第2回 京都マラソン2013

〜 意外に険しいコース 〜



今年はペンギンズにとって当たり年と言えよう。最長老である私が10倍以上の競争率を突破して東京マラソンに当選し、次いで支部長が京都マラソンに補欠当選したのだ。で、支部長が京都マラソンの記事を書いてくれたので、掲載します。



京都マラソン奮戦記

〜 それは一通のメールから始まった 〜


いつ申し込んだのかも忘れていた頃、京都マラソンの抽選結果が出たらしいという話を聞き、慌ててメールをチェックすると、Runnetからのお知らせで「残念ながら・・・・」という落選通知。やっぱり。京都マラソンは7つの世界遺産を巡るシティマラソンで、最初から人気の高さは予想されていた。

(支部長)「まさか幹事長は東京マラソン当選の勢いを得て、京都マラソンも当選したとか?」
(幹事長)「さすがに、そんな事になったら罰が当たるわな。競争率10倍の東京マラソンで運を使い果たしたし。支部長は?」
(支部長)「私はもともと運がないから、当たるわけないですがな。惨敗通知が来ています。国ちゃんも河野さんも落選だったみたい」


しかし、数日たった私のメールに「Runnetからの重要なお知らせ」が届いた。傷口に塩を塗り込むように再度、落選通知が来たのかと思ったら、なんと第二次抽選で当選したとの連絡でした。一次抽選が競争率3倍ならば、二次抽選はもっと競争率が高いはず。運気上昇と意気込んでいると、日経新聞に京都マラソンは大赤字で参加者を増やす取り組みをしているとの記事。どうやら、人気はあるものの大会運営に費用がかかってしまい、今年から参加費が1万2千円と東京マラソンを上回り、日本一高額のマラソン大会になったとのことである。

大会当日の受付は行わないということで前日に高速バスで出発。神戸で阪急電車に乗り換え、一路、京都四条河原町へ。案内パンフレットには、受付会場の「都メッセ」には31系統のバスにお乗りくださいと書いてある。阪急河原町駅から地上に上がると、ちょうど31系統のバスが止まっている。運気が上がっていると感じながら、バスに乗車。平安神宮前で下車のつもりがいつまでたってもバス停のアナウンスがない。乗客も私一人になると、運転手さんが「どこへいかはるの」と聞いてくれ、「平安神宮なら逆や。次のバス停で降りて同じ系統のバスの折り返し便に載っておくれやす。まあ、乗り継いでゆけんこともないから、そうするのやったら一日フリーパスがお得ですわな。買いますか。」どう乗り継いだらよいのやらわからないので、とりあえず引き返すことにしたが、他にもバスに乗ることもあろうと一日フリーパスはゲット。

(幹事長)「早くも運気が下がっている気配やね」
(支部長)「ま、まだ気持ちの持ちようでリカバリー出来るレベルやけどね」


ということで、往復1時間以上を無駄にして、どうにか受付会場「都メッセ」で受付を完了。京都見物をする意欲もなく大阪府茨木市のホテルへ。ホテル予約が2週間前であったため、京都市内には高額ホテルしか残っていなかったのだ。

大会のスタートが8時半なので、当日は朝6時にホテルを出発し、阪急で西京極へ。結構、ぎりぎりの時間であったので朝飯は抜き。

参加者1万5千人で会場はごった返し、Hグループのゼッケンの私はサブトラックに集合し、そこでスタートの号砲を聞き、のろのろとメインスタジアムを通って、スタートラインを踏みロードへ。

このレースはタイムを競うものでなく、物見遊山のレースであることから、ゆっくりとしたペースを心がけ、嵐山へ向かう5kmまではアップ。

5km地点を超えると、ランナーが歩道に上がって写真をとっている姿が多くなる。カメラの方向には渡月橋がある。世界遺産である嵐山の入り口だ。

(幹事長)「風光明媚やなあ。京都マラソンの醍醐味やねえ」
(支部長)「いや、でもね、なかなか鑑賞できる状況ではないんですわ」


渡月橋といい嵐山といい、遊びに行くには絶好の観光スポットだが、走りながら遠くから眺めるだけでは、よく分からないし、これと言った感慨もない。

渡月橋前で右折すると、京福嵐山本線の跨線橋の結構なアップダウン。跨線橋の頂上では、横のビル屋上で神主が応援している

清滝道を右折し、10km地点までは急登坂道が続き、横をペアで走るランナーが「京都マラソンはいいコースなんだけど、坂が多いのが難点。この坂も序の口」としゃべっている。

今日は昨日ほどではないが暖かいから、こんなに坂が続くのなら給水をとらんとアンデルセン状態になるなと考え、こまめに給水ポイントには立ち寄る。
10kmを超えると仁和寺山門、龍安寺と京都を代表する寺院の前を通り15kmポイントを通過。

ここで大粒の雨が落ちてきた。温暖前線が通過したらしく、雨はすぐにやみ、結構暖かな状況がつづく。そのあたりで、結構、おなかがすいてきて、朝飯を抜いたの思い出すと、急に目の前がぼんやりとアンデルセン状態。給水をこまめにとっているので、これは脱水症状でなく、低血糖症ではないかと決断し、沿道のコンビニへ飛び込み、パンを買い食い。おまけにチョコレートを買って、再びコースに戻り、チョコレートを囓る。5分ほど経つと、意識もしっかりしてきて快調な走りにもどる。このレースでの一番の収穫、「フルマラソンには買い食いが効く」との教訓である。

(幹事長)「ほんまか?そうなのか?レース中に買い食いするなんて、ちょっと大胆過ぎるんじゃ?」
(支部長)「ゼリーや飲料を持って走るより楽ちん」


大文字の舟形を左に見て賀茂川のところで大きく左折し北進。西賀茂橋で折り返して20km地点を通過して、今度は右折して東進。25kmまでの5km間にアンパンのお接待、バナナの提供など食糧供給をこまめにとり、2番目の折り返し地点である京都国際会館へ北上。京都国際会館までの2kmはかなりの坂。25kmを過ぎての急こう配は体に打撃である。歩こうかと思っていると、京都産業大学チアリーダーの応援があり、ジョギングペースまでで踏みとどまる。折り返してくると、チアの応援はなく、なぜか「よさこい踊り」に催し変更になっている。

坂を降り切って、左折し東進し、27km地点で折り返す。このあたりになると寒冷前線が通過したのか、再び雨が降り始め、それも冷たい雨で、Tシャツ一枚の身には非常に応える。止まるとダメと思い走り続け、今度は西進、29km地点からは南進、30km手前で4番目の折り返し、0.5km地点を左折し、賀茂川に突き当たりそこを左折し、南進する。そこからしばらくは賀茂川岸を4kmひた走る。このあたりには結構、食糧供給ポイントがあり、バナナや生八つ橋・アンパンなどを食べ続け、元気がつくが、かえっていろいろなものを食べて気分が悪い。「低血糖も怖いが、食いすぎも怖い」と悟るレースである。

(幹事長)「僕ら、いやしいから、ついつい食べたくなるもんなあ」
(支部長)「フルマラソンは奥が深いですわ」


32km付近の第12給水ポイントあたりで、足がつり始めるが、今日はなぜか走り続けられる。大会馴れしてきたのか。35km地点の丸太町橋を渡り、今度は賀茂川岸を北上し、最後の世界遺産銀閣寺詣でへ行く。京都大学キャンパスで京大チアリーダーの応援を受け、右折すると、そこから1kmの上り坂が続く。最後の坂ではあるが、かなり応える。坂を下り、京大キャンパス前を通過し、右左折を繰り返し、ゴールの平安神宮が見え始めても、最後に平安神宮を超えて折り返し、平安神宮に戻るコースが待ち構えていた。合計6カ所の折り返しポイントが設定された珍しいコースであり、ランナーの気力をそぐコースでもある。

平安神宮参道のゴールにたどり着いたのは、スタートしてから5時間15分後。

氷雨は降り続いており、完走メダル・バスタオルなどをもらうのに長蛇の列で体が冷え切る。最後にバナナの振る舞いがあったが、食べる気力なし。

(支部長)「冷たい雨のせいもあって、テンション下がり気味のレースやったなあ」
(幹事長)「東京マラソンを走った経験からすると、一度、大都市のマラソンを走ると、もう田舎のマラソンは
       つまらなくて走れんってな気持ちになるやろ?」
(支部長)「いやあ、京都マラソンに限って、シティマラソンがそんなに良いっていう実感は沸かなかったなあ」


京都は都会だが、京都マラソンは街中だけでなく、結構、郊外の山道も走るから、あんまりシティマラソンというイメージではなかった。

(幹事長)「でも世界遺産を巡る旅だろ?」
(支部長)「世界遺産のお寺の前の道は走るけど、前の道からでは世界遺産は見えなくて、ほとんど分からんかったなあ」


だだ、ありがたかったのが、お風呂マップが入っていて、紹介された銭湯に行って疲れを癒せたのが、至福の時であった。



(幹事長)「そうかあ。東京マラソンは、ほとんど坂が無かったけど、京都マラソンは予想外に厳しいコースなんやなあ」
(支部長)「コースで言えば、シティマラソンとは言えませんなあ」


ま、それでも、なんとしても1回は出てみたいレースである。


〜おしまい〜




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