四国で初めて合気道の道場(高知県支部)を開く 佐柳孝一師範の思い出   English     メールマガジン合気道 佐柳孝一師範語録

合気道八幡浜一当流道場 Aikido-Yawatahama (財)合気会  小清水祥孝

佐柳孝一師範との出会いは平成4年1月の松山合心館の演武会です。

上品な初老の紳士が隣の来賓席でやさしい眼差しで会場をご覧になっていた。しばらくして只ならぬ気配を感じた。この御仁のブレザーの裾から風が吹いているのである。この出会い以降、私は吸い込まれるように佐柳師範を慕っていく。吸い込まれるように合気道練成に急ぎ走りに走った。---------

平成5年10月当八幡浜市合気会での練成会に佐柳師範をお迎えして教えを請う。佐柳孝一師範の教えは、「勝つんじゃない、負けないんだ」「倒すんじゃない、倒れる様に導くんだ」「合気道の段位は心の段位である」等
いかに相手を術により倒すかを研究していた私にとって衝撃的な事件でした。

「この合気道こそ本物だ」と思いました。今の自分の合気道とは非常に違う事に驚きました。本質的な違いに打ちのめされました。目から鱗の落ちる思いでした。この合気道の前では私も初心者も同じ。皆と同じスタートラインに立ったと感じました。「佐柳孝一師範の技にこの合気道に近づきたい」と強く思いました。これが人生の大恩人との出会いの第一歩でした。

以来毎年当地で練成会をお願いし、高知県支部へ中村市合気会へ出かけて佐柳孝一師範の教えを請う。

平成8年10月カイザースラウテレン市での高知県支部第2回ドイツ講習会に中村市合気会の寺尾省三氏と共に同行する機会を得る。この講習会で植芝盛平翁の話、合気道に入魂された体験、修行の大切さなどやさしく植芝盛平翁直伝の合気道をご教示されました。

  

平成11年7月17日に佐柳孝一師範が入神される。

私は、宝物を持っています。そして大切にしています。たくさんの人々に合気道を心の財産として頂きたいと思います。故佐柳孝一師範から導いて頂いた精神を損なわぬように稽古修行し、次ぎの世代に正しく伝える様努力する事を誓います。 拝