ラズリはラピスと別れた後リズクとマルヤムの所に来ていた。

マルヤムが淹れてくれたチャイを飲みながら経緯を説明していたのだが…

「…なんでお兄ちゃんにあんな事言われなきゃいけないの!」

ラズリは机を強くたたいた、その振動で机に乗っていたカップが揺れた…

「ラズリさん…落ち着いてください…」

「ラズリちゃんも大変ね、でもね、ラピスくんはラズリちゃんが心配なんだと思うわ」

マルヤムはそう言って自分用にとラズリたちの物とは別に入れたチャイを一口飲んだ。

「それが大きなお世話なの、大体いつもいつもわたしのしようとする事に文句ばっかり言って…

だからわたしはこの大会でお兄ちゃんに勝ってもう口出しさせないようにするんだ」

ラズリはそう言ってチャイを飲みほした。

「でも…ラピスさんに勝てますか?」

「何言ってんの、わたしがお兄ちゃんに負けるって言うの?」

「そうね…普通に考えたらラズリちゃんの方が不利だと思うんだけど…」

「大丈夫だよ、だって今まで一派お練習して腕をあげたし、さらに三賢人の爪で一杯勉強して新しい歌を覚えた今ならお兄ちゃんにも勝てるはずだよ。
 まぁ、お兄ちゃんは誰かと組むと思うけどそれ位じゃわたしとの差は埋まらないし」

ラズリは胸を張って言った。

「すごいです!」

「…でも、腕をあげたことや勉強したというのはラピスくんにも同じ事が言えるんじゃないのかしら?」

マルヤムのその一言でラズリは固まってしまった…

「だ、大丈夫だよ、だってわたしの方が…ゴホッ」

ラズリは動揺を隠そうとしてカップに入っていたチャイを口に含んだ、がその瞬間盛大にむせ返した。

「ラズリさん!?」

「あらまぁ、ちょっとラズリちゃんには辛かったかしら…」

その後、ラズリはマルヤムに背中をさすってもらったりリズクに水を持ってきてもらったりして

何とか持ち直したが目には涙を浮かべていた…

どうやらラズリは間違ってマルヤム用のチャイを飲んでしまったらしい。

「ラズリさん、落ち着いてください。ラズリさんならラピスさんにだって負けません」

「そうよ、まだ慌てるのは早いわ、自信が無くても他の人と組むという手も残ってるじゃない」

「そうだ…その手があった…リズくんお願い!
 お兄ちゃんに勝つには三賢人の爪で一緒に練習したあの歌しかないの!
 わたしにはリズくんが必要なの!」

ラズリはリズクにすがるように抱きついた。

「えっと…ぼくでよければ手伝いますから…その…離れてください…」

「本当? ありがとう、これでわたしが勝ったも同然だね!」

ラズリは更に強くリズクに抱きついた。

(リズくんとラズリちゃんが組んでラピスくんと対決…とても可愛い対決になるわね…)

マルヤムはラズリたちの対決を想像してときめいていた。



後書き

というわけでラズリはリズクさんと組みました。

マルヤムさんとリズクさん(一磋さん)お借りしました。


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