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2004.1.4 一部の者の顔が凍った。 「書面に御座いますように、羽崎グループの再編と言う事で、大きく、インテリア部門、販売管理部門、流通資材部門の3つに大別、その3つを羽崎グループ統括部門が統べると言う形を行いたいと思います」 「ちょ・・・っと質問致します」 蒼い顔で、市村が手を上げた。 「はい・・市村君」 「この、3部門をそれぞれ、取り仕切る役員分担については?」 「今からご説明申し上げます。その前に3部門はそれぞれ、独立採算制を持った、事業部にしたいと考えて居ります」
「質問致します」 市村が又手を上げた。 持ち株会社と言う事で、インテリア部門の羽崎専務は、順当、そして、家具木工部門の新川も順当。流通部門の山本も予想されていた、それぞれの会社配分だとして、組織で見る限り、市村の立場は、新川、米次の管理下にある部門であって、誰が見ても、閑職であった。 「はい、市村君どうぞ」 「その・・企画、マーケティングは主に、どう言った職務内容でしょうか?」 「企画課は、各イベント等の企画と新商品等の広告、各テナントの企画管理、マーケティング課は、市場調査です」 「はい・・分かりました」 不服そのものの憮然とした顔で、市村は座った。明らかに、第一線から外れた形で、現在の常務取締役と言うナンバー3の立場とは、比例しなかった。 「続きまして、増資に伴う、新部門についてご説明申し上げます。その前に、この独立採算性の形の採用についてのご意見はありませんか?」 ざわざわとはしたが、反対意見は特には無かった。 「それでは、グループ株式の配分についてご説明申し上げます。CI変更で、本社をHZKとし、グループ株式の50パーセントを保有します。残り50パーセントを、インテリア部門10パーセント、家具木工部門10パーセント、管理部門10パーセント、流通資材部門10パーセントとし、管理部長の市村君に2パーセント、インテリアショップ部門長の河野君に2パーセント、総務部部長の新川君に2パーセント、リフォーム部長の山本君に2パーセント、木材部長の木村君に2パーセントと致します。各持ち株部門には当面役員等は置かず、業績のある部門より、担当役員を推挙する形にしたいと存じます」 羽崎剛史専務、市村常務の顔が真っ青になった。今までの自分達の地位も立場も全てクリアになり、横一線に並ばれた形となって、今まで自分達の発言権を工作して来た人事も一新されたのだ。 |