ラダトの吐息       H.12.06.14
 静かなラダトの宿で、リアムとグレミオは、疲れ果てた体を休めていた。

 とにかくリアムは疲れ果てて、歩くのもやっと、山越えはもちろん無理だ。
 体の傷はそうでもないが、疲労と、ジョウイに何度も犯されたショックは大きい。 無理はさせられない。
 休むのならバナーよりラダトのほうが、宿もきれいで食事も美味しい。
 キャロから本拠地まで飛び、そこからラダトまでとばしてもらって、宿屋でもっともいい部屋を取った。
 夜になると、町の賑わいも静まってきて、ゆっくり眠れそうだった。

 夜中、グレミオは苦しそうなリアムの声に飛び起きた。
「ぼ、坊っちゃん?」
 リアムは仰向けのまま、薄目を開け、体を突っ張らせて苦しそうにうめいていた。 
 額には脂汗が浮き、歯がみして浅い呼吸を繰り返している。
「坊っちゃん、坊っちゃん……」
 必死に揺り動かし、手を強く握ると、リアムはやがて息を吐いて、目を開けた。
「グレミオ?」
「よかった、坊っちゃん! もう、なにかの発作でも起きたのかと……」
 ほっとして涙がこぼれそうになる。
「……苦しかった。 夢を、見てたんだ。 なんの夢だったんだろ? すごく、怖かった」

 やはりあのショックから立ち直るのには、時間がかかりそうだ。
 傷ついている坊っちゃんを、自分が支えなければ。 グレミオは努めて明るく言った。
「怖い夢なんて、忘れちゃいましょう、ね? あ、水をもってきます」
「行かないでくれ」
「坊っちゃん?」
「ここにいてくれよ」
 リアムの切実に訴えるような目を見て、グレミオはうなづいた。
「どこにもいきませんから。 ずっとそばにいますから」
 すると、リアムは子供のようにしがみついてきた。

 抱きしめていれば、リアムも落ち着くと思った。 しかししばらくして、グレミオのほうが簡単に微妙な状態になってしまった。 
 心身疲れ果てているから、よけいに制御ができないのかもしれなかった。
 それでなくとも、やっとの思いで取り戻した最愛の人を抱きしめていて、平気でいられるはずがない。
(こんな、こんなときに。 落ち着かなくちゃ……)
 しかし腕の中のリアムの、しなやかな体は汗ばんでいて、その汗の匂いがグレミオの頭を酔わせるのだ。
 汗ばんだ咽喉も、いつにもましてなめらかに見える。 優しい唇は、まるで触れられるのを待っているかのように半開きになっている。 まつげさえ、いつもより長く見える。
 その悩ましさは、犯罪的だった。
(……だめだって……落ち着け……)
 しかし、もう気づかれないはずがないほど、グレミオは高ぶってしまっていた。


「グレミオ?」
「す、すみません。 坊っちゃん……ちょっと手を……放してくださ……」
「いやだ。 もうちょっとこうしていたい」
「すみません……こんなときに」
「いいんだ。 気にするな」
 意地悪く、リアムは体をこすり付けてくる。 どうやら、グレミオの状態に気づいたらしい。
「気にするなって、あの……坊っちゃん、ほんとに……さわっちゃ……!」
「いいじゃないか〜」
「冗談ぬきで、よくないです。 坊っちゃん、さっき金縛りにあったんですよ!?」
「おれがいいといったら、いいの。 今日こそ、お前がするんだ」
「はあ?」
「だーかーらー。 おれは今日コンディションが悪いから。 今日は、お前が、するんだ。 わかった?」
「……このところ私も、精神状態が非常に悪……」
 あわてて逃げ出そうとしたが、すでにグレミオの腕は、リアムに無慈悲につかまれていた。

「逃がさないぞ、グレミオ。 さては、自信がないんだな」
 あれだけ心配させて、坊っちゃんもひどいったらない。
 もう、なにを考えているんだか。

 それとも、今は何も考えたくないのかもしれない……。
 自分に罰を与えて、気を紛らわせたいのかもしれない。
 
 グレミオは、くすっと咽喉の奥で笑い声を立てた。
「坊っちゃん……そんなこといって、いいんですか?」
「ん?」
「坊っちゃんは、まだ私の半分くらいしかご存知ない。 でもどうしてもとおっしゃったのは、坊っちゃんご自身なんですから……」
「……グレミ……」
「おっしゃるとおりにいたしましょう。 坊っちゃんはもうオトナですから、ご自分が口にしたことに責任をとってもらいましょう。 据え膳は残さず頂くのが、お作法にかなっていることだし」
「…………」
「そんな顔をしてもだめですよ。 私がするんでしたね? ご要望にお答えして、そうさせてもらいましょうか、今すぐ」
 グレミオはイヤらしい手つきで、リアムの薄い寝巻きを脱がせにかかった。 リアムは心細そうな顔をしたが、それでも抗いはしなかった。

 下着一枚に剥いたところで、リアムはとうとう、不安そうにつぶやいた。
「……おれは、何をしたらいい?」
「なにも。 私がなにもかもしてさしあげますから」
 リアムの可愛らしい耳たぶを舐めながら、右手で腰骨から脚の付け根をもみ、左手はすぐに立ってしまう小さな乳首をもてあそぶ。 
 さらに太腿で股間をなで上げる、という、あやしきふるまいに及んだ。
 長年、家事で培った器用さが、こんなところでも役に立つ。
 なにしろマクドール家は人手不足で、グレミオはそれは忙しかったから、段取のよさも身に付いている。

 すぐに立ちあがるリアムのモノを、今度は右手の手のひらでやんわりと握りこんだ。
「グレミオ……」
 グレミオに手を伸ばすリアムの手を、やさしくつかんで軽く指をかんだ。
「坊っちゃんは何もしないで、ずうっと目をつぶっていてくださいね」

 それから、鍛え上げた長い舌にモノをいわせて、肌を舐めた。
 首筋といわず脇といわず、胸から下腹、さらに股間のモノ、及び張り切った付属ブツは、とくに念入りに舐め上げる。
 しかし口に含むことはせず、焦らすようにちょっと裏返したりなんかしながら、ゆっくりと味わい尽くす。
 リアムは目をつぶったまま、切なそうにため息をついた。
「なんか……すごく、イイ……」
「まだまだ、これからです」
 そして熱っぽいリアムの体に重なり、体をじわじわとこすりつけた。
「う……当ってる」
「当ってるんじゃなくて、当ててるんです。 (いわゆるサオとサオの戦いってやつをですね)  いつもやってることじゃないですか」
「う、うん」

 そのままで長い手を伸ばして、枕ものズボンのポケットから、塗り薬の容器を取り出した。
わざと聞こえるように音を立てて、容器を開けると、リアムはびくっとして体をこわばらせた。
 それから長い中指に、たっぷり薬をとった。

「膝を立ててくださいね。 力は入れないで」
 するとリアムは、懸命な表情で、膝を立てた。
 グレミオは前の日、手当てのために触れたところに、再び同じように指を当てた。
 今日は手当てのためではない。 リアムの反応を見ながら、慎重に指を入れていった。
 男にしてはあまりにも指が細すぎるのを、今日ばかりはありがたく思う。
 
 それは以外と簡単に見つかった。 すこし固く感じられるところを、優しく押してみる。
「どうですか?」
「う、うん」

 いつのまにか、とろんとした表情になっている。
「大丈夫みたいですね」
 指を入れたまま、少しだけ動かして刺激しつづけると、リアムは大きな息をついた。
「どうですか?」
「何度も聞くな」
「なかなか、いいでしょ?」
 ゆっくり指を抜き、リアムの耳元でとどめのひとことを、低くささやいた。

「力を抜いていてください。 怖くないですからね」
 リアムがよけいに硬直したのは言うまでもない。
 その固まった体の上に、グレミオはゆっくりまたがった。



「あ……痛っ……でも気持ちイイ……んんっ」
「ぐ、ぐれみおお」
「え?」
「お前、おれの言ったことを、全然聞いてなか……」
「え? 聞いてましたよ。 だからこうして、私がしてるんでしょ。 ほらほらっ」
 抗議を無視して、グレミオはゆっくり、リアムの上で大きく腰を使った。
 グレミオの中の熱いリアム自身が、一段と固さを増して、速く動くこともままならない。

「あっ……だ、から、おれが言ったのはァ……」
これでいいんです、これで。 ほんとしっかりしてますね。 痛い、くらい……なかなか入らないくらい元気なのを、がんばって入れる! そこがいいんですよね。 あ〜〜もお最高」
「……くっ……」
「笑っちゃダメです。 萎えちゃうでしょ? グレミオをがっかりさせないで、ほら」
「う……きつ……い」
「ステキです、リアム様。 愛してます。 あなたのすてきな天牙棍も」
「あ……はっ……はあっ」
「がんばってください、坊っちゃん。 まだイっちゃダメですよ」

 グレミオは腰を使うのを止めて、細い指でリアムの乳首をくるくるともてあそんだ。
「坊っちゃん……このまま、生殺しって言うのはいかがですか?」
 あわてて、坊っちゃんはグレミオの腕をつかんだ。

「だ、だめだっ……やめるな……動いてくれ、頼む……」
「他でもない坊っちゃんのお願いなんですから、グレミオは逆らいませんよ。 絶対に坊っちゃんには逆らいませんからね、私は」
「う、うそばっか……ああっ……も、だめだっ……うあ!」
 

 上ずった声を上げて達したリアムも、その上のグレミオも、汗びっしょりだった。
 それをタオルで拭いてから、グレミオはぐったりとリアムのそばに横たわった。
 それからなぜか笑いがこみ上げてきて、とうとう二人声を上げて笑ってしまった。

「グレミオ、だましたな」
「だましてませんよ。 私がしたんですから。 ふふ」
 グレミオの乱れた髪をかきやって、リアムは優しく言った。

「……お前はイッてない」
「ええ。 でもよかったですよ……お疲れでしょう。 寝なおしましょう」
「そうだな。 ……その前に」
「え?」
「来いよ。 第2ラウンド。……イかせてやるから」
「……それでこそ、私の坊っちゃんです。」


終わり。


ええい、やめんかい!(激怒)

このバカップルの帰国後を見届ける?  「岬の墓」(健全です)

それとも帰る?
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