満天の星空を見上げて、感動した覚えが無いでしょうか。
でも、それを見たままに写真に写すには、簡単に行きません。
何たって星の光は暗いので、F値が小さく明るいレンズで、ISO感度を上げ写さなければなりません。
また、30秒ぐらい露出すると、星が微妙に動いてしまい、肉眼で見たような写真にはなりません。

赤道義は、星が動くのに合わせてカメラを動かす装置です。
星が動くと言っても、実は、地球が自転しているため、星が回っているように見えるのです。
星は、北極星を中心に東から西に左回りに回転します。
北極星を中心に回るのは、地球の自転軸がちょうど北極星に向いているからです。
地球の自転軸に合わせ、地球の自転速度で動かしてやれば、星は、止まって見えることになります。
それに反して、景色は、その分動くことになります。

作り方
ネットで手作り赤道義の作り方を調べました。
いろんなやり方があったのですが、下の方法が最も簡単だったので、これを参考に作りました。
https://ganref.jp/m/kappamaki/reviews_and_diaries/diary/9570



赤道義を作る材料です。
@ヒノキの板 幅6センチ×厚さ1.5cm長さ30センチのものが2枚取れる長さ。ホームセンターで購入。
Aターゲットスコープ 天体望遠鏡のものがあったが、結局使わず、不要となった釣り竿を使った。 塩ビパイプの細いものでもよい。
B自由雲台 ネットでもたくさん売ってるが、大型電気店で購入(1,400円)
C蝶番 ホームセンターで購入。
Dチェンジノブ M6 ホームセンターで購入。
EM6ボルト 長さ5センチ ホームセンターで購入。
Fつめ付きナット M6 ホームセンターで購入。
Gターゲットスコープを取り付けるために買ったが、使わなかった。

     


30センチの板を2枚作り、下に表示の位置で穴あけをします。
つめ付きナットを取り付ける穴は8mmで他は6mmで穴を開けます。



     


自由雲台を取り付けるところは、取り付けねじの長さに合わせて、板に大きい穴を開けます。
三脚に固定する金具も同様にねじが隠れるように大きな穴を作ります。
つめ付きナットは、穴に入れ、ハンマーでたたき固定します。



     


明けた穴に、自由雲台やM6ねじ、三脚取付金具を取り付けます。


    


上板と下板にそれぞれ金具を取り付けたところです。


    


それを蝶番でつなぐと一応完成です。
板が簡単に動かないよう、輪ゴムでテンションをかけます。


    


M6ナットを10秒ごとに1目盛り回転しますが、分かりやすいように光反射テープを張り付けました。
蓄光テープがいいとなってましたが、こちらで売ってなく、夜間危険防止テープを切り使いました。
目盛りは、六等分し、一回転で1分となります。


    


三脚に赤道義とカメラをセットしたところです。
これを見て頂ければこの原理がよく分かると思います。
赤道義を北極星に向け、固定し、ノブを時計回りに1分で1回転回します。
M6ナットを1分間に1回転すると、ちょうど地球の自転速度に合うよう、その取り付け位置を決めています。
M6ナットでない時は、同じ動きをするよう取り付け位置を変えなければならないということです。


    

試験的に使用してみました。
ISO1800、F2.8 10秒のコンポジット撮影で2分間露光しました。

   

同様なコンポジットで赤道義を動かしてみました。
何とか、星が点になりました。

   


使ってみて、使い勝手が悪いところを改善しました。
一つは、10秒ごとに1目盛り動かすのですが、暗くて見えず、うまく動かせたかどうか、不安でした。
そのため、景品でもらっていたミニLEDライトを付けました。

もう一点は、蝶番で止めているので、板が、横に少し動くので、ずれ止めの板を取り付けました。


       


改造してから、まだ使ってませんが、これで少しは、動かし易くなったと思います。
改造の成果は、後日報告します。

以前は、コンポジットで写しましたが、ネットの作例のように120秒のバルブ撮影もやってみようかと思います。

ナノトラッカーを購入(2019.9.8))

手動赤道義、操作がなかなか大変なので、消費税の値上げ前にと簡易赤道義(ナノトラッカー)を買いました。
合わせてアングルプレートも購入しました。

    

3脚に付けてセットしたところです。
カメラのむける位置により、北極星を見る本体の覗き穴と干渉する場合があります。
その時は、ナノトラッカーの位置をずらしてセットする必要があります。

    

満月の日で条件が悪い中でしたが、テスト撮影をしました。
恒星追尾モードで赤道義を作動し、コンポジット撮影で2分30秒露出した写真です。
星は、点で止まっていますが、木や家はブレています。

    


同じく赤道義を使わず、コンポジット撮影で2分30秒露出した写真です。
星は流れていますが、景色は、止まっています。


    

どのくらいまで、星が点で写せるのか5分間露出しました。
2分30秒の時とほとんど変わらず、星は点になっていました。
ナノトラッカー、値段の割には、頑張っていると思いました。

    

ナノトラッカー、ネットでの評価に出ていたように、北極星に合わす覗き穴が小さくて見えにくいのが難点です。
皆さんいろいろと考案されていますが、私は、ボールペンの筒を本体に付け、探しやすいようにしました。
月の無いときに、テストをやってみないと、と思っています。