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合気道八幡浜一当流道場のメールマガジン第2部 第4号 2007/01/17
タイトル○Aikido-Yawatahama「一当流」「ふだんの記」(マガジンID:0000179313)
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第4号 目次
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山岡鉄舟の剣 ---「一刀正伝無刀流」
◆ 道文の研究Vol.2 「魂の技を生み出す道」
◆ 合気道ワンポイントアドバイスVol.16
“入り身”
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No.4
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山岡鉄舟の剣
---「一刀正伝無刀流」
山岡鉄舟(1836〜1888)は、西山禾山老子(1837〜1917)より一つ年上で同じ
江戸明治の激動の時代を生きています。山岡鉄舟は、日本の歴史上の大きな偉
業であります明治維新での江戸城無血開城の陰の立役者です。また、日本武道
史の柱と思われる大人物です。西山禾山老師と山岡鉄舟は交流があり、温かい
友情が有ったと推察します。大法寺再建にと沢山の書を送られています。二人
の人物なりを知り、修業の糧とさせて頂きたいと思います。山岡鉄舟48歳の
1883/12/14に合気道開祖植芝盛平翁が和歌山県田辺市に生まれています。
山岡鉄舟翁は、良き師、良き友に恵まれ剣、禅、書の三道を極めた。剣も禅も
書も、要するに「真実の自己を究明し、人間を形成するもの」「万機その揆一な
り」「見性悟道なるのみ」と伝えています。剣の道においては、山岡静山と浅利
又七郎義明という大恩のある二人の師があります。鉄舟28歳の時、「中西派一
刀流」浅利又七郎義明の門に入る。百鍛万錬すること17年大悟し、流祖一刀斎
の夢想剣の極意を伝えられる。彼45歳にしてその年の明治13年4月、「無刀流」
の一派を開く。「一刀流」の伝書『一刀流仮字書目録』に「一刀流と云ふは、先
一太刀は一と起ちて十と終り、十と起ちて一と納まるところなり。云云」とあ
ります。鉄舟はその一≠、無≠ナあると徹見したのである。
・
無刀流の技法を(明治15年1月15日)『剣法邪正弁』---「夫れ、剣法正伝
真の極意者、別に法なし、敵の好む処に随ひて勝を得るにあり。」『無刀流剣術
大意』---「一、無刀流剣術大意は、勝負を争わず、心を澄し胆を錬り、自然の
勝ちを得るを要す。一、事理の二つを修業するに在り。事は技なり、理は心な
り。事理一致の場に至る、是を妙処となす。」(明治15年4月8日)『一刀流兵
法箇条目録』に「万物太極の一より始まり、一刀より万化して、一刀に始まり、
又一刀に起るの理」有りと伝えています。
・
明治18年3月、一刀流九代小野次郎右衛門業雄忠政から一刀流十世を嫡伝
する。一刀正伝の秘奥≠ニ、その証である瓶割の太刀≠ニを伝えられ、一
刀斎の正伝を継承する。鉄舟はその後、「一刀流十世嫡伝無刀流開祖山岡鉄舟」
と称し、やがて流儀の称号を「一刀正伝無刀流」としたのである。
・
無刀流の用法を(明治18年4月10日)『無刀流と称する説』---「剣法者、
鍛錬刻苦して無敵に至りたるを以て至極とす。」(明治18年5月18日)『剣術の
流名を無刀流と称する訳書』---「無刀とは心の外に刀なしと云う事にして、三
界唯一心也。一心は内外本来無一物なるが故に、敵に対する時、前に敵なく、
後に我なく、妙応無方、朕跡を留めず。是、余が無刀流と称する訳なり。」と伝
えています。まさに剣禅一如の“活人剣”であります。
私は、山岡鉄舟の剣について次の三点に着目します。
一、「見性悟道の日々」/
剣禅一如の“活人剣”
二、『忠孝の道』(誠の修業)を人生の目標とする
三、「直き正しき眞心」
白山の南隠禅師は、「昔から支那でも日本でも至誠の人というのは至って少ない
ものだが、鉄舟居士は真に至誠の人だった」と伝えています。『忠孝の道』(誠
の修業)を人生の目標として、「見性悟道の日々」を実践されたのだと思います。
「直き正しき眞心もちて 誠の道に違ふことなく 負ひ持つ業に勵ましめ給ひ
家門高く身健やかに 世のため人のために盡さしめ給へ」(神拝詞より)に励
まれた最も日本人らしい日本人と思います。そして、在家禅の手本と思います。
大いに見習いたいものと思います。
http://www.aikido-yawatahama.jp/newpage31.htm
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○小野派一刀流は、伊東一刀斎を開祖、小野忠明を二代としている。小野忠明
が発展させ、忠明の子の忠常が継承した系統。○中西派一刀流は、小野派一刀
流の第4代・小野忠一の直弟子であった中西子定に始まる。第4代の中西子正の
子である浅利義明(浅利義信の養子)の弟子が山岡鉄舟である。
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参考図書
山岡鉄舟 大森曹玄 剣と禅 大森曹玄
剣禅話 高野澄 俺の師匠 小倉鉄樹
春風を斬る 神渡良平 春風無刀流 津本陽
在家禅入門 苧坂光龍 山岡鉄舟の一生 牛山栄治
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道文の研究Vol.2
「魂の技を生み出す道」
合気道は、魂の学びである。魂魄阿吽の呼吸である。また、合気道は宇宙の営
みの御姿、御振舞いの万有万神の条理を明示する大律法である。
我々は正勝、吾勝、勝速日の精神をもって、天の運化を腹中に胎蔵して宇宙と
同化、そして宇宙の内外の魂を育成して、かつ五体のひびきをもってすべて清
浄に融通無碍の緒結びをして、宇宙世界の一元の本と、人の一元の本を知り、
同根の意義を究めて、宇宙の中心と正勝、吾勝、勝速日を誤またず、武産の武
の阿吽の呼吸の理念力で魂の技を生み出す道を歩まなくてはならない。
(開祖大先生語録)
合気道は、“万有愛護の精神”で貫かれています。西山禾山老師の禅は、“甚深
般若”で貫かれています。共に真理の道であり、合い通づるものがあります。
開祖大先生語録には、「魂の学び」「魂の力」「魂のひびき」「大和の魂の気の錬
成」など「魂の技を生み出す道」が示されています。
佐柳孝一師範伝「三つの教え」http://www.dokidoki.ne.jp/home2/kosimizu/
の一つ「合気道は戦わずして、心をサイコロの如し」は、晩年に佐柳孝一師範
が伝えられた開祖大先生口伝です。深遠な業と精神です。佐柳孝一師範に問い
かけます---。答えの糸口を開祖植芝盛平語録に求めます。合気神髄・開祖大先
生語録は、「魂の学び」であります。私は、禅の公案の如く取り組んでいます。
「見性悟道の日々」に励み、「合気の道」の稽古を重ねます。
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合気道ワンポイントアドバイスVol.16 “入り身”
私が今一番執心している技は“入り身”です。すべての技はまず、“入り身”
から。入り身の重要性を感じています。『半歩前に、腹から入る』---△法です。
剣道にも入り身あり。
“入り身”一つで、相手の心が後方にころがってしまう様な「心を体で倒す」「心
で導く」そんな“魂の技”を目指します。
2007/01/17
合気道八幡浜一当流道場 ○Aikido-Yawatahama 小清水孝
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編集後記
2006/11/12合気道高知県支部45周年記念演武大会・講習会に招待され参加させ
て頂きました。「佐柳孝一師範が、築き広めた高知県支部の益々の発展を祈念し
ます」「本日は、愛媛県から佐柳孝一師範の愛弟子でありました合心館・谷本師
範、合気道八幡浜市合気会・小清水師範にも来高頂き盛大に記念演武大会が開
催されます事うれしく思います」と高知県合気道連盟元木益樹会長が挨拶され
ました。兄道場と共にしっかりと歩み、斯道の発展に努めます。
2007年の年頭に思うこと---「まことを持ちた多くの後進を育てたいもの」と祈
念します。
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第5号目次予告2007/07/17
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西山禾山老師の禅 ---「般若の法門」その2
◆ 道文の研究Vol.3「大和の魂の気の練成」
◆ 合気道ワンポイントアドバイスVol.17
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○タイトルAikido-Yawatahama「一当流」「ふだんの記」(マガジンID:0000179313)
(年2回1月と7月 17日発行)
○発行責任者:合気道八幡浜一当流道場 Aikido-Yawatahama 小清水孝
〒796-8007愛媛県八幡浜市八代53-5 TEL.FAX0894-23-2803
○ホームページ:http://www.dokidoki.ne.jp/home2/kosimizu/
○発行システム:『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
解除は http://www.mag2.com/m/0000179313.htmからできます。
○無断転用・複製を禁じます。
○ご意見ご質問は、kosimizu@dokidoki.ne.jpまでお寄せ下さい。