第9回 屋島一周クォーターマラソン大会
それは4ヵ月前の事だった。前日に開催された第27回小豆島オリーブマラソンの反省会をしていたのだ。
もちろん、反省していたのは、仕事で欠場したサル1号だけである。
(サル1)「ウキッ、悔しいっ!私も出てたら圧勝だったのにぃ!」
(YOU)「ふふっ。それはどうかしらね。私こう見えても高校時代は陸上部だったのよ」
(サル1)「ウキキ、ウーキキキ!」
(訳:それが、どうしたの!)
(YOU)「インターハイにも出てたのよ」
(サル1)「ウンキキ、ウキキキウキキキウッキキ!」
(訳:そんなの、昔の話じゃないの!)
(YOU)「文句あるなら直接対決してもいいわよ、ふんっ」
(サル1)「ウキッ、ウキウキウキーっ!」
(訳:言ったわね、望むところよ。それじゃあ9月の屋島一周クォーターマラソン12kmコースで直接対決よ。
夏場は本当は苦手だけど、もう黙っちゃいられないわ。本気出すわよ。直前になって尻込みしたって許さないわよ!)
(中山)「ほんまにそなな長いセリフ、言ってるんですかっ!?」
(幹事長)「ま、とにかく、オリンピックの代表選考会も批判が多かったから、やはりここは一発勝負が公平でよろしいんじゃないですか」
ペンギンズのメンバー全員が屋島一周クォーターマラソンへの強制参加を義務づけられた瞬間である。
屋島一周クォーターマラソンには、5年前に一度だけ隅田部長の強い指導により参加したことがあるのだけど、いまいちマイナーな大会であるために、それっきり出たことはなかった。12kmレースという短い距離のため、ハーフマラソンに比べてペースが速くてしんどい、というのも大きな理由だ。しかし、最近、あまりにも練習をサボりまくっているためハーフマラソンを完走できないメンバーも多いため、全員強制参加となると、ちょうど適当なレースなのだ。
(石材店)「僕は初参加なんですが、なんで12kmなのにクォーターマラソンっていうんですか?
マラソンのクォーター(1/4)なら10km半くらいですよねえ」
(幹事長)「なんとなくじゃない?このレースの主催者は、かなり強烈にいい加減だから」
主催者がいい加減だからという理由ではないが、今回の大会は、一時、開催が危ぶまれていた。直前に高松が台風に直撃され、市内各地が水浸しとなり、後片付けのため大量のゴミが発生し、駐車場として使う予定だった土地がゴミの臨時置き場となり、巨大なゴミの山が出現してしまったのだ。
この知らせを聞いた時のF川の喜びようは尋常ではなかった。
(F川)「えっ、ほんまですかっ!?レースは中止ですかっ!?いやあ、なんて残念なんだっ!
今回のレースは女性陣にリベンジして僕の実力を見せつける絶好の機会だったのに。
いやあ、ほんとですか?なんて残念なんだろうなあっ!」
と腹の底からわき上がる高笑いをかみ殺しながら満面の笑みを浮かべていた。
しかし、残念ながら、ギリギリになってレースは開催されることになった。
(F川)「ななな、何があったんですかっ!?」
(幹事長)「今回のレースは高松市民スポーツフェスティバルの1つの種目だったのじゃ。
ゴミの山のせいでスポーツフェスティバル自体は中止になった。
でも、マラソンだけは実施されることになったのよ。残念じゃったのう」
(F川)「なんでマラソンだけ特別扱いなんですかっ!他の種目が不公平じゃないですかっ!」
(幹事長)「他の種目は参加者が多くて開催が無理らしいけど、マラソンは参加者も少ないので実施できるとのことじゃ」
なんにしても、このレースに向けて猛暑の夏をトレーニング漬けだった僕としては、開催されて大変嬉しい。
(中山)「でも、表情が微妙ですよ。本音は、中止を期待してたでしょ?」
(幹事長)「あっ、分かった?やはり一度切れた緊張感を取り戻すのは難しいわい」
ということで、満を持して2004年9月26日(日)に第9回屋島一周クォーターマラソン大会が高松市の屋島の周りで開催された。
しかーし。F川は最後まで諦めなかった。
レースをさかのぼること4日前の事だった。職場で部下の石材店をビシビシ厳しく指導していたら、F川選手がニコニコしながらやってきた。
(F川)「いやあ、実に大変な事になってしまいましたっ!」
(幹事長)「よっぽど嬉しい事があったらしいのう」
(F川)「今、家内から電話があって、子供が肺炎で入院したらしいんですよっ!」
(幹事長)「小さい子供にはよくあることじゃ。うちの子供も昔はしょっちゅう肺炎や気管支炎で入院しておった」
(F川)「それで、今度の屋島一周クォーターマラソンですが、堂々と欠場させて頂きますっ!」
(幹事長)「はてな?病気になったのはお子さんじゃろ?君には何のアリバイも無いぞ、ワトソン君」
(F川)「しかし、子供が入院してますのでっ!」
(幹事長)「なあに、すぐに治って退院するから心配せんでもええぞ」
(F川)「い、いや、その、仮にすぐに退院したとしても、その直後に家を空けるのは家庭不和の原因になりかねませんので・・・」
(幹事長)「はて?うちの二人目の子供が生まれた時、僕がギャルとテニスしよった話はしてなかったかな?」
(福家)「僕も二人目の子供が生まれた時、ゴルフしよった話はしてなかったかな?」
てなわけで、去年の讃岐まんのう公園リレーマラソン大会を子供の出産という言い訳で欠場したF川選手は、今回は子供の病気という錦の御旗で堂々の欠場だっ!
当日の朝、幹事長でありながら、送迎運転手も兼務させられている私は、早起きして蜜高選手、YOUちゃん、サル1号を車で拾っていかねばならない。
(幹事長)「YOUちゃんとサル1号は、どうせ行く途中だけど、なんでうちより遠い蜜高をわざわざ迎えに行かんといかんのやっ!?わしは幹事長やぞっ!」
(光高)「そのおかげで、小豆島オリーブマラソンの時は、クワガタをゲットしたじゃないですか」
(YOU)「そうそう、あのクワガタさん元気ですかっ?」
(幹事長)「い、いや、そ、その、実は・・・」
(YOU)「クワガタさんは冬を越せるんですよね」
(蜜高)「まさか、病気で伏しているんじゃあないでしょうねっ?」
(幹事長)「あ、そ、その、・・・実は、亡くなりました・・・」
(YOU)「えっ、まさかっ!」
(蜜高)「なんと、むごいっ!」
(F川)「ちゃんと餌やってたんですかっ!?」
(幹事長)「こらこら、お前に言われる筋合いはないぞ」
そう。あのクワガタくんは、夏休みの間に死んでしまったのです。がーん。
ところで、YOUちゃんが住む独身用マンションなんだけど、今回、新発見を。なんとマンションの1階の入り口の横に洗濯機と乾燥機があるのだ。
(幹事長)「あれ何?」
(YOU)「見て分かりませんか?文明の利器の洗濯機と乾燥機ですけど」
(幹事長)「見たら分かるがな。何でマンションの入り口にあるのか聞いているの」
(YOU)「何ででしょうねえ?」
(幹事長)「オートロックの玄関の外にあるから、誰でも使えるで」
(光高)「近所の人が使いにくるんとちがう?」
(幹事長)「ホームレスも使いにくるで」
読者のみなさんも、洗濯したくなればYOUちゃんのマンションへ行こう!
続いてサル1号の住むマンションへ行く。実はサル1号は本職のバドミントンで腰を痛めており、参加が危ぶまれていたのだ。
(幹事長)「腰はどうなん?」
(サル1)「一昨日、病院に行ってハリを打ってもらったら、なんとなく痛みは治まったみたい」
(光高)「えっ!ハリ打ったん!?」
(幹事長)「その歳でハリかっ?」
(サル1)「そうなんですよう。知らないうちに勝手に打たれちゃって」
(幹事長)「し、知らない間って・・・。痛くないん?」
(サル1)「ベッドにうつ伏せに寝かされて、何かゴソゴソやってるのは分かったんだけど」
(光高)「そんなもんかあ?」
(サル1)「後から「ハリ打っといたから」なんて言われちゃって」
(幹事長)「それはインフォームドコンセントに違反するんじゃないか?」
(サル1)「そうでしょ?初めてハリを打つ時なんて、「さあっ、これからハリを打つぞっ!」って気合い入れたいでしょ?
知らない間に打たれていたなんて、ガッカリ」
(光高)「その歳でハリ打ちかあ」
(YOU)「私も打った事ありますよ」
(幹事長、光高、サル1)「えっ!??」
なんと、近頃は、かなり安易にハリを打たれるらしい。病院へ行くときは、みんな用心して行こうな。
いきなりディープな話題になってしまったが、何にせよ、F川に続く欠場者を回避できたことは喜ばしい。
(YOU)「あれっ?でも、オリーブマラソンで私に負けた人って、F川さんと蜜高さんの他に、もう一人いましたよねえ」
(幹事長)「そうだ。行本だ。彼は一体どこへ逃亡したんだね、銭形くん?」
(蜜高)「へいっ。奴は子供が生まれそうとかで江戸の方へトンズラこきやがりました」
(幹事長)「なんとっ。あいつまでもが、そんな悪の道に染まってしまったのか。まさにF川二世じゃのう」
会場の屋島陸上競技場へ行くと、既に石材店と中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)が来ている。
(幹事長)「かなり早めに来たつもりだが、相変わらず君らは早いなあ」
(石材店)「意気込みの差ですかね。今日は子供の幼稚園の運動会だったんですけど、やっぱりマラソンが最優先ですからねっ!」
(幹事長)「聞いたか?F川っ!」
(石材店)「後は福家先生が父上さまと一緒に来るはずですね」
(幹事長)「それで全員かなあ」
ペンギンズ全員強制参加、なんて言いながら、この大会は高松市民スポーツフェスティバルの一環として開催されるもので、参加資格は高松市と周辺地域を含む高松広域都市圏に在住している人なので、東京地区のメンバーはもちろん、四国内でも県外に転勤になっているメンバーは参加できないのだ。
(支部長)「いやあ、こんちわ」
(幹事長)「あ、あれ?元高知支部長の新居浜支部長やないの?なんで参加できるん?」
(支部長)「単身赴任なんで、自宅は高松なんですよ」
(幹事長)「あっ、そうか」
さらに、続けて竹葉選手も登場。
(幹事長)「竹葉も単身赴任で自宅は高松かあ」
しかし、それにしても、何かにつけてサボろうサボろうとするメンバーの宝庫なのに、この参加率の高さはどうだっ!どうだ、F川っ!
(F川)「だから、子供が昨日退院したばかりだってば」
そして、満を持して今大会の出場最高齢者の栄誉に輝いた福家先生の父上(81歳)が、福家先生をお供に現れた。
(福家)「私はオマケか!」
実は、福家先生だけは、毎年このレースに出場しているのです。
最高齢者を中心にペンギンズの主力メンバー
背番号を見ると、なんとっ!YOUちゃんは背番号1001番じゃないか〜っ!サル1号も1002番だーっ!」
(石材店)「2人とも招待選手みたい」
(福家)「単に申し込みが早かっただけだがね」
参加者が少ないレースは、このような特典があるのだ。
(中山)「それって特典ですか?」
招待選手のYOUちゃんとサル1号
たいてい、マラソン大会に参加すると、参加賞としてTシャツとかタオルを貰える。個人的には、もうTシャツやタオルは要らないから、参加料を安くして欲しいとも思うのだけど。しかし、この大会は参加料が安く、僅か1000円だ。距離が短いとはいえ、他のレースなら距離が短くても3000円くらい平気で取られるので、割安感は大きい。しかも、驚いた事に、今回の参加賞が大きなスポーツバッグだ。
(幹事長)「これは一体どうしたことだ?」
(石材店)「これだけで得した気分ですねえ」
そうこうするうちに「選手はサブグラウンドに集まってください」なんて放送がある。開会式が始まるらしい。「なんでメイングラウンドじゃなくて、サブグラウンドで開会式するんじゃ?」と文句を言いながら、慌てて荷物を片づけ、さらにトイレを済ませてからサブグラウンドに行くと、なんと、だあれも居ない。
(幹事長)「ありゃ!?まさか、あっという間に開会式が終わって、みんなスタート地点へ行ったんか?」
慌ててメイングラウンドへ行き、ちゃんと遅れずに集合していた中山選手に聞くと、サブグラウンドに集合した後、そのままゾロゾロとスタート地点まで移動しただけで、まだ開会式は始まっていない、とのこと。「意味なーい!」
ようやく開会式が始まる。今年は、2000年シドニーオリンピックの女子マラソン7位の山口衛里選手(天満屋)がゲストだ。
(石材店)「彼女も走るんですかねえ」
(幹事長)「そら、走らんといかんじゃろが」
(石材店)「その割には格好がジャージっぽいですよ」
(幹事長)「ほんまやなあ。ゼッケンも付けてないし」
それにしても、このマイナーな大会は運営もかなり手抜きで、ゲストの山口選手ですら、荷物を抱えて右往左往しながら「あのう、ここに置いといていいですかあ?」なんて事務局員に尋ねている。もっと手厚く対応せんといかんよねえ。
このマラソンは屋島の周りを一周するもので、割と坂がある。コースを知らないと、突然現れる坂に精神的なダメージがあるが、屋島の周りと言えば、かつて毎週走っていた練習コースなので、僕は熟知しており、精神的には余裕がある。
(中山)「目標タイムは?」
(幹事長)「前回はギリギリで1時間を切ったから、最低でも1時間は切らんとね。
前回は、あと少しのところで最後まで中山くんを抜けなかったから、今回は勝ちたいなあ」
(中山)「ふっふっふ。今年のオリーブマラソンでも私の圧勝だったじゃないですか」
中山選手のほか、今回のライバルは新居浜支部長と蜜高選手の四つどもえの様相だ。
(石材店)「なんて言いながら、女子部員に負けないようにね」
(4人)「どきっ」
サル1号は腰を痛めて、背中にハリがささったままなので、今回は勝てるか。
(サル1)「もう抜いてますって」
YOUちゃんはオリーブマラソンでも蜜高選手に圧勝しているだけに、とても怖い存在だ。
(蜜高)「ま、僕はオリーブマラソンで一度負けているので、もう失うものはない。怖いもの無しですよ」
って、それは自慢できることか!
(中山)「それにしても暑いですねえ」
(幹事長)「前回はもっと涼しかったよなあ。9月の末なのに、この暑さは厳しい」
今年の猛暑を象徴するかのような天気だ。
さて、いよいよスタートが近づいてきた。一応、前の方から「記録を狙う人」、「完走が目標の人」、「楽しみながら走る人」に分けられた。
(幹事長)「こなな分け方、初めてやねえ」
(石材店)「普通、タイム順ですよねえ」
(中山)「「苦しみながら走る人」のコーナーも欲しいよね」
しかし、そんな分け方を一切無視して、石材店が叫ぶ。
(石材店)「みんな、前の方の外側に並ぶんだ」
(中山)「内側の方が距離が短いのに?」
(石材店)「カメラマンは外側にいるから、うまくいけば新聞に出ますよ」
(幹事長)「そう言えば、前回の時は、F川を先頭に、5人が揃ってワシントンポスト紙の一面を飾ったもんなあ」
(石材店)「四国新聞ですがな」
ざっとした大会の割には、「あと30秒」なんて放送が丁寧にあり、気持ちが高揚していたのだけど、なんと、いざスタートのピストルが不発で、パスっていう気の抜けた音と共にスタートとなった。
(石材店)「最初から脱力感あふれるスタートですねえ」
ライバル達との争いもさることながら、記録へ挑戦するためには最初から積極的に飛ばしていかなければならない。ハーフマラソンなら前半に飛ばしすぎて後半に潰れる事も多いが、しょせんは12kmなので、そういう心配は無用だろうと考え、かなり積極的に飛ばしていく。恐らく、このスピードでは中山選手、蜜高選手、支部長のライバル達はついてこれないはず。しかし、それにしても暑い。もっと積極的に飛ばしたい気持ちもあるが、体がついていかない。それでも、なんとか予定通りの展開だ。
いよいよ最初の5km地点だ。時計を確認すると、なんとっ!
(幹事長)「無茶苦茶、遅いがな!」
なんのこっちゃ?かなり早いつもりだったのに、ものすごく遅い。記録更新なんて、とんでもないタイムだ。やはり暑さのせいか?これで気持ちが切れしまう。むしろ、「もうリタイヤしたい」なんて気持ちすら沸いてくる。しかし、このレースは運営がざっとしているので、リタイヤしたところで回収車が迎えに来てくれる訳もなく、自分でトボトボと歩いて帰らなければならない。それくらいだったら、このまま走ろうか。
中盤に差し掛かったところで、突然、山口衛里選手が現れる。しかも、前方から。こ、これは、一体、どうなってるんだ?彼女は逆回りをしていたのか。それでゼッケンも付けてなかったのか。とにかく、前方から手を振りながら現れたので、思わず近寄ってハイタッチをしました。うれしーっ!これで元気が一気に沸いてきて、気合いを入れ直して走り始める。なんとなくペースが上がったような感じ。
そのまま割と快調に終盤に来ると、あれれ、なんと再び山口衛里選手が突然、現れる。今度は後方から。こ、これは、一体、どうなってるんだ?彼女は逆回りをしていたのではなく、みんなと一緒に先頭を走っていたけど、途中で参加者の激励のために折り返して逆戻りし、しばらく走って再び折り返して、またまた僕らを激励しながら抜いて行ったのだった。なーんと。すごいなあ。
さすがはプロの力は違うなあ、と呆れながら最後の力を振り絞って頑張る。極端なまでに運営がざっとしてるレースのため、距離表示が無茶苦茶で、ランナーは戸惑いの連続だけど、それは先刻承知なので、動揺せずに最後までなんとか頑張る。早々とゴールした石材店が暇つぶしにゴールのだいぶ手前まで来て「頑張れっ!」と声を掛けてくれる。本当によくできた部下だ。
距離が短いので余力は充分残っているのだけど、どうしてもスピードが出ないっていう不完全燃焼気味にゴールする。目標の1時間は切れなかったけど、このクソ暑い中では、なんとか頑張れたかなあ、とも思うが、石材店は1km4分を切る快速だった。すごいなあ。竹葉選手も、相変わらず好タイムでゴールしていた。やはり暑さは言い訳にはならないのかも。
今大会も圧倒的な力強さで優勝を飾った筆者)
しばらくすると中山選手が帰ってきた。かなり苦しそう。
(中山)「やっぱり練習ゼロでは厳しいですねえ」
(幹事長)「前回は中山くんを追い抜こうと思って必死に走ったのが好タイムに結びついたけど、
今回は僕の独走だったから記録がいまいちだったなあ」
次は誰かと見つめていたら、なんと!YOUちゃんが帰ってきたぞ。YOUちゃんに遅れること1分で蜜高選手が帰ってきた。
(幹事長)「すごいぞYOUちゃん。またまた蜜高選手に勝利やね」
(蜜高)「5km地点で抜かれてしまい、なんとか抜き返そうと思ったんやけど、無理やった」
オリーブマラソンの時は、蜜高選手は「まさか女子部員に負けてる事はないやろう、と勘違いして手を抜いて走った」と言い訳をしていたが、今回は言い訳無用の完敗だった。
さらに1分後に新居浜支部長が帰ってきた。
(支部長)「あかんですわ。最初から幹事長にはついていけんかった」
ふむ。最初から積極的に飛ばした作戦は、ライバルに対しては有効だったわけだ。
さらに背中にハリをさしたサル1号が帰ってきた。
(サル1)「もう抜いてるって!」
YOUちゃんは苦しそうな表情でのゴールだったが、サル1号は妙に涼しそうな顔をしている。
(サル1)「腰を痛めないようにペースをセーブしながら走ったから、全然苦しくないですよ。
このままハーフマラソンくらいなら走れますよ」
ますます底力を見せつける女子部員達であった。
そして最後に、今大会の出場最高齢者である福家先生の父上が、福家先生をお供にゴールした。
(福家)「やっぱり私はオマケかいっ!」
厳しい反省会に突入する選抜メンバー
レース直後に、まずは当日の反省会を行う。
(幹事長)「反省は早いうちにせんといかんからな」
(蜜高)「すんませんっ!」
(幹事長)「おしまいっ!」
(中山)「それだけですかっ?」
ま、うどんをすすりながら今回のレースを総括すると、
@ 石材店の1位と竹葉選手の2位は、これはもう南海地震が起こっても揺るぎようが無い
A 幹事長と中山選手は相変わらず勝ったり負けたりで勝敗は確定せず
B 行本、F川、蜜高につづき、遂に新居浜支部長も女性陣に惨敗
(幹事長)「走るたびに一人また一人と女子部員に負けていくなあ。ロシアンルーレットみたいな恐怖」
(蜜高)「早いとこ負けると気が楽になりますぜ、旦那っ!」
さらにレース翌日、今度は拡大反省会をディープに行う。
(幹事長)「反省は何度もせんといかんからな」
(蜜高)「すんませんっ!」
(行本)「すんませんっ!」
(幹事長)「で、子供は生まれたんか?」
(行本)「いやあ、予定日はまだ2週間先ですから」
なんじゃそりゃーっ!
〜おしまい〜
![]() 戦績のメニューへ |