガー)「もう、ええですって」

一方、相変わらずマイペースなのはサル2号だ。
(サル2号)「わたしも、ぜーんぜんへっちゃらよ」
(カッパ)「もしかして、手抜きしてません?」


もちろん、今年もペンギン君は速い。
(馬)「知ってますか?ペンギン君ったら、去年の年末、奈良の東大寺で開かれる大仏マラソンに、
    たった独りでペンギンの格好して走ったんですよ」
(カッパ)「えっ?独りでっ?こういうのは、みんなでやるから楽しいし、恥ずかしくないんだよなあ。
      たった独りで、しかも奈良まで遠征してペンギンで走るなんて、考えただけでも顔から火が出るよ」
(馬)「おまけにレースの名前が大仏マラソンですぜ」
(カッパ)「やっぱりペンギン君って普通じゃないよねえ」
(ペンギン)「何をコソコソ話しよんですかっ?」


(カッパ)「ところでチャーミーモンキーはどこへ行ったんだ?」
(馬)「あっ、あんな所でバナナ食ってますよ」
(サル1号)「ウキッ。見つかっちゃった」
(カッパ)「バナナなんか食べてないで、はよ走らんかい!」

サル1号は満腹状態で走ったため、いまいち体の切れが鈍い。
(サル1号)「そういうカッパさんも早く走ってくれませんか」
(カッパ)「仕方ない。1周くらいは走ろうか」

ところが、寒さのせいで練習をサボりまくったため、カッパはもうボロボロ。ちょっと走っただけで死んでしまった。

脱落するメンバーが続出してしまい、やりくりが大変になる。
(カッパ)「クマさん、まだ行ける?」
(クマ)「ぜーんぜん大丈夫!何周でも行けるよ!」

力強い言葉どおり、クマさんは元気満々で何周でも走る。
結局、今年は、早々に帰ってしまったブタや、バナナ食べ過ぎのサル1号や、死にかけのカッパや、あくまでマイペースのサル2号や、体重を支えきれないタイガーが2周ずつしか走らなかったため、馬とペンギン君とクマに過剰な負担がかかってしまった。
(馬)「いくらなんでも休み無しに走るのはきついですよ」
(ペンギン)「最後になってこんなに走らされるんなら、最初から計画的に走らせてくださいよ」
(クマ)「わたしは平気だよーん」

てな事で、アンカーは元気まんまんのクマさんです。もちろん最後はみんな揃ってビクトリーランだよっ!

最後だけはみんな元気にゴール


レースも無事終わり、衣装を着替えて帰り支度を始めたら、なんと突然アナウンス。
(アナ)「ペンギンズの皆さんに特別賞を贈ります。ステージに上がってください」
なんと、またまた特別賞を頂いてしまった。第1回大会でベストドレッサー賞をもらって以来、7回のレースで3回目の特別賞をもらってしまった。
(馬)「完璧にレースに欠かせない存在になりましたね」

特別賞をもらって表彰ステージで愛嬌を振りまく動物たち


選手宣誓だけでなく、特別賞まで貰い、一躍世界に名前を轟かせた我々を冷たい目で睨む連中に気づく。
(カッパ)「おーや、まあ、誰かと思ったらK報部チームじゃあーりませんか」
(元祖クマ)「ふん。いい気になって。タイムは我々が勝ったことを忘れるな」
(カッパ)「ふーんだ、ふーんだ、ふーん。このお笑いレースにタイムなんて関係ないもーん」

(馬)「今回は掲載が割と早かったですね」
(カッパ)「もうすぐ丸亀マラソンがあるから、急がないとね」
その通り。いよいよ一年で一番マジなレース丸亀マラソンが近づいてきた。なんと今年は、昨年に引き続き、野口みずき選手が一緒に走る。去年はオリンピックのあとの初レースだったが、今年も日本新記録を出したあとの初レースだ。
さらに昨年の東京国際女子マラソンで奇跡の復活優勝を遂げた高橋尚子もゲストでやってくる。
(カッパ)「でもゲストって何よ?」
(馬)「前日にあるジョギング教室で一緒に走ってくれるようですぜ」

なんとっ!前日のジョギング教室と言えば、去年は馬が野口みずき選手にかぶりついていたイベントだ。
(カッパ)「よしっ!今年は僕もジョギング教室に行こう!」

乞う、ご期待!


〜おしまい〜




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