剪定の極意(学習編)

地元シルバー人材センターでは、毎年、剪定講習を行っている。
本格的な剪定作業に携わる前に、一度受講した。
松とウバメガシを剪定したように覚えている。
松の剪定は、経験が少ないため、教えられてもなかなか理解できなかった。

そのような状況の中、その後、本格的に剪定作業を行いだした。
経験豊富な先輩に、いろいろと教わりながら剪定経験を重ねてきた。
当然、最初は、簡単な雑木の剪定から始め、次第に難度の高いものに取り組んだ。
しかしながら、松の剪定はさせてもらえなかった。
先輩が、松の剪定をしているのを横目で見ながら、カイズカやウバメガシなどを分担した。
シーズンの中盤頃、松をやってみろと言われ、剪定した。
初めてやってみて、剪定スピードの遅さと仕上がりの悪さに愕然とした。
先輩がしたのと比べると、違いがはっきりと分かる。
何故かと考えると、松の剪定の仕方をまだ十分に理解していなかったからである。
私の実力が分かったためか、その後、枝ぶりのいい松は受け持たしてもらえなかった。

3年目になり、本格的に松の剪定を分担した。
最初に去年と同じ松を剪定したが、仕上がりは全く違っていた。
先輩がしたものとほぼ遜色がないレベルでの仕上がりであった。
しかしながら、剪定スピードは、まだ追いつけない状況であったが、これは経験を積まないと出来ない。
その後は、次々と松の剪定を任せられ、一応自信がついた。

この様な中、2年ぶりに同じ剪定講習を受講した。
以前も受講したのでどうかなと思ったが、仕事が無い時期であったので受講することにしたのである。
だいぶん剪定経験が出来たので、受けてもあまり収穫はないだろうと思っていた。
と、ところがそうでなかったのである。
経験していたため、先生が教えてくれることが、よく理解できるのである。
特に、松の剪定では、今までやっていたことの間違いがはっきりしたことが、大きな成果であったと思う。
講習を受けないでいたら、ずーと同じやり方で剪定を行っていたと思う。
という事は、年が経つほど取り返しがつかない樹形になっていたかもしれない。
全く同じ講習でも受けてみる価値がある事がよく分かった。

今回の講習の成果をかいつまんで話してみたい。
ただし、これは松の剪定の場合である。
①強い枝や強い芽から切る。
長く間延びしている強い枝や芽を先に切り、小さな枝や芽を残す。
そうすることで、枝が切り詰められ、締まった枝ぶりにできる。
②立枝を切り取る。
立枝は、松では忌枝になる。
これを切り取ることにより、枝ぶりが良くなる。
③枝の元の方から出た芽や枝を大事にし、残しておく。
枝の元の方から芽はなかなか出ない。
出た芽を大事にすることは、将来の事を考えてからである。
その芽がいい枝ぶりに作れたら、格好の悪い以前の枝から切り替えられるからである。
しかし、長い時間がかかるが、これも育てる楽しみである。
④下向きの芽を残す。
これは、私が間違っていた一番の事である。
今までは、上向きの芽を残し下向きの芽は切っていた。
しかしながら、そうすると枝がどんどん上を向いた枝となるのである。
水平や下向きの枝ぶりに仕立てるには、下を向いた芽を残しておかなければならない。
⑤葉もみの裏技。
ワン・ツー・スリーの手順ですれば、簡単に葉もみが出来る。
しかし、これは、実際にするところをお見せしないと分からない。
また、裏技なので、簡単には教えられないのである。

と、まあ、このような極意を得て、剪定技術にさらに磨きがかかったと思う。

いい仕事してますなーと言われるように頑張りたいと思う。