第27回 小豆島オリーブマラソン大会
2004年5月23日(日)に第27回小豆島オリーブマラソン全国大会が開催されました。
今回はなんと、新人女子部員がデビューだぞーっ!
今年は、ほんまにすごいぞ。1月の讃岐まんのう公園リレーマラソンでも新人女子部員が2人も同時にデビューしたばかりなのに、今回は、さらに別の新人女子部員がデビューなのだ。
(中山)「いったい何があったんですか!?」
(幹事長)「たゆまぬ社内リクルートの成果やな」
(中山)「それって毎月やってた社内合コンのことですか?」
(幹事長)「しかもっ!今回の新人は高校時代は陸上部だったのじゃ!」
(中山)「陸上部と言っても、新サル2号のように走り幅跳びってのじゃないでしょうね?」
(幹事長)「惜しいっ!今回は走り高跳びでした〜っ!しかし、走り高跳びとは言え、跳ぶ前は走るんだから、侮れないぞ!」
さて今回は、私が早起きして光高選手、F川、新人女子メンバーのYOUちゃんを車で拾っていく係りだ。
(幹事長)「なんで幹事長ともあろう者が、お前らを車で送り迎えせんといかんのだーっ!」
(F川)「すんません。家内が子供連れて新レオマワールドに遊びに行くんで、車が使えないんですわ」
(光高)「ななな、なんとっ!旦那がレースに出ると言うのに、家族はレオマワールドとなっ!」
(幹事長)「気の毒っ!うちも昔は同じやったなあ。レースが終わって帰宅したら誰もおらんで、どしたんかと思ったら、
嫁さんが実家の親と一緒に子供連れて遊びに行っとったっちゅうのが定番やったなあ」
(石材店)「うちなんか今日、子供の初めてのピアノの発表会なんで、むちゃくちゃ風当たり強いですよ」
みなさん、家族の理解が得られず、気苦労が多いようです。
光高選手、F川を拾ってYOUちゃんが住む独身用マンションへ行く。さすがは女性が住む独身用マンションなのでセキュリティが厳しく、入り口から入れずウロウロしていると、監視カメラが一斉にF川を捉える。例によって怪しい色のジャージを着ているので、誰が見ても不審者だ。YOUちゃんが出てきたからいいものの、危うく通報されるところだった。
早朝の道路はガラガラで、港の臨時船まであっという間に着いた。船に乗ろうとすると、部下の石材店が既に早々と来ており、みんなの座席を確保してくれている。偉いっ!臨時船はフェリーを使っているので、遅れると車を載せる甲板で寝転がるしかない。固い鉄板の上で1時間半も寝転がると、体中が痛くなってしまう。それを回避できたのは石材店の献身的な働きのおかげであり、今年度の彼の業績評定がアップするのは間違いない!
5人で一息ついていると、すぐさま福家先生がお父上と一緒に登場。
(幹事長)「お父さんは何歳になったんですか?」
(福家)「もう81歳やなあ」
私も80歳を過ぎても走れるようになりたいものです。
それから中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)が現れる。1年半に1回しかレースに出てなかった中山選手だが、昨年のこのレースで驚異的な自己ベストを出して以来、大きな自信を持ち、最近は立て続けにレースに出ている。
さらに、久しぶりの復帰になる行本選手が新妻と一緒に登場する。
(幹事長)「おおう、誰かと思ったら、4年前にゴール直前でウシ2号に負けた行本選手やないか。立ち直ったんか?」
(行本)「しつこいですねえ。もう忘れてくださいよ」
(幹事長)「それにしても新妻が同行なんて羨ましい限りやなあ」
(F川)「うちなんか、旦那がしんどい思いをしてレースに出るのに、家族はレオマワールドに遊びに行くんやで」
(行本)「うちの家内は元陸上部やから理解があるんですわ」
(中山)「まさか走り高跳びか走り幅跳びじゃないだろな」
(行本妻)「イエイエ。800mとか3千mとかに出てました」
(幹事長)「ひえ〜っ!一番しんどい距離やないの?すごいなあ。でも奥さんが理解あるからええなあ」
(行本)「いやいや、そのうち、家内がレースに出ている間に、僕が子供連れてレオマワールドに行くようになりそうですよ」
そして最後に竹葉選手が登場だ。
(幹事長)「丸亀マラソンは5年連続くらいでサボり続けているのに、このレースだけは絶対にサボらずに出ているなあ」
(竹葉)「今年もひどい二日酔いで気分が悪くて、よっぽど止めようかと思ったんですけどね」
(幹事長)「お前の場合、二日酔いじゃなかった時は、ないんとちゃうか?」
(竹葉)「今日は特にひどいんですよ。吐きそう」
(F川)「竹葉さんは、いつも酔っぱらってるから変な力が入らないのがいいんですよ。
いつもフラフラしてる感じで走るから飛んでるように早いんですよ」
以上、今年は9人が出場する。高知支部から新居浜支部へ転勤になった高知支部長が仕事が忙しくてこられなかったのは残念だが、去年は僅か2人だった事を考えれば、驚異的な出席率である。
(幹事長)「やっぱり女子部員の存在は大きいなあ」
(F川)「これまで女子メンバーって何人おったんでしたっけ?」
(幹事長)「これで7人目やなあ」
(F川)「そのうち2回以上走った人っておるんですか?」
(幹事長)「むむ、痛いところを突くなあ。元祖サル2号と牛2号がオリーブマラソンに1回ずつ出場した以外は、みんな動物リレーだけやなあ」
(F川)「やっぱり中山さんがエッチなこと言うからですかねえ」
実は今回、満濃リレーでデビューした新サル1号も出場予定だったのだが、直前になって仕事が入り、やむなく欠場となったのだ。ウキッ、残念っ!
船でなごむ私たち (竹葉とF川は既に行方不明)
しかし、9人も参加する今回なんだけど、ハーフマラソンの部に出るのは僕と中山選手と竹葉選手と石材店の4人だけだ。F川らは10kmの部に出るのだ。
(幹事長)「なんで、お前、ハーフマラソンに出ないんや。お前だけが心の支えやったのに」
(F川)「僕は長いスパンで考えてますから。来年の丸亀マラソンを睨んだトレーニングの一環として、
今回は短い距離に出るんですよ」
(石材店)「確かに、練習の時も、ずっと同じペースでダラダラ走るよりも、メリハリをつけて速く走ったり軽く流したりを
繰り返した方がスピードがつくらしいですよ」
(F川)「僕にとって今回のレースは短い距離を速く走る練習ですね。シドニーオリンピックの直後に、
高橋尚子が丸亀ハーフマラソンに出場して調整したのと同じですよ。
彼女がQちゃんなら僕はO次郎ですよ」
(幹事長)「パーマン2号と違うんか?」
ところで新人のYOUちゃんは当初は5kmに出ようとしていたが、みんなの強引な説得により10kmに出ることになったのだ。
(行本)「えっ?そんなん聞いてないで?僕と一緒?ちょっとまずいんと違う?」
行本選手は4年前のこのレースでウシ2号にゴール直前で抜かれた実績があり、それがトラウマとなって立ち直るまで数年間のブランクがあったのだ。今日、再び女子部員に負けることになると、再起不能になるかも。かなり危機感を持っている。でも光高選手とF川は平気なようす。光高選手は実力からして負ける可能性は小さいだろうけど、満濃リレーで新サル1号に惨敗した実績のあるF川の落ち着きようが腑に落ちない。
(幹事長)「お前は大丈夫なん?」
(F川)「ふっ、何を言っとんですか。僕は何も怖いものはありませんよ。女子に負けた事もあれば救護車に回収された事もある。
そんな事でビクビクするような素人じゃありませんよ。もう失うものは無い。何も恐れない不惑のランナーですよ」
(行本)「そうか。僕は女子に負けたことはあるけど救護車に乗ったことはない」
(幹事長)「僕は救護車に乗ったことはあるけど女子に負けたことはない」
(F川)「そうでしょう、そうでしょう?二冠王は僕だけでしょ?僕は怖いものなしなんですよ」
て言うか、プライドも無いぞ。
(幹事長)「YOUちゃんは練習はしたん?」
(YOU)「5km用の練習は何回か走ったんですけど、10kmも走れるか不安で不安で」
(F川)「ま、無理せん方がええよ。いつでも棄権する勇気を持たんといかんよ。
僕なんかいつでも棄権する気構えが出来ているからね」
ううむ。もうちょっとプライドが。
船が動き出すと、気分が悪い竹葉選手は、独り静かに休むために消えていった。
(F川)「僕もちょっと独り静かに寝てきますわ」
なんだか怪しいF川だ。そう言えば一昨年も行きの船でイメージトレーニングとか言うて孤独で静かに目を閉じて暗い空気を作っていたなあ。変な宗教にでも凝ってなければいいんだけど。
孤独に甲板で酒を飲む竹葉選手(黄色い服)
(中山)「幹事長は調子はどうですか」
(幹事長)「ちょっと前まで割と順調にトレーニングは積んできたんやけど、2週間前から股関節や膝が痛くなって、
あんまり走れんようになってしもてなあ。今日もそれがものすごく不安」
(中山)「そういうの、よくあるんですよ。歳ですね」
(幹事長)「今まで笹谷選手とかが「膝が痛いから欠場する」なんて言ったりしたら、
「だらしない奴やなあ」とか「サボりの言い訳やな」なんて思ってたけど、反省してます。
関節が痛くなると、ほんと、走れなくなるなあ。
ところで、中山くんの去年の記録は驚異的やったなあ。どこにそなな力を秘めてたん?」
(中山)「いやあ、自分でも信じられないんですけど、悪かった体調が全快しましたからね」
(行本)「どこが悪かったんですか?」
(中山)「肝臓が悪かったんだけどね、親父も肝臓が悪くて、親父が病院でもらってくる薬を勝手に飲んでたら治ってしまった」
(幹事長)「げげっ。それって怖いんちゃうか。副作用が出るぞ。変な所に毛が生えたりしてないか?」
(中山)「最近は調子が良いんで、トレーニングは自宅から高松空港まで往復してるんですよ」
(幹事長)「ひょえ〜っ!往復で25kmはあるぞ!」
いかん。中山選手はあまりにも調子が良いみたい。彼はもう、かつてのような私のライバルではない。て言うか、私がライバルではない。他にハーフマラソンの部に出る竹葉選手と石材店も僕の敵ではない、と言うか、僕が敵ではないから、中山選手まで僕のライバルでなくなると、僕は孤独な戦いを強いられる。
(行本)「僕は今回、秘密兵器がありますからね」
なんと彼は新しいウォッチをしてきているのだ。その名もC−SHOCKだ!
(幹事長)「どしたん、これ?C−SHOCKなのに真ん中に燦然と輝く「G」のマークは一体どうした事か?」
(行本)「香港で3年前に買ったんですわ」
(幹事長)「全然、新しくないやん」
(行本)「使うのは初めてなんですよ。3年も経つのに電池は切れてないし、3年で5分しか狂ってないんですよ!」
(幹事長)「今どきの時計って3年で5秒くらいしか狂わないと思うけど」
(石材店)「僕のは3年で15分も狂ってますけど」
(行本)「おまけに500円ですぜ、たったの。電池代より安いですぜ」
(幹事長)「なんと!あのC−SHOCKがたったの500円とか!?さすがは香港。
恥ずかしくて電池交換で時計屋には持って行けんな」
(石材店)「負けた。僕のは1000円もしたのに」
船がようやく小豆島に到着する頃、F川が戻ってきた。
(幹事長)「何しよったん?」
(F川)「イメトレですよ」
(幹事長)「このボロ船にイメクラがあるんか?」
(中山)「動物姿のギャルがおるんか?」
(F川)「イメージトレーニングですがな」
(幹事長)「何をイメージするん?女子に負けたとこ?」
(中山)「救護車に回収されるイメージ?」
(光高)「分かった。お前、何かしゃべったらホームページに10倍くらい大袈裟に書かれるんを恐れて離れてるんやろ?」
(幹事長)「どうせ有ること無いこと書かれるんやから、素直に吐いた方がええぞ。カツ丼でも食うか?」
(F川)「すんません、刑事さん・・・」
(光高)「でも、ほんま、僕なんかメンバー紹介のコーナーで怖いヤクザの兄ちゃんみたいな書き方されて迷惑してますよ」
(石材店)「あれを読んで、てっきり怖いお兄さんかと思って、初めて会ったとき、怖くてガチガチで挨拶しましたよ」
島に着くと今年もブラスバンドの子供らが出迎えてくれる。受付を済ませ、テント村の片隅に陣取る。
(幹事長)「今年は景品が多いなあ。なんや、このもろみ酢って?」
(竹葉)「僕は飲んでますよ。身体に良いんですよ」
なんて言いながら、迎え酒でビールを飲む竹葉選手であった。もろみ酢を飲むより、酒を控えた方が身体に良いと思うけどなあ。
開会式のアナウンスがあったが、当然のように無視して誰も動かなかったら、新人のYOUちゃんに「みなさん、開会式が始まりますよ!」って叱られて慌てて立ち上がる。やはり女子部員パワーは元気の源じゃ。
朝は薄曇りだった空がだんだん晴れてきて、暑くなりそうな気配だが、暑さを倍増させるかのごとく、開会式ではギリシャからリレーしてきたという聖火の点灯式が始まる。
(幹事長)「ギリシャから聖火を持ってきたなんて、ほんまかいな!?」
(中山)「嘘に決まってますがな。そんな事はおいといて、今年のオリーブの女王は結構いけますぜ、だんな」
ふむ。普段はギリシャ風の白い衣装のオリーブの女王が、赤いランニング姿に着替えて聖火を点火している。遠目だけど、なかなか美しい。暑苦しいが美しい。
聖火を点火するオリーブの女王
開会式の後は、いつものストレッチ体操がある。以前は、少しでも体力を温存する観点から、ストレッチ体操は回避していたのだけど、最近、身体の衰えを痛感している私としては、怪我が怖いので素直に参加することにした。
しかし、これが大当たり!全身、真っ黒なタイツにすっぽりはまったストレッチマンなる異様な集団が出てきてストレッチ体操をするのだ。アディダスの回し者らしいが、大受けでした。しかも、これまでのストレッチ体操って、筋肉をほぐすのがメインで、しかも訳の分からないランニングと関係ない筋肉のほぐしばかりやらされて疲れるだけだったが、今回のは股関節とかを集中的にほぐしてくれた。最近、関節痛で走るのが怖かった僕には最適の体操だった。
ゲストの増田明美
今年の大会は増田明美がゲストで来ており、サインを求めて人が群がっている。増田明美は何年か前にも来たことがあり、その時は一緒に写真を撮ったりもしたが、今年は、ふと横を見ると、オリーブの女王が白い衣装に着替えて微笑んでおり、そっちの方が魅力的だったので、増田明美をほっといてオリーブの女王と記念写真を撮る。
あこがれの幹事長とのツーショットに大はしゃぎのオリーブの女王
さて、いよいよスタートだ。最近は、後ろの方からゆっくりスタートすることが多い。前の方からスタートすると抜かれる一方だが、後ろの方からスタートすると、ほとんど追い越されることはなく、もっぱら追い抜くばかりで気持ちが良いからだ。しかし今年は
(中山)「前の方からスタートして少しでもタイムを縮めましょう!」
との事で、絶好調の中山選手の意気込みに負けてしまい、だいぶ前の方からスタートすることにした。前の方からスタートするとスタート時の混雑によるタイムロスが減るからだ。あんまり関係ないんだけどね。
取りあえず、中山選手に着いていける所まで着いていくことにする。しかし、中山選手のピッチが異様に速い。こんな速くて大丈夫かいな、と不安になる。前の方からスタートしたにもかかわらず、さらに前の選手をどんどん追い抜いていく。さすがに、こんな調子じゃ後半潰れる危険性が高くなってきたので、3kmくらい走ったところでペースを落とす。とたんに次から次へと抜かれていく。やっぱり気が滅入るなあ。
最初の折り返し点の前で、すれ違う選手を見ていると、相変わらず石材店は非常に速い。竹葉選手も二日酔い走法で雲のを上を歩くように速い。
10kmの部は、ハーフマラソンの部がスタートしてから14分遅れでスタートしたため、折り返してしばらくすると10kmの選手達とすれ違い始める。誰が一番かな、と思って探していると、やはり最初に光高選手を見つけた。今日のメンバーでは順当なところだ。さらに、しばらくすると行本選手が見つかった。久しぶりの参加だが、まあまあのペースだ。次は、そろそろ新人のYOUちゃんが来るかなあ、と思って注視していたのだけど、見つからない。いくらなんでも遅すぎるので、どしたんかなあ、なんて思っていると、遂にF川が見つかった。
(幹事長)「えっ、もしかして、YOUちゃん、F川より遅れたの?
いくら新人とは言え、あの元気なYOUちゃんがF川より遅いなんて、そんなバナナ」
(F川)「僕の立場はどうなるんですか?」
よっぽど体調不良だったのか、と思いつつ、F川の後を探したが、そもそもF川の後って、ほとんど選手が居なかった。結局、見つからなかった。おかしい。体調不良で途中棄権したのだろうか。
中山選手からはだいぶ遅れたが、それでもこのレースにしては自分としてはかなり速いペースが維持できている。なんと言っても、最近、気になっていた股関節や膝の痛みが無い。いくらガンガン走っても全然痛くないのが嬉しい。まさにストレッチマンのおかげだ。
コースの後半は「二十四の瞳」の舞台になった岬を走るのだが、次から次へと坂があって厳しくなっていく。それでも今年はペースダウンすることなく第二折り返し点まで快調にとばせた。自分でも信じられないペース。もしかして快記録が生まれるかも。
なんて期待しながら走っていたのだけど、やっぱり甘くはなかった。あと3kmという辺りから急に足が動かなくなり、ガクンとペースが落ちてしまった。やはり前半の無理が災いしたのか。どんどん暑くなっていく天候も厳しいが、それ以前の問題だ。足が動かなくなってしまった。今年の丸亀マラソンの時と全く同じ状況の、高橋尚子状態になってしまったのだ。
結局、最後は惨めな姿でゴールし、平凡なタイムに終わってしまった。当然のように既に全員ゴールしており、哀れな目で僕を出迎えてくれる。
(中山)「いやあ、僕も去年よりはタイムが悪かったんですよぅ」
なんてニコニコしているので無視する。
今年も好調を維持した中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)
(中山)「僕も終盤はばててしまい、危うく歩くところでしたよ。幹事長は、まさか歩いてないでしょうね!」
(幹事長)「何を言うか。それが長老に対して吐く言葉か!失礼な。わしは、いつ、いかなる時も、気持ちでは走り続けておるのじゃ」
(F川)「また歩いたんですね」
(幹事長)「ところでYOUちゃんはどうやったん?」
(F川)「負けました!」
(行本)「負けました!!」
(光高)「負けました!!!」
なんと、負けましたダンゴ三兄弟だ!
(幹事長)「えっ!?そんなに早かったん?10kmの部で圧勝?男性陣全滅?」
(YOU)「幹事長が光高さんに声を掛けた時、そのすぐ後ろにいたんですよ」
(幹事長)「まさか、そんなに速いとは思ってなかったから、見逃したなあ」
(光高)「それやったら、もっと必死で走ったらよかったなあ。まさか負けるなんて思ってもなかったなあ」
(行本)「4年前にウシ2号に負けて以来、幹事長に嫌味を言われ続けて、今回は雪辱しようと思ってたのに、
またまた女子部員に負けるなんて〜っ!しかも新妻の前で!」
(幹事長)「ま、今回は3人まとめて負けたから、まだマシやな。な、F川」
(F川)「僕なんか、何も感じませんよ。そもそも僕はハーフマラソンの男ですから、10kmはほんのお遊びで出ているだけですから、
女性に負けても、なーんとも思いませんよ」
(幹事長)「今回は短い距離を速く走る練習だったんじゃないのか?」
(行本)「うちの家内がスタート地点でみんなを見てたんですけど、F川さんだけは最初からやる気が無かったって言ってましたよ」
(幹事長)「さすがは正真正銘の陸上部。鋭く見抜いてる!」
(F川)「何を言いよんですか。ですから、あくまでトレーニングの一環として走っただけですから!」
それにしても、ペース配分も分からないまま初めて走って圧勝したとなると、今後の活躍が大いに期待できる超大型新人だ。
(石材店)「今日は大満足やね。10kmにして良かったやろ。5kmやったら絶対に欲求不満が残ってたよ」
(YOU)「そうですね!自分でも信じられない!ゴールテープは背面跳びで越えましたよ」
(幹事長)「さすがは走り高跳び部!」
(F川)「えっ?それやったらゴールしてないんと違う?それやったら僕の勝ちですよ」
個人的には不満の残るレースだったが、YOUちゃんの快走で、なんだかみんなハッピーになって帰りの船に乗り込む。客席は既に埋まっており、展望甲板に転がる。中山選手はあっという間に熟睡モード。竹葉選手は相変わらず生ビールを・・・、あれ?
(幹事長)「生ビールが終わったら、今度はカップ酒か?」
(竹葉)「水分補給の後はエネルギー補給ですよ」
しかし、マラソンの後にカップ酒を3杯も飲む奴がおるか?しかも、後で聞いたら、船を降りた後もコンビニで再びカップ酒を買いまくってたらしい。恐るべきアル中。
(幹事長)「それにしても、本当に良い天気になったなあ」
(F川)「今頃、家族はレオマワールドで楽しく遊んでるんやろなあ」
その後、F川が疲れ果てて家に帰ると、一休みする間もなく、遊んで汚れた子供を風呂に入れる仕事が待っており、マラソン以上に疲れ果ててしまったことなど、私は知らない。
船から降りて、F川、光高選手、YOUちゃんを車で送っていると、光高選手が突然叫ぶ。
(光高)「あれっ?クワガタがおる!」
なんと、クワガタ虫が光高選手のバッグにへばりついている。
(F川)「バッグが黒いから保護色になって分からなかったんですね。クワガタと言えば黒いダイヤですぜ、だんな」
(幹事長)「さすがは小豆島。まだまだ野生動物の宝庫やなあ」
(F川)「でも、島から虫を連れて帰ってきたりしたら検疫所に逮捕されますよ」
(幹事長)「船に乗っていた1時間半もの間もじっとへばりついていたなんて、クワガタはよっぽど光高君を好きになったんやなあ」
(YOU)「光高さん、蜜を出してるんじゃないですか?」
(F川)「名前がミツタカやからなあ。今日から蜜高にしたらどうですか?」
と言うことで、光高選手はこのたび初代「蜜高」を襲名いたしました。
(光高)「勝手にメンバー紹介のコーナーまで改名せんといて!」
このクワガタ君は、今ではうちの子供のペットになってます。
我が家のペットになった小豆島出身のクワガタ君
さて、レースの翌日、仕事が終わってから反省会をしました。
(中山)「以前は少なかったのに、最近、飲み会が多いですね」
(幹事長)「そら、女子部員がおる時でないと飲み会はせんからな。会則に書いてるやろ」
(中山)「いつの間に追加したんですか!」
みんなが満足げにビールを飲み干すなか、一人欲求不満だったのは、もちろん、仕事でレースに参加できなかった新サル1号である。
(サル1)「ウキッ、悔しいっ!私も出てたら圧勝だったのにぃ!」
(YOU)「ふふっ。それはどうかしらね。私こう見えても高校時代は陸上部だったのよ」
(サル1)「ウキキ、ウーキキキ!」
(訳:それが、どうしたの!)
(YOU)「インターハイにも出てたのよ」
(サル1)「ウンキキ、ウキキキウキキキウッキキ!」
(訳:そんなの、昔の話じゃないの!)
(YOU)「文句あるなら直接対決してもいいわよ、ふんっ」
(サル1)「ウキッ、ウキウキウキーっ!」
(訳:言ったわね、望むところよ。それじゃあ9月の屋島一周クォーターマラソン12kmコースで直接対決よ。
夏場は本当は苦手だけど、もう黙っちゃいられないわ。本気出すわよ。直前になって尻込みしたって許さないわよ!)
(中山)「ほんまにそなな長いセリフ、言ってるんですかっ!?」
(幹事長)「ま、とにかく、オリンピックの代表選考会も批判が多かったから、やはりここは一発勝負が公平でよろしいんじゃないですか」
(F川)「それじゃあ、僕は、高橋尚子のように不参加という選択肢もある訳ですね」
その後、怒りが頂点に達した新サル1号は、なんと無謀にも男性部員相手に腕相撲の勝負を挑み始めた。
(中山)「いくらなんでもマラソンと腕相撲は違うよ。
いくら僕がアイドル系だと言っても、君の細い腕で僕に勝てる訳が・・・、参りましたっ!」
なんと、1.5秒程度の圧勝だった。
(幹事長)「おいおい、ちょっとまて。今のマジ?
いくら新サル1号が、もう、めっちゃくちゃ信じられないくらいチョー元気だとは言え、腕相撲で男に勝てるか?
エッチ中山がウケ狙いでわざと負けたんと違うか?
試しにわしが相手しよう。いくらなんでも、このわしに・・・、参りましたっ!!」
0.5秒くらいの勝負であった。
さすがに蜜高選手は、ヤクザの名誉にかけて、なんとかギリギリで勝った。
(蜜高)「良かったあ。これで指詰めせんですむわ」
蜜高が勝ったのを見て「勝機あり」とF川が参戦してきた。
(F川)「ふっふっふ。今の勝負でかなり体力を使い切ったはず。ほら、見てみぃ。腕がピクピク震えてるぜ。ふっ。
もう俺の敵じゃないな。来るなら来なっ、小娘め。それっ・・・、参りましたっ!!!」
なんと、蜜高選手との激闘の直後だと言うのに、F川には圧勝してしまった。
10kmの部で男子部員に圧勝したYOUちゃんもすごいが、腕相撲で圧勝する新サル1号って、いったい・・・。
(サル1)「私の3姉妹って、みんな腕相撲が強いんですよ。子供の頃からお父さんに鍛えられて。
それに、ずっと柔道やってたし」
ひえ〜。しかも、高知県出身のサル1号は、同じく高知県で高校時代を過ごした朝青龍と同じ学年だったそうだ。
(幹事長)「お前かっ!朝青龍を投げ飛ばしたという女の子はっ!」
(中山)「腕、折られんかって良かった」
(行本)「あ、あの、僕も対戦したいけど、ぼ、僕、実は左利きなんだ〜」
(中山)「あっ、そうや。思い出した。僕も実は左利きやったんや」
(幹事長)「そうそう、僕も左利きやったわ。忘れとったわ。小さい頃に矯正されて」
(F川)「そうそう、私の彼も左利きよ」
と言うことで、本来ならペンギンズは長い長い休みに入り、次のレースは10月の塩江マラソンだったんだけど、今回は直接対決が回避できない状況となり、9月の屋島一周マラソンに全員強制参加となった。暑い夏を走りきった者だけが手にすることができる栄冠は誰の手に!ウキッ!
〜おしまい〜
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