兄妹対決した次の日、ラズリは自分の部屋にシーリーンとマリアール呼び出していた…

「あの…ラズリちゃん、急に呼び出すなんてどうしたんですか?」

「実は、二人に大事なお話があるの」

「お話ですか?」

「金銀音合戦でわたしと組ませてあげる!」

ラズリはビシッと二人を指差してそういった。

「え、でもラズリちゃんは確かリズク君と組んでいたはずじゃ…」

シーリーンにそう言われるとラズリの表情は一気に曇っていった…

「…リズくんは、『おやびんさま』の手伝いがあるからって…」

「おやびんさま?」

「リズくんを子分にしてるイルびんとかおるびんとかいう呪術師だよ!

 体のあちこちによく分かんない落書きを描いてて、いつもいつもリズくんをこき使ってて、

 それで自分はお金を稼いでるくせにリズくんにあげるのは飴だけだし。

 なんでリズくんはあんなのの子分になったんだろ、わたしの方がリズくんの親分にふさわしいのに!

 いつか絶対わたしがあいつからリズくんを奪い取ってやるんだから!」

「ラズリちゃん、落ち着いて…」

「あ、マリアールも子分になりたかったらいつでも言ってね、歓迎するから」

「あの、マリアールちゃんはそういう事を言いたかったんじゃ…」

「リーンも安心して、子分が何人になっても皆おんなじように大切にするから」

「いえそういう事ではなくて…それでなぜラズリちゃんは私たちを選んだんですか?」

「ああ、そういう事? それは…」

ラズリの暴走が治まり、話が元に戻ってシーリーンとマリアールは安心したが…

「かっけつシスターズの復活だよ! もうお兄ちゃんに勝つにはこれしかない!」

予想斜め上の発言にきょとんとしてしまった…

「ええと、ラズリちゃん?」

「なに?」

「かっけつシスターズというのは、以前宴会で一緒に歌った時のあれですか?」

シーリーンは戸惑いながらラズリに尋ねた

「そうだけど、それがどうしたの?」

「………分かりました。でももう一つ聞かせてください、どうしてそこまでラピス君に勝つ事にこだわってるんですか?」

「えーと…それは…ほら、お兄ちゃんっていつもわたしを半人前扱いでしょ?

 だからお兄ちゃんに勝って安心させ…じゃなくて見返してやりたいの」

「ラズリちゃん…分かりました。一緒に頑張ってラピス君を安心させましょう! ねえ、マリアールちゃん!」

「はい、頑張りましょう!」

「そうじゃなくて見返す為なんだけど…まあいいや。かっけつシスターズの復活だよ、

「「おー!」」

ラズリは新しい仲間を見つけ、再びラピスに立ち向かおうとしていた。





一方ラピスの方はラナーシャがアイリーヤとの約束があるからと断られ、ラピスもまた新しい相方を探していた。

色んな詩人や楽士に声をかけていたが金組に参加していたり、相性が悪かったりとなかなか見つからずにいた… 

「お願いします! もうあなただけが頼りなんです!」

「…分かったよ、組んでやるからもう騒ぐな」

「あ、ありがとうございます!」

ラピスも相方を見つける事が出来たが、その相方は意外な人物だった…



あとがき

喀血シスターズについては二周年企画のたまださんの作品を参照にしてください。

シーリーンさん(たまださん)、マリアールさん(藤乃蓮花さん)、???さん(??さん)お借りしました。


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