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伊庭八郎さんと従姉妹と、時々試衛館ズ。

ピンク色は主人公

青色は伊庭八郎

紫色はその他の人

日付クリックでSSが読めます。

 

2月1日 静

 

2月に入った。

暦は変わったが、相変わらず剣中心の生活は変わらない。

朝誰よりも早く起きて稽古する。

八郎は遊びに行ったり、勉学をしていたり。

全く!

一体いつ稽古しているのだろうか?

…試衛館に行ってみようか。

 

(2008.11.25)

 

2月2日 静

 

起きたら雪が積もっていた。

洗った髪が凍る寒さだ。

火鉢の前で髪を拭いていたら、突然八郎が入ってきて変な顔をした。

…なんで人の顔を見て固まるんだ?

天然パーマで悪かったな。

私だって日本髪を結ってみたいのに。

 

(2008.11.25)

 

2月3日 静

 

今日は節分だ。

八郎や道場連中と豆まきをして、甘酒を飲んだ。

豆は年の数だけ食べなきゃいけないのに。

八郎はいつも2、3個余分に食べる。

そんなに早く年をとりたいのか?

年を鯖読む女子はいるが、男もいるのだな。

(2008.11.25)

 

2月4日 伊庭八郎

 

くそ!

苛々と髪をかきむしる。

洗い髪の静の姿が目に焼き付いて離れない。

髪をおろした静丸は、紛れもない女子で…

息が止まるかと思った。


かき抱きたい衝動に駆られた、なんて…


あいつが知ればなんて言うんだろうな?  

 

 

(2008.11.25)

 

2月5日 伊庭八郎

 

いつも通り笑えているか。

いつも通りふるまえているか。

最近そればかり考えている。

にぶい静の事だから、きっと気づいていないと思うけど…


こんな事を思いながら接するのは嫌だ。

意識してるのはオイラだけなのかな…

 

 

(2008.11.26)

 

2月6日 伊庭八郎

 

一度意識するともうだめだ。

もう静が女子にしか見えない。

あいつの剣の腕を知ってるはずなのに、怪我をしやしないか心配で仕方がない。


きっと。

近くにいるから気になるんだ。

明日からしばらく…試衛館に行こうかな。

 

(2008.11.26)

 

2月7日 静

 

道場に行くと八郎はいなかった。

昨日から試衛館に行っているらしい。

やはり試衛館か…

きっとそこで剣の稽古をしているに違いない。

あそこにいる沖田は剣の天才だと聞く。

敷居の高い道場でないとも。

訪ねてみようか…  

 

(2008.11.26)

 

2月8日 静

 

八郎は今日になっても帰ってこない。


そんなに居心地がいいのだろうか?


試衛館の連中は、気のよさそうな奴らばかりだったな。
 


行くのなら、八郎がいる時の方がよかろう。


紹介もしてもらえるし、剣の稽古も見てみたい。


 

(2008.11.26)

 

2月9日 伊庭八郎

 

静が試衛館に来た!

目ん玉が飛び出る程驚いた!


お前がいないと張り合いがなくてな。

そう言ってくれるのは嬉しいけどさ…

土方さんが、オイラを見てにやりと笑ったのが気になる…
 

それと総司!

静の手を握るのはやめろ!  

(2008.11.26)

 

2月10日 沖田総司

 

近藤さんの勧めで、静丸さんが泊まる事になった。

何故か八郎さんが、静丸さんの横でずっと私を睨んでいるんだけど…

気に障るような事したかな?

それにしても!

静丸さんはやっぱり凄い。

明日も手合わせしてもらおう!

 

(2008.11.26)

2月11日 土方歳三

 

最近伊庭の様子がおかしいと思ったら、どうもあの静丸が原因らしい。

まさか懸想でもしてやがるのか?

整った顔とはいえ、男に?

…男、だよな…?

確かに線は細ぇが、女には見えねぇ。


あいつは女好きだと思っていたが…

 

(2008.12.4)

2月12日 静

 

試衛館は実に興味深い所だ。  

まさか、こんなに使い手がごろごろしているとは思わなかった。

色んな流派の奴がいるから、剣の稽古にはもってこいだ。

あいつが居つくのもわかる。

沖田さんと手合わせするのも楽しいしな。

 

(2008.12.4)

2月13日 原田左之助

 

久しぶりに帰ると、妙に総司の野郎が拗ねてやがった。

なんでも昨日まで、イバハチと静丸ってぇ野郎がいたらしい。  

静丸は総司のお気に入り?

毎日あいつと剣を合わせてやがった?

どこの豪傑だそいつは…。

見てみてぇ。

 

(2008.12.4)

2月14日 沖田総司

 

静丸さんが帰ってしまってから、毎日つまらない。

土方さんや近藤さんと手合わせするのもいいけれど…。

冷たく凍えるような瞳の静丸さんと剣を合わせると、腑の奥がゾクゾクする。

まるで真剣を合わせているみたいに。

 

(2008.12.4)

2月15日 静

 

試衛館から帰って以来、八郎の様子がおかしい。

いつも通り振舞っている心算なのか、話し出すとにこにこしているが。

急に声をかけると動揺したり、そっけなかったり。  

それになんだか…避けられているような気がする。

 

(2008.12.4)

2月16日 伊庭八郎

 

ぼんやりと河原で寝転んでいると、行商帰りらしい土方さんに会った。

 

こんな寒い所で何してるんでぇ。

 

呆れたように言われて初めて、自分が冷えていることに気づいて苦笑した。  

本当にオイラ…

何やってるんだろうな…?

 

(2008.12.4)

2月17日 山南敬助

 

試衛館は、今日も伊庭君と静丸君の話でもちきりだ。

残念ながら私は静丸君には会ったことはないのだけれど…。

麗しい役者のような顔のくせに、鬼のように素早い剣を振るうという。

 

会ってみたいやら…みたくないやら。

 

(2008.12.4)

2月18日 静

 

二月も半分以上が過ぎた。

もう少しすれば暖かくなるのだろう。

早く温かくなればいいのにな。

桜が咲けば、また道場連中と花見に行こう。

桜が咲くのが待ち遠しい。  

…その頃にはきっと、八郎の機嫌も直っているだろう。

 

(2008.12.6)

2月19日 伊庭八郎

 

試衛館から帰ってから、自分で自分を制御できない。

ドロドロとした黒い化物が、腑の内で暴れ回っている。

静が他の男と話す。

それだけで苛々とする。  

あいつはオイラの許嫁なのに…

 

きっと解消したいと思っているんだ。

 

(2008.12.6)

2月20日 伊庭八郎

 

ちょっとした事に馬鹿みたいに喜んだり落ち込んだり。

まさか自分がこんなになるなんて、思いもしなかった。

女々しい自分が嫌で…静とは顔を合わせづらくて…

ずっと彼女を避けている。

 

いい加減鈍い静も気づいている。

 

(2008.12.6)

2月21日 伊庭八郎

 

久し振りに花街に来た。

静は婚約を解消したがっている。

解消しても…もう昔の関係には戻れないのに。

それでも。

オイラは逃げ道を作っておきたくて…

手を出すことはできねぇんだ。

 

他の女と遊ぶ気にもなれねぇけどな。

 

(2008.12.6)

2月22日 伊庭八郎

 

華やかな三味線の音。

紅い唇。

酒の匂いに、行燈の油の匂い。

闇の中一筋に香の煙が上がり

オイラは遊女の膝枕で、じっと其れを睨んでいる。

柔らかく頭を撫でてくれる遊女の手に、ささくれ立った気持ちが収まっていく。

 

(2008.12.6)

2月23日 伊庭八郎

 

昔は静も赤い着物を着ていた。

日本髪こそ結ってなかったけど、気が強そうな女子だった。

そう、女子だったんだ。
 

どうして女子の格好をしないんだろう?

もし静が遊女の着物を着たとしたら…

 

オイラは急いで頭を振った。  

(2008.12.6)

2月24日 伊庭八郎

 

オイラはしばらく花街に居続けた。

女を抱く訳じゃないけど…

他愛のない話をするだけで、気が紛れるさね。

帰ったら静はオイラを嫌ってるかな?

いっそ嫌ってくれたら、楽になるのにな。

いつまでもここにはいられない。  

 

(2008.12.6)

2月25日 

 

 

 

(2008.10.30)

2月26日 

 

 

 

(2008.10.30)

2月27日 

 

(2008.10.30)

2月28日 

 

 

 

(2008.10.30)

 

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