第16回 加古川マラソン大会
それは11月中旬の事であった。部下の石材店と一緒に取引先企業と大事な打ち合わせをしていた。すると、石材店に電話がかかってきた。大事な打ち合わせの最中なので、「今、会議中ですから」とか言って、すぐに切るものと思っていたら、石材店は話しながら会議室を出ていってしまう。しばらくして石材店は何食わぬ顔で会議に戻ってきたが、「会議中に電話しながら出ていくなんて、ビジネスのイロハも分かってない奴じゃ。この大事な会議を何と心得ておるっ!」と怒った僕は、きついお灸を据えてやらねば、と思い、会議が終わってから鋭く追求する。
(幹事長)「お前、さっきの電話は、一体何があったというのじゃほい?」
(石材店)「それが幹事長!大変な事態発生です!福知山マラソンが台風のせいで中止になりましたっ!」
(幹事長)「ななな、なーんとっ!」
しばらく呆然として声も出なかった。つい先月も、一年のうち一番楽しみにしていた塩江マラソンが台風で中止になったばかりだ。それに続いて、福知山マラソンまでもが台風で中止となっ!こりゃ仕事どころではないっ!
(石材店)「これって、福知山マラソンの記事そのままやないですかっ!」
(幹事長)「すまんすまん。しかし、今回のレースは、これが発端やからなあ」
1年で一番楽しみにしていた10月の塩江マラソンに続き、夏前から万全の体勢で準備をしてきた福知山マラソンまでもが急遽、レース直前になって中止になってしまったもんだから、ものすごい欲求不満が残ってしまった。本当に忌々しい台風である。せっかく、今年は暑い夏場も我慢してトレーニングを積んできたのに、このまま終わっては、この欲求不満の持って行き場が無い。特に、石材店は、初めてのフルマラソンということで、今年は気が狂ったようにトレーニングを積んできたのだ。
と言うことで、急遽、石材店と一緒に、まだ参加申し込みが可能なフルマラソンを探した。もちろん、たいていのレースは2ヵ月前くらいには申し込みを締め切っているので、そう簡単に代替レースが見つかるわけはない。ところが、兵庫県加古川市で12月23日に開催される加古川マラソンという聞いたことのないマイナーなフルマラソン大会が、急遽、申込期限が延長されたとのことなのだ。本当は申し込み期日は過ぎていたのだが、おそらく、関西地区で1、2を争うメジャーなレースである福知山マラソンが急遽中止になったため、その代替レースとして加古川マラソンが一気に注目される事を予想しての決定だと思われる。
この加古川マラソンって、一体、どんなレースなのか。開催要領をみると、参加申し込みは1500人で締切りってなっているが、去年の参加者も1000人ちょっとなので、なんの問題もなかろう。っていうか、そもそも参加者が少ないから急遽、申込期限を延長できたのだろう。
関西地区のフルマラソン大会でありながら、なぜ、このようにマイナーなのか。調べてみると、ほんの一昨年まではハーフマラソンしかなかったようだ。フルマラソンは去年からの実施だ。まだまだ知名度が無いのか。
しかし、よくよく調べてみると、不人気の根本的な要因はコースにあるようだ。なんと、このコースは日本でも、というか、世界でも聞いたことがない常設のフルマラソンコースなのだっ!フルマラソンに常設コースなんて存在するのかっ!?って思うのだが、これが、あなた、河川敷のコースなのよ。つまり、何の変哲もない河川敷を延々と走るコースなのよ。
(幹事長)「うわあ、見るからに、つまんなそうなコースやなあ」
(石材店)「競技場を延々と105周も走るよりはマシですけど、絶対に飽きますねっ!」
(今回、替わりのレースを探して色々と調査したら、競技場のトラックを延々と走るレースもあるのね。びっくり)
(幹事長)「そやっ。女子陸上部員に聞いてみようっ!」
実は、当社の正式な陸上部の女子チームが、最近、この加古川のレースを走っているのだ。陸上部の女子実業団の関西地区予選は、例年、11月に淡路島で開催されるのだが、なんと、この淡路島のレースも大雨の影響で急遽、中止になってしまったのだ。この関西地区予選は、全国大会の出場チームを決める大事なレースなので、一体どうなるのかなあ、と心配していた。普通、レースをやるとなると、何ヶ月も前から準備しないとできないから、急遽、開催することなんて不可能だからだ。ところが、なんとレース予定日の数日前になって、急遽、加古川で代替レースが開催されることになった。一体どうして、そんな事が可能なのか?と不思議に思っていたら、そこが常設のマラソンコースだったのだ。常設コースだから、いつでも急にレースを開催できるのだ。当社陸上部の女子チームは、見事、このコースでの予選を勝ち残り、全国大会への出場を決めたのだが、その時の様子を聞いてみたのだ。
(幹事長)「こないだ走った加古川のコースって、どんなん?」
(陸上部)「河川敷で風が強かったですねえ」
(幹事長)「でも坂は無くてフラットなんやろ?」
(陸上部)「いやあ、坂もありましたよぅ」
なんで河川敷に坂があるんや、と思ったら、途中でコースが対岸に行ったりするので、橋を渡る時に坂があるようだ。ふむ。必ずしも超フラットな訳ではないらしい。ま、それでも小豆島タートルマラソンや塩江山岳マラソンに比べたらフラットやろう。それより、風が吹き抜けるってのが心配だ。12月の末ともなると、気温もかなり低めだろう。それで風が強かったりすると、かなり寒くて走りにくそうだ。寒がりの僕としては懸念材料だ。てことで、慌ててユニクロへ走り、安いウィンドブレーカーを買う。寒かったらウィンドブレーカーを着て走ろう。
とにかく、台風で中止続きの本年最後のレースである。長期間のトレーニングの成果を見せてあげようじゃないの!
レース当日、早朝の電車に乗り込む。加古川って、行ったこともないし、慣れない土地なので、何があるか分からないので、不測の事態に備えて早めに出発する。ただでさえ早起きは苦手なのに、この寒い時期の早起きは、かなり厳しい。寒い電車に震えながら乗っていると、途中の駅から石材店が乗り込んでくる。
(幹事長)「寒いなあ」
(石材店)「やっぱり12月末のレースは辛いですねえ」
ただし、加古川は、意外と近い。福知山に比べると近いとは言え、それでも兵庫県なので、だいぶ時間がかかるかなあ、と思ったけど、高松から僅か2時間で行ける。楽勝だ。
(幹事長)「小豆島オリーブマラソンより、よっぽど便利やな」
(石材店)「ほんまですね。オリーブマラソンは始発電車に乗っても船に間に合いませんからね」
電車でチビチビとパンやバナナをかじりながら順調に加古川の駅に着く。ここで最後のトイレを済ませておくのが基本だ。マラソン大会の現地にある仮設トイレは、普通は長蛇の列になって、いざというときに間に合わないのだ。
(石材店)「あっ、あそこにトイレ発見!」
石材店がさっそく案内板を見つけて小走りに駆け込む。が、しかし、案内板はあるのに、トイレが無いっ!
(石材店)「トイレが無いですよ?」
(幹事長)「しかし、案内板は、ここを指してるぞ」
(石材店)「あれっ?この案内板、ちょっとおかしいですねえ。これって、トイレじゃないかも」
なんと、よくよく案内板を見ると、トイレとは微妙に異なる。
(石材店)「これ、エレベーターとクリニックの案内板ですぜっ!」
こなな紛らわしい表示をするなっ!
紛らわしい表示
結局、駅ではトイレを発見することができず、大きな不安を抱えたまま現地へ向かう。どうやって現地に行くのかも分からないのだけど、それらしい人がいっぱいいるので、後を着いていくと、シャトルバスがいっぱい並んでいた。バスであっという間に現場に着く。
ろくに人もいないような超マイナーな大会を想像していたんだけど、現地に着くと、意外に人も多い。一人前にゴールのアーチもある。
(石材店)「思ったよりはマシですね」
(幹事長)「最近の塩江マラソンに比べれば、はるかに賑わっておるな」
周りを見ると、結構、本格的なランナーが多い。
(石材店)「もしかしてレベルは高いレースかも」
(幹事長)「ほんまやなあ。こんな単調なコースでフルマラソンを走るなんて、記録狙いの連中ばっかりかも」
コースはフラットなうえ、今日は天候も絶好のコンディションとなった。雲一つ無い快晴で、日があたると寒くない。風もないし、これなら好記録が狙えるかも。
(石材店)「僕は3時間半を狙いますよっ!」
初フルマラソンだというのに、石材店は高い目標を掲げる。彼のスピードと、このコースを考えれば、決して無理な目標ではないが、大丈夫かなあ。
(幹事長)「僕は4時間半を目標にしよっと」
石材店の目標と大違いだが、無理をせず、淡々と完走しよう。
ボチボチの賑わい
スタートが近づいてきたので、トイレを探す。普通のレースだと、仮設トイレがズラッと設置され、それぞれに列ができるのだが、大の人と小の人が混在しているため、自分の列に大の人が多かったりすると、いつまでたっても順番が来ずに、結局、用を足せないまま時間切れになったりする。しかし、ここでは大と小がきちんと分けられているうえ、それぞれの列も一本化されていて不公平がないシステムだ。他のレースも、ぜひ見習って欲しいな。
僕らがトイレに並んでいると、向こうの方から開会式らしい声が聞こえてくる。しかし、その割には「開会式をしますから選手のみなさんは集まってください」てな放送がない。関係者だけで勝手にやっている。なんでやろ、と気になって行ってみると、河川敷なので、選手が集まれるような場所が無いのね。それで片隅でこぢんまりとやっているのだ。
ところがっ!ここで大発見。
このレースのゲストは、今年の名古屋国際女子マラソン2位で、アテネオリンピック10000m代表の大島めぐみ選手なんだけど、この子が可愛いっ!
(幹事長)「どしたん、これ。マラソン選手とは思えん可愛さやんかっ!なあ、石材店・・・」
と横を見ると、石材店がいない。彼は既にカメラ小僧となってかぶりつきで写真を撮りまくっていた。
ゲストの大島めぐみ選手
天気も良いし、ゲストも可愛いし、こら好記録の予感。
記録を狙う石材店が前の方からスタートするので、僕も一緒に前の方からスタートする。本当は、そんなに前からスタートすると、バンバン抜かれて精神的に良くないのだけど、今日は淡々と完走するのが目標なので、他の選手に抜かれても気にはしない。
しかし、やはり前の方からスタートしたのは、間違いだったかもしれない。どうしても周りの速いペースに惑わされて、ついつい速くなってしまう。最初の1kmのタイムを見てびっくり。こら速すぎる。いかんいかん。ぐぐっとペースを抑えるのだけど、それでも、なかなか安定しない。5km辺りになって、ようやくペースも落ち着いてくる。このコースは常設のマラソンコースとあって、1kmごとに距離表示があり、非常に参考になる。
(石材店)「屋島一周マラソンのように間違いだらけの距離表示なら無い方がマシですけどね」
コースは、まず川の東岸を北上し、10kmほど走ったところで折り返す。3kmほど戻ったところで橋を渡って川の西岸に移る。そこから10kmほど南下し、折り返して北上して橋に戻ってくる。再び川の東岸に戻り、スタート地点まで南下する。てな感じ。
まずは最初の10kmが肩慣らし足慣らしだ。コースはひたすらフラットで、風もなくポカポカ暖かい。て言うか、むしろ暑いくらい。厚めの長袖シャツを着込んできたので、汗びっしょりになる。これは失敗だったかも。半袖で良かったかなあ。抑え気味に走っているが、タイムは好調。ちょっと速い気もするけど、調子が良いのなら、多少速くても大丈夫だろう。走るのが楽しい状態。折り返す少し前で石材店とすれ違うが、時間を計算すると、彼も順調に飛ばしている。
折り返してしばらく走り、坂を上って橋を渡り、いよいよ対岸に移る。ここからの20km余りが本番だ。少しずつペースも落ちてきたが、まだまだ大丈夫だ。20km地点でのタイムは、事前の計算より、まだ少し速いペースだ。なかなか順調な前半だ。しばらくすると、第二の折り返しを戻ってくる石材店と再びすれ違うが、相変わらず彼も快調なペースだ。
ところが、この辺りから空がにわかに暗くなる。ポカポカ暑かったお日様がいなくなり、どんよりと曇った空に。しかも強風が吹き始める。風は北風なので、第二の折り返しの後は、もろ向かい風になる。南へ走っている時は風が無かったのに、北に向かい始めると風が出てくるなんて、不公平じゃありませんか。おまけに、なんと、小雨までぱらついてくる。小雨くらいはどうってことないけど、冷たい北風に向かって走るのは、走りにくいうえに、体が冷え切って辛い。ここまでコンディションが悪化するとは思わなかった。タイムを見ると、ペースが急激に落ちている。想定外の落ち込みようだ。第二の折り返しから橋まで戻る10kmは非常に厳しかった。前半の貯金も使い果たし、タイム的にも非常に厳しい状況。目標の4時間半は無理かも。
橋を渡って川の東岸に戻れば、後は7km程度を南下するだけだ。ここで北風は追い風に変わる予定だったが、なぜか天候が回復しちまった。追い風はなく、またお日様が出てきた。冷え切った体には暖かい方がいいけど、追い風は欲しかったなあ。
だが、北風に向かって厳しく走っている時は、根性の無い僕でも、なんとか頑張っていたのだけど、風も無くなり、ゴールまであと少し、って思い始めると、なんとなく気合いが抜けていき、足は急速に重くなる。「どうせ、もう4時間半は無理だし、もう頑張っても仕方ないよなあ」とか「ここまでくれば、あとは歩いてもゴールまで行けるよなあ」とか、悪魔の囁きが聞こえてくる。こなな囁きが聞こえてくるようになれば、その時点で敗北だ。後は時間の問題だ。あと5kmくらいのところで、遂に我慢できなくなって歩いてしまう。歩き始めると、今度は、歩くのも辛くなる。そして、遂に立ち止まる。さらに、しゃがみ込む。「あ〜。なんて気持ちいいんだっ!」一度、しゃがみ込んでしまうと、もう駄目ね。再び歩くのがやっとで、もう走る事なんてできない。後は時々休みながら、ひたすら歩き続けるのみ。重い足をひきずって5kmも歩くなんて、それはそれなりに結構しんどい。あ〜ん。
ようやくゴールにたどり着くと、長時間待ち続けてしびれを切らした石材店が声援を送ってくれる。
他の追随を許さない圧倒的な速さで圧勝した筆者
(石材店)「どっかで死んどんかと思いましたよ」
(幹事長)「一回歩き始めると、もう、いかんなあ」
(石材店)「これじゃあ完走とは言えませんよ」
(幹事長)「そうやなあ。今回は完歩やな。ところで初フルマラソンの石材店くんのタイムはどうやったん?」
(石材店)「ふっ。3時間22分でしたね」
(幹事長)「げげげげーーーーっっっっっっ!さんじかんにじゅうにふんとなっ!?」
こら、すごい。すごすぎ。ペンギンズの過去最高タイムは竹葉皇帝ペンギンが持つ3時間30数分だったと思う。3時間半を切った記録は無い。それを初フルマラソンでたたき出すなんて、石をも砕く石材店の力!
(幹事長)「ペース配分はどうやったん?」
(石材店)「最初から最後まで、ずうーっと同じでしたね。1kmを4分50秒弱のペースで最後まで変わらずです」
がおーっ。そら、すごい。すごすぎ。最後までペースが落ちないってのがすごい。
(幹事長)「気が狂ったみたいにトレーニングした成果があったなあ」
(石材店)「トレーニングもあるし、コースもフラットでコンディションも良かったし、全てがうまくいった感じですね。
自分でも、もうこれ以上の記録は出ないと思いますね」
それに比べて、僕の方は完走ならぬ完歩だなんて、ちょっと情けないぞ。後半に天候が悪化したのもあるけど、やはり前半が少しオーバーペースだったと思う。最初に調子に乗って走り過ぎたのが最大の敗因だろうなあ。高橋尚子状態で惨敗した今年初めの丸亀マラソンと同じ敗因だ。ペース配分が難しいなあ。
初フルマラソンでペンギンズ新記録を打ち立てた石材店
天候は回復したと言っても、最後は歩きっぱなしで体が冷え切った。このような時、香川県のレースなら、うどんの配給があるのだが、加古川では、うどんはタダでは食えない。なんと200円もかかるのだ。しかし、背に腹は代えられない。200円払ってもうどんを食わない訳にはいかん。
(石材店)「幹事長。甘いですよ。うどんは、とっくに売り切れですよ」
(幹事長)「ななな、なんやてーっ。わしがゴールするのが遅かったからか」
(石材店)「それがですな。僕がゴールした時でも既に売り切れてました」
なんじゃそれは。加古川のうどん屋は、最初からやる気が無いのか?
(石材店)「今年は参加者が異様に多かったからですかねえ」
確かに、去年は1000人程度だった参加者が、今年は2000人以上もいる。福知山マラソン中止の影響で参加者が急増したようだ。
(幹事長)「はた迷惑な話やなあ」
(石材店)「僕らもそうですがな!」
(幹事長)「うどんが駄目となると、当然、ぜんざいも売り切れか」
(石材店)「ぜんざいは、僕がゴールした時は、まだありましたけど、走り終わってゼイゼイ言うてる時にぜんざいを食べる気はしませんねえ」
うどんには有り付けなかったものの、快記録を樹立して、いつまで経ってもアドレナリンを分泌しまくりの石材店に引きずられながら帰途に着くが、僕は足取りが重くて歩くのも一苦労。
(幹事長)「足が痛いよう。寒いよう。お腹が空いたよう!」
(石材店)「子供みたいに駄々をこねんと、さっさと歩いて下さいよ」
ようやくたどり着いた駅のホームで駅そばなるものに有り付いた。
(石材店)「この麺、妙に白いですねえ」
(幹事長)「ほんまやなあ。これ、ほんまに、そばか?」
よくよく見ると、なんと、ダシはそば用だけど、麺は中華麺という名物「駅そば」だった。
(幹事長)「名物か何か知らんけど、あんまり、うまくないなあ」
ようやくありついたそばが不発だったので、ますます不機嫌になる。
と、石材店がいきなり走り出す。歩くのもヒィヒィ言ってる僕に対する嫌がらせかっ!と思ったら、なんとVリーグの久光製薬スプリングスの選手達がいるではないのっ!って、僕はよく知らないのだけど、石材店は、こういうのが詳しく、すぐさま成田選手を見つけ、強引に記念写真をお願いする。
(石材店)「すみません。一緒に写真撮らせて下さいまし」
(成田)「なんとっ!四電ペンギンズの皆さんじゃないですかっ!私、大ファンなんですよ。いつも応援してます。
うわあ、こんな所で会えるなんて感激ですっ!こちらこそ一緒に写真撮って下さいな」
久光製薬スプリングスの成田選手
(石材店)「あんまり嘘書いたらいかんですよ」
(幹事長)「気持ちよく写真撮らせてくれたから、えーやないの」
彼女たちは、その日、兵庫県内で試合があり、次の予定地の山口県を移動する途中だった。ああいうプロ選手って、全国を巡業しながら戦っているんだなあ。僕らのような気楽なお遊びレースとは違うのよねえ。ご苦労さんです。
てことで、久しぶりのフルマラソンでしたが、見事、惨敗しました。今回は、練習不足とも思えないから、やはりペース配分の失敗だったのかなあ。それとも、何かもっと根本的な所で僕は道を間違っていたのだろうか?さすがに当日は、がっくりと落ち込んでしまい、今後の展望が見いだせないまま、引退の文字が頭をちらついた。
(石材店)「引退ってのは、もっと真面目にやってる人が使う言葉ですぜ、だんな」
(幹事長)「じゃ、開店休業ってのは?」
(石材店)「まさか春までトレーニングをサボる言い訳ですかな?」
ま、しかし、翌日には、「次回は雪辱じゃ!」と、あっさり立ち直る私であった。
〜おしまい〜
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