ラズリはラピスを引き連れて町の中心にある湯屋に来ていた。
「ここから別々だけど、あまり周りに迷惑な事はしないように…ってどこいったの!?」
ラピスがラズリがいない事に気付いて辺りを見回すと、ラズリは少し離れた所でラティファと話していた。
「ラズリ! 何やってるの?」
「ラティが温泉で使えそうなおもちゃを作ったって言うから見せてもらってたの」
「君はラズリのお兄さんだね? 君も見ていかないか? ほらこれとか…」
ラティファは棒がついた筒のような物を取りだしてラピスとラズリに渡した。
「これは水鉄砲っていって水を飛ばすおもちゃなんだよ。まあ試してみてよ」
「ありがとうございます」
「面白そう、ねえ他には何かないの?」
ラズリはさらにラティファにくいついて色々見せてもらっていた。
ラピスは付き合いきれないと思ったのか先に湯屋に向かったが、入口で誰かに呼び止められた。
「あ、ラピスくんも温泉ですかー?」
「はい、『も』ってことはミトさんもですか?」
話しかけたのはミトだった。どうやらミトも温泉に入りに来たようだ。
ラピスはそんなミトを見て何か思いついたようだ。
「あの、お願いがあるんですが…」
「何ですか? 私にできる事なら何でも言ってください」
「頼みにくいのですが、ラズリの面倒を見てもらえませんか?
お礼はしますから、お願いします!」
「そんな事ならいくらでも構いませんよー」
「ありがとうございます! ラズリはあそこでおもちゃを見てるので…」
ラピスはそう言って先に湯屋に入っていった。
「ラズリちゃん、私たちも行きますよー」
ミトはおもちゃに夢中になっているラズリのもとにかけていった。
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