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2003.6.17日分 愛田・咲田の結婚式が終わって、帰りの道中の事・・香織が突如香月に言った。 「私・・貴方の日程と合わせて、京子とアメリカ旅行に行く事にしたわ」 「え?聞いてないよ。それ」 「決めたの。でも、貴方の邪魔はしないわ。京子も大賛成だったから」 「・・はは。君は驚かせるね、全く」 「ふふ」 愛田と、咲田の披露宴会場で、坂上達も来年卒業と同時にゴールイン、南米へ移住する話も本格的に進んでいると言う。既に、サークルは国外にも拡大しつつあって、大きな活動を展開していた。 競翔の方も香月を取り巻く環境は大きく変化し、今や、巨大な壁のように立ちふさがる川上氏使翔の白川系。次代へ次々とエース鳩が生まれ、日本競翔界の歴史を塗りかえようとしている。白川系の中でも厳選された飛び筋を使翔しているからで、無敵、無敗を誇った、ペパーマン系のパイロン号直系も、日本屈指の競翔家磯川の手によって大きく羽ばたこうとしている。この2強に立ちはだかるのは、もう香月の天才的手腕を持ってしても容易な事では無い。昨秋がその例だ。佐野のVロビンソン系も既に、証明されているスピードバード。緻密な飼育管理によって、こちらも次々とエース鳩が出現している。香月の目標は、学業から、いよいよ本格的な競翔家の道へと向けられて行く。学業と両立しながらも、数々の成績をここまで達成して来た天才競翔家の足場は既に、構築されつつあった。 一方、紫竜号の内面にも変化が起きようとしていた。それは、満4歳を迎えた紫竜号の心の内面からふつふつと沸きあがるような、何かに突き動かされる、炎のような激しい感情であった。静の香月、動の紫竜号、人間と鳩と言う互いの立場が違えども、この世で出会った、巨星同士が激突する・・・。これから2年は、当に壮絶な道が待っているのだ・・。 新章 紫竜号 鳩舎内の最上段で、グーーっと紫竜号は喉を鳴らした。鳩舎内に居る鳩達が一瞬びくっとなった。 紫竜号「スプリント号よ。お前と今春は一緒のレースだな」 スプリント号「・・それが何か・・?」 眼光鋭く紫竜号がスプリント号を睨む。 紫竜号「お前達は、ご主人の望むままのロボットさ」 カズ・エース号「僕達は、主人の期待を背負っている。それに報いるのがいけないんですか?」 紫竜号「小さいんだよ。お前達は・・。カズ・エース号。お前は体力だけの能無しじゃないか」 カズエース号「ひ・・ひどい!」 スプリント号「・・・紫竜号さん、その胸の傷どうしました?」 紫竜号「お前達の知った事じゃない」 スプリント号「隼にやられたんでしょ?それは・・。知ってるよ」 カズエース号「ええっ?」 鳩舎内の選手鳩達は一斉にざわざわとした。 紫竜号「・・・だったらどうだと言うんだ」 スプリント号「あんたの事だ。単独で、別コースを辿り、危険な場所を通った・・その結果だと言ってるんだよ」 スプリント号の口調が少し荒くなった。 紫竜号「・・小僧・・何が言いたい」 スプリント号「経験鳩と言うのは、集団で戻る事は、自分の身を守る意味でもある。ただ早く帰る事だけ要求されるのは、それこそ、体力自慢だよ。さっきカズエース号にあんたが、言った言葉だ。お返しするよ」 紫竜号「この猿真似の若造・・!」 紫竜号の目は爛々と輝く一際大きなグーーッと言う声を上げた。 スプリント号「猿真似だって?ふふふ紫竜さんよ・・」 紫竜号「いいか、お前達の祖父や、お袋達はなあ、そこそこの成績をあげたかも知れん。だが?どうだ?4歳、5歳の俺と同じ年で、隠居の身だ」 スプリント号「それが、期待通り活躍出来た証じゃないか」 紫竜号「スプリント号よ。確かに高地訓練では、お前は俺の技を盗んだかも知れん。だが、昨春の400キロはどうだったのだ?」 スプリント号「話を戻すよ。それがあんたのGCの結果だろうって言ってるのさ。俺達が目指しているのは、海の向こうの遠い場所だ。体力とは有効に使うもんだろう。競翔に参加させられる俺達は、親父達や叔母たちの栄光の歴史を手本として、自分の持てる力を有効に使って初めて評価が下されるんじゃないか。その証拠に一度だってあんたの帰舎を主人が喜んだ事があるかい?俺は知ってるんだ」 キュリー号(ハンク×ハナ号)「そうよ、主人に喜んで貰える事が私達の幸せ、生きる道だわ」 紫竜号「小せえ・・お前達は所詮その器だぜ。小せえよ、全く」 スプリント号「どちらが小さいのか・・それは結果さ。全てね」 紫竜号「今年の同じレースを見ているが良い」 スプリント号「ふ・・。あんたと同じコースを辿って、死にたくないや。ははは」 紫竜号「何だとお!小僧!」 一際大きい声を上げた鳩舎内に、この時香月が入って来た。 |