剪定作業に行った時、枯れた庭木を仕舞してと頼まれる事がたまにある。
ほとんど枯れたモッコクの木を根元から切っていた時、先輩からこの木は床柱に出来ると聞いた。
皮をはいで枝やこぶの部分をうまく削ればいいと言われた。
床柱に出来るだけあって、確かに硬くてなかなか切れない。
家の人が処分してと言ったので、木をもらって帰った。
これまで床柱なるものは、一度も作った事がなかった。
どうなるか分からないが、これは、いっぺんやってみる価値があると思い、作ってみる事にした。
もらったモッコクは、根元の方が直径約10cmでそう太いものではなかった。
床柱と言うより、飾り支柱というぐらいのものだろうと思う。
生木の方が皮がはぎやすいだろうと思い、すぐにカマを使ってはいだ。
12月12日
節やくぼんだところを除いて、ほぼ皮を取り除いた。
12月21日
小刀や電動サンダー、ディスクグラインダーなどを使い、毎日少しずつ磨いていった。
枝の部分は、ノミで丸く削った。
でこぼこしたこぶが何とも味があっていい。
皮の下を少し削ると、ほんのりしたピンク色の地肌になり、いい色合いである。
つるつるの手触りで、これは、本当に床柱に最適の木材であると言える。
ただ、製作過程で一つ失敗があった。
それは、ひび割れ対策である。
乾燥していくに伴い、各所にひび割れが出てきた。
硬い木なのでひび割れはしないのかなーと思っていたら、そうでなかった。
座敷の床柱を見たら、裏側の部分にひび割れを防ぐ切り欠きが作ってある。
最初に電気ノコで切り欠きを入れていたら、良かったのだが、そこまで気がつかなかった。
しかし、ひび割れが一方の部分だけだったので、使用するには特に問題はなかった。
1月12日
一応、飾り支柱として完成したので、設置する事にした。
取り付け場所は、2階に上がる階段のところである。
階段が急なので上がり下りの安全のため、以前から手摺を付けようと考えていた。
手摺を取り付ける、いい支柱が無いか思案していたのだが、これで解決した。
1月16日
階段の上り口の部分に取り付けた。
普通の四角い柱を使うより、味があっていいと思った。
床柱作り、結構楽しんでやりました。
だんだんときれいになっていくのが、手づくりの醍醐味ですね。
材料と使える場所があれば、また作ってみたいと思います。
2013年1月に飾り支柱が完成してましたが、2015年9月にやっと手摺を付けました。
早く着けたかったのですが、延び延びになっていました。
これで、やっと飾り支柱の活用が図れました。
階段に手摺なんてと思っていましたが、歳を重ねるほどに必要に迫られました。
着けてみると、上がり降りがより安全になり、早くから着けておけばと思った次第です。