愛のお守り
激しい行為のあと、シュウは手を入れたいと言い出した。
指ではない、手だ。
やつのあの、大きくてごつごつした手、つまり指五本、手の平からさらには手首まで、私の控え目なサイズの尻の中につっこもうというのだ。

失礼な!言語道断だ。

断っておくが、怖いのではない。そういう屈辱は、私のプライドがゆるさないだけだ。
こちらが突っ込むというなら話が別だが。

ここで甘い顔をすると、要求がエスカレートして、ひじまで入れたいだの、腕二本入れさせろだのと言いはじめるにちがいない。

いやだというのにシュウはしつこい。

「どうしていやなんだ?」
「いやっていったら、いやです!いやなものは、イ、ヤ。」

あまり威厳はないが、私はこういって断ってやった。
すると、やつは箱を持ち出してきて、私に手渡した。
「これはお前への土産だ。ミューズ名産の、『木彫りのお守り』だ。特別にお前のために作らせた」
「珍しいですね。オーダーメイドの木彫りのお守りですか」

私は箱を開けようとして、シュウに止められた。
「あとで、ひとりっきりのときに開けてくれ」
私は箱をそのまま、サイドボードに置いた。

「さてと。まだ時間はあるな。ホウアン」
「時間はあるって……もう夜中でしょ」
「明け方まで放さん」
「しつこいのは嫌いです。足りないんなら自分でしなさい、自分で!」

しかしシュウの指は、性懲りもなく入る隙をうかがっている。
本当に手をいれるらしい、全部。
しかたがない。腹立たしいが、少し弱々しく訴えてみるか。

「ねえシュウ、私はこれでもそんなに慣れていないんです……今日はもう勘弁してくれませんか?」

「10分もイキッぱなしだったやつが、よく言うよ。でも、まあ無理をさせて壊れたらいやだな」

「もう壊れかけてるんですけど……」
「だから、ちょっとだけ、な。本当に無理だったらやめるから。約束する」

しつこいんだから、まったく。まるで大きな駄々っ子ではないか。
私はしかたなく、寝室に移りベッドに横になった。

見ればシュウは、奇妙なビンを開け、ハンカチにそのビンの液体をほんの少し染ませている。

私は飛び起きた。
「へんなことをしないでくださいよ。それは何ですか?」
「これも、お前のために、とりよせておいたものさ」

ろくなものではない。こんなところで薬物をかがされてはたまらない。

私はあわててよけようとしたが、遅かった。
シュウはまるで女をかどわかそうとする、ならず者のように、私の口にそれをあてた。

必死でもがいて、手をはねのけたが、多少吸いこんだらしい。瞬間、目の前が真っ暗になり、しばらくするとまた明るくなってきた。
とびおきたはずなのに、枕が頭の横にあった。
シュウが私の顔を見下ろしていた。天井の明かりが妙にぎらぎらとまぶしい。
立ちくらみをおこしたのだろうか。

シュウは、くすくす笑いながら、私の首を捕らえて、またハンカチを口に当てた。

わずかな時間、また目の前が暗くなった。今度こそ気を失うかと思ったが、視界はすぐに元に戻った。

「心配するようなものじゃない、習慣性もない。純度が高いから副作用もない」
「習慣性……副作用……なんの薬です」

「ただの痛み止めさ」
吸引する痛み止めなんて、そんなもの素人の手に入るはずはない。
シュウの指が、ほぐそうとするかのように肛門周辺をまさぐったあと、無理無体にインサートしてきたが、どういうことか全然痛みがない。
それどころか、体がだんだん火照っていく。


薬物をかがされたせいだ。それしか考えられない。何が痛み止めだ。
「この……やろう……なにをした!」
「大丈夫、危険はない。気持ちよくなるだけだ、習慣性もないから心配するな」
「わたしを、殺す……気か?」
「殺すなんてとんでもない。おれは仕事柄、いろいろ便利な知り合いがいてね……ふつうじゃ手に入らないものも、気軽に取り寄せてくれる……ほら、だんだんゆるくなってきた……」

やつの指がぐるぐる回りながら、私の尻の穴を広げようとしている。
どうしてこんなことで、気持ちよくなってしまうんだろう。情けない……。
しかもいつもより、ずっと感じやすくなっている。これも薬のせいだろうか。

「わかるか?はじめに人差し指と中指、薬指……それから親指と小指も入れるからな」
「せ、説明なんていらん、ばかもの」
「説明はいらん、さっさと入れてってか?ほら、もう、こんなにべとべとだ……おつゆがしたたってるよ、先生」

やつは、いつのまにか勃起している私のムスコを握り締め、唾液の滴る舌の裏をこすりつけて、さらにべとべとにしている。
今日はなぜか、ひどく敏感だ……。

「……いい味だ、先生……もっと出せよ、あんたのお汁をなめたいんだ」
「あ……あっ……だめだっ」
唐突にイキそうになって、私はあえいだ。
「まだだ、もう少し我慢しろ」
シュウはなだめるようないい方をして、ゆっくりと指を抜いた。
「う……っ」
「抜くときが気持ちいいんだろ?」
そういって、シュウは私の口にキスをしようとした。
「シュウ……なんで抜くんだ……するならはやくしてくれ……」
何をいってるんだ、自分は。
「そう急ぐな。夜は長いんだからな……」

愛のお守り、2へ続く!!