東京オリンピック聖火リレー

〜 まさかまさかまさかの中止 〜



2020年4月18日〜19日、東京オリンピックの聖火リレー香川県内で開催される予定だった。

そしてゾウさんは聖火リレーランナーに選定され華々しく走ることが決まっていた!

それなのに、ああ、それなのに、新型コロナウイルスのために東京オリンピックが来年に延期になり、聖火リレーも延期になってしまった



聖火リレーランナーの募集が始まったのは去年6月下旬だ。
まずはスポンサー企業4社(トヨタ、コカ・コーラ、NTT、日本生命)の募集が始まった。そして7月には都道府県の募集も始まった。
スポンサー企業への応募は誰でも可能で、また都道府県への応募は、その都道府県にゆかりがある人が対象だ。とは言え、ゆかりなんて、結構、幅広くこじつけられるので、かなり自由度は高い。
てことで、スポンサー企業4社と都道府県と合わせて全部で5つ応募できる

ただし、これらはいずれも抽選ではなく書類選考だ。書類に何を書くのかと言えば、応募動機や自己PR、走行を希望する場所と理由、さらには第三者の推薦などが求められたりする。
なので、実際にゆかりがある土地でないと選ばれないだろうし、単にゆかりがあるだけではなく、何か強いアピールポイントが無ければ選ばれないだろう。

スポンサー企業4社と都道府県と合わせて、全部で5つ応募できるって事は、書類は5つ書かないといけない。ただ、求められている提出書類の内容はある程度似たようなものなので、1つ書けば、あとはそれを修正していけば通用する。
てことで、一生懸命文章をひねり出し、5箇所に応募した。書いた内容は、いかに私がマラソンを始めとする草の根スポーツ活動を地道に推進し、みんなの健康増進に貢献してきたかっていう実績を力説したものだ。

(ピッグ)「まあ、恥ずかしい」
(幹事長)「自分でも恥ずかしいわい」


ただ、とても常識的で理性的な私は、まさか自分が選ばれるとは思っていなかった

(ピッグ)「え?幹事長って常識的なんですか?」
(幹事長)「常識と理性の塊やがな」

なぜかと言うと、競争率が非常に厳しいからだ。香川県の募集では、43人の枠に対して1866人が応募し、競争率はなんと43倍になった。
もちろん、このうちのかなりの人はスポンサー企業枠にも応募しているだろうから、全てを合わせると競争率はだいぶ下がるだろう。ただスポンサー企業枠の都道府県ごとの人数は明らかになっていない。普通に考えれば人口の多い大都市圏への割り振りが多いだろうから、香川県に回されてくる人数は少ないだろう。なので、実際の競争率がどれくらいなのか見当がつきにくいが、厳しい競争なのは間違いない

もちろん、単純な抽選ではないから、応募書類でアピールできる人にとっては、単純な競争率よりは選ばれる確率が高いだろう。
しかし、そもそも聖火リレーランナーに応募する人なんて、みんな何かしらのアピールポイントはあるように思う。何も考えずに安易な気持ちで応募する人もいるだろうけど、そんな勘違い派は少数だろう。
てな事で、5箇所に応募はしたものの、実際には全くアテにはしてなかった。

私は確率の低いものはゼロとみなす。宝くじを買う人がいるが、私は、冷静に考えて、絶対に当たらないと思っているので、絶対に宝くじは買わない
当たる確率はゼロではないよ」と言って買う人が多いが、確かにゼロではないが、果てしなくゼロに近い。1億円が当たる確率は1000万分の1以下だし、1000万円が当たる確率だって100万分の1だ。
宝くじを買う人は、確率があまりにも低くなると、ピンとこなくなるから、「それでも当たる可能性はある」なんて勘違いするんだけど、例えば10人でジャンケンして勝てるだろうか。10人なら確率1割だから、たまには勝てるだろう。100人でジャンケンしたらどうだろう。これは1%になるので、なかなか勝てない。もし1万人でジャンケンしたら勝てるだろうか。これは、もう絶対に勝てないと断言できるだろう。丸亀競技場を埋め尽くした丸亀マラソンの出場者全員でジャンケンして勝てると思えるだろうか。宝くじはそれ以上に確率が低い。100万人や1000万人でジャンケンして勝てる訳がない。確率はゼロだ。可能性はゼロだ。ゼロとみなすのが合理的だ。

聖火リレーランナーの選定は、そこまで確率は低くはないだろうけど、応募している人の大半がなにがしかのアピールポイントを有していると考えると、競争率が高いのは間違いない。確率だけ考えても厳しいし、また素晴らしい実績をアピールできる人が43人いたら、それでおしまいだ。自分の実績をどれくらい評価してくれるのか皆目見当がつかないが、とても心細い限りだ。なので、あまり期待はしない方が良い、と思っていた。



ところが、なんと、12月になり、スポンサー企業の1つであるトヨタから聖火ランナー選定のお知らせを頂いた

(幹事長)「ひゃ〜!嘘みたい!聖火リレーランナーに選ばれたぞ!」
(ゾウ)「私も選ばれちゃいました!」
(幹事長)「え!ゾウさんも?」


なんとゾウさんもコカ・コーラから選ばれたんだそうだ。
ペンギンズから2人も選定されたなんて、あまりにも凄すぎる

(幹事長)「1つのマラソンクラブから2人も選ばれるなんて、全国的に見ても、珍しいんじゃないか?」
(ゾウ)「あ、私は、ペンギンズは前面に出してませんから」


彼女は昔から地元で様々な地域活動を一生懸命やってきているし、テニスでは県大会で優勝するなどスーパースポーツウーマンなので、選ばれても不思議はない。て言うか、彼女を選ばないんだったら、一体誰を選ぶと言うのだ。

(ピッグ)「むしろ幹事長が選ばれたのが不思議なくらいですよね」
(幹事長)「何を言うか。私を選ばなかったら、一体誰を選ぶと言うのじゃ」
(支部長)「自分でも、まさか選ばれるとは思ってなかったんやろ?」


スポンサー企業枠と都道府県枠との割り振りをどうやっているのかは分からない。複数に応募している人が多いだろうから、調整はしているはずだ。
都道府県枠では小学生や中高生も数多く選ばれているが、こういう子達はスポンサー企業枠には応募していないと思う。と言うか、こういう子達は内部推薦とかで選定しているのではないだろうか。また、子供以外にも、公募ではなくて都道府県が勝手に選定している人も数多くいるだろう。
もちろんスポンサー企業枠だって、公募じゃなくてスポンサー企業が勝手に選んでいる人も多くいるだろう。なので、我々のような純粋な一般応募者をどういう選び方をしているのかは不明だ。スポンサー企業と都道府県が集まり、ドラフト会議みたいに一人ずつ選んでいくんだろうか?選ばれたから文句はないが、少し興味のあるところだ。

聖火リレー全国をリレーしながら回ってくることになっており、香川県は徳島県から回ってくる。香川県内でリレーされるのは4月18日と19日で、なんとラッキーなことに土日だ。なので、平日は仕事をしている人もこぞって沿道に応援に来ることができる。なので、年賀状にも書いたしメールも出しまくったし、会う人、会う人、片っ端から宣伝してまわった。
また、私が18日でゾウさんは19日に指定されたから、お互いに応援しあいっこすることも可能となった。

トヨタ様から決定通知を頂いたものの、なんとなく不安が残っていたが、その後、東京2020組織委員会から聖火ランナー正式決定通知が届いたので、これで間違いないと安心した。
正式なお知らせによると、一人が走る距離はたったの200mだ。さすがに、これは短い。短すぎる。200mなんて、全力で走れば1分だ。全力で走る人はいないだろうけど、ゆっくり走っても2分だ。3歩進んで2歩下がる戦術でいけば、もう少し長く走れるかもしれないが、それでも限界があるだろう。せめて1kmは走りたかった。
まあ、しかし、できるだけ多くの人が全国で走れるようにとの配慮だろうから、仕方ないかな。

聖火ランナーにはユニフォームが支給される。てっきりTシャツだと思っていたら、5月以降はTシャツ短パンだが、4月までのランナーには長袖のシャツと長パンツが支給されることになった。
半袖短パンなら、それを着用してマラソン大会に出て注目を集めようと企んでいたんだけど、長袖はともかく長パンツを履いては走れないだろうから、移動着にするくらいしか使い道はないか。ま、しかし、記念になるものなので、文句を言ってはいけない。

その後、トヨタ様からは、決定通知書やユニフォームを入れて飾れる大きな額やタスキなど、立派な記念品の数々が送られてきた
また、東京2020組織委員会からは、当日に持って走る聖火リレートーチの購入のお知らせが来た。てっきりトーチごと渡してリレーしていくのかと思ったら、各自が自分のトーチを持って、火だけリレーしていくんだそうだ。そして、自分が持ったトーチを記念として購入することができるというものだ。
ただ、お値段は7万円もする。あまりにも高いので諦めていたが、なんとトヨタ様がプレゼントしてくれるという。あまりにも素晴らしいトヨタ様の太っ腹に涙涙の大感謝祭だ。



てな事で、楽しみに待っていた聖火リレーだが、新型コロナウイルスの感染拡大により、なんだか怪しい雲行きになってきた
新型コロナウイルス自体は普通のインフルエンザに毛が生えた程度のものであり、大騒ぎする必要は無いんだけど、罪深いマスコミが視聴率稼ぎのためにヒステリックに大騒ぎし次から次へとマラソン大会が中止に追い込まれていった

まずは3月1日の東京マラソンで一般ランナーの参加が中止になった。続いて1週間後の名古屋ウィメンズマラソンも一般ランナーの参加が中止になった
ただ、いずれも東京オリンピックのマラソン代表選考会を兼ねていたので、全面的な中止ではなく、エリートランナーの部は開催された。オリンピック自体は予定通り開催される事になっていたからだ。

3月12日には、ギリシャのオリンピアで聖火が採火されたが、既にコロナウイルスが広がりつつあったため、現地での行事は中途半端なものとなった。
それでも、なんとか3月20日には日本には運ばれてきた
しかし、日本での聖火リレーの開始が近付いてきた頃には、コロナウイルスに対するマスコミを中心としたバカ騒ぎが燃え上がってきた。

そして、この頃からオリンピックを巡って大混乱が生じた。オリンピック自体が中止になるかもって可能性がささやかれ始めた。
こうなると聖火リレーの実施は微妙になる。スタートしていいものかどうなのか、混乱の極みになってきた。
オリンピックが中止または延期になるんだったら、聖火リレーだけやっても仕方ないんだけど、オリンピックの中止が決まってない中で、聖火リレーの対応は非常に難しくなってきた

取りあえず、コロナウイルスの蔓延を防ぐために規模を縮小して聖火リレーをやろう、なんて案が出てきた。ただ、規模を縮小ったって、何を縮小するのか分からなかった。派手なセレモニーを止めるのか、ルートやランナーの数を縮小するのか、何も発表されなかった。
そのうち、人が走るのは止めて聖火を車に積んで走ろうか、なんていう意味不明というか本末転倒というか馬鹿げた愚案まで出てきた。

(ゾウ)「ひどい案ですよねえ!」
(幹事長)「何を考えているのか理解できないよ!」


だんだんオリンピックそのものの延期の可能性が高まってきても、仮にオリンピックが延期になるにしても、聖火リレーだけはやってしまおうか、なんて意見も出てきた。

(幹事長)「オリンピックが延期になるのに、聖火リレーだけやっても意味ないよなあ」
(ゾウ)「そうですよ。もう、さっさと決めて欲しいですよね」


毎日のように揺れ動き続けたが、遂に東京オリンピックそのものの延期が決定され、その後、聖火リレーの延期も決定された
コロナウイルスごときでオリンピックが延期だなんて、全くひどい話だが、中止ではなく、一応、今のところは、来年に延期なので、まだ良かった。
東京2020組織委員会からは「選ばれている聖火ランナーは来年の聖火リレーに優先的に参加できる」という連絡が来たので、来年、オリンピックが開催される限り、来年こそは聖火ランナーとして走ることができる。

(ゾウ)「取りあえず一安心ですね」
(幹事長)「ほんと、ほんと、楽しみが1年延びたと前向きに考えよう!」


だがしかし、今のキチガイじみた世界的なバカ騒ぎを見ていると、来年に開催できるかどうかも不安だ。
たかが普通のインフルエンザに毛が生えた程度のウイルスなのに、バカみたいに恐れおののいて大騒ぎして、何でもかんでも中止にする風潮が蔓延している。極めて非科学的で情緒的でヒステリックな対応だ
多くの国民が新型コロナウイルスを非常に恐ろしいもののように勘違いしているが、決して、エボラ出血熱のように極めて致死率の高いウイルスでもなければ、風疹のような感染力の強いウイルスでもない。
多くの国民がヒステリックに踊らされているのは、視聴率さえ稼げればいい下品なマスコミがキチガイみたいに煽り立てるのと、新型コロナウイルスの新規患者数をゼロにしようなんていう狂信的な妄想に取り憑かれた医療関係者の独善のせいだ。なので、こういう輩を取り締まらない限り、来年の東京オリンピックの開催も危ういだろう。

もういい加減に、このような意味の無いヒステリックな対応は止めようよ!


〜おしまい〜




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