ここは黄金の丘のラクダ牧場、駱駝賭博で儲けようとする客がたくさんいた…
この近くでラズリが人を集めて何か企んでいるようだったが…
「こんな所に人を集めて何する気なの?」
ラピスはどこかいらついた様子でラズリに聞いている。隣ではリズクが不安そうな様子でラズリを見ている…
シャイールとラーシルもラズリに呼ばれてきていたようだがぼんやりしていたり一人遊びしていたりしている…
「何って…ここで歌うんだよ、それで皆にはわたしの手伝いをしてもらおうと思って集めたの」
「えっと、手伝いと言われても、まだラバーブは練習中ですし何を手伝えば…」
「リズくんは、この看板を持っていつも通りに客寄せしてくれればいいよ」
ラズリはそう言って『可愛い女の子が歌ってます』と書かれた看板をリズクに渡した…
「ちょっとラズリ、いつも通りって…いつもリズクにこんなことさせてんの?」
「あの…ぼくがいつもしているのはおやびんさまの客寄せです」
「………おやびんさま?」
「はい、おやびんさまです」
「…リズクがいいならそれでいいけど…」
ラピスはどこか腑に落ちない様子だった…
「次にシャイール、ちょっとこっちに来て」
「なに」
「これとこれを持ってわたしの近くで立っててね」
「わかった」
ラズリがシャイールに渡したのはつぼと『お金はこちら』と書かれた看板だった…
「ラズリ! お金集めぐらい自分でやってよ!」
「えーべつにいいでしょ」
「…おかねってなに?」
「…お兄ちゃんに聞いて」
「え、ぼく?」
「…おかねってなに?」
「えーとお金っていうのはこの丸いので…色違いで三種類あるんだけど…ここにあるのは銅貨だけなんだけど…」
ラズリはラピスにお金の説明をさせていると、ラーシルがやってきた。
「で、おいらは何をすればいいんだ?」
「ラーシルはわたしの護衛をしてくれればいいよ」
「分かった、ラズリを守ればいいんだな」
「ところで、いつもは一人でやってるのに何で今日は手伝ってもらってるの?」
「それはね…今日は一杯稼ぐ予定だから!」
「……は?」
「きっともうすぐここに駱駝賭博でいっぱい儲けた人がここを通るはずだよ。
 その人たちならいっぱいわたしたちにお金を払ってくれるはずだよ!」
「………」
ラズリの無茶苦茶で他力本願な計画にラピスは言葉を失っていた…
「わたしの完璧な計画に感動して声が出ないんだね」
「……もういいや…」
「そういうことで早速始めようか!」
「…はいはい、じゃリズク一緒に行こうか」
「はい」
ラピスはリズクを連れてどこかに行こうとした…
「あれ? お兄ちゃん、リズくんとどこ行くの」
「客寄せだよ、リズク一人じゃ不安だからね。何かあったらリビアンを使って連絡するから」
ラピスがそう言うと、ラピスの肩の上に連絡用のルフ『リビアン』が現れたそして…
ラーシルに食べられ…
「食べちゃだめー!!」
「わたしがおさえるから、リズくん後ろからガンッてやって!」
「えっ、ガンッですか?」
「シャイールも黙って見てないで引っ張り出して!」
「うん」
しばらくしてどうにかリビアンは無事救出された…
「何で食べるの!?」
「だって腹が減ってんだもん」
「だからって食べていい理由になんないでしょ!!」
「うんわかった、もう食べない」
「わたしのグラスもだめだからね」
「あの、ぼくのジャウハルさんも食べないで下さい…」
「わかった、わかった」
ラーシルは分かったと言っているが理解できているかどうかは怪しかった…
「もう行こうか…」
「そうですね…」
ラピスとリズクはもう疲れた様子で客寄せに向かった。
「じゃ、こっちも始めようか」
ラズリは二人を見送ってからいつも通り歌い始めた…



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