PIC16F886(28ピン)を使った赤外線学習リモコン(35種類記憶)

●概要
 PIC(ワンチップマイコン)を使って家電製品等の赤外線リモコンの信号を記憶し送信もできるものです。所有している車のキーレスエントリーの信号も記憶できました。
 記憶方法は、いわゆる「ベタ記憶」方式です。パルス列それぞれの時間を測定し、それを記憶する方式です。全部で35種類のコードを記憶することができます。電池駆動を想定し、記憶時と送信時以外はスリープモードとし消費電力を抑えています。以前19、15種類記憶型を作成しましたが、それらの課題点を改良し、また、PICの記憶容量をフルに生かした学習リモコンです。私のレベルでは、同PICを使い、これ以上手の加えようがないぐらい努力した学習リモコンです。

●お送りする部品リスト
部品名 型式等 数量
PIC 16F886 1個
赤外線LED 型式不明 1個
受光モジュール PL-IRM0101-3※ 1個
タクトスイッチ 型式不明 8個(色は不定)
電源用コンデンサ47〜100μF程度 1個
コンデンサ 数μF程度 1個
動作確認用LED 赤、緑など、不明 1個
抵抗 4.7, 1kΩ 1式

 ※PICをテスト回路に差し替えて動作確認したものを出荷します。
 ※セットではタクトスイッチは8個ですので、記憶できる信号は7種類となります。それ以上の記憶をする場合は、別途スイッチを調達していただく必要があります。
 ※PL-IRM1261-C438または互換品の場合があります。

●仕様
 ・流通している全てのリモコンが記憶できる保証はありません。ただ、以前作成した15種類記憶型で記憶できなかったものも記憶できるようになりましたので、対応機種は増えたものと考えています。
 ・赤外線信号は約38KHzで変調されています(38KHz以外のものは記憶できません)。
 ・信号はFlash ROMに記憶されるので電源を切っても消去されません。
 ・長押しした際に通常送信されるリピートコードは記憶、送信出来ません。
 ・記憶のための電源電圧は約5Vが必要です(下記の製作例では単3電池3本を使っています)。この制限は赤外線受光モジュールの電源の規定とコード記憶するためのフラッシュメモリの書き込みのためのものです(PICの仕様上5.5Vは必要です)。
 ・送信だけなら3Vでも動作します(このPICは4V以上で使用することになっており、また、コードを記憶しているFLASHメモリにアクセスするためにはさらに高い5.5Vが必要と言うことになっていますが、実際上は3Vでも動作します。保証はできませんが)。
 ・一般的には赤外線LEDをドライブするためにトランジスタ等を使用しますが、このセットは、製作を容易にするために、PICの出力を並列にし比較的大きな電流が流せるように考えました。一般家庭の用途なら問題ないと思いますが、さらに距離を伸ばすためには、トランジスタなどでLEDのドライブ回路を構成する必要があると思われます。下記写真の製作例のもので、居間のテレビをコントロールしたところ部屋の端の約8m(部屋が狭いのでこれ以上は離れられません)まで動作しました。
 ・以前のPIC16F88を使用したセットでは、メモリーに保存する際のデータ圧縮をしていました。このセットでは、以前のものと比べて長い信号を記憶でき、分解能を上げ、さらに圧縮せずに保存していますので、より汎用性が上がったと思っています。

●仕様詳細
 ・赤外線記憶のサンプリング周期(分解能)は、リーダー部が約0.13mS、データ部が約0.03mSです。
 ・記憶できるパルスの最長は、リーダー部が約33mS、データ部が約8mSです。
 ・記憶できるパルス列はリーダー部を含め168ビットです。大半のリモコンは128ビット以下のようです。
 ・操作をしていない待機時の電流は0.2〜0.5μA前後(電源電圧が5Vの時、代表値)です。当方のテスターでは正確に計れません。

●記憶できたリモコン・記憶できなかったリモコン
 家にある記憶できたリモコンを集めて下記に写真として掲載しています。ただし、すべてのボタンの動作確認をしたわけでは有りません。記憶できなかったリモコンは有りませんでした。

●操作方法
 1.記憶SWを(短時間)押すとステータスLEDが点灯します。
 2.ステータスLEDが点灯した状態で、記憶に割り当てたいスイッチ(35個のうち1個)を押します。すると一瞬ステータスLEDがまばたきします。
 3.赤外線受光モジュールに向けて、記憶したいテレビ、DVDなどのリモコン信号を発します。(長押しはしないでください)
 4.記憶できた場合はステータスLEDは消灯し、記憶できなかった場合は、ステータスLEDが数回まばたきします。
 5.以上で記憶は終了しましたので、割り当てたスイッチを押せば記憶した信号を発します。
 6.1の操作をキャンセルしたい場合は、再度記憶SWを押します。

●記憶する際の注意事項
 赤外線受光モジュールは感度が高いので、蛍光灯等によって大きな影響を受ける場合があるようです。記憶する際はできるだけ暗い場所で行うことをおすすめいたします。

●応用例
 ・リモコンの複製

★仕様変更対応の範囲
 仕様変更は不可能です

★関連部品の追加お取り引き
 ココに一覧表があります。必要な部品がございましたらご連絡ください。



製作例(写真ではタクトスイッチをフル実装、赤外線LEDを2個実装しています。)


製作例


製作例(アクリル板に両面テープで貼り付けました)


製作例(電池ケースは持ちやすいように横にずらしています)


回路図(注意:点線内はオプションのため、標準セットに含まれません。
PICの10,12番ピンは、モニタLEDを実装しない場合でも、接続してください。


記憶できたリモコンを集めました。これ以外にシャワートイレ用、トヨタ製キーレスエントリー(10年前の車)が記憶できました。


ストレージオシロを使ってリモコン信号を取り込みました。
オリジナルの信号が下、学習リモコンで記憶し送信した信号が上です。
横軸は2.5mS/DIV、縦軸は5V/DIVです。両者とも論理反転しています。


●オークション関係トップページへ(他にもいろいろと出品しています)
●PIC関連の出品物の入札を考えている方に(必ずお読み下さい)