100文字小説です。

朝餉
手を合わせ醤油を引き寄せる。

俺は上機嫌で茶碗の角に卵をぶつけた。

湯気の立つ飯の上に落とされたのは…

形作られる前の雛。

膜の張った濁った目が俺を睨み、白米の上でゼリー状の体はほどけ、嘴が滑り落ちていった。
 

 

2010.8.12