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2004/12/05


「でも・・オールマイティな鳩なんて、そうそう存在しませんよ」
「いや居る。居たと・・言うべきか。嘗ての紫竜号がそうだった。100キロの文部大臣杯をいきなり全国総合優勝し、そしてグランドスラム・・」
「それは、超別格じゃ無いですか。古今東西、これからも出現しない」
「それはそうだ。だが我々はトレーナーとして、スプリント号やパイロン3世号を育てる事が出来る筈」
「浦部さんは・・大きい。浦部さん。実は今日お邪魔したのは、私をこの河原連合会に入会させて貰う為でもありました。どうか、弟子にして下さい。お願いします」
頭を下げる道明寺を迎え入れる事にした浦部であった。そして、浦部、俵清治、道明寺はこの地区はもとより、日本鳩界にとって多大な功績を残して行く事になる。浦部和史・・・遅咲きの大器が大輪の花を咲かせようとしていた時期であった。実に繊細で緻密。愛鳩家であり、そして彼も科学者たる競翔家であった。
又この清竜号を中心とした、新香月暁号系は、出生をオープンにした事もあって、この後日本鳩界に多大な影響を与える事になる。日本競翔界は白川系、香月系、そして清竜系と3分されるような大きな流れを作り出し、それは世界へも波及する事になって行く。
ここで一端小さな競翔家、俵清治を中心とした物語から離れて、無限の広がりを見せる白い雲本編へと転じて行きたいと思います。本編につきましては、競翔家の皆さんには、少し退屈な話が連続しますが、この本編には必ず、俵清治は無くてはならない存在で、競翔鳩も白い雲のテーマとして存在しますので、どうか末永く愛読して頂けたら幸いです。こうして何度も中断もありましたし、今からもありますが、その間もアップロードした3部までを手直し、校正を続けて行っておりますので、筋が分からなくなったり、登場人物に不明な方は又1部よりお目を通して頂ければ幸いです。

小さな競翔家 一端 中略
この話は、番外編(華と紅蓮)に関連して行きます。