男の子の育て方2   
坊っちゃんは11歳       H.12.01.26
 その夜、坊っちゃんはちょっとしたいたずらをしようと思った。
「おやすみ」
 そう皆にいって、自分の部屋に入るふりをして、大好きなグレミオの部屋に隠れた。
 十一歳にもなって、非常に子供っぽいのだが、お坊ちゃんだからしかたがない。

 お化けのふりをして、お守をおどかしてやろうと思って、白いシーツを頭からかぶり、立て付けの悪い、クロゼットの中に隠れていたのだ。
 
 衣服のあいだに埋もれているうちに、昼間の疲れから、坊っちゃんは居眠りをはじめた。
 わずかな物音で、坊っちゃんは目を覚ました。

 だれかの押し殺したような話し声が聞こえてくる。
「テオさま、あかりを落としてください」
「だめだよ、このまま……明るいままで……よく見えるからそのほうがいい」
「あ……恥ずかしいです」
「ふふふ……おれの剣は、鈍ってはいないぞ」

 何だろう?
 思わず息を殺して、リアムは扉のすきまからのぞいた。
 父テオがベッドの中にいた。そして、テオはお守を組み敷いていた。

 そこで坊っちゃんが何を思ったかというと。
 よくある反応だが、テオがお守をいじめているのだと思ったのだった。
 あんまりいじめるなら、飛び出していって助けなければならない。

 そのうちに、テオはお守を引っ張りおこし、ひざの上に座らせてキスをはじめた。
 お父さんは、もうお休みのキスもしてくれないのに、グレミオにはキスをするのか?
 でも、全然うらやましいとは思わなかった。
 おやすみのキスと全然ちがう、すごくしつこいキスで、ぶちゅーっと派手な音まで立てている。

 お守は気持ち悪いだろう。
 自分だって見ているだけで気分が悪くなるんだから。
 坊っちゃんはそう思ったが、グレミオはなんだかよろこんでいるようで、そのうちに服を脱ぎ始めてしまった。

 おまけに父親まで裸になっている。 めったに見たことがない父親の裸だ。
 おまけに、おちんちんが見たこともないほどでかかった。
 坊っちゃんは内心、げっと思ったのだった。
 見たくもないものを、見てしまった。

 するとグレミオは、テオの体をぺろぺろ舐め始めた。
 テオの胸やお腹を舐めまわしてから、脚のあいだに顔を突っ込んだ。
 それから、さっき坊っちゃんが、げっと思ったおちんちんを舐めている。

 母ネコが子猫の股やお尻を舐めているのをみたことがあるが、ちょうどあんな感じだった。
 思わず坊っちゃんは、ぼくも舐めてほしい、と思った。
 なんだか、どきどきしてきたぞ。 変だな。
 
 父は気持ち良さそうにしていた。
 それから今度は、テオがグレミオをべろべろ舐め始めた。
 お守は口を半開きにして目をつぶっている。

 そのうちに、父はお守をうつぶせにして、なんだか変なことをはじめた。
 二人とも黙って、徒競争をしているみたいに、ぜいぜい言っている。
 父もがんばっているけど、お守もなかなか大変そうだ。
 ときどき、あう、とか、もうちょっと手加減して、とか弱音を吐いている。
 男だったらがんばれ、負けるな、と坊っちゃんは心の中でグレミオを応援した。

 そうこうしているうちに、テオはお守を放した。
 終わったのかな、と坊っちゃんは思ったが、まだ続きがあるらしく、お守は起きあがって、仰向けになったテオの脚のあいだに座った。

 どうするのかと思っていると、よいしょ、とテオの毛深い脚を持ち上げ、苦労して肩の上に乗せた。
 ものすごく、重そうだ。 グレミオは大丈夫だろうか。
「さあ来い! お前の成長を見せてみろ」(テオの声)
「あ、でもちょっとまって」(グレミオの声)

 お守は父の脚の下から逃げ出し、ぺたっとすわりこんで、自分のおちんちんに何か塗り始めた。
 リアムには、「おちんちんをいじったら、ばい菌が入って腫れちゃいますよ」っていうのに。
 自分はおちんちんで遊んでるじゃないか。
 それにしても、一緒にお風呂に入るときと大きさが違う。 なんだか上向いてるし。

 それからお守は、父に声をかけた。
「じゃ、いきますよ」
「待ちかねたぞ」

 お守は、またテオの脚を持ち上げて、肩の上に乗せた。 でもやっぱり、よろよろしている。
 それからお守はしばらくのあいだ、腰を動かしてがんばっていたが、そのうちに倒れてしまった。
 それはそうだろう。
 あんな重い足を肩に乗せるから、大変なんだ。

「何だ、もう終わりか?」
「はあ、はあ……テオさまと一緒にはいきません……」
「この程度。では、こちらから行くぞ!」

 それからテオとお守は半時間ぐらいがんばっていた。
 そのあと、テオが先に部屋から出ると、お守は洗面器をもって、いなくなった。

 翌日、つい友達のテッドにしゃべってしまった。
 テッドは、ソラマメみたいな、丸いおでこを真っ赤にして聞いていた。

 テッドは全部聞いてから、怒ったように言う。
「お前な、それってのぞきだよ!」
「のぞきー?」
「そうさ。 そのこと、誰にもしゃべっちゃだめだぞ! それから、全部忘れるんだ!」
「うん……そりゃあ……しゃべらないけど」
「けど、何だよ?」
「テッドにしゃべっちまったし。見たものは忘れられないよ」

 テッドは、すごく困った顔をした。
「なあ、リアム。お前は、テオさまが好きだろ?」
「うん」
「グレミオさんも、好きだよな?」
「もちろんさ」
「じゃ、忘れてあげるんだ。いいな?」
「……う、うん……」
「しかたないなあ」 

 テッドはリアムの額に手を置いた。 明るい茶色の目が、リアムをじっと見つめた。
「ほら、全部忘れてしまうよ、リアム……」
「……」
 とたんに、テッドの顔がゆらゆらして見えた。
「何も見なかった、そうだよな?」
「うん……みなかった……」
「昨日は何もなかった。そのまま寝たんだ」
「うん……そのまま寝た……」
「よし! じゃ、釣りに行こうよ」
「よし! 行こう!」
 何を悩んでいたのかも忘れて、リアムはテッドと一緒に走り出した。

END
説明……テッドに記憶を消されたんですね。でも意識下には残ってるんですな。

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