牡蠣を獲る
  


牡蠣は大好物な食材の一つである。
寒くなってきて、鮮魚コーナーにこれが出てくるのが楽しみであった。
生食用の物は大根をすり、ダイダイを搾り、醤油を少し落とし、酢牡蠣にして食べる。
海のミルクと言われるクリーミーな食感が何ともいえない。

牡蠣フライもいい。
油で揚がったころもの中の牡蠣が濃縮されて、ジューシーでうまい。
いくらでも食べたいのだが、尿酸値が気になる。

一番は焼き牡蠣ですかね。
単純でストレートな味がたまらない。
でも、炭火を起こして焼かなければならないので、手間がかかるのが一番の難点だ。
しかし、古くなったフライパンに入れ、焼くと割りと簡単に焼き牡蠣が出来る。
焼き牡蠣というより蒸し牡蠣のようなものだが、味はよく似ている。

この他、お好み焼きに入れたり、グラタンなどいろんな料理の食材として食べられるが、残念ながら、一部の料理でしか味わっていない。

他の人が牡蠣を獲っていたのを始めて見たのは、今から35年ぐらい前だったように思う。
鳴門の里浦にキス釣りに行っていた時である。
ノミのような物と金槌を持ってテトラポットの辺りで何かしている。
近づいて見てみるとテトラポットに張り付いている牡蠣をはがしていた。
アコヤガイのような形をしており、13cmぐらいの大きさであった。

次に、記憶しているのは30年ぐらい前で、鳴門の内の海で見た。
アサリを獲りに行っていた時のことである。
その当時は、乱獲が無かったので、びっくりするぐらい大きなアサリが獲れていた。
私たちはアサリを獲っていたが、ちょっと変わった格好をした、年の頃60過ぎのおばさん集団がいた。
雨合羽の上下を着て、かごを背負っていて、手には火ばさみを持っている。
何を獲るのかと見ていたら、潮が引いてきたところで火ばさみで何かをはさみ、背中のかごの中にポンポンと入れている。
よく見ると落ちている牡蠣を拾っているのである。
それで雨合羽を着ている理由が分かった。
普通、牡蠣は石などにくっついているが、それがはがれて落ちて大きくなったものを拾っているのであった。
波で鋭利な殻が削られ丸くなっている。
実に合理的に形のいい牡蠣を採取してしているのであった。


では、自分で獲って食べ出したのは、いつ頃だろうか。
多分、鳴門の内の海にアサリ獲りに行っていた時だと思う。
もっともその時は、アサリ獲りが主で、ついでに牡蠣を獲っていた。

意識して牡蠣を獲り出したのを、保存していたデーターで調べると、2004年からであった。
最初は夜釣りに行った時、潮が引いて大きな牡蠣が見え、獲りだした。
捨て石に張り付いていたのをはがしていた。

何回か行った時、今まで見たことも無いような巨大牡蠣を見つけた。
海藻でカムフラージュされていたため、気がつかなかった。
どのくらいの大きさだったのか当時写した写真で見てほしい。

小さい牡蠣は普通サイズである。
大王の周りに従者がいるような感じだ。

        


身を出すとさらに大きさが分かると思う。

       


記念に牡蠣の殻をクリーニングして見た。
何年生きてきたかこれを見るとよく分かるのでは。


            


しかし、この場所も2〜3年すると獲り尽してしまった。
他の場所を探そうとしてた時、石積みの奥に良い型の牡蠣が張り付いているのを発見した。
手を奥のほうに入れ獲ることで、3年は収穫があった。
これも獲り尽すと、また他の場所を探さなくてはならない。

天然牡蠣は、大きくなるまで何年もかかるので、一旦獲り尽くすと回復するまで何年もかかる。
ここが養殖との違いであるが、しかしながら、養殖の牡蠣も出荷するまで3年もかかるそうである。


先日、燻製器を購入した。
牡蠣を燻製にしたくて、最近獲りに行った。
が、大きいサイズはほとんど見つからない。
以前はあったので、どうやら他の人に獲られたようだ。

またしても、新しい穴場を探さなければならない。
それを探すのも、楽しみではあるが・・・・・・・うーん・・・・微妙